« コナガ(Plutella xylostella | トップページ | ハイイロチビフサヤスデ(その2:集団越冬)(Eudigraphis takakuwai kinutensis) »

2010年12月14日 (火)

シラホシカメムシ(Eysarcoris ventralis


 このところ虫撮りには出かけていないので、11月に撮った写真を出すことにします。シラホシカメムシ(Eysarcoris ventralis)、カメムシ科(Pentatomidae)カメムシ亜科(Pentatominae)に属す典型的なカメムシの一種です。イネ科植物を好み、斑点米を作るカメムシとしてその名が知られています。


_101103_001

シラホシカメムシ.小楯板が短く基部両側の黄白紋が小さい

(写真クリックで拡大表示)

(2010/11/03)



 これまでこの辺り(東京都世田谷区西部)では見た記憶のないカメムシですが、世田谷区の第一七丁目ファミリー農園跡の草原に沢山発生していました。イネ科の雑草がシッカリ生えていますから、その種子を吸汁しているのでしょう。

 チョコマカと歩き回り、中々良い写真が撮れません。風も結構吹いており、御蔭で少し焦点の外れた写真もありますが、御寛恕下さい。

 なお、普通は同一個体を色々な角度から撮影するのですが、今日のシラホシカメムシは、何回も途中で逃げられた為、少なくとも3個体が混ざっています。

_101103_046

斜め前から見たシラホシカメムシ

(写真クリックで拡大表示)

(2010/11/03)



 シラホシカメムシはEysarcoris属ですが、九州大学の日本産昆虫目録を見ると、同属には7種が記録されており、全てに「シラホシカメムシ」の名が付いています。中にはよく似た種類も居ます。

 その7種の内のヒメシラホシカメムシは、九大目録に拠ると、小笠原やミクロネシアに生息し、本土で見られる可能性はない様です。オオトゲシラホシカメムシ、トゲシラホシカメムシは両側の前胸背角(肩に当たる部分)が鋭く尖っているので、これも区別は容易です。オオトゲとトゲの区別は、北隆館の圖鑑に拠れば、トゲの方が「小型なこと、前胸背両側の棘状突起が鋭く尖っていること、小楯板基部両側にある黄白色紋が大型で長形などによって区別できる」とあります。

 またズグロシラホシカメムシは、同圖鑑の解説に「頭部背面、前胸背前縁の両側部および小楯板基半を占める三角紋は紫黒色である」と書かれており、大分色具合が異なります。また、かなりの珍種の様です。

_101103_030

斜め上から見たシラホシカメムシ

(写真クリックで拡大表示)

(2010/11/03)



 残る3種が、只のシラホシカメムシ、マルシラホシカメムシ、マルツヤシラホシカメムシ(ムラサキシラホシカメムシ)です。この3種の中で、シラホシカメムシは小楯板が小さくて革質部の先端に届かず、また、小楯板基部両側の黄白紋が他よりずっと小さいので容易に区別が出来ます。

 後2者は、全農教の「日本原色カメムシ図鑑」に拠れば、マルシラホシの方が「光沢が弱く、腹部がやや長めで、小楯板基部両側の黄白色の紋が小さいので区別出来る」とのことです。

_101103_018

同じ様な写真をもう1枚.真横からの写真は没になった

(写真クリックで拡大表示)

(2010/11/03)



 マルツヤシラホシカメムシは我が家のイヌタデに毎年発生します。遠くから見ると殆ど真っ黒で、大きさからしてダンダラテントウの様に見えます。しかし、このシラホシテントウは色がずっと薄く、遠くから見ても淡灰褐色です。

_101103_005

真ん前から見たシラホシカメムシ.後ピンで些か見苦しい写真!!

(写真クリックで拡大表示)

(2010/11/03)



 シラホシカメムシは極く普通種だと思っていたのですが、Web上には意外と写真がありません。類似種を除外して検索すると1000件位がヒットしますが、大半は農業害虫としての記事です。どうやら、かなり「悪者度」の高いカメムシの様です。


|

« コナガ(Plutella xylostella | トップページ | ハイイロチビフサヤスデ(その2:集団越冬)(Eudigraphis takakuwai kinutensis) »

昆虫(カメムシ)-2」カテゴリの記事

昆虫-8」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: シラホシカメムシ(Eysarcoris ventralis:

« コナガ(Plutella xylostella | トップページ | ハイイロチビフサヤスデ(その2:集団越冬)(Eudigraphis takakuwai kinutensis) »