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2010年4月25日 (日)

ナズナ(Capsella bursa-pastoris


 このところ用事があって忙しく、気が付くと1週間も更新をサボっていました。

 今日は、また昨年撮った春の雑草を紹介します。ナズナ(Capsella bursa-pastoris)、通称ペンペン草です。何処にでも生えている雑草で、日本全土の他、世界の温帯、暖帯に広く分布しています。在来種、或いは、史前帰化種とされている様です。


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「四丁目緑地」のナズナの群落(昨年).今年は消滅していた

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(2009/03/19)



 昨年掲載しなかったのは、上に示した群落になっている写真が気に食わないので、今年撮り直そうと思っていたからです。場所は「四丁目緑地」ですが、今年行ってみたところ、大きな群落は消滅しており、他の場所にも大きな群落は見当たりませんでした。そこで仕方なく、この写真を出すことにした次第です。

 このWeblog用の写真を撮りに出掛ける時は、何時も100mmマクロ1本しか持って行きません。この手の写真は100mmでは一寸撮り難いのです。

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ナズナの株.ロゼットから伸びた感じは無い

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(2009/03/19)



 株を1本だけ撮ってみました。越年草ですからロゼットで冬を越しますが、オニタビラコキウリグサの様な典型的なロゼットではありません。上の写真でも、ロゼットから伸びた感じはありません。

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上から見たナズナの花序.蕾、開花中の花、萎んだ花、

果実が放射状に整然と並んでいる

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(2009/03/19)



 ナズナは春に花の咲く雑草の中でも最もありふれた種類です。しかし、花序を上から接写をしてみると中々綺麗です。蕾、咲いている花、萎んだ花、果実が放射状に配列されています。

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花序の中心部を拡大.結構綺麗である

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(2009/03/19)



 ナズナは勿論アブラナ科(Brassicaceae)に属します。昔懐かしい十字花科(Cruciferae)と云う言い方もあります。その名の通り、花弁は4枚で、十字形に配列されています。

 しかし、雄蕊の数は、先日紹介したミチタネツケバナでは4本でしたが、ナズナでは6本です。アブラナ科に属していても、必ずしも4の倍数ではありません。

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斜めから見たナズナの花.花弁は4枚、雄蕊は6本

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(2009/03/19)



 ナズナは春の七草の一つです。私は食べたことはありませんが、ロゼット状のものは甘味があって結構美味しいらしいです。また、春浅い内は、茎や根も食べられるそうです。

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上から見ると花柱は果実と同じで扁平

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(2009/03/19)



 薬効もあって、e-yakusou.comと云うサイトに拠ると、「4~5月ころ、未熟果がついたまま地上部の全草を採取して、風通しのよい場所で陰干しにして乾燥させ」、「高血圧、解熱、利尿、便秘、肝臓病、吐血、血便、血尿、生理不順、下痢などには、乾燥した全草1日量10~15グラムとして、約0.5リットルの水で半量まで煮詰めて服用し」、また、「目の充血、痛みには、乾燥10グラムを水0.2リットルで煎じて、ガーゼで濾してから洗眼し」、更に、「下痢、腹痛には、葉や根を黒焼きにして服用」する、と書いてありました。

 こうしてみると、このナズナ、最もありふれた雑草と雖も、中々馬鹿には出来ない様です。

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オマケにもう1枚.ありふれた雑草の花でも拡大すれば綺麗

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(2009/03/19)



 昨日、今日と良い天気になりました。しかし、気温はかなり低めです。まだ、暖房を入れ、羽毛のジャケットを着ています。あと数日で春の黄金週間に入りますが、この気温を考えると、一寸信じられない気がします。


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