カテゴリー「昆虫(その他)」の18件の記事

2008年12月24日 (水)

ハラヒシバッタ

 先日メダカチビカワゴミムシを掲載しましたが、今日は同じ日に同じケヤキの木にいたハラヒシバッタを紹介します。尤も、同じケヤキの木と言っても、ゴミムシが居たのは樹皮の裏で、このバッタが居たのは樹皮の表面です。
 以前はこの類のバッタは単にヒシバッタと呼ばれていました。しかし、最近は研究が進んで、ハラヒシバッタ、ヤセヒシバッタ、コバネヒシバッタ、ヒメヒシバッタ等に分けられたとのことです。最も普通なのがハラヒシバッタで、写真のバッタはこのハラヒシバッタとしてありますが、ヒシバッタ類については手持ちの資料がなく、別の種類の可能性もあります。

_0_080924_100
ケヤキの樹皮上に居たハラヒシバッタ
体長約1cm.見事な保護色
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/24)

 普通ハラヒシバッタを見るのは地面の上か背の低い草の上です。しかし、このヒシバッタは陽の当たるケヤキの木の高さ160cm位の所にいました。或いは、ハラヒシバッタではないのかも知れません。
 これまで余り樹皮の表面にいる虫に興味を持ったことがないせいか、こう言うところにヒシバッタが居るとは全然知りませんでした。実に見事な保護色で、地面に居るときよりも見付けるのがずっと困難です。このヒシバッタは本来樹上生活者ではないのか、と考えたくなる程です。
_0_080924_105
側面から見ても分かり難い
(2008/09/24)

 しかし、この写真を撮った後1ヶ月程経ってから、七丁目の「ファミリー農園」で西日の当たるコンクリートの壁にもヒシバッタがかなりの数張り付いて居るのを見付けました。この時は保護色の反対で、その存在はかなり目立ちました。こう言う少し高い陽の当たる所に居るのは、どうやら日向ぼっこが目的の様です。
_0_080924_106
背景をぼかして撮れば分かり易い
しかし、肉眼ではこうは見えない
(2008/09/24)

 ヒシバッタ類は直翅目バッタ亜目ヒシバッタ科に属します。バッタの仲間ですが、翅が退化していて飛べません。その代わり太い後腿節を使い、大きさに比してかなりの距離を跳びます。
 飛べないバッタ類としては、他にフキバッタやオンブバッタ等があります。
_1_080924_007
ハラヒシバッタの顔.クルマバッタモドキコバネイナゴとは
また少し違った顔をしている(2008/09/24)

 ハラヒシバッタは体色や模様の変化が著しいバッタです。しかし、多くは背中の菱形の部分(肥大した小楯板)の外側に、最初の写真で明らかな様に黒斑が1対あります。
_070724_2
黒斑の無いヒシバッタ.右後脚が無く、眼が潰れている
(2007/07/24)

 上の写真は昨年の夏に「三丁目緑地」で撮ったヒシバッタです。黒斑が無く、全身ほぼ一様の配色です。右後脚が無く、眼も潰れているので没にしていたのですが、無紋の例として復活させました。ヒョッとすると、別種のヒシバッタなのかも知れません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月17日 (水)

ウスグモスズ

 今日はこのWeblogで初めてのコオロギ科の虫を紹介します。と言っても、普通のコオロギではありません。クサヒバリ亜科のウスグモスズ(Usugumona genji Furukawa, 1970)と言う、体長6mm前後の小さな虫です。
 「四丁目緑地」の横に植えられている灌木(サツキ?)の上にいました。余り記憶が定かでないのですが、写真を見ると、灌木に絡んでいたヤブガラシの葉上に居るところを撮影した様です。

_080924_023
ウスグモスズ(雄).体長6mm、触角が非常に長い
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/24)

 この虫、暫く名前が分かりませんでした。体に模様らしい模様がない点や体色では、キンヒバリに良く似ています。しかし、頭部の形は全然違います。頭部の形ではクサヒバリに近いのですが、クサヒバリの様な斑紋はありません。また、体が全体的に少し長目です。
 日本直翅類学会の編纂した「バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑」でも見れば載っているかも知れません。しかし、私はこんな高い図鑑(定価5万円です)は持っていませんし、世田谷区中央図書館の所蔵図書の中にもありませんでした。
_080924_016
触角を片方曲げる時は警戒中らしい
(2008/09/24)

 暫く放置していたのですが、兪々掲載する段になってもう一度、Internetで調べてみました。人間、その気になると、随分違うものです。直ぐにウスグモスズと言うかなり最近入って来た帰化昆虫(外来種)であることが分かりました。
 北隆館の圖鑑にも載っており、「1960年代に東京都区部西部に入り、後、埼玉県、千葉県、神奈川県、静岡県、奈良県と分布を広げている」と書かれています。「東京都区部西部」と言えば、正にこの辺り(東京都世田谷区西部)です。
_080924_026
背側から見たウスグモスズ.斑紋らしい斑紋はない
後肢脛節には長い棘が沢山ある
(2008/09/24)

 この虫、変な虫です。帰化昆虫とされているにも拘わらず、原産地がよく分からないと言うのです。今回は特に学名に命名者と命名年を付けておきました。学名(Usugumona genji Furukawa, 1970)を見てお分かりの通り、Furukawaと称する日本人と思しき人物が、昭和45年に「源氏の薄雲」と言う甚だ風雅な名前を付けています。帰化種だと言うのに、日本人が最近になって初めて記載したとは、一寸変な話です。
 更に奇妙なことに、学名のUsugumona genjiでGoogle検索すると、朝鮮半島、台湾を含めて外国のサイトは一つもヒットしません。属名のUsugumonaだけでも同じです。これは、外国では一切報告が無い、と言うことを意味していると考えて良いでしょう。日本でしか記録がないのに帰化種、何とも変な話です。
_080924_043
近くから見ると透明感があり綺麗な虫である
葉裏に逃げ込んだのをひっくり返して撮影
(2008/09/24)

 九州大学の日本産昆虫目録を見ると、Usugumonaには、このウスグモスズ1種しか載っていません。前述の様に、外国では全く報告が無いのですから、これは世界で1属1種であることを意味しています。と言うことは、命名したときに新属を立てたことになります。
 双翅目(ハエ、アブ、蚊)や膜翅目(ハチ)などには未記載種が普通に居ますし(例えば、シマバエ科の未記載種)、未知の種も相当居ると考えられています。トビムシの様な微小な昆虫の場合も同様です。しかし、新種はそれ程珍しくなくても、新属と言うのはそう易々と出るものではありません。
 思うに、直翅目(バッタ、コオロギ、キリギリス)の昆虫はかなり大型ですし、種類数も偶産種を含めて400数10種とかなり小さいグループです。日本産直翅目には未だ分類の確定しない未記載種がかなり居るそうですが、未整理ではあってもどういう種類が居るのかはかなり徹底的に調べられているものと思われます。特に東京都区内ではもう新種の出る可能性など殆どゼロに等しいでしょう。其処に、突如として有り得べからざる新属が現れた(しかも、恐らくかなりの頭数で)、と言うのが、このウスグモスズが帰化種と考えられている根拠なのではないでしょうか。
_080924_030
正面から見たウスグモスズ.拡大し過ぎで画質が良くない
(2008/09/24)

 クサヒバリ亜科には、クサヒバリを始めキンヒバリやカヤヒバリの様に、大きくはありませんが棲んだ声でなく虫が沢山居ます。しかし、このウスグモスズは翅に発音器が無く、鳴くことが出来ません。普通コオロギ科やキリギリス科に属す鳴く虫の前脛節には、聴器(耳)があります(例えばサトクダマキモドキ)。しかし、このウスグモスズの前脛節を見ると、若干膨らんだ部分がありますが、聴器と言える程のものは見えません。
 同じ亜科に属すクロヒバリモドキやその近縁種も発音器と聴器を共に欠くそうです。コオロギ科だからと言っても、必ずしも音に頼った生活をしているとは限らない様です。
_080924_039
葉裏に逃げたウスグモスズ.黒い眼が円らで可愛い
(2008/09/24)

 本当は、この虫は「クサヒバリ亜科の1種」として種名不明のまま掲載するつもりでした。しかし、もう一度調べてみようと言うところから話がややこしくなり、原稿を書くのに随分手間がかかってしまいました。明日はもう少し簡単な種類にしようと思います。

[追記]:ウスグモスズの属名は、北隆館の原色昆虫大圖鑑第3巻、九州大学の日本産昆虫目録や東京都本土部昆虫目録ではUsugumonaになっていますのでその様に書きましたが、その後Usgmonaとしているサイトもあることが分かりました。
 このUgsmonaで検索すると、外国のサイトの方が沢山出て来ます。しかし、それらは何れも種の目録の様なもので、やはり日本以外に産すると言う報告は含まれていませんでした。
 これらのサイトを参照すると、どうも最初の記載はUsgmonaで行われた様です。何時、何故、UsgmonaUsugumonaに替わったのかは良く分かりません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 2日 (火)

トビムシの1種

 今日は撮れたてのホヤホヤを紹介します。先日(11月30日)撮ったばかりのトビムシの1種です。体長は丁度2mm、ケヤキの樹皮下に居ました。
 「四丁目緑地」に植えてあるケヤキの木です。これまでに紹介したヨコヅナサシガメウスカワマイマイが居た木です。樹皮を一寸剥がしたところ、極く小さな茶色い虫が居たので撮ってみました。

Sp00_081130_089
ケヤキの樹皮下に居たトビムシの1種.種名も科名も不明
上の黒い小さな虫は幼虫ではなく別種のトビムシか?
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/11/30)

 実を言うと、カメラで覗いている間は、これがトビムシの1種であるとは気が付きませんでした。今までこんな毛の多い横縞を持つトビムシは見たことがなかったからです。チャタテムシの1種ではないかと思って撮っていました。
 更に、写真の上の方に写っている黒い一見幼虫の様な虫の存在には、全く気が付きませんでした。こんなに沢山居るのに、何故気が付かなかったのか、一寸腑に落ちない話です。先日紹介したハギメンガタカスミカメを撮った時、その横にヒメハナカメムシの1種が写っていたにも拘わらず、撮影時には些かも気が付かなかったのと同じです。
 多分、ファインダーで覗いている時は絞り開放ですから、焦点深度が非常に浅くて気が付かなかったのでしょう。年のせいだとは、余り思いたくないものです。
Sp00_081130_090
トビムシは変態をせず、成虫になっても脱皮して成長する
同じ模様で3通りの大きさがある
(2008/11/30)

 トビムシは最も原始的な粘管目に属す昆虫で、尾端にある叉状器というエビのシッポの様な構造を使って跳躍する種類が多いので、トビムシと呼ばれます。しかし、これを持たず飛ぶことの出来ないトビムシも居ます。また、跳ぶとは言っても多くは数cmをピョコンと跳ねるだけです。尤も、中には数10cm跳躍する種類もあるそうですが、見たことはありません。
 トビムシの多くは土壌の表面、落葉や腐植質のあるところに棲息し、体長は1~3mm、余りに小さい虫なので虫眼鏡程度では詳細は分かりません。良く見かけるのは、地面に直に置いた木材や石、植木鉢等の下などに居る1~2mm位の白いトビムシです。この様な地上50cm位の樹皮下に居る種類は多くはないと思います。しかし、このトビムシ、種名どころか、科さえも良く分かりません。小さ過ぎて体の構造が分からず検索表を辿ることが出来ないからです。トビムシに慣れている人ならば、外観で科位は分かると思いますが・・・。
Sp00_081130_092
トビムシにしては非常に毛深い.「襟巻き」の様なものがある
(2008/11/30)

 トビムシは、幾つかの点で普通の昆虫とは異なるところがあり、最近では、カマアシムシ(原尾目)やコムシ(双尾目)と共に昆虫綱とは別のグループとする学者が多いのだそうです。
 どんな点が普通の昆虫とは異なるかと言いますと、まず、変態をしない、成虫でも翅がない、成虫になっても脱皮を繰り返して成長する、交尾をせず雄が土の上に精包を置くと雌がこれを生殖口に収める間接受精を行う、眼は多くても8対の個眼からなる眼斑に過ぎない、多くは気管系を欠く、マルピーギ管を欠く・・・と色々あります。
 ところで写真に写っている黒っぽい一見幼虫の様な虫ですが、一体これは何でしょう。トビムシは変態をしないのだそうですから、これは幼虫ではなく別の虫と考えるべきでしょう。
 良く見てみると、短い触角と3対の脚があります。トビムシの仲間にはこの様な格好をした種類もありますから、別種のトビムシかも知れません。
Sp00_081130_098
一番綺麗に撮れた写真.体長は2mm丁度.ピクセル等倍
(2008/11/30)

 このケヤキの樹皮下には、その他にも、全く種類の分からない微小な昆虫の幼虫が何種類か居ました。
 恐らく、樹皮下の虫達は、その小さな空間の中で一般の目に触れることのない複雑で多様な世界を繰り広げているのでしょう。今度の冬は、樹皮の下や隙間を中心に虫を探してみようかとも思っています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月29日 (月)

ショウリョウバッタ

 この辺り(東京都世田谷区西部)でも、草が沢山生えている所に行けば必ずバッタ類が何種類も居ます。何処にでも居て数も最も多いのは、以前一寸だけ紹介したことのあるオンブバッタで、これは我が家の庭にも居ます。これに対し、今日紹介するショウリョウバッタは住宅地には居ませんが、草原に行けばまず必ず見ることの出来るバッタです。これは、オンブバッタが双子葉植物を好むのに対し、ショウリョウバッタは主にイネ科の草を餌にしているからでしょう。
 写真は全て七丁目の第2家庭菜園で撮ったものです。しかし、「四丁目緑地」や「三ツ池緑地」にも沢山居ました。「三丁目緑地」でも少し数は減りますが、やはり見ることが出来ます。

_080819_033
カボチャの葉に留まるショウリョウバッタ
雄だと思ったが頭部胸部を見ると雌らしい
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/08/19)

 オンブバッタには緑色型と褐色型(または灰褐色)がありますが、ショウリョウバッタにも緑色型と灰褐色型があります。見てお分かりの通り、写真の3~4番目(同一個体)が灰褐色型で、それ以外は緑色型です。写真の灰褐色型は、緑色型と違ってかなり複雑な模様をしていますが、圖鑑を見ると、緑色型でもかなり複雑な模様を持つものがあります。
 灰褐色型は、丁度枯れた葉の上に留まっています。しかし、逃げて留まったところが偶々枯葉だっただけで、枯れた葉っぱの所に灰褐色型が多いと言うことは無いと思います。
_080819_030_2
上の個体を横から見た(2008/08/19)

 雄のショウリョウバッタは、飛ぶときに前翅と後翅を打ち合わせてキチキチ・・・と音を出すので、キチキチバッタとも呼ばれています。また、左右の後翅を揃えてつまむと、体を前後に打ち振るので、コメツキバッタと言われることもあります。私が子供の頃は、この両方の名前が通用していました。
 また、ショウジョウバッタと言う名称もあるそうです。この名前は子供の頃に聞いたことがありません。Wikipediaに拠ると、オスメスの性差が非常に大きく、別の名前が付くくらい違って見えるので「天と地ほども違う」という意味の「霄壤」から、ショウジョウバッタ(霄壤バッタ)と呼ばれる、のだそうです。随分難しい名前ですね。
_080820_040
枯葉の上に逃げたショウリョウバッタの灰褐色型(雄)
(2008/08/20)

 どの程度大きさが違うかと言うと、北隆館の圖鑑では、雄は翅端まで52mm、雌は82mm内外と書かれています。しかし、雌の中にはもっと大きな個体も居ます。昨年の秋、「三丁目緑地」で非常に大きな雌を見かけたのですが、後脚が1本しかなかったので撮影を躊躇っている間に、草むらの何処かへ紛れて見失ってしまいました。翅端まで10cm近くはあったと思います。その後、あれ程大きな個体を見ていませんので、今は、撮っておけば良かったと後悔しています。
_080820_043
上の個体の頭部と胸部.雌に較べて随分細長い
(2008/08/20)

 体長が違うだけでなく、太さも違います。当然、雄は細く、雌は太いです。3~4番目の写真で示した灰褐色型が雄で、他は雌だと思います。1と2番目、5と6番目はそれぞれ同一個体で、1~2は余り大きくなく、撮影時には雄だと思っていたのですが、写真で頭部、胸部の長さと幅を見較べてみると、どうやら雌の様です。
_080908_027
ショウリョウバッタの大きな雌.翅端まで8cm以上あった
私としては珍しい補助光無しの夕日を浴びた姿 (2008/09/08)

 5~6番目の個体は、翅端まで8cmは充分ある立派な雌でした。こう言う大きな雌になると、どうも何メートルも飛んで逃げたりはしない様です。体が重すぎて殆ど飛べないのかも知れません。のそのそ歩いて草むらの中に逃げ込みます。大きいので、そう簡単に逃げられるとは思えないのですが、以外と草に紛れて何処へ行ったのか分からなくなってしまいます。
_080908_028
上と同じ個体.地面に降りてノソノソと草むらの中に逃げ込んだ
(2008/09/08)

 ショウリョウバッタは年1化で、卵越冬です。秋になって土中に産んだ卵が孵化するのは5~6月だそうですから、一生の2/3は卵で過ごす訳です。もっと早く3~4月に孵化すれば、年2化も可能と思われるので、何だか勿体ない様な生活史です。分布の南限は南西諸島とのことですが、本来は北方の昆虫なのかも知れません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月15日 (月)

クルマバッタモドキ

 七丁目の家庭菜園にはバッタ類が沢山います。特に第2農園の方に多く、今日紹介するクルマバッタモドキの他にもショウリョウバッタ、オンブバッタ、クビキリギスなどの比較的大型のバッタが沢山居ますし、ヒシバッタやコオロギの類など小型のバッタを含めたら、一体何種類居るのか解らない位です。

_080819_011
クルマバッタモドキ.体調は30~45mm程度
幅があるのでかなり大きく感じられる
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/08/19)

 このクルマバッタモドキは、バッタ科トノサマバッタ亜科に属します。体長は保育社の図鑑では31~45mmとありますが、もっと大小に差がある様な気もします。農園内を歩いていると、急に飛び出して来て3m位先の地面に降りることが多いですが、時には植物の上に留まることもあります。
_080819_012
後肢腿節に白黒の模様がある(2008/08/19)

 クルマバッタモドキの特徴は、下の写真の様に、胸部の背中に略X字型の白紋があり、また、後肢腿節が白黒の斑になっていることです。これは、かなり離れていても良く見えます。もう少し詳しく見ると、下の写真の様に胸部の正中線は稜になっていますが殆ど盛り上がらず、胸部後縁は丸くなっています。なお、此処に掲載した写真は全て褐色型ですが、稀に緑色型があります。この場合、背中の略X字はかなり不明瞭になります。
_080819_010
クルマバッタモドキの胸部背面(2008/08/19)

 近縁種に「モドキ」の付かないクルマバッタがいます。「モドキ」よりも少し大型で、胸部背面にX字型の紋は無く、後肢腿節には模様が殆どありません。また、正中線に沿って山形の明確な隆起があり、胸部後縁は尖っています。
_080819_020
カボチャの葉に留まったクルマバッタモドキ(2008/08/19)

 このバッタは御行儀が大変宜しく、後肢脛節は何時も腿節の内側に畳まれてしまって良く見えません。Internetで探しても、後肢脛節が全部見える写真は見当たりませんでした。どうせ白黒模様だろう、と思っていたのですが、1枚だけ後肢脛節が全部見えている写真(下)がありました。何と、脛節の先端2/3は真っ赤でした。これがこの種の特徴なのか、図鑑には何も書かれていませんので良く分かりませんが、他の部分が地味な色合いなので、際だって鮮やか見えます。
_080819_004
クルマバッタモドキの後肢脛節は先端2/3が真っ赤
(2008/08/19)

 クルマバッタモドキの眼は、白黒の筋のある何とも奇妙な模様の眼をしています。これを拡大して見たたのが下の写真です。白黒の斑模様になっていますが、個眼は模様とは関係なく規則正しく配列しているのが分かります。
_080820_038p
クルマバッタモドキの眼.眼に焦点を合わせたので
全体的には前ピンになっている(2008/08/20)

 最後に、例によって真っ正面から顔写真を撮ってみました。以前掲載したコバネイナゴの顔とは違い、何とも言い難い渋い表情をしています。泥が一杯付いていて、地面から掘り起こされたばかりの古代石像と言った感じです。
 写真をクリックして拡大表示し、暫く睨めっこしてみるのも一興です。何か斬新なアイディアが浮かんで来るかも知れません。
_080820_083
クルマバッタモドキの顔.古代遺跡の石像の様(2008/08/20)

 このクルマバッタモドキは、イネ科植物を食草としているそうです。第2農園にはイネ科の雑草がかなり生えていますが、イネ科雑草の中には殆ど居ませんし、また、それらしき食痕を見た記憶もありません。お目当ては、やはり、農園に植えてある何かの作物(トウモロコシ?)の様です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月16日 (水)

ハグロトンボ

 今日は珍しくトンボを紹介します。ハグロトンボ、殆ど真っ黒な翅を持った細いトンボです。
 撮影場所は「四丁目緑地」ですが、「三ツ池緑地」にも居ました。「三ツ池緑地」の場合は、三ツ池の保護区の中にある湧水で発生したものと思われますが、「四丁目緑地」に居たのは、或いは、野川から来たのかも知れません。

_080711_068
ハグロトンボ.腹部に金属光沢があるのは雄
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/07/11)

 ハグロトンボを見るのは、数十年ぶりです。最近は、夏になると余り町の奥の方を歩かないので、居ても見る機会が無いのでしょう。昔はごく普通のトンボで、我が家の庭にもしばしば来ていました。多分、仙川(川の仙川)か成城大学敷地内の池から来たのだと思います。昔の仙川にはハグロトンボ(オハグロトンボと呼んでいました)が沢山居ました。今はどうなのでしょう、その内見に行って来ようと思います。
_080711_067
少しでも動くと逃げてしまうので殆ど同じ方向からしか撮れない
(2008/07/11)

 「四丁目緑地」では、奥の方の木の茂った薄暗いところに数頭が居ました。中々用心深いトンボで、普段は容易に近づけません。実は、前日に「三ツ池緑地」でかなり執拗に追いかけたのですが、遂に2m以内に近づくことが出来ませんでした。この失敗に懲りてテレプラスを持って来たのと、幸いかなり近づけたので何とか撮れました。しかし、内臓ストロボでは光量が足りず、無理矢理2段程度の増感をしたので、粒状性が悪いだけでなく、色調も少しおかしくなっています。
_080711_066
ヒトスジシマカを捕らえに飛び上がるところ(2008/07/11)

 撮影している間、物凄い数のヒトスジシマカに襲われました。蚊避けの薬が切れてしまっていたのです。その私に集るヒトスジシマカを、15秒に1回位の頻度で飛び立っては捕らえていました。御蔭で羽ばたくところを撮影することが出来ました。
_080711_064
飛び出す直前.顔が見えなくなってしまった(2008/07/11)

 7月なってから何回か写真を撮りに出かけましたが、「四丁目緑地」に行ったのはその最後の日です。順番が少し狂いましたが、これも何十年ぶりかにハグロトンボを見て感激してしまった為です。
 次回からは、順序に従い「三ツ池緑地」で撮った虫から紹介することにします。

| | コメント (0)

2008年6月29日 (日)

キリギリス類?の初齢幼虫

 今日はバッタの仔虫を紹介します。キリギリス類の初齢幼虫だと思います。色々調べてみましたが、残念ながら、種類は分かりませんでした。
 「四丁目緑地」に生えているハルジオン?(ヒメジオン?)の花に乗っていました。バッタ類と言うのはどうも好きになれない苦手な虫なのですが、キリギリス類の幼虫、特に初齢幼虫は模様の綺麗なものが多く、触角も長くて好感が持てます。

_l_080522_101
キリギリス類の初齢幼虫
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/05/22)

 2枚目を撮ったところで、ピョコンと跳んで逃げられてしまいました。こう言う小さい虫に、カメラを覗いている間に逃げられると、どの方向に跳んだかも全く分からず、見つけ出すのは殆ど不可能です。だから今日は、写真が2枚しか有りません。
_l_080522_103
キリギリス類の初齢幼虫.上とは模様が異なり別種らしい(2008/05/22)

 この2枚の写真、同じ虫を撮ったつもりなのですが、良く見てみると模様がかなり違いま(写真をクリックして、拡大して見てください)。まず、全体の色調が違いますし、腹部背面の模様も全然違います。また、2番目の写真では、後脚腿節の基部に近い所に2つ暗色斑がありますが、1番目のには殆ど認められません。複眼の周囲にある白斑も形が違います。
 撮影時刻を調べてみると、2枚の写真の間には、ほぼ1分の時間のズレがありました。この間に、一度虫を見失った記憶があります。どうやら、2種類の仔虫を同じ種類と思って撮ってしまった様です。

| | コメント (0)

2008年6月 9日 (月)

カゲロウ類2種

 成城に棲んでいる虫を万遍なく紹介するとなると、自分自身としてはこれまで全く興味を持ったことのない虫も掲載しなければならないでしょう。・・・と言う訳で今日は、カゲロウの1種を紹介します。カゲロウの写真を撮ったのは生まれて初めてです。
 カゲロウ目に属す昆虫は、何れも幼虫時代を水中で過ごします。成城にある「水場」と言えば、仙川、野川、国分寺崖線沿いの湧水、成城大学内にある池(昔は釣りなどしたものです)などが思い浮かびます。個人宅にある小さな池で発生する場合もあるかも知れません。

01_080519_096
カゲロウの1種.亜成体.コカゲロウ科に属すと思われる
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/05/19)

 今日最初に紹介するカゲロウは、「三丁目緑地」のシャクチリソバの葉上に居ました。恐らく緑地内にある湧水辺りから発生したのでしょう。
 このカゲロウ、種類は分かりませんが、眼の形状、翅脈(余りよく見えませんが)等から、恐らくコカゲロウ科に属すと思われます。立派な羽がありますが、実は、これは成虫ではありません。
01_080519_088
同一個体を正面から見た図.何とも奇妙な眼をしている
(2008/05/19)

 カゲロウ目の昆虫には亜成体という特別な発生段階があり、写真のカゲロウは、この亜成体なのです。一部の例外を除いて、もう一度脱皮して成虫になります。翅も脱皮して新しくなるそうで、脱皮するところを見てみたいものです。
01_080519_092
上から見ても変なマーブル・チョコレートの様な眼(2008/05/19)

 亜成体の翅は、写真で見る様に、透明ではなく曇りがあり、細毛が生えています。また、コカゲロウ科の雄はターバン眼と言う奇妙な眼(一番最後の写真参照)をしていますが、亜成体では写真の様に、上下の間に仕切りの模様は有っても、全体としては厚めのマーブル・チョコレートの様な形をしています。
01_080519_096p
最初の写真を部分拡大したもの.翅に曇りがあり毛が生えている
(2008/05/19)

 下の写真は、「三丁目緑地」ではなく、3丁目の住宅地の中にある空き地で撮ったものです。この個体は成虫です。これも種類は分かりませんが、コカゲロウ科の1種でしょう。上の写真の成虫である可能性も否定できません。
 コカゲロウ科の成虫は、ターバン眼と呼ばれる上を向いた奇妙な形の眼をしています。掲載してた写真ではよく分かりませんが、原画を拡大すると、上向きの部分がチャンと複眼になっているのが分かります。また、成虫の翅は透明で無毛です。
00_080519_029
別の場所で撮影したもの.やはりコカゲロウ科と思われる
これは成虫で、翅は透明で無毛、眼はカップ状(ターバン眼)
(2008/05/19)

 今日は私にとっては余り縁のない虫?を紹介しました。「三丁目緑地」で撮影したのは5月19日で少し時期遅れになってしまいましたが、この日撮った写真はまだまだ続きます。

| | コメント (0)

2007年12月 5日 (水)

コバネイナゴ

 今日は趣向を変えて、バッタを紹介します。コバネイナゴです。
 前にも書きましたが、どうも私はバッタ類が好きではありません。イナゴの種類なんぞよく知らないどころか、図鑑さえ殆ど見たことがありません。改めて図鑑を参照してみると、イナゴにもいろいろ種類がある様です。
 イナゴ類は、環境によって色や翅の長さが変わったりするので、種の判別が難しいとのことですが、このイナゴは頭胸部の模様からコバネイナゴとして間違いないと思います。

_071115_061
草にしがみつくコバネイナゴ
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2007/11/15)

 このコバネイナゴは、名前の通り翅が短く、翅の先からお尻が少し見えるのが普通だそうです。しかし、かなりの変異がある様で、この個体では翅の方がごく僅か長くなっています。
_071115_063
上から見たコバネイナゴ(2007/11/15)

 この写真は、前回のテンサイカスミカメアカホシカスミカメと同じく、2丁目の空き地で撮ったものです。図鑑によると、湿った草地を好むそうですが、この空き地はかなり乾燥していました。
 水田は「湿った草地」ですから、このイナゴはかつては稲作の大害虫で、「イナゴの佃煮」は普通はこのコバネイナゴから作った様です。
_071115_069
真横から見たコバネイナゴ.頭から胸の上部に黒い縦帯がある(2007/11/15)

 イナゴ類は「三丁目緑地」や「四丁目緑地」にも居ます。これまで紹介しなかったのは、バッタが余り好きではないので、写真を撮らなかったからです。決して、珍しい訳ではありません。
_071115_070
コバネイナゴの顔.少し間が抜けた感じ(2007/11/15)

 イナゴの顔を等倍接写してみました。何だか馬みたいな感じです。あまりお利口さんには見えませんが、これは、私の偏見かも知れません。

| | コメント (0)

2007年10月20日 (土)

ホシササキリ

 以前紹介したクビキリギスを撮った四丁目の空き地には、もう少し小さなバッタも居ました。どうもこの手合いは余り得意でないのですが、ホシササキリと言う種類の様です。

_070923_3
ホシササキリ.触角が長い
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2007/09/23)

 触角が長く、背中が茶色い体長25mm位のバッタです。
_070923_0
ホシササキリ.何時もこう言う格好をして草にしがみ付く(2007/09/23)

 このバッタ、人が近づくと止まっている草の反対側にクルリと回って姿を隠そうとします。ヨコバイみたいなバッタです。
_070923_1
ホシササキリの顔.バッタの顔というのはどうも
間が抜けて見える(2007/09/23)

 バッタ類にしては珍しく暖地では年2化し、越冬は一般的な卵越冬の様です。因みに、先日のクビキリギスは、この手のバッタにしては珍しく、成虫越冬をします。
_070923_2
細い草にしがみ付くホシササキリ.産卵管がよく見える(2007/09/23)

 本州中部以西から熱帯に分布し、明るい草原を好む様です。都会の空地にも見られるとのことですが、この住宅地の中の空地にもかなり沢山居ました。

訂正:本稿は当初「ウスイロササキリ」となっていましたが、読者の「通りすがり」氏より、「本種はホシササキリではないか」との御指摘がありました。調べたところ、御指摘の通りホシササキリが正しいものと思われますので、表題を含めて内容を訂正しました(2008/08/14)

| | コメント (1)