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2010年2月 5日 (金)

チビタマムシ属(Trachys)の1種


 先日ケヤキの樹皮下にいたナガタマムシの1種を紹介しましたが、今日は、同じくケヤキの樹皮下にいたチビタマムシの1種を紹介します。

 チビタマムシには似た様な種類が沢山居ます。しかし、「三丁目緑地」と「四丁目緑地」の2個所に生えているケヤキの木で見付けた2個体は、互いによく似ており、同じ種類に属すと思われます。別の日に「七丁目緑地」にあるムクノキでもチビタマムシを見付けましたが、これは別種の様でした。


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「四丁目緑地」のケヤキの樹皮下に居たチビタマムシ属の1種

体長4mm弱と小さいが、チビタマムシとしては普通

頭の両端に眼があり、間は窪んでいる

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(2010/01/14)



 体長は何れも4mm弱、タマムシとしては随分小さいですが、チビタマムシの中には3mmに満たない種類も沢山居ます。

 チビタマムシには、チビタマムシ属(Trachys)と、これとよく似たヒラタチビタマムシ類(スジチビタマムシ属:Habroloma)が居ます。保育社の甲虫図鑑に拠ると、後者は「上翅の側縁に沿って明瞭な隆起線を走らせる点で区別される」とあります。今日の写真を見ると、その何れに於いても上翅側縁に隆起は認められないので、これはチビタマムシ属として良い様です。

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真横から見たチビタマムシ属の1種

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(2010/01/14)



 しかし、これ以上には種類が良く分かりません。甲虫図鑑に拠ると、ケヤキに寄生するチビタマムシには、ナミガタチビタマムシ、ヤノナミガタチビタマムシ、ドウイロチビタマムシの3種が挙げられています。しかし、ケヤキに居たのは越冬していたのであり、近くにある本来の寄主から移動して来た可能性も否定できません。

 図鑑の写真と比較すると、キタドウイロチビタマムシが一番よく似ているのですが、食草はハルニレとあり、これはこの辺りには生えていない植物です(アキニレは所々にあります)。

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正面からは位置の関係で撮れなかった

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(2010/01/14)



 東京都本土部昆虫目録を見ると、上記4種は何れも載っていますが、一番報告が多いのは、ヤノナミガタチビタマムシです。図鑑の記載には「・・・前種[ナミガタチビタマムシ]によく似ているが、体色は唐金色が強く赤銅色を帯びることはなく、毛は明るい褐色、頭楯の幅は長さの約1.5倍.ケヤキのみにつく」とあります。

 「唐金色(からかねいろ)」と云うのは、恥ずかしながら始めて聞く言葉なので辞書を引いてみると、青銅色のことの様です。Web上では、甲虫やトンボの「金属緑色」を唐金色と呼んでいる人も居ました。しかし、写真で見る限り、このチビタマムシが青銅色や金属緑色をしているとは言い難いと思います。

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横少し上からも撮ってみた.毛斑は不明瞭

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(2010/01/14)



 ナミガタもヤノナミガタも、上翅の下部を横断する波形の毛帯が幾つかあるのでその名があります。しかし、写真では多少波形の模様らしきものが微かに見える程度で、非常に不明瞭です。ストロボで撮ると鞘翅の斑紋が不明瞭になることが時々あるのですが、肉眼で見たときにも一様に黒っぽく、波形模様があったと云う記憶は全くありません。

 また、毛帯が有るのならば、何らかの毛が写っていても良さそうなのですが、それらしきものは見当たりません。

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「三丁目緑地」のケヤキの樹皮下にいたチビタマムシ属の1種

「四丁目緑地」のものと酷似しており同一種と思われる

高い所に居たので他の角度からの写真は無い

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(2010/01/15)



 2頭ともケヤキの樹皮下に居たこと、最普通種であること等から、ヤノナミガタチビタマムシの可能性が高いのですが、今日のところは「チビタマムシ属(Trachys)の1種」と云うところで止めておくことにします。

 写真から虫の種類を決めるのは中々難しいものです。特にストロボを使うと反射光や構造色が目立って、本来の色が分からなくなることが屡々あります。自然光で撮れば良いのですが、現在使っているのは100mmの手ブレ防止機構のないレンズなので、補助光なしで倍率の高いマクロ写真を撮ることは通常不可能です。ディフューザーを使えば問題を多少軽減出来ますが、完全でないのと携帯が面倒なこと、更に光量が不足するのでISOを高く設定する必要があり、結果として解像度が低下すること等から、余り使う気になれないのです。


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