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2010年3月24日 (水)

カジイチゴ(Rubus trifidus

 今日は久しぶりに植物を紹介します。最後に掲載した植物はツタバウンランで、昨年の3月30日のことですから、ほぼ1年前になります。植物には随分無沙汰をしてしまいました。
 植物部門再開の第1回目はキイチゴの1種、カジイチゴ(Rubus trifidus)です。開花は毎年3月中旬頃の様で、今はもう花期を若干過ぎた感じです。
 今日の写真は、一昨日撮影したものと、昨年の写真が一緒になっています。本当は、昨年載せるつもりだったのですが、花の写真ばかりで枝振りを撮った写真が無かったので、掲載を見合わせたのです。

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三丁目緑地に生えているカジイチゴ
(写真クリックで拡大表示)
(2010/03/22)

 このカジイチゴは、昔から三丁目の国分寺崖線の彼方此方に生えていました。崖の上にも下にも少なく、崖の途中に多いので、傾斜地を好むのかも知れません。現在では、明正小学校の直ぐ横の「三丁目緑地」の中に特に多い様です。また、山縣邸の下の方にもかなり生えています。
 今日紹介するのは花だけですが、果実は5月頃橙黄色に熟し、小学生(明正小学校)の頃は、学校の帰りに「お茶坂」の脇に生えているのをよく食べたものです。飽食の時代に生まれた今の子供達は、屹度食べないでしょう。上の写真を撮った後で、お茶坂へも行ってみましたが、もうカジイチゴの姿は全く見当たりませんでした。
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カジイチゴの枝.もう咲き終わった花もある
(写真クリックで拡大表示)
(2010/03/22)

 写真を撮ったのは、「三丁目緑地」にある2つの泉の内、北西部にある方の直ぐ横の斜面です。林野庁宿舎の後に建てられたマンション、ガーデンコートの真裏に当たります。
 高さは2.5mm位もあり、かなり大型です。最初の写真は、株の先端部のみを示しています。全体像は、ワイドレンズを持って行かなかったのと地形の関係で、撮影できませんでした。
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2つの花を拡大.横に見える蕾は毛の多い萼に包まれている
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/17)

 実は、「カジイチゴ」と云う和名を知りませんでした。子供の頃から、これを「キイチゴ」と呼んでいたからです。保育社の「原色日本植物図鑑木本編第2巻」で調べてみると、「キイチゴ」は、橙黄色の果実が着くナガバモミジイチゴ(R. palmatus)の別名となっています。
 しかし、「キイチゴ」とは、「黄苺」ではなく「木苺」ですから、キイチゴ(Rubus)属の木本植物全部がキイチゴとしての資格を持っていると言えるでしょう。因みに、キイチゴ(Rubus)属の多くは、その属名の示す通り(Rubus→ruber=赤い)、赤い果実を着けます(中には、ブラックベリーの様に充分に熟すと黒紫色になるものもあります)。
 カジイチゴの漢字名は、北隆館の「原色牧野植物大圖鑑」を見ると、「構苺」で、これはその葉がカジノキ(構)の葉に似ていることに拠るそうです。「構」の字を「カジ」と読むとは知りませんでした。最近は、カジノキは「梶の木」と書くのが一般的な様です。
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別の花.もう少し接近して撮影
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/17)

 このキイチゴ(Rubus)属、種間雑種が出来易いので、分類はかなり混乱している様です。しかし、カジイチゴの特徴はかなりハッキリしていますから、他種と間違える可能性は少ないのではないかと思います。
 托葉は葉柄に合生、茎は棘を欠き、葉は3~7中裂の掌状、若枝、葉柄、花柄は腺毛が多く、古い枝は無毛、枝の先に3~5花の聚繖(集散)花序を付け、萼には両面に密毛があること、等がその特徴です。しかし、保育社の図鑑には「他種との間に雑種がある」と書かれており、注意が必要な様です。
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別の花を更に拡大して撮影
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/17)

 カジイチゴの花は、バラ科(Rosaceae)の花らしく、花弁は5枚ですが、花弁には皺がよっており、余りパッとしません。しかし、中心部を拡大すると、多数の雌蕊の集合体を雄蕊が幾重にも取り巻いていて、中々見映えがします。中央に近い側に少し大きな葯が見えますが、これは、まだ葯がまだ反り返っていないので大きく見えるのだと思います。
 キイチゴ属の果実(槳果)は、多くの果実が一つに集まった集合果で、果実にあるモコモコ(粒々)が1つの果実に相当します。雌蕊が沢山あるのは、その粒々の1つひとつにそれぞれの雌蕊が対応しているからでしょう。
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上の花の中心部を等倍で撮影
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/17)

 今日は薄ら寒い雨模様ですが、もう確実に春です。これからは、少し春らしい雑草の花も合間に入れて紹介して行くつもりです。

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