ジョロウグモ(Nephila clavata)(雌)
もう1月も終わりに近づいて来ました。今月(今年)はまだ1回しか記事を書いていないので、急いで更新することにします。
前回掲載した「ケチャタテ科の1種(その5)」が居た、「三丁目緑地」に生えているタラヨウの木に「巣」を張っていたジョロウグモ(Nephila clavata)の雌です。
![]() 越年したジョロウグモの雌.暗い林の中に居た 「巣」は1本の糸のみで保たれている (写真クリックで拡大表示) (2012/01/06) |
ジョロウグモは、秋にはそこいら中に居て、しかも、陽の当たらない側に背を向けているので撮り難く、今まで掲載しないまま放置していました。
ジョロウグモは卵越冬で、成体の多くは12月中にあの世に行ってしまうそうです。実際、越年したジョロウグモをこの辺りで見たのは初めてかも知れません。掲載することにした理由の一つです。
![]() 横から見た越年ジョロウグモの雌 (写真クリックで拡大表示) (2012/01/06) |
もう一つの理由は、暗い林の中の開けた空間に「巣」を張っていて、撮り易かったことがあります。表、裏、側面を容易に撮ることが出来ました。しかし、背景が暗いので補助光を必要とし、ストロボを焚けば腹部が白飛びするので、良い写真にはなりませんでした。
![]() 裏から見た越年ジョロウグモの雌 尾端近くの赤い部分が目立つ (写真クリックで拡大表示) (2012/01/06) |
「巣」とカッコ付きにしているのは、写真でお分かりの様に、巣はもう殆ど壊れていて、1本の糸しか残っていなかったからです。
しかし、蜘蛛はチャンと生きており、僅かながらも動いていました。
眼は標準の8個です。後側眼は前側眼に隣接しており、角度によっては少し見難くなります。下2枚の写真は、少し確度を換えて撮ったのですが、右の後側眼はよく識別出来ません。
![]() ジョロウグモの頭部.前側眼の直ぐ後に後側眼がある (写真クリックで拡大表示) (2012/01/06) |
ジョロウグモは、文一総合出版の「日本のクモ」ではジョロウグモ科(Nephilidae)所属になっています。一方、Wikipediaではアシナガグモ科(Tetragnathidae)とされています。この辺りは、最近東海大学出版から出た「日本産クモ類」を見れば分かると思うのですが、高い本なので、未だに買っていません。また、かなり専門性の高い本のせいか、近くの図書館にも所蔵されていません。
蜘蛛の研究者である谷川明男氏の「A Check List of Japanese Spiders ver. 2011R1」ではジョロウグモ科に属しているので、ジョロウグモ科の方が有力ですが、私は専門家ではないので、此処では判断しないことにします。
![]() 少し確度を変えて撮影.右の後側眼はよく識別出来ない (写真クリックで拡大表示) (2012/01/06) |
このジョロウグモの写真は、先日のチャタテムシを撮る直前に撮影しました。しかし、チャタテムシの撮影を終わった時、ジョロウグモを振り返ってみると、もう其処にはジョロウグモの姿も巣の糸も見当たりませんでした。
ジョロウグモが居たのはかなり急な斜面に生えているタラヨウの斜面の上側、チャタテムシを撮影したのは下側ですから、チャタテを撮っている時に巣に触れることは有り得ません。恐らく、糸が劣化して切れ、それと共にジョロウグモも下の藪の中に落ちてしまったのでしょう。
撮影したのは1月6日、今日は28日ですから、もうこのジョロウグモは既に天国に召されているに違いありません。
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