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2010年3月 2日 (火)

キハダエビグモ(Philodromus spinitarsis


 以前、ケヤキの樹皮下に居たキハダカニグモを掲載しましたが、今日は、良く似た名前のキハダエビグモ(Philodromus spinitarsis)を紹介します。

 七丁目の成城学園高校の前に街路樹として植えられているプラタナスの樹皮下に居ました。先日掲載した「ハイイロチビフサヤスデ」や「チリグモ」が居たのと同じ樹です。


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プラタナスの樹皮下にいたキハダエビグモ

こんな感じで斜めに張り付いていた

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(2010/02/22)



 体長は丁度4.0mmですから、チリグモよりはずっと大型です。しかし、文一総合出版の「日本のクモ」に拠れば、雌の体長5~7mm、雄では4~6mmとなっていますので、まだ幼体なのでしょう。触肢を見る限り、少なくとも雄の成体でないことは明らかです。

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正面から見たキハダエビグモ.こんなに真っ平らなのも珍しい

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(2010/02/22)



 キハダエビグモはエビグモ科(Philodromidae)、キハダカニグモはカニグモ科(Thomisidae)に属します。エビグモ科の中には、ヤドカリグモとかシャコグモ、また、カニグモ科にはガザミグモ等と云う種類が居ます。一寸、混乱しそうですね。

 しかし、この様な海の生き物の名前が付いたクモが多いと云うことは、思うに、日本人はクモよりも先に海岸動物の方を良く知っていたと云うことなのでしょう。尤も、クモヒトデ等というのもありますが・・・。

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斜めに張り付いているので見やすくする為、軸を合わせて撮った

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(2010/02/22)



 キハダエビグモは、先の図鑑に拠れば、「神社、寺院、学校、校庭、公園、人家の周辺、樹林地、林道などの太い樹木の樹皮面、枝葉間を歩き回って獲物を探す.樹皮下や樹皮上に静止して近づいて来る昆虫を捕らえることも多い」とあります。樹皮下専門のクモと云う訳ではない様です。

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キハダエビグモの顔.前中眼と前側眼は何れもほぼ前を向いている

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(2010/02/22)



 今日も、また、クモの眼を見てみましょう。上の写真の様に、正面から見ると前中眼と前側眼はほぼ前を向いており、前側眼の方が前中眼よりもやや大きめです。

 後中眼や後側眼は正面からは良く見えません。しかし、横からは良く見えます(下の写真)。後中眼は頭胸部の上に、後側眼は少し後よりの側方にあります。後側眼はやや後を向いている感じがします。

 4対の眼の中で一番大きいのは後側眼です。後側眼が大きいと云うのは珍しいのではないかと思いましたが、以前掲載したキンイロエビグモも、良く見てみると、後側眼が一番大きい様です。やはり、眼の配置と大きさは科の特徴なのでしょう。

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後中眼は頭の上、後側眼はかなり離れて側方にある

後側眼が一番大きくキンイロエビグモと似ている

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(2010/02/22)



 先日掲載した「プラタナスグンバイ(その2:集団越冬中)」の中で、成城学園高校の前にあるプラタナスの樹皮下にはプラタナスグンバイが全く見られなかったと書きました。しかし、このキハダエビグモを撮影した後で、少し離れた道路の反対側に植えられているプラタナスの樹皮を剥がしてみたところ、物凄い数のプラタナスグンバイが潜んで居ました。クモの多い樹では捕食されてしまうので越冬しないのかとも思われますが、この木では数cm四方の樹皮下にチリグモ4頭とプラタナスグンバイが同居している光景も見られましたから、余り関係はない様です。

 僅か20メートル位離れているだけなのに、何故こうも違うのか、不思議なことだと思います。


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