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2010年11月30日 (火)

チャバネアオカメムシ(Plautia crossota)(成虫)

 速いもので、もう11月も晦日になってしまいました。11月の更新はこれで漸く7回目、我ながらかなり低調と言わざるを得ません。
 今日は、以前掲載したチャバネアオカメムシの終齢幼虫(その1その2)の成虫になった姿を紹介します。

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羽化したチャバネアオカメムシ.羽化後丸1日は経っていない
小楯板の先端がまだ充分白くなっていない
また、革質部の赤味が足らない
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/12)

 「終齢幼虫(その2)」の写真は10月10日に撮影したものです。その2日後の朝には4頭の内3頭が羽化していました。12日の朝に3個の脱皮殻が落ちているのに気が付いたので、実際の羽化は前日であった可能性もあります。
 残りの1頭は次の日に成虫になりました。
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大害虫でも中々愛嬌のある顔をしている
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/12)

 今日の7枚の写真の内、最初の5枚はその羽化に気付いた日の夕方に撮影したものです。1頭だけまだテネラルと思われる色のやや薄い個体が居ましたが、他は一見普通の色彩になっていました。
 しかし、よく見てみると、小楯板の先端が充分白くなっていません(最初の写真)。また、革質部(小楯板の左右にある翅の固い部分)が周囲を除いて余り赤くありません。これらの特徴は他の個体でも同じでした。色が完全に安定するには、丸1日位はかかるのでしょうか。
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体の下側はかなり色が薄い
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/12)

 写真は自宅のベランダ(当然屋外)に置いてあるテーブル上で撮ったのですが、羽のある成虫になっても逃げようとはしませんでした。これは最後の2枚の写真を撮影した2日後でも同じでした。
 このチャバネアオカメムシ(Plautia crossota)はカメムシ科(Pentatomidae)カメムシ亜科(Pentatominae)に属す典型的なカメムシです。いじめると相当臭い汁を出しますが、撮影中にチョッカイを出しても臭い匂いがしたことはありませんでした。
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斜め上から見たチャバネアオカメムシ
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/12)

 チャバネアオカメムシは、現在「悪者度」の非常に高い果樹害虫として知られています。堤隆文著「果樹カメムシ」に拠ると、果樹を食害するカメムシの代表選手はこのチャバネアオカメムシの他、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシの3種で、特にこのチャバネは日本全国に分布し、広い地域で果樹カメムシの優占種となっている、最重要犯だそうです。
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コムラサキの種子を吸汁してご満悦のチャバネアオカメムシ
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/12)

 しかし、これらのカメムシが果樹カメムシとして顕著な害虫になったのは高度成長期以降なのだそうです。昔は様々な雑木林に生える木の種子等を吸汁してその数も多くはなかったのが、スギやヒノキの造林地化が進むにつれて個体数が増え、それが同じ頃に面積を拡大した果樹園に飛来して害虫として嫌われる様になったとのことです。まァ、人間が自分の利益の為に環境を変化させ、それに伴ってたまたま増加した虫を、勝手に害虫と称して撲滅に躍起になっている訳です。
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上の写真から2日後に撮影.小楯板の先端が白く
革質部もチャンと赤くなっている.個体識別は
していないので上と同一個体かは不明
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/14)

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別個体.同様に小楯板の先端が白く縁取られ、革質部も赤い
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/14)

 上の2枚の写真は、最初の5枚を撮った2日後に撮影したものです。本当は4頭全部撮ってあるのですが、同じ様な写真を沢山並べても意味がないので、その内の2頭を載せることにしました。
 何れも、最初の写真と比べると、小楯板の先端が白くなっているのが分かります。革質部もシッカリ赤くなっています。これが「正しい」チャバネアオカメムシ成虫の配色です。なお、越冬前には、緑色の部分が赤味を帯びた茶色に変化します。
 チャバネアオカメムシは果樹の大害虫でも、この辺りで果樹を栽培している農家は殆どありません(クリ園はあります)。モデルになって貰った御礼?として、4頭全部、我が家に植えてあるコムラサキの辺りに放してやりました。

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