カテゴリー「昆虫(毛虫、芋虫)」の16件の記事

2008年11月 6日 (木)

ホシホウジャクの幼虫(5齢=終齢)

 ホシホウジャクの幼虫は一昨年に紹介しましたが、写真はたったの1枚で、しかも、体の一部が隠れた写真でした。そこで今日は、ホシホウジャク(Macroglossum pyrrhosticta)の終齢(5齢)幼虫の詳細を沢山の写真で紹介し直すことにします。
 一昨年撮影したのと同じく、6丁目のある空地の柵に絡んでいるヘクソカズラに居た個体です。もう2ヶ月も前のことですが、つい最近まで同じ場所に別の個体が居ましたから、そう時季遅れと言う訳でもありません。
 なお、ホシホウジャクはスズメガ科ホウジャク亜科に属します。成虫の方も、近くのサザンカの垣根で撮った写真を近日中に再掲載する予定です。

_l5_080902_038
ホシホウジャクの終齢幼虫.緑色型.良く太っており蛹化が近い
隠れていたのをこの場所に移動して貰ったので、些か緊張気味
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/02)

 幼虫の探し方は、先日「コエビガラスズメの幼虫」の所で書いたのと同じです。ヘクソカズラの絡んだ柵の下に新しい糞が落ちていれば、まずホシホウジャクの幼虫が居ます。
 先日紹介したホシヒメホウジャクもヘクソカズラを食草とし、この辺りにも少しは居るヒメクロホウジャクもヘクソカズラを食べることがあるそうですが、残念ながら、それらの幼虫は見たことがありません。ヒメクロホウジャクは兎も角、ホシヒメホウジャクの成虫はかなりの数居るので、幼虫を見付ける機会もあって良い筈ですが、未だに見ていないのは些か不可解です。
_l5_080902_081
少し時間が経って緊張が解れつつあるところ
(2008/09/02)

 写真の個体は、始めはヘクソカズラの蔓の中に頭を突っ込んで隠れていました。しかし、それでは写真が撮れないので、もう少し撮り易い所に移動して貰いました。最初の写真で、些か体を突っ張っているのは、そのせいです。
 ホシホウジャクの幼虫には、緑色型と褐色型があります。写真の幼虫は、見てお分かりの通り、緑色型です。ホシホウジャクの幼虫は、今までかなりの数見ていますが、全て緑色型で、褐色型はまだ見たことがありません。
_l5_080902_053
背側から見た図.頭の幅が小さい(2008/09/02)

 ホシホウジャクの幼虫は頭が非常に小さく、写真の様な老熟に近い終齢幼虫の場合、頭の幅は体の幅の1/4位しかありません。ホシヒメホウジャクの幼虫は、もう少し頭が大きい様です。
_l5_080902_066a
真っ正面からみたホシホウジャクの終齢幼虫
頭が小さい(2008/09/02)

 背側から撮った頭部の写真(下)を見ると、頭頂に4本の縦筋があるのが分かります。ホシホウジャクの幼虫は頭が少し上向きになっており、本来ならばこの面は正面からでないと見え難い部分です。普通の鱗翅目の幼虫では、もう少し頭が下向きになっています。
_l5_080902_050
背側から見た頭部.4本の縦筋がある.両側にある粒々は単眼
(2008/09/02)

 下の写真は、少し緊張が解けて、頭を下に向けたところです。頭部の構造については、「セスジスズメの幼虫」或いは「ナミアゲハの幼虫」を参照して下さい。
_l5_080902_062
少し上側から見た頭部.頭部の構造は複雑
(2008/09/02)

 ホシホウジャク幼虫の尾角(下)は真っ直ぐで余り長くなく、やや太めで先細り、全体に棘(顆粒)があります。配色は一寸ややこしくなっています。基部寄り半分の背側は紫色を帯びており、先端寄り半分は全体黄色です。しかし、棘は、特に基部寄りで、黒っぽい色を帯びています。褐色型でも、やはり尾角の先端部は黄色で、基部寄りは紫を帯びるそうです。
 因みに、ホシヒメホウジャク幼虫の尾角は非常に長く、特に若齢幼虫では、体長の1/2位の長さがあります。
_l5_080902_040
ホシホウジャクの尾角.複雑な配色.写真上側に見える
橙色の構造は気門(2008/09/02)

 尾角の写真の上部に、少しボケていますが、楕円形をした橙色で両端が白い構造が写っています。これは第8複節の気門です。褐色型でも、この気門の色は変わりません。気門の色は幼虫の種類を見分けるのに重要な指標になります。
_l5_080902_076
真横から見た頭部と胸部.胸脚の色も尾角に劣らず複雑な配色
頭部に6個の単眼が見える(2008/09/02)

 幼虫の頭部、胸部を横から見てみました。胸脚も尾角に劣らず、ややこしい配色になっています。腿節の側面は黒く、先の方は上面(側面)が赤で反対側は黄色です。なお、複脚の拡大写真はありませんが、最初に示した全身の写真を良く見ると、基部の周囲は黒色で、先端部は赤く、その中間は黄色を帯びているのが分かります。
 この写真では、頭頂の下側(写真では前方)に6個の単眼があるのが良く見えます(写真をクリックして拡大してみて下さい)。単眼6個が全て良く見える写真は、何故か、中々撮れません。
_l5_080902_100
緊張が解れて歩き始めたホシホウジャクの終齢幼虫
(2008/09/02)

 最後の写真は、緊張が解けて、ヘクソカズラの茎を歩き始めたところです。
 この芋虫君には、しっかりモデルになって貰いました。数日後には、新しい糞が落ちていなかったところをみると、どうやら蛹化した様です(捕食者にやられた可能性もありますが・・・)。
 保育社の図鑑に拠れば、終齢幼虫は11月まで居ることもあるそうです。この芋虫君も、或いは、蛹化後に羽化して、今頃、その子孫がヘクソカズラの茂みの中に潜んでいるかも知れません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月22日 (水)

ヨモギエダシャクの幼虫(終齢)

 最近は芋虫・毛虫の検索で来訪される方が多い様です。そこで今日は、シャクガ科エダシャク亜科に属すヨモギエダシャク(本州以南亜種:Ascotis selenaria cretacea)の終齢幼虫を紹介します。
 シャクガの幼虫ですから、所謂シャクトリムシです。多くのシャクトリムシの体長は40mm程度ですが、このヨモギエダシャクの終齢幼虫は大きく、6cm近くもあります。

_081002_022
斜め上から見たヨモギエダシャクの終齢幼虫.左が頭、以下同じ
緑色型だが実際は緑(所々青)を帯びた白色
頭から1/3位の所に一見棘状の暗色斑がある
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/10/02)

 居たのは七丁目の家庭菜園(第1ファミリー農園)です。写真を見てお分かりの通りシソの茎にしがみ付いていました。
 ヨモギエダシャクは、名前は「ヨモギ」ですが、先日のクサギカメムシ(終齢幼虫)と同じく、名前と無関係に実に広範な植物を食草とします。キク科、バラ科、マメ科、ミカン科、ツバキ科、セリ科、ナス科その他の草本、木本が食草として挙げられています。我が家の庭でも、毎年フジかハギの木に居るのを見かけます。
_081002_023
真上から見たヨモギエダシャクの終齢幼虫.体に散在する黒点は
刺毛の基部にある疣起の影.体長は6cm弱
(2008/10/02)

 ヨモギエダシャクには緑色型、淡褐色型、暗褐色型があり、写真の個体は緑色型です。「緑色型」と言っても、淡緑色と言うべきか、殆ど白色に近い色をしており、頭部だけはやや黄色を帯びています。
_081002_048
真横から見た図.第6腹節の後部にだけ腹脚がある
(2008/10/02)

 以前にも書きましたが、一般に鱗翅目(蝶、蛾)の幼虫は、胸部に3対の鉤状の胸脚、第3腹節から第6腹節に吸盤と微小な鉤爪からなる腹脚が4対、更にお尻のところ(第10腹節)に1対の尾脚を持ちます。
 シャクガ科幼虫では、第3腹節から第5腹節にある筈の3対の腹脚が退化して、第6腹節の腹脚と第10腹節の尾脚だけになっていることが多く、典型的なシャクトリムシの形になります。第4、第5腹節に腹脚をもつ種もありますが、著しく退化しており、殆ど役には立っていない様です。
_081002_030
横から見た第2腹節.楕円形の輪は気門.大きな疣起は
黄~赤味を帯びる.背中にある黒斑の一部は少し盛り上がっている
(2008/10/02)

 ヨモギエダシャクの幼虫では、背から側面に散在する刺毛の基部に丸い隆起(疣起:ゆうき)があります。緑色型では、この疣起の多くは黄色をしています。第2腹節の背側にある刺毛(D1)基部にあるものが一番大きく、第8腹節(最後の気門がある節)のD1疣起がこれに次ぎます。第2腹節の疣起は少し赤味を帯びています。
 保育社の幼虫図鑑に拠れば、淡褐色型では第2腹節のD1疣起は橙赤色で周囲を黒色に囲まれ、暗褐色型では赤褐色になりやはり黒色に縁取られるそうです。
_081002_033
上の部分を真上から見た図
(2008/10/02)

 色々なサイトを参照すると、この第2腹節の疣起の大きさにはかなり個体変異があり、写真の個体のはかなり小さい方に属す様です。個体によっては、大きな疣起の下が更に膨らんでいる場合もあります。
_081002_045
ヨモギエダシャク終齢幼虫の頭部と胸部.頭は黄色味を帯びる
触角と胸脚は黄褐色.丸い紋は気門.胸部の気門は前胸
(第1胸節)のみ.頭頂の下側にある5個の丸い黒斑は単眼
その前方下側にもう1つある
(2008/10/02)

 この第2腹節のD1疣起の前方に、前に向かって細くなる暗色斑があります。この部分は少し周囲より盛り上がっており、肉眼で見たときは、もう夕方で暗くなってきたせいもありますが、何か角か大きな棘があるのかと思いました。
 他のサイトの写真を参照すると、この暗色斑にも相当な個体変異があります。中には、殆ど認められない場合もある様です。
_081002_040
斜めから見たヨモギエダシャク終齢幼虫の頭部と胸部
(2008/10/02)

 例によって、シャクトリムシ君の顔写真を載せておきます。頭部の構造は、先日紹介したフタトガリコヤガの終齢幼虫と基本的に変わるところはありません。頭頂にブツブツ(顆粒)が散在している点も同じです。頭部の構造については「セスジスズメの幼虫(終齢)」で詳しく説明しましたので、そちらを御覧下されば幸いです。
_081002_042
ヨモギエダシャク終齢幼虫の顔.頭頂に粒々が散在する
構造はフタトガリコヤガの幼虫と基本的に同じ
(2008/10/02)

 秋に見られるヨモギエダシャクの幼虫は、老熟すると土中に入って蛹となり、そのまま越冬して、5月に羽化するそうです。成虫は白黒を基調とした斑模様で細かい横筋が入っています。「みんなで作る日本産蛾類図鑑」には35枚を超える写真が載っていますので、成虫画像はそちらを御覧下さい。
 (なお、本Weblogでは責任を持てるサイト以外へのリンクは張りません。知らない間に変更になっている場合があるからです。サイトの題名で検索すればURLが変更されていても多くの場合は見つかるでしょう)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月14日 (火)

フタトガリコヤガの幼虫(終齢)

 最近は「昆虫(毛虫、芋虫)」を参照される方が非常に多いので、今日は毛虫を紹介することにしました。
 フタトガリコヤガと言う、ヤガ科アオイガ亜科(コヤガ亜科)に属す蛾の幼虫です。かつては「コヤガ」の付かない只の「フタトガリ」と呼ばれていた様で、北隆館の「日本幼虫圖鑑」には「フタトガリ」として出ています。

_081002_054
七丁目の空地にいたフタトガリコヤガの終齢幼虫(黒紋型).左が頭
第3~4腹節に腹脚を欠くので、シャクトリムシ的になる
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/10/02)

 写真は何れも終齢幼虫で、長さは3~4cm程度、体は黄、緑、黒の非常にコントラストの強い派手な模様をしており、お尻には赤色斑があります。何時も葉表に居て目立ちます。所謂、警戒色の様です。
 これは、保育社の図鑑に拠れば第1(黒紋)型で、他に第2(赤紋)型が有るそうです。第2型は、微小な白点を散在する濃い緑の地に、白で縁取られた橙赤色の楕円紋がほぼ各体節に一つずつ並ぶもので、数は少ないと書いてあります。なお、若齢幼虫は全体黄緑色、不鮮明な黄条があるだけで、特別な斑紋は無いそうです。
_081012_047a
3丁目のフヨウに居たフタトガリコヤガの終齢幼虫(黒紋型).右が頭
上の写真とは1.5km離れているが、紋はよく似ている
(2008/10/12)

 食草は、フヨウ、ムクゲ、アオイ、ワタ、オクラなどのアオイ科の植物です。園芸植物の害虫としてよりは、農業の方でオクラの害虫として知られている様です。
 見付けたのは、七丁目の空地に生えていたフヨウと、三丁目の電信柱の横に生えていたフヨウの2個所です。
_081002_049
一番目の個体を上から見たもの.右が頭
(2008/10/02)

 鱗翅目(蝶、蛾の仲間)の幼虫は、胸部に3対の胸脚と、腹部の第3~第6節に4対の腹脚、第10腹節に1対の尾脚を持つのが普通です。しかし、このフタトガリコヤガの幼虫では、第3、第4腹節に腹脚がありません。
 シャクトリムシでは、以前紹介したフタナミトビヒメシャクの幼虫の様に、第3~第5腹節の腹脚が退化して、尾脚と第6腹節の腹脚だけになっています。フタトガリコヤガは、謂わば、シャクトリムシと普通の毛虫・芋虫との中間的な存在で、脚の構造上、シャクトリムシに近い歩き方をします。フタトガリ以外のコヤガの仲間も多くは同じです。
 なお、ヤガ科には、キンウワバ、シタバ、アツバ類の様に、前方の腹脚が良く発達していない種類がかなりあります。
_081002_072
七丁目の空地にいた別の個体.良く太っている
左が頭.頭部の紋は上の写真とはかなり異なる
(2008/10/02)

 このフタトガリコヤガの幼虫、かなり複雑な斑紋の入り方をしています。しかし、最初に並べた2頭の幼虫を見ると、斑紋の位置や大きさは殆ど同じです(写真をクリックして拡大して見て下さい)。この両者は互いに1.5km程離れたところに居たのですから、同じ親から生まれたとは考えられません。2頭の比較だけでは説得力は有りませんが、斑紋は複雑でもその配列はかなり 厳密に決まっている様に思われます。
_081002_060p
1番目の個体の頭部.紋や毛の位置が左右非対称
(2008/10/02)

 しかし、頭の模様を見ると、2頭の間でかなりの違いがあります。特に、最初の個体では左右の対称性がかなり乱れています。面白いことに、刺毛はみな黒い紋のほぼ中心から出ており、紋の位置のズレに対応して、刺毛の位置も左右が非対称になっています。
 また、上から見た写真を見ても、への字型のはまた別の個体ですが(曲がっているので、横からの写真は撮っていません)、頭部の斑紋は、両者でかなり違っています(写真をクリックして拡大して見て下さい)。
_081012_038p1
2番目の個体の頭部.左右の紋は略左右対称
(2008/10/12)

 頭部の左右の大きな丸い部分(頭頂)に小さな粒々が沢山あるのが見えます(写真をクリックして拡大して見て下さい)。これが何なのか分かりませんが、この分布も両者で大きく異なります。最初の個体では上部の黄色い部分にも沢山ありますが、もう一方の個体の上部には余りありません。これも、最初の個体では左右が非対称に分布しているのに対し、他者では略左右対称になっています。
_081002_068p
横から見た1番目の個体の頭部.
下側にある単眼(全部で6個あるが2個は不明瞭)が印象的
(2008/10/02)

 この写真の幼虫のお尻には、真っ赤な紋があります。この部分は肛上板と呼ばれる部分で、前胸(第1胸節)にある前胸硬皮板(「セスジスズメの幼虫(終齢)」を参照して下さい)と同じ性質のものです。何となく気になるので、この部分を拡大してみました。赤い部分と他の部分との境はハッキリしています。
 なお、保育社の図鑑に拠ると、第2(赤紋)型の肛上板は赤くなく、黄緑色をしているそうです。
_081012_072a
2番目の個体のお尻.赤い部分は肛上板
(2008/10/12)

 図鑑には、フタトガリコヤガは年2化で、第1化は5月下旬~6月上旬に、第2化は8~9月に羽化すると書かれています。この写真の幼虫は、その第2化の産んだ卵から育ったもので、老熟後は土中に潜って繭を作り、その中で前蛹となってそのまま越冬します。これが来年5月~6月に羽化して第1化となる訳です。
 老熟すると全体が紅紫色を帯びるそうです。今頃見に行くと、丁度その紅紫色を帯びた毛虫君が見られるかも知れません。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年10月 6日 (月)

コエビガラスズメの幼虫(終齢)

 このココログには詳細な「アクセス解析」機能が付いており、読者諸氏が参照されたページが分かる様になっています。逆さに言えば、読者諸氏が何に興味を持っておられるのかがある程度解る訳です。ところが、これが掲載する側の予想とは著しく異なることが屡々あり、驚かされます。
 最近30日間で最もアクセスの多いページは、何と「チャタテムシの1種」で、閲覧者数全体の8%強がその為に訪問されております。次は「昆虫(毛虫、芋虫)」で全体の4%強、トップページは3位で、これは4%弱です。
 チャタテムシを検索して来られた読者の大半は、室内害虫としてのチャタテムシについての情報を探されているのだと思いますが、此処で掲載している「チャタテムシの1種」は屋外の種類ですから、御役に立てなくて真に恐縮千万です。
 次の「昆虫(毛虫、芋虫)」も、まだ全部でたった12種しか掲載しておりません。看板倒れの謗りを免れませんので、今後、皆様の御期待に添う様、出来るだけ「毛虫・芋虫」を掲載する様、尽力する所存で御座いマス。
 ・・・と言う訳で、今日はコエビガラスズメの終齢幼虫を紹介します。

_l5_080912_003
コエビガラスズメの終齢幼虫.イヌツゲの木に居た
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/12)

 この辺り(東京都世田谷区西部)で一番簡単に探せるスズメガ科の幼虫はオオスカシバですが、このコエビガラスズメの幼虫もかなり確実に見付けることが出来ます。コエビガラスズメの幼虫は、「みんなで作る日本産蛾類図鑑」によると、モクセイ科、スイカズラ科、バラ科、ツツジ科、カバノキ科、ミズキ科、ヤマグルマ科等、実に多くの植物を食べる様です。しかし、この辺りではモチノキ科のイヌツゲに多く見られます。
_l5_080912_019
コエビガラスズメ終齢幼虫の頭部
頭頂の周囲、胸脚の基部と爪は黒
(2008/09/12)

 この町(東京都世田谷区成城)には垣根としてイヌツゲを植えている御宅がかなりあります。8月から9月にかけて、そのイヌツゲの垣根の下、溝の蓋の付近を見て回り、大きな糞が落ちていて居ないかを調べます。もし、糞が落ちていて、イヌツゲの若い葉が食べられた跡もあれば、先ず、必ずコエビガラスズメの幼虫が居ます。何分にも人様の御宅の垣根なので、余り長い時間探したりすると不審者と間違えられる可能性が大ですが、大概は1分以内に見つかります。
 写真の芋虫君も、五丁目の大きな通りに面したある御宅の垣根として植えられているイヌツゲに居たもので、「三ツ池緑地」に行く途中で見付けました。枝の少し奥の方に隠れていたので、表の枝に引っ越して貰いました。それで、芋虫君、少し緊張して突っ張っています。
_l5_080912_025
第五腹節の拡大.斜めの模様は輪郭がぼけている
黄褐色楕円形の構造は気門(2008/09/12)

 蛾類の幼虫には、緑色型と褐色型など色違いのある場合が多いのですが、このコエビガラスズメは写真の様な緑色型だけの様です(保育社の蛾類幼虫図鑑には、「欧州ではごく稀に淡紅色や紫色を帯びた型があるらしい」と書かれています)。緑色の地に、白、黒、赤紫の3色による輪郭のぼけた斜条が7本あります。この斜条の直ぐ下(写真の幼虫は上下逆さまなので、直ぐ上)にある、黄褐色楕円形の構造は気門です。
_l5_080912_009
尾角は、黒く艶があり丸い顆粒を帯びる.基部には白斑があり
強く下側(写真では上側)に曲がる(2008/09/12)

 お尻にある角、尾角は基部を除いてまっ黒です。表面にかなり粒々があり、艶があります。先日紹介したセスジスズメ幼虫の尾角は細くて真っ直ぐでしたが、このコエビガラスズメの尾角は、短くて強く下方(写真では上下逆さまなので上方)に曲がって居ます。しかし、基部の下側(写真では上側)だけは白色です。こういった尾角の特徴は種に固有のもので、種の識別に有用です。
_l5_080912_012
正面から見た頭部.食事中でないので、口器は殆ど見えない
(クリックで拡大表示、他も同じ)
(2008/09/12)

 逆さになっている頭部を等倍接写してみました。食事中ではないので、口器は殆ど隠れて見えません。先日のセスジスズメ幼虫の場合とは随分違って見えますが、食事中となればこのコエビガラスズメでも、ややこしい構造の口器が中から出て来ます。
 また、胸脚の先にある爪が、黒く鋭く、先が強く曲がっているのが分かります。
_l5_080912_027p
第3腹節にある第1腹脚.基部と先端は黒く間は黄色で毛がある
腹脚の先端には細かい爪が沢山見える
(クリックで拡大表示、他も同じ)
(2008/09/12)

 ついでに腹脚も撮ってみました。芋虫・毛虫が木の枝などに掴まるとき、一番強力に張り付くのはお尻に近い第10腹節にある尾脚です。その前に位置する腹脚も強力ですが、どうも前に行くほど力がないのか、或いは、必要性が少ないのか、第1腹脚は空を掴んでいる場合が屡々あります。この芋虫君もそう言う状態でした。
 基部と先端が黒く、その中間は黄色でかなり長い毛が生えています。尾脚も含めて腹脚は吸盤の原理で吸い付くのだと思っていましたが、この写真を見ると、その先端に細かい爪が沢山付いています。吸盤で吸い付くのと同時にこの爪を引っ掛けるのでしょう。腹脚がこんな構造をしているとは、この写真を見るまで知りませんでした。
_l5_080912_1_054
約2時間後、イヌツゲの枝の中に隠れていた、と言うか
隠れたつもり.頭隠して尻隠さず(2008/09/12)

 この写真は、上に書いた様に「三ツ池緑地」に行く途中で撮ったものです。緑地で写真を撮って約2時間後、帰り道に芋虫君がどうしているか見に行くと、20cmばかり移動して枝の中に隠れて居ました。いや、隠れたつもりの様です。頭は葉の茂みの中に入っていましたが、腹部の半分以上は見えていました。
 「頭隠して尻隠さず」の芋虫版です。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年9月22日 (月)

セスジスズメの幼虫(終齢)

 今日は久しぶりに芋虫君を紹介します。セスジスズメの幼虫、体の両側に目玉模様が並んだ芋虫として、比較的良く知られている様です。
 これも、七丁目の家庭菜園に行く途中にある六丁目の空地で見付けました。ヤブガラシの葉を食べていましたが、調べてみると、ブドウ科(ヤブガラシ、ブドウ、ノブドウ)の他にも、ホウセンカ、サトイモ、サツマイモ等、かなり色々な植物の葉を食べる様です。

_l5_080820_003
セスジスズメの終齢幼虫.左側が頭、右端に尾角が見える
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/08/20)

 終齢幼虫で、体長は8~9cm程度です。写真の幼虫は黒を基調にしており、この様な色調が最も普通ですが、図鑑によれば、時に緑色、緑褐色、暗褐色などを地色とするものも有るとのことです。
_l5_080820_033
横から撮ったセスジスズメの終齢幼虫.今度は右が頭(2008/08/20)

 同じホウジャク亜科の近縁種、ベニスズメの幼虫も似たような模様をしていますが、目玉は2対しか有りません。また、セスジスズメの尾角(お尻にある角)は下の写真の様にピンと張って長いのに対し、ベニスズメでは短く、下側に湾曲しているのが普通です。
_l5_080820_010
セスジスズメの尾角.ピンと張って細長い
先端は白く基部に黄色の部分がある
(2008/08/20)

 先日、紹介したキイロスズメもホウジャク亜科に属します。見た感じは随分違いますが、頭部が胴体の幅よりずっと小さい点では共通しています。
 今日は少しややこしい形態の話をすることにします。下の写真で、白~黄色の紋が無く、艶も無い部分が頭部です。一見複眼の様に見えるのが左右の頭頂で、その間の縫合線を中縫線と言います。その先に鋭角の三角の部分がありますが、これが前頭、その周りの頭頂との間にある少し色の濃く見える部分が副前頭で、これは若齢幼虫には有りません。その先の黄色い部分は頭楯です。
 頭部に続いて、前胸、中胸、後胸があり、その各節に胸脚(桃色をしている)が一対ずつ付いています。写真では後胸以下は見えませんが、更にその次が腹節で、そこから目玉模様が始まります。なお、頭頂の直ぐ後、前胸の上部に、少し不明瞭ですが、楕円形の部分があります。これを前胸硬皮板と呼びます。その少し腹側、黒と白との境目にある小さな丸い紋は気門です。気門は腹節では第1節から第8節まで各節に1対ずつつ有りますが、胸部では前胸に1対あるだけです。
_l5_080820_004
セスジスズメ終齢幼虫の頭部と胸部(背側から)
(2008/08/20)

 眼は何処にあるかと言うと、頭頂の左右端に単眼が6個ずつ有ります。成虫は複眼を持ちますが、幼虫には単眼しか有りません。下の写真では一寸分かり難いですが、頭頂(艶のない部分)の下側、黄色い突起の様なものの付け根にある、小さな丸い粒々がそれです。
 この黄色い突起の様なものは、実は幼虫の触角なのです。成虫の触角は長くて上方を向いていますが、幼虫のは短く下を向いています。多分、専ら食物を識別するのに用いられているのでしょう。
_l5_080820_007
セスジスズメ終齢幼虫の頭部と胸部(横から)
(2008/08/20)

 次(下の写真:写真をクリックして拡大して見てください)は、お食事中の芋虫君の頭部です。何やら矢鱈に複雑で一寸戸惑いますが、北隆館の「日本幼虫圖鑑」と保育社の「原色日本蛾類図鑑上巻」を参照して何とか分りました。なお、上の写真では不明瞭であった単眼がかなりハッキリと見えます。
 艶のない頭頂の先に黄色い頭楯が見えますが、その先の黒い部分が上唇です。触角(基部が黄色の突起)の裏側に見える大きな真っ黒い部分が上顋(大腮)で、これに歯が付いており、葉っぱを噛み砕きます。
 その下側に見える、白と黄色の先に触角の様なものが付いた大きな構造は下顋(小腮)です。これも左右に1対あります。その先端にある触角の様のに見えるのは下顋鬚(小腮鬚)です。
_l5_080820_014
セスジスズメ終齢幼虫の頭部(食事中)
(2008/08/20)

 その下は下唇で、これは体軸に沿って1つだけあります。その先端に吐糸管があるのですが、下に向いた淡色の突起がそれに相当するのか、一寸分かりません。
 随分ややこしい話になりました。しかし、この種の話は余り掲載されていない様なので、一寸無理をしてみた次第です。
_l_070923_0
セスジスズメの若齢幼虫(2007/09/23)

 最後に、昨年の秋に撮ったセスジスズメの若齢幼虫の写真を出しておきます。長さは2cm位だったと記憶しています。若齢幼虫は、この様に、大きくなった幼虫とは全然違う色と模様をしています。
 この芋虫、良く見ると胸脚は全て宙に浮いており、尾脚(一番後にある腹脚)で草に掴まっているだけの様です。実際、この1枚を撮った後で、直ぐに草むらに落下したので見失ってしまいました。若齢幼虫が行う護身の一法かと思っていましたが、終齢幼虫の方も、撮影する為にヤブガラシの蔓を持って色々角度を変えている間に、一回下に落ちました。或いは、セスジスズメの幼虫は、ゾウムシの様に、落下して身を隠す「隠遁の術」を心得ているのかも知れません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月17日 (水)

チャイロハバチの幼虫

 今日は些か疲れ気味なので、また、写真1枚の虫で勘弁してください。
 しかも、2年前に掲載した「ホシホウジャク(幼虫と成虫)」の幼虫と、同じ日に同じ場所(成城六丁目)で撮った写真で、何と、ホシホウジャクの幼虫の次のコマなのです。
 非常に面白い形をした幼虫なので、是非掲載したいと思っていたのですが、何の幼虫だか幾ら調べても分かりませんでした。それが今日、一寸ハバチ類の幼虫を調べていたら、この幼虫の写真に出会したのです。チャイロハバチの幼虫でした。食草はヘクソカズラなので、ホシホウジャクと一緒に居た訳です。

_060926_011
チャイロハバチの幼虫.食草はホシホウジャクと同じヘクソカズラ
腹脚が7対。腹脚が全部で6対以上ある芋虫はハバチの幼虫
頭部は左側、黒色で胸部の中に完全に隠れている

(クリックで拡大表示)
(2006/09/26)

 撮った時の記憶が不確かで、3~4cmはあったと思っていたのですが、実際はもっと小さかった様です(「日本幼虫圖鑑」には15~18mmと書かれています)。しかも、こんな妙な形をした幼虫は鱗翅目に違いないと思って形態をよく調べなかったのが、種類が分からなかった最大の原因です。
 写真を良く見てみれば、腹脚が7対あります。これは明らかなハバチ幼虫の特徴です。鱗翅目幼虫の腹脚は最後尾の尾脚を入れても最大5対で、先日紹介した尺取り虫(フタナミトビヒメシャクの幼虫)などの様に尾脚を含めて2対に退化することもあります。私としては、「反省、反省・・・」ですが、やはり種類が分かったのは喜ぶべきでしょう。
 このチャイロハバチ、成虫を調べてみると体色は茶色ではなく鮮やかな赤橙色で、複眼単眼は真っ黒、触角の先は黄色で、大変な美麗種です。こんなハバチはこの辺りでは、生まれてこの方、見たことがありません。あの時分かっていれば、連れて帰って飼育したのに・・・、と2年前のことを今悔しがっているところです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月10日 (水)

フタナミトビヒメシャクの幼虫

 尺取り虫はシャクガ類の幼虫で、膨大な種類があります。撮影しても大概は種類が分からないので、見付けても撮らなかったり、たとえ撮っても往々にしていい加減になりがちです。
 今日紹介する虫はその尺取り虫です。異常と言っても良いほど細長く、まるで、切れた輪ゴムが動いているかの様でした。普段なら撮らないのですが、余りに細長いので撮ることにしました。
 しかし、この尺取り虫君、何故か非常に急いで移動しており、横から撮ろうと思ったときには、既に葉の茂みの中に入ってしまい、幾ら探してももう見つかりませんでした。その為、写真はこの1枚しかありません。

_080902_073jpg
フタナミトビエダシャクの幼虫.長さ25mm程度、齢は不明
(2008/09/02)

 調べてみると、やはり非常に特徴的な尺取り虫のせいか、直ぐにシャクガ科ヒメシャク亜科のフタナミトビヒメシャクの幼虫であることが分かりました。北隆館の「日本幼虫圖鑑」にも載っています。幼虫はどう見ても相当な変わり者ですが、蛹や成虫は極く普通のシャクガの形をしており、些かガッカリです。
 写真を見ると、頭部が尺取り虫らしからぬ面白い形をしています。今回は撮れませんでしたが、ぜひ前や横の方から頭部を撮ってみたいものです。特に珍しい種類でもない様なので、また出合う機会があるかも知れません。巧く撮れたら、また、紹介したいと思います。
 なお、撮影場所は七丁目の家庭菜園です。菜園の内部ではなく、隣家との垣根に居ました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年8月24日 (日)

キイロスズメの幼虫(終齢)

 今日は久しぶりに芋虫を紹介します。七丁目の家庭菜園に居たキイロスズメの終齢幼虫です。
 スズメガ類の幼虫は、みなお尻に角を持っています。角は普通は頭にあるものなので、こちらが頭だと勘違いする人も居る様ですが、尾っぽにあるので尾角と言います。しかし、何の為にあるのかは良く分かっていない様です。

_l_080720_039
キイロスズメの終齢幼虫.警戒して反り返っている
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/07/22)

 蛾類の幼虫は、色彩に何通りかある場合が多く、このキイロスズメにも緑色型と褐色型があります。写真の幼虫は勿論緑色型ですが、褐色型は全く別種の様な色彩と配色をしています。
 幼虫の体色に違いがあっても、尾角の色は変わらない場合が多いのだそうです。また、尾角の先端はそれ以外の部分とは色の異なることが多く、このキイロスズメの幼虫も先っぽはやや黒っぽくなっています。スズメガ類幼虫の識別には尾角を良く見ることも大切です。
_l_080720_055
少し落ち着いて真っ直ぐに近くなった(2008/07/22)

 キイロスズメはスズメガ科コスズメ亜科に属し、その幼虫はオオスカシバ類を除くホウジャク亜科と似て頭部が小型です。その他のスズメガ科の幼虫は、胴体と余り変わらない程の大きな頭を持っています。
_l_080720_043
キイロスズメ終齢幼虫の頭部.胴体に比して非常に小さい(2008/07/22)

 鱗翅目幼虫の頭部の構造は蛾でも蝶でも基本的に同じです。別のWeblogでナミアゲハ幼虫の頭部の詳細を紹介していますが、このキイロスズメ幼虫の頭と殆ど同じです。
 頭の大部分を占める一見複眼の様な形をした部分は頭頂と呼ばれ眼ではありません。鱗翅目の幼虫には複眼は無く、下の写真で頭頂の左部分にある小さな粒々が眼です。単眼で左右に6個づつあります。写真では5個しか見えませんが、その次の真横から見た写真と合わせると、全部で6個あることが分かります。
_l_080720_049
キイロスズメ幼虫の頭部(2008/07/22)

 キイロスズメの幼虫の食草はヤマノイモ科の植物です。家庭菜園では、誰かが栽培しているヤマノイモ類の葉っぱを食べていました。体長は8~9cm位あり、こんな大きな芋虫に葉っぱを食べられては、ヤマノイモは瞬く間に丸坊主になってしまいます。
_l_080720_053
真横から見たキイロスズメの頭部(2008/07/22)

 その後、このキイロスズメの幼虫がどうなったか少し気掛かりです。色が白っぽいので、濃い緑色をしたヤマノイモの葉の中ではかなり目立ちます。退治された可能性もありますが、もうかなり大きいので、その前に土に潜って蛹になってしまったかも知れません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月21日 (水)

ヒメシロモンドクガの幼虫

 10日程前に帰国しました。帰国直後は何かと雑用が多く、写真は撮ったのですが、中々文章を書く時間が有りませんでした。
 帰国第1回目は、久しぶりに毛虫君を紹介しましょう。ヒメシロモンドクガの幼虫、日本全土でごく普通に見られる毛虫です。

_080516_035
ヒメシロモンドクガの幼虫.左右前方に出た
黒い毛の束がこの毛虫君の「商標」
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/05/16)

 名前には「ドクガ」が付いていますが、毒針毛はないとされています。同じ様な名前のモンシロドクガは、ドクガ、チャドクガと並んで強力な毒針毛を持っていますので御用心。ヒメシロモンドクガの若齢幼虫はモンシロドクガにかなり良く似ています。しかし、少し大きくなると左右前方に2本の毛の束が突出して、ヒメシロモンドクガ特有の形になります。
_080516_038
毛虫君の顔.毛から更に細かい毛が出ているのが見える
(2008/05/16)

 写真を調整していて初めて気が付いたのですが、この幼虫の毛は髪の毛のような単純な1本の毛ではなく、毛から更に細かい毛が無数に出ています(写真をクリックして拡大して見て下さい)。毛虫の毛でこう言う構造を持った毛は今まで見たことがありません。ドクガ科の特徴なのでしょうか?  実は、ヒメシロモンドクガの幼虫は、私のもう一つのWeblog「我が家の庭の生き物たち」で一昨年紹介してあります。しかし、この時は特に拡大写真は撮らなかったので毛の構造については気が付きませんでした。やはり、拡大してみると色々「発見」が有るものです。
_080516_025
御食事中の毛虫君(2008/05/16)

 毛虫君の居た場所は「四丁目緑地」です。付いていた植物は、余り注意して見ませんでしたが、カラスノエンドウだと思います。
 「四丁目緑地」は手入れが悪く草ボウボウなので、色々な虫達が居ました。今後も出来るだけ草取りなどしないで、ボウボウの儘にしておいて欲しいものです。

| | コメント (0)

2007年11月29日 (木)

ナシケンモンの幼虫(黒色型、褐色型)

 今日は久しぶりに毛虫君の登場です。10月に撮った写真なので、以前から出そう出そうとは思っていたのですが、カメムシに押されてついつい遅くなってしまいました。
 ヤガ科、ケンモンヤガ亜科のナシケンモンの幼虫です。毛むくじゃらで長毛もあり、如何にも毛虫の中の毛虫と言った感じです。

3_l_071011_0
オオイヌタデの葉に居た脱皮したばかりのナシケンモンの幼虫
(黒色型:終齢).下に脱皮殻が見える
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2007/10/11)

 場所は「四丁目緑地」です。主にオオケタデ(オオベニタデ)に付いていましたが、オオイヌタデに居たものもあります。名前は「梨ケンモン」ですが、およそ食物スペクトルの広い毛虫で、双子葉木本、双子葉草本から単子葉植物まで殆ど何でも食べてしまいます。
 オオケタデの葉は、一月後には丸坊主になっていました。カナブンなども少しタデ類に集っていましたが、主犯はこのナシケンモンの様です。
_071004_0
オオケタデの花を食べるナシケンモンの幼虫(黒色型:多分4齢)(2007/10/04)

 幼虫は春から出現するそうです。しかし、10月頃特によく見かける毛虫です。昨年の秋には、我が家の庭にも居ました。
_l_071005_0
褐色型の終齢幼虫.脱皮直後(2007/10/05)

 普通見かけるのは、黒が基調の黒色型です。しかし、上の写真の様に褐色型も居ます。
 褐色の若齢幼虫も居ました。私の好みから言えば、褐色型よりも黒色型の方が配色が良いと思います。
_l_071005_1
褐色型の若齢幼虫(2007/10/05)
_l_071005_2
上の個体を横から見たもの(2007/10/05)

 昨年秋、我が家の庭に居た個体は、直ぐに姿を消してしまって、毛虫君の顔の拡大を撮る機会がありませんでした。そこで、今回は褐色型の終齢幼虫(三番目の写真と同一個体)の顔を等倍接写してみました。下の写真はその部分拡大です。写真をクリックすると、別枠に横幅750ピクセルで表示されます。ぜひ、拡大して毛虫君の顔を見てやって下さい。
_l_071005_3
ナシケンモン君の顔(褐色型:終齢)
(クリックで拡大表示、他の写真も同じ)
(2007/10/05)

 なにか、獅子舞のオシシの様な感じですが、毛が多過ぎて、顔が余りよく見えないのが難点です。
_l_071005_4
コマユバチに寄生されて死んだナシケンモンの若齢幼虫(2007/10/05)

 「四丁目緑地」のタデ類には、ナシケンモンの幼虫がかなりの頭数居ました。これだけ居れば、その捕食者、寄生者がやって来て当然です。中には、上の写真の様に、コマユバチに寄生されて死んだ個体もありました。

 ナシケンモンは蛹越冬だそうです。ここに登場した毛虫君達も、捕食者、寄生者にやられなければ、今頃もう蛹になって、やがて来る春を待っているはずです。

| | コメント (0)