カテゴリー「昆虫(その他の半翅目)」の2件の記事

2008年10月 3日 (金)

アブラゼミ

 セミと言えば、夏の虫の代表でしょう。今頃になってセミを掲載するのは些か時期遅れとは思いますが、昨日、まだアブラゼミが鳴いていましたので、まァ、滑り込みセーフと言ったところです。
 この辺り(東京都世田谷区西部)では、最近はセミが少なくなり、我が家など高い樹のない所には全く来ません。しかし、御近所の大きな樹のある所ではまだ結構鳴いています。
 セミと言うのは変な虫で、棲息密度が低いと樹の高い所にしか留まらないのに、密度が高くなると低い所にも留まる様になります。何故そうなるのかは分かりませんが、この傾向は明らかだと思います。不思議な現象です。
 撮影したのは、「七丁目緑地」です。この緑地は余り生き物の居ないところで、昆虫ではこれまでにケヤキの樹皮裏に居たセスジナガキマワリトビイロクチキムシの2種を紹介したに過ぎません。しかし、8月の中頃に行ってみたところ、アブラゼミだけは異常なほど沢山居ました。ケヤキやシラカシの地上2m以内の所に、樹1本に付き5頭以上が留まっていました。

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アブラゼミ(雌).前胸背の大部分は赤褐色
拡大してみると翅は中々洒落た柄をしている
(クリックで最大幅1024ピクセルに拡大)
(2008/08/19)

 これも何故か分かりませんが、こう言う状態で止まっているセミは鈍感で、余り逃げません。御蔭で、等倍接写を含めてシッカリ撮ることが出来ました。
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アブラゼミ(雄).前胸背は上の個体とは異なり殆ど真っ黒
これは雌雄の差ではなく個体差であろう
(クリックで最大幅1024ピクセルに拡大)
(2008/08/19)

 このWeblogで紹介している虫は小さいものが多いので、普通は写真の必要部分だけを切り出して使っています。しかし、セミの様な大きな虫の場合は、フルフレームで撮れます。掲載用の写真は、普段は最大幅750ピクセルにしてありますが、翅の模様など結構面白く、小さくしてしまうのは少し勿体無い感じがします。そこで、今回は全ての写真の最大幅を1024ピクセルにしました。
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横から見たアブラゼミ(雌).翅の模様が美しい
(クリックで最大幅1024ピクセルに拡大)
(2008/08/19)

 セミの写真を撮るのは、実は初めてです。今まで、写真が撮れる程セミに近づくことが出来なかったからです。写真を撮ってみると、同じアブラゼミでも胸部等の模様が違っていて、かなりの個体変異があることを知りました。
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別個体の横顔.口吻を樹皮に当てている.吸汁しているのかは不明
(クリックで最大幅1024ピクセルに拡大)
(2008/08/19)

 セミを掲載する機会は、今後とも非常に少ないと思いますので、此処で、この辺り(東京都世田谷区西部)のセミ一般について書いておきましょう。
 昔、30年以上前は、先ず梅雨の明ける前からニイニイゼミが鳴き始め、次にヒグラシ、梅雨明け頃からアブラゼミ、8月の中旬辺りになってツクツクボウシと言う順序で、合計4種が棲息していました。ミンミンゼミは、当時でも山手線の内側にはかなり沢山居た様ですが、この辺りでは1年に2~4回鳴き声が聞こえる程度でした。また、クマゼミはもっと少なく年に1~2回、全く声を聞かないで夏を終わる年もありました。
 数から言うと、一番多いのがアブラゼミで、次がニイニイゼミではなかったかと思います。
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アブラゼミの頭部.3個の単眼が目立つ
頭頂に単眼が3個あるのはセミ型下目の中でセミ科のみ
(クリックで最大幅1024ピクセルに拡大)
(2008/08/19)

 今はどうかと言うと、先ず、ニイニイゼミが非常に少なくなりました。殆ど声を聞かないで盛夏になってしまうこともあります。何故、ニイニイゼミがこれ程少なくなったのか、良く分かりません。ヒグラシも随分少なくなりました。これは、昔からの樹の繁った御屋敷が非常に少なくなったのに伴い、ヒグラシの好む暗い木立もずっと少なくなったのが原因らしく、国分寺崖線の様な樹の多い場所では、今でもかなり沢山棲息している様です。
 一番多いのは、やはりアブラゼミです。しかし、絶対数は昔の1/3位かも知れません。ツクツクボウシも健在ですが、数は減少しています。ミンミンゼミは、20年位まえから常駐(地元で発生)する様になり、現在ではアブラゼミをやや下回る程度までに増加しました(しかし、今年は例年より少ない様な気がします)。クマゼミは、今でも時々声を聞く程度です。最近、クマゼミの増加が各地で話題になっている様ですが、この辺りでは、まだ発生はしていないものと思われます。
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正面から見たアブラゼミ.この個体も口吻を樹皮に当てている
(クリックで最大幅1024ピクセルに拡大)
(2008/08/19)

 今回も「顔写真」を撮ってみました。等倍接写です。レンズの先端とセミは11.5cmしか離れていません。これだけ近づき、また、目の前でストロボを何回焚いても、セミは全く反応しませんでした。何故、こう言うセミの多い場所で、低い位置に留まっているセミは、これ程までに鈍感なのか、全く不思議です。
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アブラゼミの顔写真.上と同じ個体.体の位置の関係で
残念ながら少し右にずれている
(クリックで最大幅1024ピクセルに拡大)
(2008/08/19)

 セミは頭を上にして樹に留まっています。それを正面から撮ると言うことは、セミは地上50cm以下の所に居なければならず、また、撮影する方は、樹にしがみつく様にして撮らなければなりません。
 御蔭で、樹皮に付いていた泥その他の汚れが、衣服にシッカリ付いてしまいました。白いシャツを着ていたので汚れが目立ち、家に帰り着くまで、一寸恥ずかしい思いをしました。

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2006年9月30日 (土)

アメンボ

 成城と喜多見との間にある国分寺崖線には清水の湧き出しているところが何個所もあります。昔はそういう所にはサワガニがいて、昭和40年代まではごく一部に残っていましたが、今は完全に絶滅してしまいました。
 先日、清水の辺りに何かいないかと思って国分寺崖線に行ってみました。しかし、いたのは清水を溜めた小さな人工池にアメンボが一匹だけ。

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清水を溜めた池にいたアメンボ.影が面白い
(2006/09/21)

 アメンボというのはカメムシやグンバイムシに近い昆虫で、姿に似合わず?肉食性です。水の上をスーイスーイと滑って水面に落ちてきた虫などを食べます。
 しかし、表面張力を利用して水の上を這うというのは、考えてみればなかなか面白い生活様式です。こういう風に進化するまではどうしていたのでしょうか? 表面張力を利用しているので、界面活性剤(例えば洗剤)を流すと溺れてしまいます(こういうことはしてはいけません)。
 昔は清水の近くにはサワガニの他にシマドジョウとカワニナがいました。しかし、これらも絶滅してしまった様です。水のあるところなら、アメンボの他にゲンゴロウ、マツモムシ、所によっては、タガメやタイコウチもいました。田圃であればドジョウ、タニシなど幾らでも採れたものです。
 しかし、今は清水を溜めた人工池にアメンボ一匹。寂しくなりました。

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