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2010年5月25日 (火)

ホソサビキコリ(Agrypnus fuliginosus

 先日、四丁目にある「みつ池緑地」(「神明の森・みつ池特別保護区」に上部に接する)に寄ったとき、オニタビラコの咲き終わった花の上にサビキコリの1種が居るのを見つけました。体長は15mm位、以前紹介したサビキコリよりも細長く、家に帰ってから調べてみると、どうもホソサビキコリの様です。

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咲き終わったオニタビラコの花に留まるホソサビキコリ
(写真クリックで拡大表示)
(2010/05/17)

 保育社の甲虫図鑑に拠ると、サビキコリ族(Agrypnini)の特徴は「前胸腹板線は触角を受け入れる深い凹溝を前半部または全部にわたって有する」と書いてあります。4番目の写真で、触角が前胸の溝に隠れているのが確認出来ますから、サビキコリ族であることは間違い無いでしょう。
 普通ならば、更に属への検索表を引くのですが、キー1の「中胸後側板は中基節窩に達する」が判断出来ません。どの範囲まで中基節窩なのかが写真からでは良く分からないのです。・・・絵合わせ以外に手がない様です。
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横から見たホソサビキコリ.意外と眼が大きい
(写真クリックで拡大表示)
(2010/05/17)

 絵合わせでまず第1に注目したのが、前胸背板の後角の形状です。写真で明らかな様に、後角は尖らずにやや膨らんで丸まっています。この特徴を持つサビキコリは、図鑑ではサビキコリ、ムナビロサビキコリ、シロモンサビキコリ、ホソサビキコリの4種しかありません。何れもAgrypnus属のコメツキムシです。
 この4種の中で、細長いのはホソサビキコリ1種のみです。ホソサビキコリの解説には、「13~20mm.体は細長く、地色は黒褐色~黒色.前胸背板はやや縦長で両側が基方で強く波曲し、後角は後方外側へ突き出し、隆起線はない.小楯板は幅より明らかに長く、両側は基方で強くくびれる(後略)」と書いてあります。これらの特徴は、写真のコメツキと一致していると言えるでしょう。
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撮影中に何故か眠ってしまった
(写真クリックで拡大表示)
(2010/05/17)

 しかし、図鑑には載っていない類似種の可能性もあります。
 九州大学の日本産昆虫目録を見ると、Agrypnus属には33種が記録されています。しかし、その殆どは南西諸島産で、本州産は僅か7種、この内、図鑑に載っていないのは、戦後になって記録されたコガタヒメサビキコリとミカワサビキコリの2種のみです。  また、東京都本土部昆虫目録を見ると、この内のミカワを除く6種の記録があります。ミカワは分布が愛知県から京都府に限られて居る様で、この辺り(東京都世田谷区西部)に居る可能性は無いでしょう。
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横から見たお休み中のホソサビキコリ
触角が前胸の溝に隠れている
(写真クリックで拡大表示)
(2010/05/17)

 コガタヒメの方は23内での記録が幾つかあり、Web上にも写真が出ています。信頼度は不明ですが、何れもかなり太めの種類で、写真のコメツキムシとは大きく異なります。
 以上から、多少の不安はありますが、写真のコメツキはホソサビキコリ(Agrypnus fuliginosus)として良いのではないかと思います。なお、ホソサビキコリはコメツキムシ科(Elateridae)サビキコリ亜科(Pyrophorinae)サビキコリ族(Agrypnini)に属します。
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オマケにもう1枚.丸い頭部が印象的
(写真クリックで拡大表示)
(2010/05/17)

 このコメツキ君、撮影中に何故か寝てしまいました。前方から撮りたかったのですが、オニタビラコの萎れた花が邪魔になって撮れません。そこで少しチョッカイを出してみました。すると・・、コメツキ君、シッカリと花に掴まっていなかったのか、ポロリと下の藪に落ちて見えなくなってしまいました。
 そんな訳で、今日は正面から撮った写真はありません。

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