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2010年3月27日 (土)

ノコギリヒザグモ(Erigone prominens

 今日は微小なクモを紹介します。「四丁目緑地」の横に生えているケヤキの樹皮下に居ました。これまでかなりの本数のケヤキで樹皮を剥がしてきましたが、このクモを見るのは初めてです。しかし、この樹には沢山いて、小さな樹皮片を剥がしても必ず1頭は出て来る、と云う感じでした。
 体長は1.5mm、テレプラスを挟んで約2倍で接写しましたが、画像は鮮明ではありません。今日の写真は暗部が潰れない様にやや明度を高めに調整してあります。モニターによっては明るすぎるかも知れません。

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ケヤキの樹皮下に居たノコギリヒザグモの雄亜成体
頭胸部周縁に歯状の小突起があると云うが見えない
(写真クリックで拡大表示)
(2010/02/24)

 さて、このクモ、小さ過ぎてまるで種類が分かりませんでした。文一総合出版の「日本のクモ」を端から端まで、写真を何回かジックリ見較べてみましたが、該当するものがありません。サラグモ科のクモに似ているものが多いのですが、樹皮下に生息すると云う種類は見当たりませんでした。
 体長僅か1.5mm、しかし、触肢を見ると既に移精器官の形をしているので、既に幼体ではなく雄ないしはその亜成体の様です。確か3個体を撮影した筈ですが、何れも同じ形の触肢をしているので、全部雄と云うことになります。今時、雄ばかり居ると云うのは一寸奇妙な感じです。
 分からないことだらけで、私一人では解決不能です。そこで、例によってクモのBBS「クモ蟲画像掲示板」に御伺いを立ててみました。
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触肢は移精器官の形をしているがまだ亜成体
(写真クリックで拡大表示)
(2010/02/24)

 掲示板の主催者、きどばん氏が対応して下さいました。「サラグモ科のノコギリヒザグモと思われます。(中略)触肢の様子から♂亜成体でしょうね」との御話でした。サラグモ科のクモの殆どは、この程度のマクロ写真だけでは同定不可能の様ですが、「練馬区の公園ではケヤキやアキニレの樹皮下で越冬しているのがよく見られます.ケヤキ樹皮下で同様の外見を持つ別種は見たことがありません」とのことなので、サラグモ科(Linyphiidae)のノコギリヒザグモ(Erigone prominens)雄亜成体で先ず間違いないでしょう。
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体を縮めるノコギリヒザグモの雄亜成体
腹部が輪状に光っているが、これは
腹部に窪みがあることによる
(写真クリックで拡大表示)
(2010/02/24)

 このノコギリヒザグモは「日本のクモ」にも載っていました。雌成体の写真が出ていますが、殆ど真っ黒です。また、きどばん氏が示して下さった雄成体の写真は、腹部が相対的に小さくかなりホッソリとしていて、今日の写真とはまるで似ていません。どうもサラグモ科と云うのは、亜成体から成体になるときに、劇的に外観が変わる様です。
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横から見たノコギリヒザグモの雄亜成体(別個体)
(写真クリックで拡大表示)
(2010/02/24)

 「日本のクモ」の解説には、「平地に多く生息.庭園、水田、河原、畑地などの下草の根本付近や地表のくぼみにシート網を張る.バルーニング(空中飛行)によって飛んできた個体を、都市部から山地まで広く見つけることができる.全体黒褐色であるが、個体により濃淡がある.ヒザグモ属は頭胸部の周縁にギザギザの小突起があり、また上顎の前面にものこぎり歯状の突起がある」と書かれています。
 ケヤキの樹皮下に居たのは越冬の為で、普段の生活場所ではなかったことになります。また、写真からは、上顎の歯状突起は勿論、頭胸部周縁の突起も確認できません。やはり、サラグモ科には手を出さない方が無難の様です。

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