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2010年10月20日 (水)

アオマツムシ(Truljalia hibinonis

 今年の秋は虫が少ないと思っていたのですが、最近になって漸く色々姿を現す様になってきました。しかし、夜鳴く虫の数は明らかに少ない様です。毎年、我が家の周辺ではアオマツムシが彼方此方で大声を競っていて喧しい位なのですが、今年はお隣の雑木の中で寂しく1頭が鳴いて居るだけです。
 そのアオマツムシ(Truljalia hibinonis、九大目録ではCalyptotrypus hibinonis)の雄を4丁目の国分寺崖線下で見つけました。

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ヤブガラシの葉に留まっていたアオマツムシの雄
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(2010/10/02)

 アオマツムシは樹上性で、普段は木の枝の茂みの中に居て「声はすれども姿は見えず」なのですが、高さ50cm位の所にあるヤブガラシの葉表に留まっていました。余り元気がないのか、回りの葉を退けたり、留まっている葉を傾けたりしても、全く逃げようとはしませんでした。
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横から見ると、体側上縁の黄色い線が目立つ
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(2010/10/02)

 アオマツムシは在来種ではありません。北隆館の新訂圖鑑には1917年に東京で発見されたと書いてありますが、Wikipediaを見ると「日本での初記録年月日も1898年(明治31年)という説と1908(明治41年)年ごろという説があり、データの付いたタイプ標本が残っていないため判然としていない。ただし、初記録地は東京都の赤坂榎木坂である」と書かれています。何方が正しいのか判断出来ませんが、同じ外来種のウスグモスズよりは相当昔から日本に生息している古参の虫と云うことになります。
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アオマツムシの頭部と胸部.脚の付節は3節
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(2010/10/02)

 体長は2cm強、触角がかなり長く、綺麗な緑色をしているので、遠目にはキリギリスの仲間の様に見えます。しかし、コオロギ科(Gryllidae)マツムシモドキ亜科(Podoscirtinae)に属します(九大目録ではコオロギ上科(Grylloidea)マツムシ科(Eneopteridae))。
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雄の翅には「芸術的」な模様がある
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(2010/10/02)

 雄の翅は複雑な、芸術的とも言える翅脈を持っています。しかし、雌の方は普通の網目模様です。以前、我が家で雌の個体を撮影し別のWeblogに載せてありますので、興味がお有りの方は此方をどうぞ。
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アオマツムシの顔.中々良い顔をしている
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(2010/10/02)

 直翅目(バッタ、コオロギ、キリギリス)の顔と云うのは、私はどうもあまり余り好きになれません。しかし、このアオマツムシは中々良い顔をしていると思います。そこで、上と同じ様な写真ですが、もう1枚斜めから撮った写真を載せることにしました。
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オマケにもう1枚.位置の関係で真っ正面からは撮れなかった
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(2010/10/02)

 なお、調べてみると、アオマツムシの学名は上記のTruljalia hibinonisCalyptotrypus hibinonisの他に、更にMadasumma (Calyptotrypus) hibinonis(属名と種名の間にある括弧内は亜属名)と云うのも見付かりました。しかし、この3番目のMadasummaと云う属名は1922年に出版された論文で使われているもので、恐らく最初に記載された時の属名なのでしょう。北隆館の新訂圖鑑は九州大学の昆虫目録より新しいので、ここでは新訂圖鑑にあるTruljalia hibinonisを使用しておきました。

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