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2010年3月 3日 (水)

ケチャタテ科の1種(その4:卵塊の網掛け)

 今日は一寸古い写真を出すことにします。一昨年の秋や昨年の冬~春にかけて撮影したまま倉庫に眠っている写真が沢山残っているのです。その中から今日は、チャタテムシが産卵後、卵塊に網を掛けているところを紹介しましょう。
 場所は国分寺崖線下の四丁目で、これまで何回も登場したミカンの木に居ました。葉裏ではなく、何故か、葉表に産卵していました。

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卵塊の上に糸を張るケチャタテ科の1種
まだ糸は何処にも見えない
(写真クリックで拡大表示)
(2008/11/30)

 このチャタテムシは以前「ケチャタテ科の1種?」として紹介したのと同じ種類に見えます。尾端が見えないので体長は分かりませんが、翅端まで4.5mm強、前翅長は4mm近くもある、かなり大きなチャタテムシです。
 全体の形や翅脈からケチャタテ科(Caeciliusidae)に属すことは間違いないでしょう。「富田&芳賀:日本産チャタテムシ目の目録と検索表」を見ると、多分Valenzuela属の1種だと思います(この論文ではCaeciliusとなっていますが、現在ではValenzuela)。しかし、種は未だに良く分かりません。トビモンケチャタテ(Valenzuela badiostigma)の色が薄い個体なのではないかと云う気もします。Web上にあるトビモンケチャタテの写真を見ると、多くは殆ど翅全体が非常に色の濃い茶褐色を呈していますが、トビモンケチャタテの種名badiostigmaとは「栗色の斑」の意なので、本来はまだら模様ではないのか、と思うからです。
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普通は葉裏に産卵することが多いが葉表である
(写真クリックで拡大表示)
(2008/11/30)

 しかし、先の検索表を辿ると一寸違う様です。この検索表では「縁紋は後角の位置に斑紋を持つ」を経ないとトビモンケチャタテには落ちません。ところが写真のチャタテムシでは、縁紋の後角ではなく、前半に斑紋があります。
 まァ、この検索表が書かれた(1991年)後に、日本産ケチャタテ科は8種も追加され、全部で22種となっていますから、その8種の中に含まれているのかも知れません。
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卵塊の上に縦横斜めに糸を張る
(写真クリックで拡大表示)
(2008/11/30)

 さて、母虫の網掛けの方に話を移しましょう。クサカゲロウの糸はお尻から出ますが、母虫の動作を見ると、チャタテムシは、芋虫毛虫と同じく、口から糸を吐く様です。何とか糸が写らないか、沢山撮ってみたのですが、残念ならが口から糸が出ていることを示す写真は遂に撮れませんでした。
 このチャタテムシを見付けたのは、糸を張り始めた直後の様です。最初の2枚の写真には糸は1本も写っていません(勿論、光の加減で見えていない糸もあると思います)。
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ケチャタテ母さんはおっかない顔をしている
(写真クリックで拡大表示)
(2008/11/30)

 卵塊の上を縦横斜めと色々な方向に糸を張って行きます。その速度は、特に速くもなく遅くもありませんが、休むことなく、一生懸命やっていると云う感じがしました。最初の写真から最後までの間に約13分が経過しています。
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卵塊に平行して糸を張る.典型的なケチャタテ科の
翅脈をしている.後小室が大きい
(写真クリックで拡大表示)
(2008/11/30)

 ストロボを何回も光らせたせいか、母虫は途中で逃げ出してしまいました。下の写真に示す様に、まだ糸は充分張られていません。普通は、もっとビッシリと糸を張ります。
 母虫にとって大切な作業の邪魔をしてしまったことになり、一寸申し訳ない感じがしました。その後、この母虫が戻って糸張り作業を再開したか否かは分かりません。多分、戻らなかっただろうと思います。
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卵塊と糸.母虫は途中で網掛けを放棄した
(写真クリックで拡大表示)
(2008/11/30)

 一寸、画像倉庫を調べてみたら、一昨年の秋に撮影したまま放置してある写真は相当な数に上る様です。お蔵にしてしまうのも勿体無い話なので、出来るだけ更新頻度を上げて、これらの写真も紹介することにしたいと思います。

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