カテゴリー「昆虫(カメムシの幼虫)」の17件の記事

2010年11月 9日 (火)

チャバネアオカメムシの幼虫(終齢:その2)(Plautia crossota

 前々回、「チャバネアオカメムシの幼虫(終齢:その1)」を掲載しましたが、今日は「その2」です。
 「その1」を撮影したのは10月2日で、今日のは10日ですから、8日後と云うことになります。前々回書いた様に、今日の子亀たちは飼育中のものです。6日か7日に「四丁目緑地」に行って、透明なポリ袋に4頭入れて持ち帰ってきました。

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チャバネアオカメムシの老熟した終齢幼虫
2日に撮った写真とは大変わり
第7腹節にも黒い紋がある
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/10)

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別個体.上の写真とよく似ている(当たり前か)
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/10)

 最初に背側から撮った2頭の写真を出しておきます。2頭、互いによく似ています。10月2日に撮影した終齢幼虫とは随分雰囲気が違います。固い外骨格に被われた頭部胸部は殆ど変わらない筈ですが、腹部が大幅に伸長して、「図説 カメムシの卵と幼虫」に載っている図よりも細長くなっています。
 図版とは異なり、第7腹節背板(と思います)にも臭線盤の様な黒い細い部分があります。しかし、原画を拡大してみても、臭線は開口していない様です(当然でしょう)。
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真横から見たチャバネアオカメムシの終齢幼虫
短日条件で飼育したがお腹が大きい
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/10)

 4頭の幼虫の内、3頭は12日の早朝には、既に成虫に羽化していました。その2日前ですから、写真の幼虫は老熟した終齢幼虫と言えます。
 随分大きなお腹をしています。これから卵を産むのでしょうか?
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横斜め上からみたチャバネアオカメムシの終齢幼虫
やはりお腹の大きさが目立つ
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/10)

 農文教の「果樹カメムシ」に拠ると、チャバネアオカメムシの産卵臨界日長は13.5~14時間で、これより短日条件で飼育すれば、年内には産卵しない筈です。
 東京天文台のHPにある「こよみの計算」を使って、夜明けから日暮れまでの時間が13.5時間になる日を調べると、東京では9月15日でした(夜明け・日暮れの時刻は太陽の中心高度が-7°21’40”[随分細かい!!]となる時刻で、標高0mでの計算値だそうです)。
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葉の上(裏側)を歩くチャバネアオカメムシの終齢幼虫
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/10)

 このことを考えて、飼育は屋内ではなく、戸外で行いました。10月ですから、明らかに臨界日長には達していませんが、都会は明るいですし、これだけお腹が大きいと言うことは、やはり年内に卵を産むつもりなのかも知れません。
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真っ正面から見たチャバネアオカメムシの終齢幼虫
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/10)

 10月2日の写真はコムラサキの枝先に自然状態で居たのを撮影したので、他の枝が邪魔になったりして良く写真を撮れませんでした。今回は飼育条件なので、角度を任意に変えられますし、幼虫ですから飛んで逃げることもありません。また、ポトリと隠遁の術で逃げようとしても下は草原ではありませんからこれも通用しません。
 ・・・と云う訳で、沢山写真を撮ってしまいました。
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オマケの1枚
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/10)

 次は成虫と云うことになりますが、写真はまだ調整中ですし、次回は別の虫を紹介することになるでしょう。
 どうも、毎年撮影する動植物の種類数の方が掲載する種類数よりもかなり多く、未掲載のままお蔵入りになってしまう写真が増える一方です。もう少し更新の頻度を上げたいと思うのですが、中々難しい様です。

[追記]:これらの幼虫から羽化した成虫を「チャバネアオカメムシ(成虫)」として11月30日に掲載しました。(2010/12/16)

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2010年10月31日 (日)

チャバネアオカメムシの幼虫(終齢:その1)(Plautia crossota

 コムラサキ(植物のコムラサキです)は、秋になると紫色の房状の実を一杯着けて枝垂れ、中々風情があります。我が家の庭にもあり、この実を目当てにカメムシが来ないか時々見に行くのですが、残念ながら何時も「外れ」です。
 ところが、先日、「四丁目緑地」に植えられているコムラサキに、体長6mm位のまん丸いカメムシの幼虫が群れているのを見つけました。

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コムラサキの葉に群れるチャバネアオカメムシの終齢幼虫
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/02)

 頭部胸部と腹部の臭線盤は真っ黒で、腹部のその他の部分もかなり濃い色をしています。キンカメムシ類の幼虫ではないかと思って、シッカリ写真を撮ってしまいました。
 しかし、家に帰って「日本原色カメムシ図鑑」で調べてみると、どうも違う様です。そこで、養賢堂の「図説 カメムシの卵と幼虫」を引っ張り出し、1種ずつ図版(初齢から終齢までの精緻な描画が出ています)と比較してみました。
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詳細な写真を撮った後の分散したチャバネアオカメムシの終齢幼虫
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/02)

 すると、色は全然違いますが、翅芽や臭線盤(腹背盤)の形など、どうも最普通種のチャバネアオカメムシの終齢幼虫が最もよく似ていました。些か、ガッカリです。カメムシ科(Pentatomidae)カメムシ亜科(Pentatominae)に属す、典型的なカメムシです。
 しかし、図説の描画よりも形はずっと丸いですし、色も終齢としては余りに真っ黒です。本当にチャバネアオカメムシの終齢幼虫なのか確信が持てません。
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翅芽が発達しているので終齢幼虫であることが分かる
体は真ん丸に近く、体の殆どは真っ黒
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/02)

 そこで、数日後、また「四丁目緑地」に出掛けて、4頭を確保してきました。飼育箱(100円ショップの食パンケース)に入れ、餌には我が家のコムラサキの実を与えました。
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コムラサキの果実から吸汁中と思われる
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/02)

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同じ様な写真をもう1枚、上と同一個体
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/02)

 数日経つと、幼虫は成長してかなり体長が増加し(細長くなり)、全体的な感じも同じ種類とは思えない程違ってきました。しかし、その成長した終齢幼虫については、また、次の機会に紹介することにしましょう。
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正面から見たチャバネアオカメムシの終齢幼虫
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/02)

 チャバネアオカメムシは「悪者度」の非常に高いカメムシとされています。しかし、その割にはWeb上に幼虫の写真が少ない様に思います。変異が大きく、また、類似種も多いので、野外で写真を撮っただけでは確実なことが言えないせいではないでしょうか。今回は、飼育をして最終的にチャバネアオカメムシであることを確認しました。同じ終齢幼虫の成長度に応じた違いを詳しく紹介するのも、何らかの役に立つのではないかと思い、別に紹介することにしたのです。

[追記]:成長した終齢幼虫を「チャバネアオカメムシの幼虫(終齢:その2)」として11月9日に、更にそれから羽化した成虫を「チャバネアオカメムシ(成虫)」の表題で11月30日に掲載しました。(2010/12/16)

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2010年2月13日 (土)

ヤニサシガメの幼虫(5齢:越冬中)

 今日は久しぶりにカメムシを紹介します。越冬をしているヤニサシガメ(Velinus nodipes:サシガメ科)の5齢幼虫です。
 六丁目の或る駐車場に生えているヒマラヤスギの樹皮下に2頭一緒に居ました。体長は約9.5mm、図鑑に拠れば成虫の体長は12~16mmとなっています。

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ヒマラヤスギの樹皮下にいたヤニサシガメの5齢幼虫
(写真クリックで拡大表示)
(2010/01/19)

 腹部の結合板が金色をしている他は殆ど真っ黒です。しかし、眼の周りや体の正中線に沿って金色~白色の筋があり、また、触角の2個所と各脛節に幅広い白色輪が、良く見ると各腿節にも2個の白色輪があります。小楯板の先も白くなっています。「日本原色カメムシ図鑑」に拠ると、腹部下面にも小さい白色斑があるそうですが、写真からは見えません。
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下側の1頭を拡大.体はベトベトで樹皮片がくっ付いている
(写真クリックで拡大表示)
(2010/01/19)

 こう云う真っ黒な虫は、写真にすると細部が黒く潰れて良く見えなくなることが多く、撮る者としては嫌な被写体です。しかし、RAWファイルを現像するとき暗部が少し明るくなる様にしていますので、多少はデコボコした感じが出ているかと思います。
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触角と腿節には2個所、脛節には1個所の白色帯がある
触角の先端節は微毛に被われている
(写真クリックで拡大表示)
(2010/01/19)

 このヤニサシガメ、真っ黒なヤニを体に付けた様な肢体をしていますが、実際にヤニを付けているのです。触っては見ませんでしたがベトベトして居るそうで、それは体の所々に樹皮片らしきものが付着しているのでも分かります。
 埼玉県立自然史博物館の「自然史だより 第14号」に拠ると、このヤニ状物質は針葉樹の切口から分泌されるヤニで、これを脚を使って直接体に擦りつけるのだそうです。
 しかし、マツヤニの分泌部に口吻(こうふん)を刺し込んで吸収することもあり、以前言われていた様に、一部は脚にある結節状の膨らみから分泌されている可能性も、完全に否定することは出来ない様です。
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眼の周りや正中線には白~金色の筋がある
脚は非常にデコボコしている
(写真クリックで拡大表示)
(2010/01/19)

 以前紹介した外来種のヨコヅナサシガメと少し似ています。ヨコヅナサシガメは通常広葉樹の樹幹に棲んでいますが、このヤニサシガメはヤニの出る針葉樹を住処としています。この個体はヒマラヤスギに居ましたが、WEBの情報ではアカマツやクロマツで見られることが多い様です。
 しかし、サシガメですから勿論肉食で、針葉樹の球果や枝から吸汁する訳ではありません。
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円らな眼をしていて海亀を想い出させる
サシガメにしては可愛い顔!
(写真クリックで拡大表示)
(2010/01/19)

 越冬は、写真でもお分かりの通り、終齢(5齢)幼虫の段階で行われ、時として群生するそうです。しかし、WEB上で写真を探してみましたが、ヨコヅナサシガメの集団越冬の様なゴチャゴチャ大集団の写真は見付かりませんでした。
 羽化は5~6月とのこと。針葉樹の樹幹に棲む虫は、広葉樹と較べるとずっと少ないので、余り探したことがありませんが、今年は少しは探してみようかと思います。

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2009年2月 3日 (火)

クサギカメムシの幼虫(4齢)

 今日は一寸サボって簡単な虫を出します。クサギカメムシの4齢幼虫です。
 撮影したのは昨年の9月12日、コエビガラスズメの幼虫ヒラタヤドリバエ亜科のEuthera tuckeriサビキコリその他を撮ったのと同じ日です。場所は「三ツ池緑地」で、これも同日に撮影したビロウドコガネと同じく、ナツツバキの葉に留まっていました。ナツツバキの実を吸汁していたのかも知れません。

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クサギカメムシの4齢幼虫.翅の原基が出来ているが
腹部にはみ出してはいない
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/12)

 クサギカメムシの5齢幼虫は既に掲載してあります。5齢では翅の原基がかなり大きくなり、腹部にまではみ出しているのに対し、4齢では3齢とは異なって原基は明確に認められますが、腹部にまではみ出してはいません。
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胸部や腹部前方にはかなり鋭い棘がある
(2008/09/12)

 また、5齢幼虫の胸部には殆ど棘と言えるほどの目立った構造はありません。しかし、4齢にはまだかなり鋭い棘状の突起があります。この点ではやや3齢幼虫に似ています(3齢幼虫の棘はもっと発達していますが、1齢分体が小さいので、棘の絶対的な長さは4齢の方が長いかも知れません)。
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随分お腹が膨らんでいる.一般に若齢ほど比率としては体が厚いが
これは恐らくシッカリ吸汁した後であろう
(2008/09/12)

 普通ならば、もっと執拗に写真を撮るのですが、このカメムシ君、身の危険を感じたらしく、ポトリと隠遁の術を使って逃げてしまいました。それで、写真は3枚しかありません。
 写真が少ないと文章も短くて済み、書く方としては非常に楽です。「簡単な虫」の所以です。

 なお、「カメムシの幼虫」を検索してこちらに来られた方は、「昆虫(カメムシの幼虫)」と言うカテゴリーがありますので、そちらを御覧下さい。

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2008年11月13日 (木)

ホソヘリカメムシの幼虫(5齢=終齢)

 少し前にホソヘリカメムシの4齢幼虫を掲載しましたが、今日はその続きとでも言うべき5齢(終齢)幼虫を紹介します。写真を撮影したのは2ヶ月以上前で、些か旧聞に属します。しかし、このWeblogには余り日記的要素はありませんので、特に問題は無いでしょう。

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枝豆の葉上に居たホソヘリカメムシの5齢幼虫
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/02)

 これまでカメムシ類の幼虫は、各齢を1回ずつ掲載していました。そこで、このホソヘリカメムシの幼虫も4齢と5齢で分けたのですが、この5齢幼虫、4齢とかなり似ています。違うのは、色が成虫に似た茶色に変わったこと、体がやや幅広くなると共に後肢も成虫に似て太くなり、翅の原基が伸長したこと位です。体長も多少は増加していますが、少し大きいかな?、と言う程度です。
 前にも書いた様に、ホソヘリカメムシの幼虫はアリに擬態しているとよく言われます。確かに若齢幼虫はアリに似ていますが、4齢幼虫になると体もかなり大きくなるのでアリとの色や形の違いが目立ち、5齢では最早アリという感じは殆どありません。
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横から見ると少しアリ的だが、色や腹部の形が異なる
(2008/09/02)

 撮影場所は、4齢と同じ七丁目の第1家庭菜園(ファミリー農園)で、4齢幼虫と一緒に枝豆(大豆)の葉上に居ました。ホソヘリカメムシは、成虫、幼虫共に大豆の害虫としてその名が知られています。枝豆の上に居たところを見ると、やはり大豆が目当てでこの家庭菜園にやって来たのでしょう。この農園には成虫も含めて、ホソヘリカメムシがかなりの数居ました。1回でも吸汁されると豆はもうダメになってしまいますから、枝豆の大半はやられてしまったのではないかと思います。
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斜めから撮ったホソヘリカメムシの5齢幼虫
触角が長い(2008/09/02)

 ホソヘリカメムシの成虫を掲載したのは9月9日で、その写真を撮ったのは7月20日です。今日紹介している5齢幼虫を撮影したのは9月2日なので、成虫を撮った約40日後になります。多分、7月に居た成虫が産んだ卵から成長したのが、この5齢や以前紹介した4齢幼虫なのでしょう。
 ホソヘリカメムシはホソヘリカメムシ科に属します。カメムシ科のクサギカメムシやアオカメムシ類は年1回の発生ですが、ホソヘリカメムシは最近の研究(日本応用動物昆虫学会講演要旨:ホソヘリカメムシ生活史の解明)に拠ると、関東では年2~3世代を経過する様です。この幼虫は成虫になった後、その儘越冬して来年の春、クローバー等のマメ科やイネ科の植物に産卵し、そこで1~2世代経た後、また、大豆等の豆類にやって来るのでしょう。
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ホソヘリカメムシ5齢幼虫の顔.成虫よりもヒゲ面
(2008/09/02)

 今日は久しぶりの好天です。この記事を投稿した後は、カメラでもぶら下げて「三丁目緑地」辺りへ行こうかと思っています。9月、10月に撮影してまだ未掲載の写真がゴッソリあるのですが、これでは写真が溜まる一方です。今年の冬は、余り写真を撮らなくても済むかも知れません。

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2008年10月30日 (木)

ホソヘリカメムシの幼虫(4齢)

 もうすっかり秋も深まった感がありますが、まだ9月に撮って掲載していない虫が沢山残っています。今日はその中から、ホソヘリカメムシの4齢幼虫を紹介します。一緒に撮った5齢幼虫の写真もあるのですが、これまでカメムシの幼虫は各齢を一つずつ記事にして来たので、今回も4齢と5齢で分けることにしました。

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ホソヘリカメムシの4齢幼虫.体長1cm程度
アリに擬態していると言われるが、背側から見ると
余りアリ的ではない.翅の原基が見える
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/02)

 ホソヘリカメムシの成虫は既に紹介済みです。マメ科の作物、特に大豆の害虫として悪名が高いカメムシです。カメムシ類は幼虫と成虫で食性に変わりはありませんから、幼虫も大豆を食害します。
 撮影したのは、七丁目の家庭菜園(第1ファミリー農園)で、大豆の害虫らしく、やはり枝豆の葉上に居ました。体長は1cm程度です。
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横から見たホソヘリカメムシの4齢幼虫
かなりアリに似ているが、お尻の形が一寸違う
(2008/09/02)

 ホソヘリカメムシの成虫はハチに擬態していると言われることがあります。一方、幼虫の方はアリに似ていると言われます。確かに、触角の振り方や脚の感じはアリに似ていますが、お尻が妙な感じで上に突出しているのと、4齢幼虫では少し大き過ぎて色の違いが目立ち、余りアリのようには見えません。もっと若齢の幼虫を第2農園の方で見ましたが、これは確かにアリによく似ていました。
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前から見たホソヘリカメムシの4齢幼虫
頭部は金色に紫を混ぜた様な変な色
(2008/09/02)

 しかし、アリに似ているのはホソヘリカメムシの幼虫だけではありません。カメムシの中にはアリによく似た種類が沢山います。ヒョウタンカスミカメの仲間や、昨年紹介したヨツボシヒョウタンナガカメムシ等も、大きさや形ばかりでなく歩き方もアリに似ていて、特に幼虫となると、マクロレンズで覗かないと区別が出来ない様な場合もあります。
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同一個体の拡大.青紫がかった色をしている
(2008/09/02)

 この写真のホソヘリカメムシの4齢幼虫は、一寸変な色をしています。肉眼では茶色っぽく見えたのですが、大きく拡大してみると、頭部は青紫が強くなっています。3枚目の写真では一寸表現の難しい金属的な色をしていますが、これを拡大すると、4枚目と殆ど同じ色になります。
 デジタルカメラでは時に色が妙なことになることがあります。このカメムシの色を茶色にするには現像時の色温度を相当高くしなければなりません。しかし、そうすると今度は枝豆の葉が枯れかかったような色になってしまいます。
 どの当たりが適切なのか、実際の色の記憶が定かではありませんから判断に苦しむところですが、5齢幼虫は同じように現像しても赤褐色になっているので、4齢幼虫は少なくともある程度は紫がかった色をしているのではないかと思います。
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オマケにもう1枚(2008/09/02)

 この4齢幼虫では、翅の原基は既に出来ており、しかも4齢としてはかなり大きいのですが、余り目立ちません。これが5齢になると、もっと大きくずっとハッキリしてきます。また、色合いも薄く茶色っぽくなります。5齢幼虫は近日中に掲載の予定です。

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2008年10月26日 (日)

ホソハリカメムシの幼虫(5齢=終齢)

 今年は我が家の庭に生えているイヌタデにハリカメムシが付いたので、初齢幼虫を除く全段階の幼虫(2齢3齢4齢5齢脱皮直後5齢老熟)と成虫の写真を撮ることが出来ました。そこで、次は比較の為に、同じヘリカメムシ科に属す近縁種のホソハリカメムシの幼虫を撮りたいものだと思っていたところ、七丁目の家庭菜園(第2ファミリー農園)で脱皮後余り時間が経っていないと思われるホソハリカメムシの5齢(終齢)幼虫を見付けました。

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ホソハリカメムシの終齢幼虫.脱皮後まだ本来の色になっていない
前胸背の後端以外に尖った部分は認められない
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/08)

 ホソハリカメムシの5齢幼虫は、普通はもっと濃い茶色(緑を帯びることもあるらしい)をしています。この個体は脱皮後どの程度時間が経っているのか分かりませんが、まだ色が充分に濃くなっていません。脱皮直後は、恐らくハリカメムシの場合と同様、斑点の無い乳白色に近い色だろうと思います。
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少し下側から見たホソハリカメムシの終齢幼虫
(2008/09/08)

 普通、幼虫の脱皮後の色の変化はかなり急速で、数時間もすれば完全に色が安定するものです。しかし、我が家の庭に居たハリカメムシの終齢幼虫を見ると、数日経ってもまだ色が充分濃くはなっていませんでした。このホソハリカメムシの場合も、確証はありませんが、恐らく近縁のハリカメムシ同様、数日かかるのではないかと思います。
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背中の腹背盤にある黒斑が目立つ
(2008/09/08)

 ハリカメムシホソハリカメムシは、成虫は互いにかなり良く似た形をしているのですが、幼虫は少し形が違います。
 ハリカメムシ、ホソハリカメムシ共に、若齢幼虫ほど体長に比して長い棘を持っています。ハリカメムシの5齢幼虫には、4齢以下ほどではありませんが、まだかなり棘があります。しかし、ホソハリカメムシの5齢幼虫では、前胸背の後端を除いて、棘らしい棘はありません。
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ハリカメムシ程ではないが、触角はカッコイイ
(ぜひ、写真をクリックして拡大して見て下さい)
(2008/09/08)

 ハリカメムシ幼虫の触角は、5齢幼虫でも軍配を連結した様な翼のある面白い形をしています。一方、ホソハリカメムシの幼虫では、この翼があまり発達していません。
 また、ホソハリカメムシ成虫の触角第1節は、ハリカメムシのものよりも短くて太いのですが、5齢幼虫でも触角第1節は成虫に似て太く短くなっています。
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体に密着した口吻が良く見える
(2008/09/08)

 腹部の背側に2つの大きな出っ張りが見えます。これは、腹背盤、或いは、臭線盤と呼ばれるもので、そのテッペンにある2つの黒い粒々の横に臭線の開口部があります。臭線は、成虫では中肢と後肢の付け根の間、やや側方に開口するのですが、幼虫では腹部の背側に開口します。この臭線の開口する腹背盤はカメムシ上科では3個あるのに対し、ヘリカメムシ科では2個しかありません。
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ホソハリカメムシ終齢幼虫の腹部.腹背盤の頂上に極く小さな
棘が見える.横方向に臭線が開口している
(2008/09/08)

 ハリカメムシの5齢幼虫では、この腹背盤に各1対の明確な棘があります。ホソハリカメムシでは棘はない様に見えます。しかし、拡大すると極く微小な棘が1対ずつあるのが分かります。
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草の上を逃げ回るので、遂に真っ正面からは撮れなかった
(2008/09/08)

 また、ハリカメムシ5齢幼虫の腹部側盤の先端は棘状になっていますが、ホソハリカメムシにはその様な構造はありません。
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オマケにもう1枚.触角第1節は成虫同様に太くて短い
(2008/09/08)

 4齢以下の幼虫は、見つかりませんでした。幸いにも、「日本原色カメムシ図鑑」にはホソハリカメムシの終齢幼虫の他に、初齢、3齢、4齢幼虫の写真が出ています。初齢幼虫には棘がありますが、体長に対する棘の長さの比率でみると、ハリカメムシの2齢幼虫よりもずっと短く、4齢幼虫程度でしかありません。また、ホソハリカメムシの3齢幼虫の棘はハリカメムシの終齢程度で、4齢になると棘はごく短く痕跡的になっています。
 一言で言えば、ホソハリカメムシの幼虫はハリカメムシの幼虫よりも、外見的な面白味に欠ける訳です。しかし、害虫としてはホソハリカメムシの方がずっと格が上?ですから、各齢幼虫の形態についての情報もハリカメムシ以上に必要となります。

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2008年10月15日 (水)

クサギカメムシの幼虫(5齢=終齢)

 今日は久しぶりにカメムシ科の如何にもカメムシらしいカメムシを紹介します。・・・と言っても、まだ幼虫です。クサギカメムシの5齢(終齢)幼虫、6丁目のある御宅の垣根に居たのを撮影しました。

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クサギカメムシの5齢(終齢)幼虫.中世の騎士の如し
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/02)

 クサギカメムシは日本全国(小笠原諸島に付いては不明)に分布するカメムシで、この辺り(東京都世田谷区西部)にも沢山居る最普通種です。今年は我が家の庭でも、少なくとも2個所に卵塊がありました。何れもタマゴバチなどに寄生されることなく、チャンと孵化しました。
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葉の上を歩き回るクサギカメムシの5齢幼虫
(2008/09/02)

 成虫は体長15mm前後の暗褐色の地に黄褐色の斑紋が散らばる地味なカメムシです。幼虫も写真の5齢幼虫は色彩の点では成虫に近いですが、形は中々厳つく、中世の騎士の様な「甲冑」を帯びています(写真をクリックして拡大して見て下さい)。
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正面から見たクサギカメムシの5齢幼虫
緊張して這いつくばっている
(2008/09/02)

 成虫はかなり平べったい虫ですが、5齢幼虫も相当に「平ら」になります。しかし、普通はこの写真ほど酷くはありません。色々な角度から写真を撮るために、カメムシ君の留まっている葉を色々な方向に曲げたり、ひっくり返したりしたので、カメムシ君、相当緊張して這いつくばっているのです。
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普段はこんなに這いつくばらない
恰も画像処理で上下を圧縮した様
(2008/09/02)

 クサギカメムシの初齢幼虫は、厚みのある丸い体をしています。色も赤と黒の派手な取り合わせです。これが、2齢になると赤は殆ど消えて、この5齢幼虫に近い黒味の強い色彩になり、厚みも急に減少します。なお、このクサギカメムシの地色は、成虫も含めて、青っぽいのから赤っぽいのまで、かなりの変異があります。
 今年は我が家の庭にクサギカメムシの卵塊があったので、各齢の幼虫を観察することが出来ました。初齢2齢の幼虫は、既にもう一つのWeblogで紹介してありますので、興味のある方は御覧下さい。
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斜め上から.厳つい筈が、何ともだらしのない格好
(2008/09/02)

 クサギカメムシの「クサギ」は、クマツヅラ科のクサギ(臭木)から来ているのだと思います。しかし、非常に広食性のカメムシで、特にクサギに付く訳ではありません。種々の果物や豆類も吸汁するので、農業害虫として悪名の高いカメムシの一つです。
 また、晩秋になってから、越冬する為に集団で人家に侵入したりするので嫌われます。クサギカメムシは臭いカメムシの代表選手とも言えます。
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クサギカメムシの顔写真.背面は不規則な点刻で被われる
(2008/09/02)

 今年はクサギカメムシの幼虫を彼方此方で随分沢山見たのですが、不思議なことに成虫はまだ一度も見ていません。クサギカメムシは本来は種子を吸汁するカメムシです。成虫になって翅が出来たので、屹度、何処かに良い餌を求めて飛んで行ってしまったのでしょう。

追記:「カメムシの幼虫」で検索すると、このページが先に出て来ることがありますが、別に「昆虫(カメムシの幼虫)」と言うカテゴリーがあります。「カメムシの幼虫」で来られた方は、そちらを御覧下さい。

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2008年10月 7日 (火)

イネホソミドリカスミカメ(アカヒゲホソミドリカスミカメ)の
幼虫(終齢)

 七丁目の第2家庭菜園(第2ファミリー農園)は、耕作用区画の大部分は手入れが良く行き届いていますが、区画以外の部分や放棄された区画?などには、主としてイネ科やカヤツリグサ科の雑草がかなり生えています。この雑草の中に結構多種類のカメムシが居ます。
 一番数が多いのは、小さいので目立ちませんが、イネの害虫として有名なイネホソミドリカスミカメ(アカヒゲホソミドリカスミカメ)です。その他にも、既に掲載済みのアカホシカスミカメヨツボシヒョウタンナガカメムシハリカメムシホソハリカメムシクモヘリカメムシ等、また、成虫ばかりでなく、まだ未掲載の幼虫も色々棲息していました。今日は、それらの幼虫の中からイネホソミドリカスミカメ(アカヒゲホソミドリカスミカメ)の終齢(5齢)幼虫を紹介します。

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イネホソミドリカスミカメ(アカヒゲホソミドリカスミカメ)の終齢幼虫
オヒシバの穂に居た.体長約3.5mm
翅以外は成虫とよく似ている
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/02)

 イネホソミドリカスミカメは、昨年紹介したので繰り返しになりますが、斑点米を作るカメムシとして著名で、「悪者度」の最も高いカメムシの一つです。成虫の体長は5~6mmですが、名前の通り細長いので、イネ科やカヤツリグサ科の細長い葉や穂と体を平行にしていると、中々眼に留まりません。
 しかし、成虫は草むらの中を歩くとウンカの様に飛び立つので、容易に見付けることが出来ます。ところが、幼虫は翅がないので飛ぶことはありません。それに加えて、成虫よりももっと小さいので、探すのはかなり大変です。
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真横から見たイネホソミドリカスミカメの終齢幼虫
(2008/09/02)

 この5齢幼虫は体長約3.5mm、他のカメムシを追っているときに偶然見付けたものです。成虫は沢山居るのに、幼虫を見付けたのはこの時一度限りです。
 幼虫は飛ばないので、ネットで採集してから、草地に放して撮る手があります。しかし、その様な「ヤラセ」的行為はしないことにしています。
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斜め前から見たイネホソミドリカスミカメの終齢幼虫
動きが速く、真っ正面からの写真は遂に撮れなかった
(2008/09/02)

 幼虫も稲の子実を吸汁しますから、世間様では、成虫同様に「大害虫」と見なされています。しかし、此処は家庭菜園ですから、イネやムギを栽培している人は居ません。主にメヒシバやオヒシバの種子を吸汁しているのだと思います。雑草の種子を減らしているのですから、「大害虫」も家庭菜園では「益虫」を演じていることになります。
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オヒシバの穂を歩き回るイネホソミドリカスミカメの終齢幼虫
(2008/09/02)

 多くのカメムシは、成虫と終齢幼虫でかなり外観が異なります。特にハリカメムシなどは、5齢(終齢)幼虫成虫で同じ種類とは思えない程の違いがあります。
 しかし、このイネホソミドリカスミカメの終齢幼虫は、成虫と余り違った感じがしません。勿論、幼虫には翅はありませんが、触角の色も同じですし、その基部に3本の赤色条がある点でも同じです。翅さえ長くすれば、成虫と殆ど変わるところはありません(腹端の構造は当然成虫と違うはずですが、成虫の場合、背側からは翅に隠れて見えません)。
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動きが速くて写真が撮り難い(2008/09/02)

 それでは4齢以下の幼虫はどうなのでしょうか。大いに興味がありますが、これよりも小さい緑色の細長いカメムシを、同じく緑色のオヒシバやメヒシバの穂から見つけ出すのは容易ではありません。大発生している場所なら兎も角、普通の場所では、ネットで採集してから放す「ヤラセ」的手法を取らないと、一寸無理かも知れません。
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オマケにもう1枚、背側から(2008/09/02)

 数日前に第2家庭菜園に行ってみたところ、耕作用区画以外の部分が綺麗に除草されていました。当然、カメムシ達ももう居ません。ヨツボシヒョウタンナガカメムシに似た別の種類が居た様な気がしていたのですが、未確認の儘になってしまいました。菜園ですから、除草が入るのは当然ですが、一寸残念でした。
 なお、「カメムシの幼虫」で検索される方が大勢おられるので、新しいカテゴリー「昆虫(カメムシの幼虫)」を作りました。

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2008年9月11日 (木)

ハリカメムシの幼虫(5齢:脱皮直後)

 ハリカメムシの成虫5齢(終齢)幼虫は昨年紹介しましたが、今年我が家の庭で脱皮したばかりの5齢幼虫を見付けたので、こちらに掲載することにしました。なお、他に3齢幼虫も既に掲載してあります。
 5齢幼虫は時間が経つと色が濃くなって非常に貫禄が出て来ます。しかし、脱皮したては白っぽくて弱々しく、これがあの5齢幼虫かと一寸意外な感じです。見付けたときは、余りに貫禄がないので4齢かと思ったのですが、体の構造を比較してみると、5齢でした。

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脱皮直後のハリカメムシ5齢幼虫
翅の原基(前翅包)が4齢よりもずっと大きい
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/08/13)

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脱皮殻の傍から離れない(2008/08/13)

 4齢幼虫と5齢幼虫とでは翅の原基(前翅包)の大きさが違います。4齢では原基の腹部に出っ張った部分は略半月形をしており、長さは幅より小さいですが、5齢では明らかに幅よりも長さの方が上回っています。
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4齢は棘だらけだが、5齢では腹背盤の棘だけが残っている
(2008/08/13)

 ハリカメムシの幼虫は、4齢までは「体中棘だらけ」です。しかし、5齢ではこの棘の大部分が無くなります。特に目立つ腹部の側板から出ている棘は、4齢ではかなり大きく鋭いですが、5齢では痕跡程度になります。また、胸部、頭部の背側にあった棘は5齢では見られません。腹部の腹背盤(腹部背側の中央にある構造)の左右から出ている棘は5齢にもありますが、4齢と比較するとずっと小さく細くなっています。
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前から見た5齢幼虫.胸部の背側に小班が1対ある
(2008/08/13)

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真横から見た5齢幼虫.眼の色が淡いがこれで見えるのだろうか?
(2008/08/13)

 脱皮殻が直ぐ横に写っていますから、脱皮後まだ殆ど動いていないのでしょう。眼はまだそれらしい色をしていません。しかし、触角の辺縁は既に黒っぽくなっています。この部分が最も早く色付く様です。
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脱皮後少し(2日?)経った5齢幼虫.まだ色が淡い
(2008/08/15)

 普通の昆虫は、脱皮後かなり急速に本来の色になりますが、どうもハリカメムシの幼虫は中々色が出てこない様です。上の写真はそれより前の写真の2日後に撮ったものです。同じ個体か否かは分かりませんが、多少は色が濃くなっています。しかし、昨年撮った5齢幼虫と較べると、比較にならないほど色が薄いと言えます。上の写真程度に色付いた個体は、その後何回も見ました。しかし、シッカリ黒くなった個体を見かける様になったのは、かなり経ってから(1週間以上?)です。
 このハリカメムシの幼虫が居るところは余り日当たりが良くなく、しかも、丁度その頃陽の射さない雨模様の日が続きました。或いは、陽の光が弱いと色が濃くならないのかも知れません。
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同じ個体を、横から見たもの(2008/08/15)

 最近は、我が家の庭の虫も場合によってはこちらで掲載する事にした為、些かネタがダブ付き気味です。このWeblogを始めてからそろそろ2年になりますが、成城の昆虫の大半を紹介し尽くすには、まだ何年もかかりそうです。

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