« チビタマムシ属(Trachys)の1種 | トップページ | チリグモ »

2010年2月 7日 (日)

ヤツデキジラミの幼虫

 最近、「ヤツデキジラミ」や「ヤツデキジラミ 幼虫」で検索されて此方に来られる方がかなりの数居られます。其処で、昨年の3月に撮ったキジラミ科(Psyllidae)のヤツデキジラミ(Psylla fatsiae)の幼虫と思われる虫を紹介することにしました。
 「三丁目緑地」に生えているヤツデの葉裏に居たものです。1枚の葉に数頭居ました。

_l_090317_0_038
ヤツデの葉裏に居たヤツデキジラミと思われる幼虫
体長は2.1mm、体はかなり扁平
拡大してピクセル等倍、以下同じ
6番目の写真までは同一個体
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/17)

 この虫がヤツデの幼虫であると思ったのは、ヤツデの葉裏に複数居たことと、昨年撮影直後に調べたときに、何処かの信頼性の高いサイトで「ヤツデキジラミの幼虫」とあるのを見付けたからです。しかし、今年になって探すと、どうしても見つかりません。「虫ナビ」に羽化中の写真は有るのですが、幼虫の写真は有りません。どうも、年をとると記憶がアヤフヤになるので、或いは、思い違いの可能性もあります。
_l_090317_0_045
横から見たヤツデキジラミと思われる幼虫
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/17)

 ヤツデの葉裏は虫の越冬に適した場所らしく、先日紹介したクロトガリキジラミやムクノトガリキジラミ(2007年12月14日掲載の「トガリキジラミの1種」はムクノトガリキジラミの様です)などの、ヤツデキジラミ以外のキジラミも見られます。しかし、これらは何れも飛ぶことの出来る成虫です。幼虫は翅がありませんから、冬の間に食草から離れる可能性は少ないでしょう。
_l_090317_0_051
前から見ると、まるで車に轢かれたヒキガエル
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/17)

 先日の「ヒカゲチョウの幼虫」は本来の食草でないヤツデの葉裏に居ました。しかし、そのヤツデは食草であるタケの群落の中に生えており、ヤツデの葉裏とタケの葉はくっ付いていたのです。写真のキジラミの幼虫も、直ぐ近くの何らかの植物に寄生していたのが、越冬の為にヤツデの葉裏に引っ越して来たと云う可能性も否定出来ませんが、幼虫が数頭(写真では3頭、全部で5頭位か?)も居たことやこの辺りにはそれ程多種類のキジラミは棲息していないことを考えると、先ず、その可能性は零に近いでしょう。
_l_090317_0_053
ストロボの光を嫌って翅表に移動
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/17)

 「ヤツデキジラミの幼虫」と断定している信頼性の高いサイトは無くても、写真のキジラミの幼虫と酷似するヤツデの葉裏に居た幼虫を「ヤツデキジラミの幼虫?」としているサイトはかなりの数有ります。
 状況的証拠ばかりですが、総合的に考えて、写真の幼虫はヤツデキジラミの幼虫と考えて間違いないと思います。
_l_090317_0_058
お尻をふりふり歩く姿は可愛い
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/17)

 体長は2.0~2.2mm。相当に扁平な体付きをしています。BugGuide.Netに同じキジラミ科(Psyllidae)に属すCacopsylla pyricolaPsyllaの幼虫の成長過程を撮った写真があり、それを見ると、今日の幼虫は3~4齢の様です。終齢幼虫は相当横に拡がって円形に近くなり、魚の外部寄生虫として著名な「チョウ」の様な形をしています。
 尤も、種ばかりでなく属も違うので、単純な比較には問題があるかも知れません。
_l_090317_0_070
葉は葉脈のある部分なので少し違って見える
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/17)

 しかし、この幼虫、中々愛嬌のある顔・姿をしています。特に、前から見た姿など、車に轢かれたヒキガエルの様で、つい笑ってしまいます。
 また、丸いお尻を少し上向きにして歩いている姿も、何か漫画的ですが、虫の中でも相当可愛い方に属すのではないでしょうか。歩く速度はゆっくりでしたので、写真を撮るのに特に支障は有りませんでした。
_l_090317_0_073
別個体.色が黄色を帯びている.体長2.0mm
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/17)

 最初の6枚は同じ個体で、始めは葉裏に居たのですが、ストロボの光を嫌がって反対側の翅表に移動しました(4番目以降)。6枚目の写真は葉の質感がかなり異なっています。これは葉の中心部、葉脈がある部分の表側なので、他の部分とは一寸違って見えます。
 最後の2枚(上と下)はそれまでとは別個体、且つ、それぞれ別個体です。最初の6枚の個体(同一個体)とは違って、頭部胸部は黄色を帯びています。また、最後のは、他の個体よりも体全体が細くなっています。齢が違うのかも知れません(最後の個体は、死んでいる可能性もあります)。
_l_090317_0_080
上とは別個体.やはり黄色みを帯びている
体長は2.2mm.他の個体よりもかなり細長い
ヒョッとすると、死んでいるのかも知れない
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/17)

 今日は昨年の写真を出しましたが、ネタが不足している訳ではありません。それどころか、写真が溜まって撮り出るのを控えている位です。このところ1日置きに更新していますが、毎日にでも更新しないと、倉庫に眠ったままの写真が増えそうです。まァ、逆さに言えば、成城に棲息する生き物は、まだまだ沢山居ると云うことです。

|

« チビタマムシ属(Trachys)の1種 | トップページ | チリグモ »

昆虫-7」カテゴリの記事

昆虫(キジラミ)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/156274/33283515

この記事へのトラックバック一覧です: ヤツデキジラミの幼虫:

« チビタマムシ属(Trachys)の1種 | トップページ | チリグモ »