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2010年4月 9日 (金)

キウリグサ(Trigonotis peduncularis

 今日は、春の野草の一つ、キウリグサ(Trigonotis peduncularis:キュウリグサ)を紹介します。これも、実は、写真は昨年の春に撮ったものです。昨年の今頃は非常に多忙で、写真を調整したり原稿を書く時間がありませんでした。
 場所は、これまでに春の雑草として紹介したオオイヌノフグリコハコベホトケノザ等と同じく、国分寺崖線下の四丁目です。

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ロゼットから茎を出して花を着けたキウリグサ
夕方で酷い斜光なのでストロボを使用
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/21)

 キウリグサは越年草(2年草)で、ロゼット状で冬を越し、春になるとこのロゼットから茎が伸びて花を咲かせます。上の写真は、丁度ロゼットから茎が出て来た所ですが、もう既に花を着けています。
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キウリグサの群落.崖線下の四丁目には沢山生えている
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/21)

 次の写真は、もう少し伸びた状態。国分寺崖線下の四丁目にはキウリグサが非常に多く、写真の様に「密生」しているところもあります。
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キウリグサの大きな株.荒地に多い
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/21)

 キウリグサはかなり大きな株になります。上の写真では横に大部拡がっていますが、株としては1株です。これらの3枚の写真は、何れも同じ日に撮影しており、個体や場所により、生育の程度に大きな違いがあることが分かるでしょう。
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若い株の茎と花.緑色が鮮やか
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/21)

 茎の部分だけをもう少し近づいて見たのが上の写真。これはかなり若い株で、まだ横に拡がっていません。
 大きな株の茎は、下の写真の様に一寸違った感じになります。
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大きな株の茎と花.少し黄色味が強くなる
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/21)

 花序の先端がゼンマイ状に捲いているのが分かります。花序の先端を拡大してみました(下)。かなりシッカリと巻いています。虫に食われた様な花が写っていますが、これは花が咲き終わって萎む直前なのでしょう。
 しかし、この様に先端が捲くのは、キウリグサだけではありません。キウリグサの属すムラサキ科(Boraginaceae)には広く見られる形態的特徴の様です。
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花序の先端部.ゼンマイ状に捲いている
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/21)

 以前掲載したハナイバナも、キウリグサと同じくムラサキ科の植物です。花の色は違いますが、その形はよく似ています。また、ワスレナグサもムラサキ科で、これは花の色を含めてキウリグサとソックリです。しかし、何れもキウリグサとは別属です。
 5枚の花弁がある様にも見えますが、ムラサキ科ですから合弁花で、1つの花冠が5裂しています。
 花は小さく、写真の花は何れも直径3mm前後です。同科のハナイバナでは2.5mmでしたから、それよりは少し大きいと言えます。しかし、保育社の図鑑を見ると、キウリグサの花冠は径約2mm、ハナイバナは花径3mmと逆になっていました。地域により違いがあるのかも知れません。
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キウリグサの花と捲いた花序の先端部
蕾状の花は赤味が差す場合がある
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/20)

 図鑑に拠ると、キウリグサの名は、茎葉を揉むとキウリの匂いがするので付けられたのだそうです。実際にやってみましたが、明確にキウリの匂いと言えるほどの香ではありませんでした。
 因みに、キュウリウオと云う魚が居ますが、これはハッキリとキウリ的な青臭い匂いがします(キュウリウオは体長30cm位になる北方の回帰性海水魚で、北海道以外では余り馴染みのない名前かも知れませんが、ワカサギ、シシャモ、カラフトシシャモなどは何れもキュウリウオ科に属します)。
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別の花序.開花した花、萎んだ花、蕾の位置関係が前の写真と同じ
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/20)

 図鑑を見て少し驚いたのは、「タビラコ」がキウリグサの別名として載っていました。タビラコやオニタビラコ(この両者は名前は似ていますが別属)はキク科ですから、随分離れた間柄です。しかし、考えてみると、「タビラコ」は「田平子」で、冬の田や畑に見られる平らなロゼット状の植物を指して言うのだと思います。タビラコ(コオニタビラコ)やオニタビラコも、このキウリグサと同様に冬はロゼット状ですから、同じ「田平子」の名が付いてもおかしくないのでしょう。
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花は小さく、花径は約3mm.ハナイバナやワスレナグサの花と似る
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/20)

 なお、キウリグサを帰化植物としているサイトがあります。しかし、保育社の植物図鑑では「[分布]温帯、暖帯:北海道・本州・四国・九州・琉球・朝鮮・アジア」となっており、また、保育社や全農教の帰化植物図鑑、或いは、地人書館の「外来種ハンドブック」には載っていません。帰化種ではなく在来種の様です(史前帰化種の可能性はあります)。
 この辺り(東京都世田谷区西部)に生えている春の雑草で紹介していない種類はまだまだ沢山あります。どうも今年の春は天気が良くないので、中々写真を撮りに出かける気になりませんが、今の内にもう少し春の野草を紹介しておきたいと思っています。

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