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2010年10月10日 (日)

ゴマフウンカ(Cemus nigropunctatus


 前回、世田谷区の「第一成城七丁目ファミリー農園」は昨年の秋に廃止され、現在は草地になっていると書きました。メヒシバを優先種とする最近では珍しい茫々たる草地となっていますが、かつて植えられていた野菜やハーブの名残も所々に生えています。その名残の一つであるアップルミントらしきハーブの葉の上に一寸変わったウンカを見つけました。


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ミントの葉に留まるゴマフウンカ(多分)の短翅型

(写真クリックでピクセル等倍)

(2010/10/05)



 Internetで調べてみると、ウンカ科(Delphacidae)ウンカ亜科(Criomorphinae)に属すゴマフウンカ(Cemus nigropunctatus)の様です。短翅型と長翅型がありその双方が居ましたが、今日は短翅型の方だけを紹介することにします。体長は3.5mm弱、個体による変異がかなりあります。

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脚は青黒く、肩板の辺りが白っぽい

因みに、ヨコバイ類には肩板はない

(写真クリックでピクセル等倍)

(2010/10/05)



 このゴマフウンカはミントの葉の上にかなりの数が留まっていました。しかし、ミントから吸汁しているのかは些か疑問です。と云うのは、このミントは約1平方メートル位の範囲に生えているのですが、ゴマフウンカはその一端にしか付いていないのです。

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葉裏に逃げようとするゴマフウンカの短翅型

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(2010/10/05)



 そのゴマフウンカの付いている辺りには、ミントの他にアスパラガスとメヒシバが生えています。そこでアスパラガスが寄主なのではないかとも思いましたが、メヒシバに留まっている個体はかなり居ても、アスパラガスに付いている個体は幾ら探しても見付かりませんでした。

 一方、メヒシバが寄主ならば、この雑草はこの草地に幾らでも生えているのですから、此処に集中していると云うのは解せません。・・・と云う訳で、このゴマフウンカの寄主が何であるのかは結局分かりませんでした。

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同じ様な写真をもう1枚.正面からは取り損ねた

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(2010/10/05)



 ゴマフウンカは、害虫としては殆ど問題にならないらしく、Web上には寄主などの生態に関する情報は殆どありません。しかし、「長池公園ぶらぶら日記」と云うサイトに「リュックサックなどを草原に放置しておくと、天気の良いときには草原から飛び出してきた個体がかなりたくさん止まっていました」との記述を見つけました。私も、虫除けスプレーを入れた白いポリ袋を近くに置いていたところ、暫くするとその上に何頭ものゴマフウンカが集っていました。良く分かりませんが、何か均一な色のものに集まる習性がある様にも思えます。

 ミントの葉の上に沢山留まっていたのも、或いは、この習性に拠るのかも知れません。

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別個体.腹節の境目が分かり難い

羽化後余り日が経っていない?

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(2010/10/05)



 北隆館の圖鑑に拠ると、ゴマフウンカによく似て雄の把握器の先端が尖鋭なクロモンウンカ(クロモンヒラアシウンカ:Cemus nigromaculosus)と云う種類があるそうです。そこで、東京都本土部昆虫目録を見てみると、何故かゴマフウンカの記録はなく、このクロモンヒラアシウンカが皇居や板橋区で記録されています。今日のウンカは、或いはゴマフウンカではなく、クロモンヒラアシウンカなのかも知れません。

 なお、九州大学の日本産昆虫目録では、ゴマフウンカの学名はPhyllodinus nigropunctatusとなっており、属が異なっています。此処では、九大目録よりも新しい北隆館の新訂大圖鑑に従ってCemus nigropunctatusとしておきました。


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