ミチタネツケバナ(Cardamine hirsuta)
漸く春らしくなったと思ったのですが、昨日、今日と雨模様の寒い日が続いています。今朝7時の気温は4℃でした。気象庁の「過去の気象データ検索」で調べてみても、4月中旬でこんなに寒いのは、例外的な様です。
それはさておき、今日はまた昨年撮った春の雑草を紹介します。ミチタネツケバナ(Cardamine hirsuta)です。アブラナ科(Brassicaceae)に属し、オオイヌノフグリやヒメオドリコソウと同じく、これも帰化植物です。
![]() ミチタネツケバナ.帰化が報告されたのは1992年 (写真クリックで拡大表示) (2009/03/15) |
撮影した場所は、国分寺崖線下の四丁目です。実は、今日の写真の中で、中程度の大きさで横から撮った写真の出来が良くないので、今年もう一度撮り直すつもりだったのですが、どういう訳か、今年は探しても見当たりませんでした。もう一年掲載を延ばす手もありますが、余り古い写真を抱え込むのも問題なので、もう紹介してしまうことにしました。
![]() ミチタネツケバナの果実は茎にくっ付く様に斜上する (写真クリックで拡大表示) (2009/03/15) |
タネツケバナの仲間には、このミチタネツケバナの他に、在来種のタネツケバナ、やはり帰化種のコタネツケバナ、アキノタネツケバナ等の他、多くの種類があり、中には判別のし難い種類もあります。しかし、ミチタネツケバナはかなり特徴的なので、容易に区別がつきます。
植物全体の姿はタネツケバナに近いのですが、果実が茎にくっ付く様にして斜上する点が異なります。タネツケバナでは、もっと横に拡がりながら斜上します。
![]() ミチタネツケバナの花序.左下の花には雄蕊が5本ある (写真クリックで拡大表示) (2009/03/15) |
この様な違いは両方を較べないと分かり難いかも知れません。もっと明確な違いとしては、タネツケバナの雄蕊は6本ですが、ミチタネツケバナの場合はその多くが4本であることが挙げられます。必ずしも4本ではありません。上の写真を見ると、左手前の花には4本の雄蕊の他に成長不良の雄蕊と思われるものが1本写っています。
また、タネツケバナの茎には細かい毛が散在しますが、ミチタネツケバナの茎は無毛です。
![]() ミチタネツケバナの花.余りチャンと開かない (写真クリックで拡大表示) (2009/03/15) |
ミチタネツケバナの花は、径5mm程度で肉眼的には目立たず、また余り綺麗とは思えません。しかし、拡大して見ると中々立派な花です。一寸、モクレンの花に似た雰囲気があります。尤も、アブラナ科ですから花弁は4枚で、モクレン程多くはありません。
なお、ミチタネツケバナは、全農教の「日本帰化植物写真図鑑」に拠ると、「1992年に工藤洋らが既往の標本を調べて宮城県から日本海側にかけて本種の侵入を報告し、和名を与えた」とあり、かなり最近になって認められた帰化植物です。保育社の帰化植物図鑑は1976年出版ですから、当然ミチタネツケバナは載っていません。
![]() 肉眼的には冴えない花だが、拡大すると中々綺麗 (写真クリックで拡大表示) (2009/03/15) |
どうも私は、気分が天候に左右される性格なので、こう寒くて暗い日が続くと滅入ってしまいます。Weblogの更新も気が乗らなくなります。早く、暖かく明るい日が続く様になって欲しいものです。
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