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2010年10月 8日 (金)

イボバッタ(Trilophidia annulata japonica


 先月の8日に帰国しました。1ヶ月前です。出発したのは6月8日ですから、丁度4ヶ月間休んでいたことになります。

 涼しくなってから帰国したので良く知らないのですが、今年の夏は大変な酷暑だったそうで、そのせいか、秋になっても虫の姿を余り見かけません。駅から約250mに位置する我が家の庭などは酷いもので、時折ホソヒラタアブ、ヤマトシジミやキタキチョウがやって来るだけ、ひっそり閑としています。しかし、少し町の奥の方に行けば、少しは新顔の虫を見つけることが出来ます。

 今日は、その中から、イボバッタ(Trilophidia annulata japonica)を紹介しましょう。


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イボバッタ.背側を除いて粗い剛毛で覆われている

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(2010/10/03)



 バッタ科(Acrididae)トノサマバッタ亜科(Oedipodinae)に属します。体長は、北隆館の圖鑑に拠れば、25~35mmですから、この仲間としては最も小さい方と言えます。撮影したのは世田谷区の「第二成城七丁目ファミリー農園」です。「第一」の方は、昨年の秋に廃止され、現在は草地になっています。

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後脚の内側にだけ目立つ模様がある

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(2010/10/03)



 以前紹介したクルマバッタモドキと同様、地面の上が好きな様です。土や枯れ草の上に居ると、周囲に紛れて多少見付け難くなります。上の写真の様に、後脚の内側にはハッキリした白黒の模様がありますが、外側には目立つ模様は無いと言って良いでしょう。

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斜めから見た図.右前脚、触角が草と一緒になってやや見辛い

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(2010/10/03)



 この家庭菜園でイボバッタを見るのは初めてです。一昨年はクルマバッタモドキが沢山居たのですが、その後は殆ど見ていません。年によるバッタ類の消長は結構激しい様です。

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横から見た頭部と胸部.背面中央に大きな瘤状突起た2つ見える

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(2010/10/03)



 イボバッタの名は、胸部や頭部にある疣状の突起から来ているのだそうです。頭部の突起は横(上の写真)ら見るとハッキリしませんが、背面(下の写真)や前方(更に下の写真)から見ると良く分かります。しかし、胸部の突起と較べると高さは低く、単なる凸凹と言った方が適切の様な気がします。

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背側から見た頭部と胸部.頭部背面は凸凹している

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(2010/10/03)



 例によって、真っ正面から顔写真を撮ってみました。どうもこの手のバッタは、口がかなり引っ込んだところにあり、口器と複眼の両方に焦点を合わせるのは一寸難しい様です。

 顔の中心近くにある白っぽい斑は単眼の一つ(中央単眼)でしょう。他の2角単眼は、複眼の内側にあります。これらの単眼の位置は、クルマバッタモドキ(同じくトノサマバッタ亜科)と同じですし、少し遠縁のショウリョウバッタ(ショウリョウバッタ亜科)でも殆ど同じです。

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前から見たイボバッタの顔.単眼が3個見える

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(2010/10/03)



 カマキリやキリギリス類は良く触角の掃除をします。バッタ科では余り見た記憶がないのですが(そもそもバッタ類を余り観察していないので自信はありません)、このイボバッタは触角の掃除が好きな様です。前脚で触角を地面に押さえ付け触角を引っ張って居ました。端から見ると、かえって土が付いて掃除にならないのではないかという気がします。或いは、掃除をしているのではなく、痒いのかも知れません。

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触角の掃除をしているところ.触角を下げると何とも変な顔!!

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(2010/10/03)



 このイボバッタに関しては、もう一つ面白い習性を見つけました。前進する前に必ず後脚を左右交互にモゾモゾと動かすのです。何か準備体操をしている様で、何となく微笑ましく感じられました。

 なお、此処では学名としてTrilophidia annulata japonicaを採用しましたが、Trilophidia japonica、或いは、Trilophidia velnerataとしているサイトもあります。北隆館の大圖鑑、保育社の原色日本昆虫図鑑(下)、九州大学の日本産昆虫目録、東京都本土部昆虫目録ではTrilophidia annulata japonicaとなっています。何れの学名が正しいのか、私には良く分かりませんが、手元にない(近くの図書館にもない)高価な「日本直翅類学会編:バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑」を見れば正しい学名が出ているのではないかと思います。


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