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2010年10月25日 (月)

マクガタテントウ(Coccinula crotchi

 先日、成城町内のある草地でダンダラテントウに似た、斑紋が橙色のテントウムシを見つけました。生憎、細かい枝の沢山あるヨモギの茎の辺りを歩き回っており、枝が邪魔をして中々写真が撮れません。やがてポトリと下に落ちてしまい(隠遁の術)、それっきりになってしまいました。
 そんな訳で、辛うじて使える写真が2枚撮れただけでした。出来映えは良くありませんが、後述の様に、この辺り(東京都世田谷区西部)では「珍種」の部類に入るテントウムシの様ですから、何卒御勘弁下さい。

_101017_011
ヨモギの花の上を歩くマクガタテントウ
ダンダラテントウに似るが別属
前ピンで触角がぼけている
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/17)

 家に帰って調べてみると、どうやらマクガタテントウ(Coccinula crotchi)の様です。体長は約3.5mm。ダンダラテントウと同じく、テントウムシ亜科(Coccinellinae)テントウムシ族(Coccinellini)に属し、斑紋もよく似ていますが、マクガタテントウはジュウシホシテントウ属(Coccinula)、ダンダラテントウはダンダラテントウ属(Menochilus)で別属です。
 保育社の甲虫図鑑にある「テントウムシ族の属の検索表」を読むと、ダンダラテントウ属の特徴は「触角は前頭の幅と等長かより短い.触角末端節は前節より狭く先端は尖る.触角基節は長[さ]より幅広く、内方に強くふくらむ」とあり(カギ括弧内の「さ」は恐らく誤植で抜けたと思われる)、ジュウシホシテントウ属を含む数属(ナナホシテントウ属、ウスキホシテントウ属、ナミテントウ属)では、「触角は前頭の幅よりも短くない.触角末端節は横長で先端は裁断状か長卵形.触角第1節は細長く、正常」とあります。
 ダンダラテントウはもう一つのWeblogの方で紹介していますが、確かに触角は短く、その基節は随分太く、また、先端は尖っています(Weblogの写真ではやや小さく、余りハッキリしませんが、原画がを見ると明らかです)。
 これに対し、今日のテントウムシでは、触角は前頭の幅(両複眼間の距離)よりも長く、触角の基部はダンダラテントウの様に太くはなく、先端は丸くなっており、ダンダラテントウ属ではないことは明らかです。
 検索表のその先は、写真からは見えない中胸腹板や前胸腹板等の特徴により、先に挙げた数属の内の何れかに落ちることになりますが、この数属の中で、写真のテントウムシの様な斑紋を持つのはマクガタテントウ1種のみです。マクガタテントウとして問題無いと思います。
 また、ダンダラテントウの斑紋は赤いのに対し、マクガタテントウでは写真でお分かりの通り橙色で、見た時の感じがかなり違います。
_101017_016
斜め前から見たマクガタテントウ
触角が前頭幅よりも長く、先端は丸い
(写真クリックで拡大表示)
(2010/10/17)

 マクガタテントウは、Webで調べると、河川敷の様な場所に特異的に見出される種類だそうで、図鑑にも「やや少ない」とあります。日本全国で「やや少ない」のであれば、この辺りでは「珍種」と言って良いでしょう。
 不思議なのは、河川敷などに見出されるテントウムシが、何故、成城の様な住宅地に出現したかと云うことです。成城の東西には野川と仙川が流れていますが、河川敷と言える程のものはありません。
 実は、このマクガタテントウを見つけた同じ場所で、やはり河川敷に特異的に見られると云うシママメヒラタアブが多数居るのを見付けました(我が家の庭にも来ました→こちら)。このハナアブは、東京都本土部昆虫目録に載っていない、東京都未記録種です。
 今年の夏は記録的な猛暑だったそうで(私は日本に居なかったので実感がありません)、それで普通の草地が河川敷と同じ様な環境条件になってしまったのかも知れません。

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