キョウコシマハナアブ(Eristalis kyokoae)(雌:黒色型)
一昨年に撮影した写真を整理したところ(まだ終わっていません)、未掲載の写真が思ったよりも沢山ありました。そこで、これから暫くは今年撮った写真と交互に紹介することにします。このWeblogには殆ど日記の要素はありませんので、それでも構わないでしょう。
先ずは、キョウコシマハナアブの黒色型から。複眼間が開いていますから雌です。
![]() 菊の花にやってきたキョウコシマハナアブ(雌) 黒色型で、腹部の黄紋は消えている 胸背には暗色の幅広い帯がある (写真クリックで拡大表示) (2008/11/23) |
撮影したのは一昨年(2008年)の11月23日、場所は七丁目にある世田谷区の家庭菜園で、隣の家の壁に沿って植えられている菊の花に来ていたものです。ここの菊には毎年多くの双翅目昆虫が訪花していて、これまでにも多くの種類を紹介してきました。
![]() 顔面には明確な縦の黒条(黒色中条)が認められない 前脛節の毛は短く、且つ、疎ら (写真クリックで拡大表示) (2008/11/23) |
「キョウコシマハナアブ」と云うのは余り聞き慣れない名前かも知れません。しかし、実際はこの辺りにも沢山居る極く普通の種類で、ナミハナアブやシマハナアブ等と混在して一緒に花粉を舐めています。
検索するとある程度ヒットします。しかし、その大半は恐らく根拠のない判断でしょう。と云うのは、体のある部分がかなり高精度で写っていないと、シマハナアブとの区別が出来ないからです。
![]() 前腿節には長い毛がある様にみえるが 前脛節に長毛は認められない (写真クリックで拡大表示) (2008/11/23) |
実は、私もこのハナアブの正体が分からず、双翅目の掲示板「一寸のハエにも五分の大和魂」に御伺いを立てて漸くキョウコシマハナアブであることが判明した次第です。
ナミハナアブやシマハナアブの属すEristalis属 では、腹部背面の模様は殆ど同定の役には立ちません。顔の黒色中条(顔の真ん中にある縦の黒条)の有無や脚の色、小楯板や脚の毛などを見て判断します。
ナミハナアブは翅に褐色の紋があり、顔の黒色中条は幅広く明らかなので区別が付きます。スルスミシマハナアブ、カオスジコモンシマハナアブ、カトウハナアブも黒色中条が明確です。一方、シマハナアブやキョウコシマハナアブでは、何れもこの黒色中条が薄くて不明瞭となります。
![]() 前脛節に花粉がかなり付いているが毛は立っていない このハナアブの触角が有毛であることが分かる (写真クリックで拡大表示) (2008/11/23) |
シマハナアブとキョウコシマハナアブの見分け方は、先の掲示板でPakenya氏に教えていただきました。前脛節の毛の生え方で区別するのだそうです。シマハナアブでは、前脛節の外側に脛節の幅と同じ位の長い毛が密生しており、しかも、この毛は立ち気味です。これに対して、キョウコシマハナアブでは、毛はずっと短く、また斜めに寝ており、且つ、シマハナアブよりかなり疎になるのだそうです。
今日のハナアブの写真を見ると、前掲節の毛は短く疎らです。従って、シマハナアブではなく、キョウコシマハナアブと云うことになります。
![]() オマケにもう1枚.複眼には毛が生えている (写真クリックで拡大表示) (2008/11/23) |
何も形容が付かない只のシマハナアブは、まだこのWeblogでは紹介していません。しかし、比較の為に掲載する必要がありそうです。どうも、この手のハナアブが来ても余り撮影する気がしないのですが、今年は撮ってみることにします。
| 固定リンク
「昆虫(双翅目)」カテゴリの記事
- ツマグロコシボソハナアブ(Allobaccha apicalis)(2012.02.19)
- ミスジハマダラミバエ(Trypeta artemisicola)(2010.06.07)
- エゾホソルリミズアブ(Actina ezoensis)(2010.05.06)
- キョウコシマハナアブ(Eristalis kyokoae)(雌:黒色型)(2010.03.08)
- ヒメホソバエ科のAsteia sp.(2010.02.17)
「昆虫-7」カテゴリの記事
- イヌビワハマキモドキ(Choreutis japonica)(2010.03.25)
- ヒゲブトハムシダマシ(Luprops orientalis)(2010.03.21)
- ゴボウハマキモドキ(Tebenna micalis)(2010.03.19)
- マルトビムシの1種(2010.03.15)
- ウスイロチャタテ科の1種(Ectopsocus sp.)(雌)(2010.03.14)
この記事へのコメントは終了しました。







コメント