カテゴリー「昆虫(甲虫)」の27件の記事

2009年12月21日 (月)

ウスキホシテントウ

 前回の更新をした4月14日から8ヶ月と少々、すっかりサボってしまいました。まァ、2ヶ月は出張なので仕方ありませんが、その後の6ヶ月は全くのサボりです。一旦、サボり始めるとクセになって中々元に戻らなくなります。困ったものです。
 ・・・と云うことで、今日から此方のWeblogを再開します。一つには、もう一つの私のWeblogである「我が家の庭の生き物たち」が現在慢性的なネタ切れ状態に陥っており、今日やっと更新しましたが、今後寒い間は余り更新できそうもないからでもあります。
 一昨日、久しぶりに「四丁目緑地」へ行ってきました。一番沢山居たのはチャタテムシの仲間ですが、今日はその前に越冬中のテントウムシを紹介します。

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ウスキホシテントウ.ケヤキの樹皮下に居た
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2009/12/19)

 テントウムシ科テントウムシ亜科に属すウスキホシテントウ(Oenopia hirayamai)です。「四丁目緑地」に植えられているケヤキの樹皮下に居ました。体長3mm弱のやや小さなテントウムシです。これまで、この辺り(東京都世田谷区西部)では見たことがありません。
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側面は歯車の様なデコボコ模様をしている
(2009/12/19)

 Internetでこのテントウムシを検索してみると、多くは冬の越冬期に撮影した写真が掲載されています。活動期には余り見つからないテントウムシの様です。以前紹介したヒメヨコバイ類やチャタテムシ類も、越冬期以外に見たことはありません。活動期には、樹木の高い所で生活しているのかも知れません。
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多くのテントウムシは可愛い顔をしている
(2009/12/19)

 よく似た種類に、同属(Oenopia)のムツキボシテントウがあります(Oenopia属は、九州大学の日本産昆虫目録ではこの2種のみです)。上翅(鞘翅)側面の模様が歯車の様にデコボコしているのがウスキホシテントウで、浅い波形になっているのがムツキボシテントウだそうです。
 テントウムシには「ホシ(星)」の名が付く種類が沢山あります。しかし、ムツキシテントウは「六・黄星天道」、ウスキシテントウは「薄黄・星天道」らしく、前者では「ホシ」が濁って「ボシ」となっていますが、後者では「ホシ」のままです。
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寒いせいかジッとして全く動かなかった
(2009/12/19)

 この個体、樹皮下に居たと書きましたが、剥がした皮の方に付いていました。寒いせいか写真を撮る間、全く動きません。御蔭で非常に楽に写真を撮ることが出来ました。
 しかし、撮影が終わって元に返そうとしても、剥がした樹皮の方に付いているので戻すことが出来ません。其処で、木の根元の陽の当たる所に置いてきました。陽が当たって体が温まれば、やがて動き出して何処かへ隠れるでしょう。
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オマケにもう一枚
(2009/12/19)

 どうも最近はすっかり横着になってしまい、文章を書くのが面倒でいけません。写真は、昨年撮った未掲載のものがまだ沢山残っている位で、十二分あります。出来るだけ文章は簡単にして、更新頻度を高めるべきでしょう。

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2009年3月26日 (木)

トラフコメツキ

 早春の虫、その第2段はトラフコメツキ(Selatosomus onerosus)です。コメツキムシが早春の虫とは少し意外かも知れませんが、このトラフコメツキは、先日のビロウドツリアブ同様、春にしか現れません。
 「四丁目緑地」の草の葉に逆さ向きに留まっていました。体長10~15mm、中型のコメツキムシで、コメツキムシ科ベニコメツキ亜科(Denticollinae)に属します。

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トラフコメツキ.早春に現れるコメツキムシ
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2009/03/19)

 コメツキムシと言うと、以前紹介したクロクシコメツキ?サビキコリの様に、褐色~黒色の種類が多いのですが、鞘翅に模様を持つものも少なからず居ます。
 しかし、この辺り(東京都世田谷区西部)にいるコメツキムシで、鞘翅に斑紋がある種類は、このトラフコメツキ以外に知りません。
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暖かい陽射しの中で居眠り?
(2009/03/19)

 保育社の昆虫図鑑(甲虫図鑑ではない)には、「早春平地でみられるが多くない」と書かれています。しかし、この日は写真の個体よりもう少し小さい別個体も見ましたし、一昨年(2007年)の4月には我が家でも何度か見かけた位で、極く普通種の様です。東京都本土部昆虫目録を見ても、東京都内の多くの場所で記録されています。
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ストロボの光を浴びて目を覚ましたところ
(2009/03/19)

 この日は、東京(大手町)の最高気温が23.2度にも達し、暖かいを通り過ぎて暑い位でした。コメツキムシ君、葉の上でうたた寝をしていた様子でしたが、ストロボで目を覚まされ、その内ゴソゴソ動き始めました。予想通り、やがて翅を拡げて近くのぺんぺん草(ナズナ)に移りました。最後の2枚はそのぺんぺん草に居るところを撮ったものです。
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何となく、飛んで逃げそうな雰囲気
(2009/03/19)

 コメツキムシの幼虫は土中や朽ち木の中に棲息し、中には雑食性や捕食性ものも居ます(サビキコリ類等)が、多くは植食性です。クロクシコメツキ、クシコメツキ、マルクビクシコメツキ、コガネコメツキ等、農業害虫とされている種類もかなりあります。
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ぺんぺん草(ナズナ)に移ったトラフコメツキ(2009/03/19)

 幼虫の形は、小鳥や爬虫類、両棲類等の生き餌として養殖・販売されているミールワームによく似ています。しかし、ミールワームは、コメノゴミムシダマシ、チャイロコメノゴミムシダマシ等のゴミムシダマシ科の幼虫です。ゴミムシダマシ科はコミムシダマシ上科、コメツキムシはコメツキムシ上科に属しますから、かなり遠縁なのですが、肉眼的には殆ど区別が付かない位よく似ています。
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トラフコメツキの顔.かなり険悪
(2009/03/19)

 春の植物はもう色々咲いているのに、春の虫はの方はまだ余り見かけません。次回はまた雑草を紹介することになります。

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2009年2月27日 (金)

ハムシダマシ

 最近は微小なハエやチャタテムシ等の掲載が続いています。今日は、一寸雰囲気を変えて、昨年の初秋に我が家の庭で撮った甲虫を紹介することにします。
 ハムシダマシ(Lagria rufipennis)、体長は図鑑に拠れば6.2~8.0mm、写真の個体は何れも約7mmです。遠目にはハムシの様に見えますが、写真に撮って見ると全身に細毛を帯びていて、随分ザラザラした感じです。ハムシ科は、Wikipediaに拠れば現在日本に約780種も棲息する大きなグループですが、体や鞘翅に細かいデコボコはあっても、細毛に被われている種類はいません。

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ハムシダマシの雌.全身が細毛で覆われている
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/01)

 ハムシダマシはゴミムシダマシ上科ハムシダマシ科(ゴミムシダマシ上科ゴミムシダマシ科ハムシダマシ亜科)に属すのに対し、ハムシはハムシ上科ハムシ科に属します。上科のレベルで所属が違うのですから、これはかなり遠縁であると言えます。以前紹介したセスジナガキマワリはゴミムシダマシ科ですから、このハムシダマシとはかなり近い訳です。一方、ハムシ上科には、他にカミキリムシやゾウムシの仲間が所属します。
 鞘翅目(甲虫類)も、双翅目(虻、蚊、ハエ)と並んで、「他人の空似」が所々に居る要注意のグループです。
 なお、ハムシダマシは、もう一つのWeblog「我が家の庭の生き物たち」では、一昨年に既に掲載済みです(内容はかなり異なります)。
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上と同じ個体.触角の末端節は比較的短く、胸部はかなり太い
(2008/09/01)

 今日掲載した6枚の写真の内、最初の2枚とその後の4枚では個体が異なります(撮影日が違います)。前の個体は胸部が太いのに対し、後の個体は胸部が細く、頭部も少し細長くて菱形をしています。始めは前者が雌、後者は雄だと思っていたのですが、保育社の甲虫図鑑を見ると、「雄の前頭幅は複眼横径の0.6倍、触角は非常に長く、末端節は第3~10節の和にほぼ等しい」と書いてあります。
 後の個体の写真を見ると、前頭幅はもっと広い様ですし、触角の末端節は第6~10節の和にほぼ等しく、明らかに図鑑の記載よりも短くなっています。
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ハムシダマシの雄に似た個体.しかし、触角の末端節は
図鑑の記載よりずっと短い
(2008/09/13)

 他に近縁種が居るのかも知れません。しかし、保育社の甲虫図鑑にはLagria属は3種しか載って居らず、他の2種は明らかに該当しません。また、他のハムシダマシ科にも似た種類は見当たりませんでした。
 そこで、九州大学の日本産昆虫目録を参照してみると、図鑑の3種の他にニセハムシダマシと言う種類が載っていました。学名を見ると、何と、甲虫図鑑でハムシダマシに当てられているLagria nigricollisは、九大の目録ではニセハムシダマシ(Lagria nigricollis Hope, 1842)であり、ハムシダマシの学名はLagria rufipennis Marseul, 1876 になっています。分布は何れも日本全土(島嶼については不明)の様です。命名年は何れも19世紀ですから、新種が発見された訳ではなく、また、分布も広いことから、これは以前から日本全土に棲息していた「ハムシダマシ」が、よく見てみると2種類であった、と言うことだと思われます。
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細毛に被われていて頭部の詳細が分からない
(2008/09/13)

 残念ながら、ハムシダマシとニセハムシダマシとの違いについて書かれた文献やWebサイトは見つかりませんでした。図鑑の記載その他から判断して、最初の2枚の写真に写っている個体はハムシダマシの雌として特に問題ない様です。
 しかし、後の細長い個体については、ここでは一応「ハムシダマシ」としておきますが、ハムシダマシの異常型、ニセハムシダマシ、或いは、その他の全然違うグループである可能性もあります。
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普通は見えるはずの顔が毛でよく見えない
(2008/09/13)

 ニセハムシダマシは、ハムシダマシと同属近縁種ですから、分けて書くとニセ・ハムシダマシとなります。昆虫の名前にはニセ○○○、○○○ダマシ。○○○モドキの類が沢山あります。ニセハムシダマシについて調べていると、余り虫に詳しくないと思しき人が、この様なややこしい虫の名前を面白がって、色々と書いているサイトがかなりの数見つかりました。ニセハムシダマシに付いても、「ニセハムシとハムシダマシの両方があるから、ニセハムシ・ダマシなのかニセ・ハムシダマシなのか分からん」と言う様なことを書いているサイトがありました。しかし、ニセハムシというハムシは居ません。ニセハムシと付く虫は、一見ハムシ的な、カミキリムシ科ハナカミキリ亜科に属すニセハムシハナカミキリ属(Lemula)の仲間が居るだけです。
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横から見ると頭部も毛だらけなのが分かる
(2008/09/13)

 ハムシダマシの話は簡単に済むだろうと思っていたのですが、本文記述中に念の為図鑑の解説を読んだ結果、途中から面倒なことになってしまいました。ややこしいのは双翅目だけではない様です。

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2008年12月23日 (火)

トホシクビボソハムシ

 この秋に撮ったハエの写真の整理と調整をしていたら、4日も更新を空けてしまいました。ハエ類の写真を撮ったのは良いのですが、何れも一見しただけでは種名どころか科すら分かりません。ハエの分類は難しく、科を調べるだけでもヒジョウーに時間がかかるのです。
 そこで今日は、12月に入ってから撮ったハムシの写真を出すことにしました。トホシクビボソハムシ(Lema decempunctata)、以前紹介したキバラルリクビボソハムシと同じく、ハムシ科クビボソハムシ亜科に属します。

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トホシクビボソハムシ.背側からはヨホシ(四星)に見える
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/12/04)

 「三丁目緑地」の一番下にある公園に居ました。数本のサワラと以前紹介したエゴノキを切り倒して作った人工的な公園です。端の方に残っていたシャクチリソバの葉裏に留まっていましたが、直ぐ横に食草のクコがありましたから、そこが本来の居場所なのでしょう。
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横から見ると片側に5、左右で10の黒斑があるのが分かる
(2008/12/04)

 背側から見ると4つの黒斑が目立ち、これでは「ヨホシ=四星」ではないか、と言う感じがします。しかし、横から撮った写真を見ると、鞘翅の下寄りに小さい黒斑が3つ、上の方にやや大きいのが2つ、左右で丁度10個、「トホシ=十星」で間違いない様です。
 ところが、このトホシクビボソハムシ、斑紋の変化が著しく、黒斑が全く消失した個体も居るとのことです。この黒斑が無いと、図鑑で探すのに一寸時間がかかるかも知れません。因みに、保育社の甲虫図鑑に載っている個体には黒斑が4つしかありません。
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このハムシも正面から見ると険悪な顔をしている
(2008/12/04)

 12月にハムシを見た記憶は余りありません。晩秋の生き残りかと思いましたが、調べてみると、ハムシ類は成虫越冬が多い(一般的?)様で、このトホシクビボソハムシも成虫越冬です。この辺り(東京都世田谷区西部)は基本的にハムシの少ない所(日本産ハムシは500種以上、成城で見たハムシは約10種で全体の僅か2%!!)ですから、見る機会がその分少ないだけなのかも知れません。
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触角が少し邪魔になってしまった
(2008/12/04)

 このハムシの居た場所の直ぐ横には、クコの小さな木があり、その葉にはトホシクビボソハムシの幼虫と思しき虫が居ました。クビボソハムシ類の幼虫と言うのは、一寸風変わりな形をしています。近日中に紹介の予定です。

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2008年12月12日 (金)

メダカチビカワゴミムシ

 先日、「四丁目緑地」に植えられているケヤキの樹皮下にいた「トビムシの1種」を掲載しましたが、今日はその同じ木の樹皮下に居た小さなゴミムシを紹介します。
 メダカチビカワゴミムシ(Asaphidion semilucidum)、オサムシ科ミズギワゴミムシ亜科に属す一寸ハンミョウ(例えばトウキョウヒメハンミョウ)の様な顔をした、体長4mm前後のゴミムシです。

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メダカチビカワゴミムシ.ケヤキの樹皮下に居た
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/24)

 写真を撮ったのは9月下旬で、5cm角程度の小さな樹皮片を剥がすと必ずと言っても良いほど1~2頭出て来ました。このケヤキの木はヨコヅナサシガメを見付けて以来結構注意をしていて、時々樹皮を剥がして何か居ないか調べているのですが、7月中旬にはまだ居ませんでしたし、また、11月中旬にはもう居ませんでした。このケヤキの木ではかなり限られた期間にしか居なかったのですが、Internetで調べると、夏を除いてほぼ1年中見られる種類の様です。
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小さな樹皮片を剥がすと1~2頭出て来た
(2008/09/24)

 肉眼的にはゴミムシなのですが、マクロレンズで覗いてみると、まるでハンミョウの様な顔をしています。しかし、ハンミョウが樹皮下に棲むと言う話は聞いたことがありませんし、また、脚はハンミョウ類の様に長くはなく、ゴミムシ的です。
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アリも一緒(2008/09/24)

 家に帰ってから調べてみると、ハンミョウの様な顔をしたゴミムシには何通りかあり、メダカゴミムシ類(マルクビゴミムシ亜科)、ハンミョウモドキ類(ハンミョウモドキ亜科)とこのメダカチビカワゴミムシ類(ミズギワゴミムシ亜科)がそれに該当します。しかし、樹皮下に棲息するのはメダカチビカワゴミムシ類だけの様です。
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前胸後角に剛毛と思しきものが見える
(2008/09/24)

 九州大学の目録を見ると、ミズギワゴミムシ亜科には127種が登録されています。しかし、その中でハンミョウ的な頭部を持つのはメダカチビカワゴミムシ属(Asaphidion)だけです。この属には3種+1亜種しか居ない様で、その内のエゾメダカチビカワゴミムシは北海道以北、テンリュウメダカチビカワゴミムシは希少種で前胸の基縁中央が後方へ突出するそうですから、写真のゴミムシはメダカチビカワゴミムシ(Asaphidion semilucidum)として間違いないと思います。
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前胸側縁に1本の剛毛が見える.この写真では不明瞭だが
原画を拡大すると後角にも剛毛らしきものが見える
(2008/09/24)

 なお、保育社の「甲虫図鑑」に拠れば、メダカチビカワゴミムシは前胸の側縁と後角に剛毛を持ちテンリュウでは後者を欠くとのことです。側縁の剛毛は5番目以降の写真に明確に写っています。しかし、後角の剛毛と思しきものは4番目の写真に写っていますが、他の写真では見えなかったり不明瞭で、些か不確かです。この後角にある剛毛の存在を確実にするには、もう少し高い解像力が必要な様です。
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前胸側縁に剛毛が1本見える
(2008/09/24)

 図鑑に拠ると、分布は広く、日本の本土部全部の他、サハリン、東部シベリア、朝鮮半島、中国に棲息すると書かれています。しかし、沖縄や小笠原は、図鑑ばかりでなく九大の目録でも含まれていません。やや北方系の虫と言えるでしょう。
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この写真でも前胸側縁に1本の剛毛が見える
しかし、後角の剛毛は見えない
(2008/09/24)

 樹皮下に棲むゴミムシの種類など、どうせ分からないだろうと思っていたのですが、簡単にメダカチビカワゴミムシと分かってしまいました。同じオサムシ科でも、オサムシ亜科などには交尾器を見ないと判別出来ない種類が沢山居ます。オサムシ科は難しいと言う先入観があったので、こんなに簡単に種が分かってしまったのは一寸意外でした。
 以前紹介した、トビイロクチキムシセスジナガキマワリも直ぐに種まで落ちました。双翅目(ハエ、アブ、蚊)と較べると、鞘翅目(甲虫)はずっと楽な種類が多い様です。

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2008年12月 6日 (土)

サビキコリ

 今日はこの9月に「三ツ池緑地」で撮影したコメツキムシ科サビキコリ亜科のサビキコリ(Agrypnus binodulus)を紹介します。体長15mm程度で、コメツキムシとしては大きい方です。
 コメツキムシの仲間は、外見の類似した種類が多い厄介な連中なのですが(日本産コメツキムシ科は650種を越えます)、体表がザラザラしていて光沢が無いのは、サビキコリ族(Agrypnini)なので何とかなります(若干の例外があります)。保育社の甲虫図鑑に載っているサビキコリ族の検索表を参照すると、「中胸後側板は中基節窩に達する、4mm以上、小楯板は隆起線を欠く」、でサビキコリ属(Agrypnus)に辿り着きます。

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サビキコリ.胸部の背面に隆起線があるが
ストロボで撮ると分かり難い
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/12)

 九州大学の目録を見ると、サビキコリ属には33種も載っています。しかし、この仲間は南方系らしく、本州に産するものは7種のみで、その内この辺り(東京都世田谷区西部)に居そうな体長15mm前後のコメツキムシは、サビキコリの他にムナビロサビキコリ、ホソサビキコリの2種が居るだけの様です。
 ムナビロは胸部の輪郭が明らかに違います。残るはサビキコリかホソサビキコリか、と言うことになりますが、サビキコリには胸部背面に隆起腺があり、またホソサビキコリよりも幅があります。3番目(最後)の写真を見ると、胸部の背面に明らかな隆起が認められ、また、虫の縦横比を測定すると、ホソサビキコリよりもかなり太い様です。従って、この虫はサビキコリと言うことに相成ります。
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横から見たサビキコリ(2008/09/12)

 サビキコリの食性をInternetで調べてみたところ、樹液、朽ち木、木の葉、昆虫の死体、果実など何でも食べる様に書いてあるサイトがかなりの数あります。情報の出所が分からないので、次にサビキコリの生態写真を探すと、花や樹液に集っているところ、アリを食べているらしい写真、熟したニガウリを食べている写真などが見つかりました。実際に、相当な広食性の様です。
 今日の写真はイネ科植物(多分メヒシバ)の花穂にしがみついているところを撮ったものです。所々に食痕と思しき跡が認められますが、或いは、このサビキコリが食べたのかも知れません。
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斜め前から見ると、胸部の背側に隆起線があるのが分かる
(2008/09/12)

 もう既に12月です。しかし、10月はおろか9月に撮った未掲載の写真がまだ沢山残っています。もう一方のWeblog「我が家の庭の生き物たち」の方は、そろそろ根本的なネタ切れ状態に陥りそうですが、こちらの方は、当分ネタに困ることは無い様です。

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2008年11月12日 (水)

キバラルリクビボソハムシ

 新しいネタも沢山あるのですが、今日はまだ暑い内に我が家の庭で撮ったハムシを紹介することにします。
 キバラルリクビボソハムシ(Lema concinnipennis:黄腹瑠璃首細葉虫)と言う長い名前のハムシです。ハムシ科クビボソハムシ亜科に属します。体長は6mm前後で、まァ、葉虫としては普通の大きさですが、かなり細めです。

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キバラルリクビボソハムシ
背面からでは腹の黄色いのがよく見えない
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/01)

 このキバラルリクビボソハムシは、成虫、幼虫共に、ツユクサに寄生します。我が家には自然に生えたツユクサが沢山あるので(草取りをサボっている)、これに毎年やって来る様です。或いは、我が家の何処かで越冬して、既に棲み着いているのかも知れません。越冬態は、調べてみましたが、分かりませんでした。
 逆に、我が家以外でこのハムシを見たことはありません。この付近(東京都世田谷区西部)でツユクサが沢山ある所へ行けばまず居ると思いますが、何処へ行けばツユクサの「大群落」が見られるのか、残念ながら知りません。
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横から見ると、腹の先の方が黄色いのが見える
この手のハムシはイヌの様な格好でお座りすることが多い
(2008/09/01)

 このキバラルリクビボソハムシには、ルリクビボソハムシと言うよく似た種類が居ます。キバラの方は腹部末端3節が黄褐色なので、その名が付いていますが、ルリクビボソハムシは全身真っ黒です。
 しかし、保育社の甲虫図鑑に拠ると、キバラでも稀に全身黒色の個体があるそうです。こうなると、区別が少し難しくなります。図鑑には、キバラの方が一般に細く、また、前胸背板の点刻はより弱い、と書かれています。なお、ルリクビボソハムシの食草は、アザミ類です。
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斜め横から見たキバラルリクビボソハムシ
腹部が黒つぶれしない様に現像してある
(2008/09/04)

 ツユクサと言う植物は、どう見ても余り栄養がありそうに見えません。こんなものを食べていて栄養失調にならないのかと些か心配になる位です。ところが、ツユクサに寄生するハムシはキバラルリクビボソハムシだけではありません。同属近縁のトゲアシクビボソハムシ、アカクビボソハムシ、セアカクビボソハムシ、キオビクビボソハムシ等、みなツユクサ専門のハムシです。恐らく、ツユクサを食べる共通の祖先から、分化して来たのでしょう。
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正面から見たキバラルリクビボソハムシ.凶暴そうな顔
(2008/09/01)

 以前、ルリマルノミハムシの顔写真を紹介しましたが、まるで凶悪犯の様な顔をしていました。このキバラルリクビボソハムシも相当な悪漢に見えます。しかし、時には下の写真の様に、おどけた感じにもなります。これは身繕いをしているところです。厳つく恐い顔をしたオジサンでも、痒いところを掻いているときなどは、時に滑稽な顔になるのと同じかも知れません。
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身繕いするキバラルリクビボソハムシ.おどけた顔をしている
(2008/09/01)

 草取りをサボった御蔭で、キバラルリクビボソハムシを見ることが出来ました。そればかりでなく、この辺りでは他所で見たことのない、ツユクサに付くカスミカメムシもやって来ました。このカスミカメ、近日中に紹介の予定です。

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2008年11月 7日 (金)

ビロウドコガネ

 今日もまた時間がないので、写真3枚の虫を掲載します。ビロウドコガネ、肉眼的には黒っぽくて丸味の強い、体長1cm位の小さなコガネムシです。コガネムシ科コフキコガネ亜科に属します。
 撮影場所は「三ツ池緑地」で、ナツツバキの葉に留まっていました。

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ビロウドコガネ.体長約1cm.不思議な光沢を発している
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/12)

 ビロウドコガネにはよく似た近似種が何種類も居ます。その中で東京都に記録のあるのは、ビロウドコガネの他に、ヒメビロウドコガネ、オオビロウドコガネ、マルガタビロウドコガネの合わせて4種です。
 保育社の図鑑に拠ると、この内、ヒメとマルガタは頭楯が皺状に点刻されるとのことですので、写真(下)のコガネムシとは異なります。また、オオビロウドは後脛節の外端棘が第1付節よりも長いとありますが、最初の写真を見ると、この棘は第1付節よりも短い様です。棘が斜めになっていれば、棘の方が長い可能性もありますが、2番目の写真を見ると、この棘はほぼ水平に出ているものと思われます。従って、オオビロウドでもなく、消去法により最普通種のビロウドコガネ、と言うことになります。
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頭楯の点刻が粗く深い
(2008/09/12)

 しかし、このビロウドコガネ、既に我が家で撮ったものをもう一方のWeblog「我が家の庭の生き物たち」に掲載してあるのですが、随分感じが違います。ここに掲載した写真では、鞘翅の表面に微細な毛でも生えているのか、名前の通りビロウド的な質感があり、鞘翅上の凹凸による縦筋は余り明確ではありません。しかし、「我が家の庭・・・」に載せた写真では、鞘翅にはあまりビロウド的な感じがしない代わりに、縦筋の方はハッキリしています。また、頭楯の点刻はここの写真では非常に際立っていますが、「我が家の庭・・・」の方ではあまり目立ちません。更に、体色も「我が家の庭・・・」では、赤味が非常に強くなっています。
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ナツツバキから逃げてイネ科の葉にしがみついたビロウドコガネ
上の写真と色調が異なるが、これ以上の修正は不可能
(2008/09/12)

 こうなると、私の様な素人には、もうお手上げです。本当は別種なのか、或いは、同一種内の個体変異なのか、雌雄の差なのか、個体の鮮度の違いなのか、撮影条件の違いによる見え方の差なのか・・・、一寸判断は無理な様です。Internetで検索してみてもこの両者が見られます。思うに、「我が家の庭・・・」よりも、こちらの方がビロウド的な質感がありますから、ここでは一応ビロウドコガネとしておきます。

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2008年10月 2日 (木)

ルリマルノミハムシ

 今日は我が家で撮った最普通種、ルリマルノミハムシを紹介します。何処にでも居る体長4mm程度の小さなハムシです。
 「ルリ=瑠璃」と付いていますが、殆ど真っ黒です。体の表面に艶があるので、周りの色を反射します。青い空の色を反射して瑠璃色に見えることが多いのではないか、と言う気がします。撮る側にとっては、真っ黒で艶の強い虫と言うのは、体の表面の詳細が写り難く、厭な相手です。

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ニワナナカマドの花に集るルリマルノミハムシ
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/04)

 最初の写真は少し遠くから撮って全体の雰囲気を出すことにしました。花はニワナナカマドです。このニワナナカマドは春が本咲きですが、その後で伸びて来る脇芽に必ず花芽が付いて、ほぼ1年を通して、想い出したかの様に時々咲きます。
 小さな花穂に、ルリマルノミハムシが沢山付いています。表に出て良く見えるのは6頭ですが、裏にも4~5頭は居ると思います。こう言うときは、主に花粉を食べている様です。
 少し近寄って見たのが次の写真です。花は同じですが、これは実は昨年の6月に撮ったものです。花の上を動き回っている2頭が、同時に一つの焦点面に入ったところで、中々この様な機会はありません。
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同じくニワナナカマドの花に集るルリマルノミハムシ
(2007/06/23)

 次は、キク科の花の中に居るところです。以前掲載したハルジオンの花に留まっているヒメマルカツオブシムシの写真と同じ様な感じで撮ってみましたが、どうも花が単純に過ぎて今一つ面白味に欠けるところがあります。
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キク科の花(園芸種)にやって来たルリマルノミハムシ
(2008/08/28)

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キク科の花の花粉を食べるルリマルノミハムシ(2008/08/27)

 もう少し近寄ってみましょう。下の白い花に居るのは、2つ上の写真の部分拡大です。また、青紫色の花の方は、上の写真の直後に撮ったものです。虫自体の色は殆ど真っ黒で、周囲の花の色を反射しているのが良く分かると思います。
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2つ上の写真の部分拡大.虫の色は黒で瑠璃色ではない
(2008/08/28)

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周囲の紫色を反射しているのが分かる
(2008/08/27)

 ルリマルノミハムシの名前は長くて憶え難いかも知れません。「ルリノミマルハムシ」と言い間違えてしまいそうです。
 この虫はハムシ科ノミハムシ亜科に属すので、名前を分解するとルリ・マル・ノミハムシになります。「マルハムシ」と言うハムシは居ませんので、ノミハムシの仲間と思っていれば、言い間違えの機会はずっと減ると思います。
 ノミハムシの仲間は、後肢腿節が太く、逃げるときは先ずピンッと跳ね、その後で翅を拡げて飛びます。この「ピンッ」と跳ねるところから、ノミハムシの名が付いている訳です。下の写真の様に、横から見ると凄い「太腿」をしているのが分かります。
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真横から見ると、後肢腿節が異常に太いのが分かる
この「太腿」でピンッと跳ねる(2008/08/30)

 顔はどんなかと言いますと、一般にハムシはキツイ顔をしていますが、このルリマルノミハムシも相当凄い顔をしています。正面から見ても、少し横から見ても「凶悪犯」と言う感じです。
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真っ正面から見たルリマルノミハムシ.凶悪な顔!!
(クリックで拡大表示、他も同じ)
(2008/08/27)

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少し横から見てもやはり「凶悪犯」的(2008/08/28)

 家の外に出て撮る時は、普通はマクロレンズを付けたカメラ1台だけ持って気軽に出かけるので、等倍を超えるマクロ撮影は出来ません。しかし、家の庭ならば、もう少しややこしい機材を使って、もっと高倍率で撮影出来ます。
 下の2枚は撮影倍率約2倍で撮った超接写写真です。複眼を構成する個眼や、花粉の1粒1粒が識別できます。
 やはり、拡大してみても相当凶悪な顔をしています。以前掲載したクモヘリカメムシクルマバッタモドキとは異なり、見ていて余り楽しい顔とは言えませんが、ここまで拡大したルリマルノミハムシの「顔写真」は他に無いと思いますので、敢えて掲載しておきます。
 ルリマルノミハムシは花粉ばかりでなく、花弁や葉っぱも食べる「害虫」です。まァ、お尋ね者の張り紙だと思って下さい。
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ルリマルノミハムシの顔.やはり「凶悪犯」の様
複眼を構成する個眼が良く見える
(クリックで拡大表示、他も同じ)
(超接写)(2008/08/27)

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花粉を食べるルリマルノミハムシ(超接写)
(2008/08/27)

 どうも家で写真を撮るとついつい凝ってしまい、枚数が多くなってしまいます。今日は11枚で、これまでの最高枚数です。しかし、楽天とは違いココログは画像倉庫が大きいので、全く気にしないで掲載することが出来ます。尤も、画像倉庫1Gバイトは今では「常識」で、楽天の50MBと言うのが前時代的なのですが・・・。  

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2008年9月16日 (火)

ウリハムシ

 これまでにウリハムシモドキクロウリハムシを紹介しましたが、今日は、その本家?とも言うべき、何も形容の付かないただのウリハムシを紹介します。
 このウリハムシは有名なウリ科植物の害虫です。ウリハムシモドキやクロウリハムシも害虫として認知されていますが、それらより「悪者度」がかなり高い様です。

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ウリハムシ.ウリ科植物の大害虫
七丁目の第2ファミリー農園で撮影
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/08/19)

 以前も書きましたが、名前に「ウリハムシ」と付いても、クロウリハムシはウリハムシと同じヒゲナガハムシ亜科のウリハムシ属(Aulacophora)に属しますが、ウリハムシモドキは、亜科は同じですが別属(Atrachya:和名不詳)になります。
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お腹が膨らんではみ出しているのは雌
(2008/08/19)

 撮影場所は七丁目の第2家庭菜園(世田谷区第2ファミリー農園)です。農園の中のウリ科栽培植物、例えば、キウリ、ズッキーニ、カボチャ(スイカも有ったか?)の周りには沢山居ましたが、それらの植物の無いところでは見ませんでした。クロウリハムシやウリハムシモドキがかなり色々な植物を食害するのに対し、このウリハムシは専らウリ科植物を餌としている様です。
 しかし、同じウリ科でもニガウリの周辺では全く見ませんでした。調べてみると、ニガウリにはある種のハムシ類に対する「摂食阻害物質」が含まれているのだそうです。
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頭部胸部は赤いが、鞘翅は黄褐色ないし金色を帯びる
(2008/08/19)

 かなり敏感な虫で、近づくと直ぐに飛んで逃げます。しかし、余り遠くへは飛びません。ウリ科以外の植物に居るのを見ることも多いですが、それは近くのウリ科植物から一寸逃げて来ただけで、やがて、ウリ科植物の方へ戻ります。
 成虫はウリ科植物の葉を食べ、幼虫はウリ科植物の根を食害するそうです。親子揃って、ウリ科の大害虫なのです。
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近づくと直ぐ逃げるのでウリ科植物以外の葉上にも居ることも屡々ある
(2008/08/19)

 写真ではやや赤褐色に見えます。しかし、肉眼的には真っ赤に近い感じがします。ウリハムシモドキよりもずっと色鮮やかで、こう言うと農業関係者には怒られるかも知れませんが、結構綺麗なハムシです。
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正面から見たウリハムシ.結構「悪辣」な顔
(2008/08/19)

 ハムシ類の顔は、中にはキベリクビボソハムシの様に愛嬌のある種類もいますが、一般に「獰猛」或いは「凶暴」な顔をしたものが多い様です。このウリハムシも結構キツそうな顔をしています。
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オマケにもう1枚(2008/08/19)

 やはり農園には農園に相応しい虫、即ち、農業害虫が居ます。今日のウリハムシや少し前に紹介したホソヘリカメムシ等はその典型ですし、昨日のクルマバッタモドキも農園の害虫である可能性が高い様です。
 しかし、七丁目の家庭菜園で一番害をなしているのは、恐らくオンブバッタでしょう。農園内にはシソがかなり沢山植えられていますが、オンブバッタに食べられて丸坊主に近くなっている株もあります。オンブバッタは、ハムシやカメムシとは違って、多少は人気のある虫なので、余り眼の仇にされないのかも知れません。

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