カテゴリー「昆虫(カメムシ)-1」の27件の記事

2008年7月 8日 (火)

ヨコヅナサシガメ

 今日は久しぶりにカメムシを紹介します。ヨコヅナサシガメ、体長20mmを超える日本最大級のカメムシです。

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ヨコヅナサシガメ.日本最大級のサシガメ科カメムシ
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/05/22)

 このWeblogで紹介している虫の多くは、体長1cm以下です。小さい虫を撮るのには馴れていますが、こう被写体が大きいと些か調子が狂い、「絞りの値は幾つにしようか・・・」等と考えてしまいます。
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上から見ると白黒模様だが、各脚の基節と尾端付近の下面は赤い(2008/05/22)

 居たのは、「四丁目緑地」の歩道部分に1本だけ植えられている胸高直径40cm位のケヤキの樹です。高さ1m位の所で、樹皮の上を歩いていました。
 カメムシの多くは敏捷で写真を撮るのに苦労することもあります。しかし、流石は横綱、ノッシノッシと歩を進めます。かなりストロボの光を気にしていた様ですが、翅があっても飛んで逃げたりすることはありませんでした。
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ヨコヅナサシガメの口吻.太くて頑丈そうに見える(2008/05/22)

 所々に赤い部分が見えます。実は羽化直後は体の殆どの部分が真っ赤で、それが次第に黒に変わって行きます。しかし、北隆館の「新訂 原色昆虫大圖鑑」に拠ると、各基節と腹端下面は暗赤色、とされていますから、この部分は赤いまま残るのでしょう。
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頭部は非常に細長い(2008/05/22)

 このサシガメ、日本を思わせる「ヨコヅナ」の名が付いていますが、本来日本の昆虫ではなく外来種とされています。しかし、いつ頃何処から日本に入ったのかは、文献を調べてもハッキリしたことは分かりませんでした。
 かなり以前から、九州には棲息していた様です。それが次第に拡がって関西に達し、その後の温暖化と共に急激に分布を東に拡げて、今では関東全域で普通種になってしまった感があります。外来種らしく、この「四丁目緑地」の様な人工的な公園や神社などにある大きな樹(サクラ、エノキ、ケヤキ等)で見つかることが多いそうです。
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孵化したてのテントウムシ幼虫の集団に
口吻を差し込むヨコヅナサシガメ
(2008/05/22)

 上の写真は、孵化したばかりのテントウムシ(多分ナミテントウ)幼虫の集団の中に口吻を差し入れているところです。やはりテントウムシは旨くない(苦い)のか、直ぐに場所を換えてしまいました。
 御執心だったのが、樹皮の裂け目(下の写真)。15分位彼方此方に口吻を差し込んで、この場所に留まっていました。何か居たのかも知れませんが、樹皮が邪魔してよく見えませんでした。
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樹皮の裂け目で獲物を探すヨコヅナサシガメ(2008/05/22)

 「四丁目緑地」で撮った写真もいよいよ残り少なくなってきました。このところ雨模様の日ばかり続いていて、写真を撮りに出る機会がありませんが、近い内に出かけないとネタ切れになる恐れがあります。

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2008年6月27日 (金)

ホオズキカメムシ

 今回から「四丁目緑地」で撮った虫たちを紹介することになります。しかし、撮影日は5月22日、既に一月以上経った写真と言うことになりますが、このWeblogは本来の日記としての性格にはかなり乏しいものがあると思いますので、些か「古く」ても掲載すべきものは掲載して行くことにします。
 今日は、久しぶりにカメムシを紹介します。ヘリカメムシ科のホオズキカメムシ、体中に棘や剛毛が生えている毛むくじゃらのカメムシです。

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ホオズキカメムシ.ナス科、ヒルガオ科の害虫として知られている
拡大すると毛深いことが分かる(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/05/22)

 ・・・とは言っても、毛は大して長くないので、かなり拡大してみなければよく分かりません(写真をクリックして拡大して見て下さい)。
 こういう表面に細かい毛の多い虫は、困り者です。写真を撮るときに焦点が合っているのか否かが分かり難く、最近眼の解像力が低下している私としては厭な被写体です。今の季節に多いハムシダマシや前回のムネクリイロボタルなども同様です。
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横から見たホオズキカメムシ.毛の他に棘状の突起も見える
(2008/05/22)

 このホオズキカメムシ、名前にあるホオズキの他、トマト、ピーマン等のナス科の植物を吸汁して被害を与え、また、アサガオやサツマイモなどのヒルガオ科植物にも寄生する様です。
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これは別の場所にいた個体.他の写真の虫とは別個体と思われる
色調が他の写真とは異なるが、カラーバランスの問題ではなく
実際に違うらしい(2008/05/22)

 写真のホオズキカメムシは、上の写真を除いて、キク科の雑草(ヒメジオンかハルジオン)に居たものです。キク科植物に寄生するのではなく、偶々、そこに居たのでしょう。この辺りに多いナス科植物と言えば、イヌホオズキ類だと思いますが、近くの農地でピーマンやナスを栽培していることもありますので、或いは、そこから来たのかも知れません。
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キク科の雑草の葉上を渡り歩くホオズキカメムシ(2008/05/22)

 ホオズキカメムシは、害虫としてリッパに名の知られたカメムシです。しかし、Internetで調べてみると、その程度はクサギカメムシなどと較べると、それ程酷いものではないらしく、また、農家よりも家庭菜園で問題になっている様です。
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オマケにもう1枚.このカメムシ、横から見るとカッコイイ
(2008/05/22)

 先日「四丁目緑地」に行ってみたところ、かなり奥の方まで除草されていました。暫くの間、虫の写真を撮りに行っても無駄足を踏むことになりそうです。しかし、先月はかなり多くの虫その他を撮りましたから、ネタには事欠きません。次は何にするか思案中、と言ったところです。

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2008年5月24日 (土)

ヘラクヌギカメムシ

 今週は晴天に恵まれたので、三丁目緑地や四丁目緑地に行って来ました。随分と色々な虫を撮りましたが、その前に、先週四丁目緑地で撮った虫を先に紹介しなければなりません。
 今日は、ヘラクヌギカメムシ、体長12mm前後の中位のカメムシです。

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ヘラクヌギカメムシ.カメムシ科に似ているがクヌギカメムシ科に属す(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/05/16)

 ヘラクヌギカメムシはカメムシ科ではなく、クヌギカメムシ科という別の科に属します。クヌギカメムシ科には臭線の開口部に棘状突起がありますが、カメムシ科にはありません。
 臭線の開口部は、中肢基部と後肢基部の間にあり、体の真ん中ではなく正中線より少し外側に位置します。下の写真でもそれらしき物が見えています(写真をクリックして拡大して見て下さい)。
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真横から撮ったヘラクヌギカメムシ.中肢と後肢の間に
突起の様なものが見える。気門は黒くない
(2008/05/16)

 クヌギカメムシ科には、背側から見ると殆ど区別の付かないクヌギカメムシ、ヘラクヌギカメムシ、サジクヌギカメムシの3種が居ます。この内、クヌギカメムシは気門が黒いので区別は簡単です。ヘラかサジかは、雄の場合、生殖器を見れば分かりますが、雌は容易に区別が付かないそうです。この個体は雌ですから、実を言うとヘラかサジか分からないのですが、東京都内の記録を見ると、最近はサジクヌギカメムシの報告は無い様なので、ヘラクヌギカメムシと判断しました。
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正面から見たヘラクヌギカメムシ.眼は触角の後(2008/05/16)

 ここに掲載した写真は全て5月16日に撮影したもので、その時はこの1頭しか見ませんでした。しかし、22日に四丁目緑地の少し藪になった所に入ってみると数頭が居ました。この辺りではごく普通の種の様です。
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斜めから見たヘラクヌギカメムシ.眼が赤い(2008/05/16)

 「石神井公園の昆虫」というサイトに拠ると、クヌギカメムシはクヌギ、ヘラクヌギカメムシはコナラを好むそうです。四丁目緑地の付近には、コナラもクヌギも沢山あります。ヘラの付かないただのクヌギカメムシも居るかも知れません(なお、世田谷区の本来の植生はシイ・シラカシ等の常緑樹林で、この辺りに多いクヌギ、コナラ、イヌシデなどはシイ・シラカシ等を切った後に薪炭用として植えられたものだとされています)。
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ミツバツツジ(の類)の葉上を歩くヘラクヌギカメムシ.
直ぐ近くのナラ類から飛んできたのであろう
(2008/05/16)

 秋に比べやはり春は虫が多く、写真が沢山溜まってしまいました。更新頻度を高める必要がある様です。

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2008年1月19日 (土)

ミナミトゲヘリカメムシ

 「三丁目緑地」で越冬中のヨコバイを探していたら、バランの根元に細長いカメムシが一頭居るのを見付けました。
 一見ホソハリカメムシに似ていますが、ホソハリが体長1cm程度なのに比し、その2倍の2cm位あります。また、触角が細長く、その第4節の基部付近が黄色く目立っている点でも異なります。調べてみると、ヘリカメムシ科のミナミトゲヘリカメムシと言う南方系のカメムシでした。

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バランの根元に居たミナミトゲヘリカメムシ
触角第4節に黄色い部分がある
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/01/11)

 「日本原色カメムシ図鑑」に拠ると、このカメムシは鹿児島県で1973年から1975年にかけて蜜柑の果実に加害してにわかに注目されたのだそうで、これまでに三重県、和歌山県、愛媛県、高知県、大分県、鹿児島県などで発見されている、とあります。この図鑑は1993年12月の発行ですから、15年少しで九州、四国、紀伊などから関東まで北上したことになります。これは、かなり著しい「北上率」です。
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落葉の上に移して撮影.しかし、葉裏は白過ぎた(2008/01/11)

 しかし、「外来種ハンドブック」にはミナミトゲヘリカメムシの名は載っていません。Internetで調べてみても外来種ではなく、沖縄諸島等に元から居た種類の様です。
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別の落葉に移す(2008/01/11)

 バランはストロボの反射で光るので、最初の1枚以降は落ち葉の上に移して撮影しました。しかし、かなり暖かい日だったせいか、南方系の虫でもかなり速く動いて葉裏に逃げようとします。何回か葉をひっくり返したりしている内に、何処かへ吹っ飛んでしまったのか、見失ってしまいました。何時もは真横からも撮ることにしているのですが、その写真が無いのは、モデルが消えてしまったからです。
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ミナミトゲヘリカメムシの顔
ヘリカメムシ類の顔は何れもよく似ている(2008/01/11)

 カメムシの仲間は集団で越冬する習性を持つものがかなり居ます。残念ながら、成城では未だその様な「現場」を押さえていません。この辺りでは集団を作るほど個体密度が高くないのかも知れませんが、現在、集団を「捜索中」です。

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2007年12月23日 (日)

コバネヒョウタンナガカメムシ

 この秋に撮った写真はまだあることはあるのですが、その前に7月の末に「三丁目緑地」で撮影したコバネヒョウタンナガカメムシを紹介しておきます。
 体長6mm位のやや小さめのカメムシです。広くイネ科の花穂に寄生するそうですが、「四丁目緑地」のエノコログサには来ていませんでした。季節が違うせいかも知れません。
 「三丁目緑地」では、ヒゲナガカメムシと一緒に、オヒシバの花穂に付いていました。

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オヒシバに付いたコバネヒョウタンナガカメムシ
胸部と腹部の間が括れている
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2007/07/27)

 「日本原色カメムシ図鑑」に拠れば、各地に最も普通の種だそうです。成虫になっても翅が短く、先端が腹端に達しないので、他種と容易に区別できます。ヨツボシヒョウタンナガカメムシとは属は違いますが、同じ亜科(Rhyparochrominae)に属します。ヒゲナガカメムシも同じナガカメムシ科ですが、亜科はPachygronthinaeで異なります。
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真横から見たコバネヒョウタンナガカメムシ.横から見ても胸部と腹部の間が括れている(2007/07/27)

 このカメムシも、ヒゲナガやヨツボシと同様、前肢腿節が太くなっています。ナガカメムシ科に属すカメムシにはこの様な特徴を示す種類が多いのですが、全部ではありません。
 何故、前肢腿節が特に太いのかは良く分かりません。イネ科の花穂に取り付いているカメムシを見ていると、芒が邪魔で種子に接近するのがかなり大変な様です。或いは、芒を掻き分けるのに力がいるのかも知れません。
 一部の種では雄同士が雌を争うときにこの太い腕で殴り合うからだ、と言う話があります。しかし、雌も太い腿節を持っているので、余り説得力がありません。
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オヒシバの種子から吸汁するコバネヒョウタンナガカメムシ(2007/07/27)

 「ヒョウタン」と名が付くのは、胸部と腹部の間が括れていて、少しヒョウタンの様な形をしているからです。このコバネヒョウタンナガカメムシが属す亜科Rhyparochrominaeをヒョウタンナガカメムシ亜科と呼ぶ人も居ますが、ヒョウタン的でないカメムシも多く、余り適当な名称とは思えません。
 「ヒョウタン」の名が付くカメムシには、他にカスミカメムシ科のヒョウタンカスミカメの仲間がいます。
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オヒシバの葉で休憩中(2007/07/27)

 これで今年のカメムシは総て終了しました。全部で丁度20種になります。今年の秋は殆どカメムシ旋風とでも言うべき有様でしたが、来年はどんなカメムシが登場するでしょうか。お楽しみに!!

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2007年12月18日 (火)

ヨツボシヒョウタンナガカメムシの幼虫

 ヨツボシヒョウタンナガカメムシは10月27日に紹介しましたが、幼虫の写真がまだ沢山残っていますので、今日はそれを掲載することにします。

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オオケタデに集るヨツボシヒョウタンナガカメムシの幼虫
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2007/10/05)

 このヨツボシヒョウタンナガカメムシは、「四丁目緑地」ではオオケタデ(オオベニタデ)、オオイヌタデ、エノコログサ(ネコジャラシ)の何れにも集っていましたが、「三丁目緑地」、「七丁目緑地」ではエノコログサ、4丁目や3丁目の空き地では単子葉植物の多い草むらに居ました。更に11月下旬には、我が家でも1頭見付けました。これまで紹介したカメムシ類の内で最も広範囲に分布する最普通種の様です。
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オオイヌタデに居たヨツボシヒョウタンナガカメムシの終齢幼虫(2007/10/11)

 幼虫の体長は6mm以下で、かなり速く歩きます。全体的に少し赤味を帯びた黒色をしており、触角も長いので、アリと見間違えてしまいます。この大きさの黒っぽいカメムシには、アリと見分けが付き難いのが他にも色々いますが、一種の擬態なのかも知れません。
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エノコログサの上を歩くヨツボシヒョウタンナガカメムシの幼虫
芒が邪魔して歩き難い(2007/10/05)

 このヨツボシヒョウタンナガカメムシは、一応斑点米カメムシとしてその名が知られています。しかし、Internetで検索してもあまり害虫としては登場して来ませんから、アカスジカスミカメやアカヒゲホソミドリカスミカメ(イネホソミドリカスミカメ)の様な「大害虫」ではない様です。
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エノコログサの芒の上を歩くヨツボシヒョウタンナガカメムシの幼虫
(2007/10/11)

 ヨツボシヒョウタンナガカメムシの越冬形態は調べても良く分かりませんでした。しかし、他の多くのカメムシ同様、成虫で越冬するものと思われます。この幼虫達も既に成虫となり、今頃は何処かに潜んでジッと春が来るのを待っているのでしょう。

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2007年12月10日 (月)

マルカメムシ

 最近掲載しているカメムシは、カスミカメムシ科やナガカメムシ科に属すカメムシばかりでした。しかし、今日紹介するのはカメムシ上科マルカメムシ科のマルカメムシです。
 体長は5mm弱、名前の通り丸いカメムシで、背側から見て丸いだけでなく、横から見てもかなり丸い、と言うか厚みのあるカメムシです。
 このマルカメムシは「四丁目緑地」にも沢山いて、主にエノコログサに付いていました。しかし、頭を穂に突っ込んでいて、見えるのはお尻ばかり。そこで、少し前(7月)に「三丁目緑地」で撮った写真を主に掲載することにしました。

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クズの蔓に集るマルカメムシ
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2007/07/24)

 マルカメムシは主にマメ科の植物に寄生するそうで、「三丁目緑地」ではクズ(葛)の蔓に集っていました。調べてみると、マルカメムシはこのクズがかなりお気に入りの様です。特にマメ科の畑作物の植わっていない都市近郊では、専らクズがマルカメムシの「主食」になっていると言ってもよさそうです。
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クズの蔓を歩くマルカメムシ(2007/07/24)

 こう言う厚みのある虫は、テントウムシも同じですが、写真を撮る方にとっては些か厄介な相手です。体全体を被写界深度内に収めるのが結構大変で、数枚撮らないと背中と頭の両方がキチンと写っている写真が1枚もないと言う事になります。
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同じくクズの蔓を歩くマルカメムシ(2007/07/24)

 カメムシの多くは成虫越冬します。種類によっては集団で越冬しますが、このマルカメムシもその習性を持っており、晩秋に大挙して家屋に押しかけることがあるそうです。布団に臭いが付いたりして大変らしいですが、この辺りでは虫の絶対数が少ないせいか、問題になったことは記憶にありません。
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横から見ると、クズの毛で非常に歩きにくいことが分かる(2007/07/24)

 最初に書いた様に、このマルカメムシは「四丁目緑地」にも沢山いて、そこでは専らエノコログサの穂に頭を突っ込んでいました。見えるのはお尻ばかりで何とも「アラレもない格好」ですが、1枚だけ掲載しておきます。
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マルカメムシの「アラレもない格好」(2007/10/17)

 このマルカメムシで、この秋に撮ったカメムシは全種紹介し終わりました。しかし、カメムシ以外ではまだ未掲載の虫が残っています。もう暫く虫の話を続けることが出来そうです。

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2007年12月 3日 (月)

テンサイカスミカメ

 今日は、またカメムシに戻ります。駅から約300mの2丁目にある空き地に居たテンサイカスミカメです。
 大きさや大まかな外形は、既に紹介したウスモンミドリカスミカメによく似ています。始めは、このウスモンの緑色の濃い個体かと思いましたが、マクロレンズで覗いていると、何となく雰囲気が違います。どうやら、別種の様です。

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テンサイカスミカメ.綺麗な緑色をしている.翅端まで4.5mm
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2007/11/15)

 家に帰ってコムピュータで見てみると、ウスモンとは大部違っていました。先ず、全身がかなり長い毛に被われています。触角にまで毛が生えているのが見えます。
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斜め横から見たテンサイカスミカメ.かなり毛深い(2007/11/15)

 更に、横から見ると翅が体よりも随分長くなっています。ウスモンの方は、翅は胴体より僅かに長いだけですが、このテンサイカスミカメは、翅の1/3位がお尻からはみ出しています。
 結果的に、ウスモンよりも細長くなっている様です。尤も、この翅の長さは雌雄で異なっているのかも知れません。
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ほぼ真横から見たテンサイカスミカメ.翅が長い(2007/11/15)

 テンサイカスミカメは、アカホシカスミカメと同様、この2丁目の空き地でしか見つかりませんでした。他の住宅地に囲まれた方々の空き地はおろか、3丁目や4丁目の緑地でも全く見ていません。
 「テンサイ(甜菜:ビート)」の名が付いていますが、テンサイだけではなく広くアカザ科の植物に寄生するそうです。この2丁目の空き地には、かなりアカザが生えていましたから、それを目当てに来ていたのでしょう。
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ほぼ真上から見たテンサイカスミカメ(2007/11/15)

 このカメムシ、テンサイの害虫として知られている位で、決して珍しい種類ではない様です。しかし、不思議なことにInternetで検索しても10サイトもヒットしません。旧称のテンサイメクラガメで検索すればもっと少なくなります。
 また、画像は検索では一つも出て来ませんでした(検索には引っ掛からない「カメムシBBS」の過去の記録中に1枚だけ写真がありました)。写真を掲載するのは、このWeblogが最初の様です。そこで、オマケにもう1枚掲載しておきます。
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おまけの1枚(2007/11/15)

 もうすっかり初冬の様相を帯び、虫もグッと少なくなりました。しかし、まだ10~11月に撮った写真が残っています。暫くは、虫の紹介を続けることが出来そうです。

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2007年11月27日 (火)

ウスモンミドリカスミカメ

 今日もまたカメムシになってしまいました。他の虫の写真もあるのですが、まだ、調整が出来ていません。
 先日のアカホシカスミカメアカヒゲホソミドリカスミカメと同じカスミカメムシ科のウスモンミドリカスミカメです。体長は、アカホシよりはやや小さく約5mm、しかし、幅はかなりありますから、カスミカメとしては目に付き易い方かも知れません。

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セイタカアワダチソウに集るウスモンミドリカスミカメ
緑色の強い個体.寄生者の卵の様なものが付いている
2丁目の空き地で(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2007/11/13)

 このカメムシは体色にかなりの変化が見られます。殆ど緑色のものから、赤っぽい感じが強いものまであり、最初は別種かと思った位です。
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同じく2丁目の空き地に居た個体.赤味いスジが明瞭(2007/11/13)

 「カメムシ図鑑」に拠ると、この色彩の変異が大きいことと世界中の暖温帯~熱帯に広く分布しているため、これまでに様々な名前(学名)で記載され、これに引きずられて和名の方にも相当な混乱があったとのことです。
 現在では、学名はTaylorilygus apicalis、和名はウスモンミドリカスミカメに落ち着いている様です。
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エノコログサに居たもの.赤味が強い
5丁目の空き地で(2007/11/17)

 このウスモンミドリカスミカメは、住宅地の中の彼方此方の空き地で見かけました。キク科の植物に主に寄生するとのこのとですが、エノコログサに付いている個体も居ました。
 空き地では、主にセイタカアワダチソウの花に来ており、7丁目の家庭菜園ではキクの園芸種に付いていました。
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斜めから見たウスモンミドリカスミカメ
2丁目の空き地、以下同じ(2007/11/13)

 このカメムシ、何故か「四丁目緑地」では全く見かけませんでした。「四丁目緑地」にはセイタカアワダチソウもかなり生えて居るのですが、居たカメムシはヒメナガカメムシだけでした。面白いこともあるものです。
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真横から見たもの.最初の写真と同じ個体
寄生者の卵の様なものが付いている
(2007/11/13)

 ウスモンミドリカスミカメはキク科の他マメ科やイネ科の植物にも被害を与え、一応害虫として認識されています。しかし、Internetで検索してもヒットするのは精々200件で、アカヒゲホソミドリカスミカメの時の様に1万数千件も出てくる様な悪者ではない様です。
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ウスモンミドリカスミカメの顔
額に縞模様がある(2007/11/13)

 カスミカメムシ科のカメムシは、殆どが体長1cm以下の「微小な昆虫」です。しかし、日本産陸生カメムシ類(推定約800種)の半分以上はこのカスミカメムシ科の成員なのです。一方、このWeblogでこれまでに紹介したのはたったの3種、この辺り(東京都世田谷区成城)にもまだ他に色々なカスミカメが居るに違いありません。
 小さな虫ですが、幸なことに、写真写りは中々良い様です。来年は春からカスミカメ探しになるかも知れません。

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2007年11月25日 (日)

アカホシカスミカメ

 今日もまたカメムシです。アカホシカスミカメ、カスミカメムシ科の体長6mm前後の小さいカメムシです。
 このカメムシはいつもとは一寸違った場所に居ました。駅の西口から300mmも離れていない、2丁目の元の線路に近い所にある空き地です。余り草も生えていないのですが、既に紹介したヒメナガカメムシアカヒゲホソミドリカスミカメの他、まだ紹介していない2種のカスミカメも此処に居ました。逆に、このカメムシを見たのは、今のところ、此処だけです。

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アカホシカスミカメ(2007/11/13)

 この写真は、草むらから飛んで地面近くに降りたところをすかさず撮影したものです。しかし、写り具合を確認している間に何処かへ飛んで行ってしまった為、写真はこの1枚しかありません。
 アカホシカスミカメは、イネ科の穂を吸汁して斑点米の原因を作るそうですが、害虫としては、大物では無い様です。一方、似た様な名前のアカスジカスミカメは、悪名高い斑点米カメムシです。
 他に、アカホシカメムシ、アカスジカメムシと言う種類もあります。どうもカメムシの名前は、同じ様なのが多くて間違えてしまいそうです。

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