ルリタテハの幼虫(Kaniska canace)(4齢と5齢)
今日は、一寸時期遅れですが、ルリタテハ(Kaniska canace)の幼虫を紹介します。4齢と5齢(終齢)です。
1年程前、「四丁目緑地」に追加部分が出来ました。ビール坂(注を参照)から上がって来て南へ走る一方通行の道から、直接国分寺崖線下の「四丁目緑地」に通じる、殆ど坂だけの幅の狭い緑地です。
その緑地にホトトギス(タイワンホトトギスとの交雑種でしょう)が何個所か植えられています。ルリタテハの幼虫が居るのではないかと思い、10月の2日に一番下にある群落を調べてみたところ、大きな終齢幼虫が1頭だけ居ました(下の写真)。
![]() ホトトギスの茎の上でJ字形になったルリタテハの5齢(終齢)幼虫 (写真クリックで拡大表示) (2010/10/02) |
始めは、葉の下で体を真っ直ぐにしていたのですが、一寸葉に触れた途端、上の様なルリタテハ幼虫お得意のJ(C、U)の字になってしまいました。
真っ直ぐにならないか、暫く待っていたのですが、ヒトスジシマカの襲撃がスザマジク、数分で退散を強いられました。結果として、この個体が体を真っ直ぐにした写真はありません。
その数日後、蛹が無いか探してみましたが、一寸見当たりませんでした。
![]() ルリタテハの4齢幼虫.3齢幼虫に似ているが大きい (写真クリックで拡大表示) (2010/10/11) |
更に数日経って、坂の上の方にあるホトトギスの群落も調べてみたところ、やはりこちらにも居ました。4齢と5齢幼虫が10頭位、此方に1頭、彼方に1頭と言う具合に、かなり広い範囲に分散して目立たない様にしていました。
![]() 体色の明るい4齢幼虫.棘の基部が黄褐色 (写真クリックで拡大表示) (2010/10/11) |
以前、我が家のホトトギス(交雑種)に付いたルリタテハを卵から成虫まで飼育し、もう一方のWeblogで詳しく紹介したことがあります(「卵と初齢」、「2齢と3齢」、「4齢」、「終齢=5齢」、「前蛹、蛹と成虫」)。
そんな訳で、同じものを此方に載せる気がしなかったのですが、一応別のWeblogですし、カテゴリーの「昆虫(毛虫、芋虫)」を参照される方が多いので、此方でも紹介することにしたのです。
![]() 5齢(終齢)幼虫.体は黒と赤、棘の殆どは黄白色 (写真クリックで拡大表示) (2010/10/11) |
ルリタテハの4齢幼虫は、写真を同じ大きさに拡大してしまうと、3齢幼虫と区別が付き難くなります。体の模様や棘の構造の変化は比較的少ないのですが、3齢の体長は1~2cmで、4齢では2~3cm位と、大きさにかなりの違いがあります。
![]() お食事中の5齢幼虫.驚かすと直ぐにJ字形になるので要注意 (写真クリックで拡大表示) (2010/10/11) |
しかし、細かい点では、3齢と4齢で、体の構造にも多少の違いが認められます。棘の長さと体の太さを比較すると(成長に伴って太りますが)、3齢の方が比率が高い(体幅に対して長い)と言えます。また4齢の方が、1つの突起から出る棘の数が少し多い様です。
![]() ほぼ背側からみた同一個体.移動中 (写真クリックで拡大表示) (2010/10/11) |
5齢(終齢)幼虫では、体長は45mm程度に増加します。また、色も4齢以下の黄と黒の2色から、赤、黒、黄白の3色に変わります。黒かった棘も、先端部を除いて大半が黄白色です(体色には個体差があります)。
また、4齢以下ではビニール細工の様な感触であった棘も、5齢ではかなり固くなり、手の柔らかい部分が触れたりすると、結構傷みを感じます。
![]() 5齢(終齢)幼虫の顔と棘 (写真クリックで拡大表示) (2010/10/11) |
最後の写真では、棘の感じを少し「芸術的」に表現してみました。しかし、これは既にもう一方のWeblogでやったことですので1枚だけにしておきます。棘の美しさにを更に御覧になりたい方は、こちらをどうぞ。
[注]:「ビール坂」は成城の西北部、世田谷区成城4丁目と調布市入間町3丁目の境にある、国分寺崖線を下る緩やかな長い坂で、昔、この下にサッポロビール(株)のグランド(野球場:現在はパークシティー成城)があったので、そう呼ばれています。
サッポロビールと旧国鉄の間には何らかの関係があったのか、国鉄スワローズ(現ヤクルト・スワローズ)の選手達(例えば、ピッチャーの金田正一)がよく練習に来ていました(昭和30年代前半?)。そんな訳で、昔から成城に住んでいる人は「ビール坂」の名前をよく知っています。
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