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2010年2月17日 (水)

ヒメホソバエ科のAsteia sp.

 今日は時間が無いので、一昨年の秋に撮った使える写真が1枚しかないハエを紹介します。背側から撮った後、直ぐに逃げられてしまいました。体長2.1mm、翅端まで3.2mm、翅長は2.4mmの小さなハエです。ファインダーを覗いている間に逃げられたら、2度と見付けることは出来ません。
 ヒメホソバエ科(Asteiidae)と云う非常に小さな科に属します。九州大学の日本産昆虫目録を見ると、ヒメホソバエ科にはAstiosoma okinawae(和名なし)1種しか載っていません。しかし、2003年に末吉昌宏氏が、これまで日本では未記録であったAsteia属の既知種2種と新種4種を報告(Eur. J. Ent. 100:609-623,2003)され、現在では2科7種となっている様です。なお、この論文を見ると、関東・山梨県でも3種が採集されていますが、東京都本土部昆虫目録ではヒメホソバエ科は空欄になっています。

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菊の枯葉に留まるヒメホソバエ科のAsteia sp.
(写真クリックで拡大表示)
(2008/11/25)

 実はこの写真のハエは、その正体がず~と分からなかったのです。写真は七丁目の家庭菜園に植えられている菊の枯葉に留まったところです。下地が枯葉なのでゴチャゴチャしていて翅脈は不明瞭ですし、頭部胸部の大半は真っ黒で剛毛の存在は殆ど分かりません。これでは検索のしようがありません。
 ところが先日、重要な情報が「いもむしうんちは雨の音」のHPで有名なAcleris氏からやって来ました。氏が昨年採取されたヒメホソバエ科に属すAsteia sp.が、私がかなり以前に双翅目の掲示板「一寸のハエにも五分の大和魂」に載せた正体不明のハエとソックリであることを知らせて下さったのですが、実はそのハエはこの写真のハエともっとよく似ていたのです。
 ヒメホソバエ科の大きな特徴は、この手のハエでは翅端近くまで伸びる筈のR2+3脈が異常に短いことです。普通のSc脈よりももっと短いのです。上の写真では良く分かりませんが、これとは別の翅だけはもう少し綺麗に撮れている写真を見ると、それらしきR2+3脈が見えます。R2+3が異常に短く、また、M脈が分岐しないので、翅端近くに達する翅脈はR4+5脈とM脈の2本だけです。Cu脈も分岐しません。
 また、Asteia属ではm-cu横脈がありません(Astiosomaには有ります)。写真では些か不明瞭ですが、m-cu横脈はない様に思えますので、写真のハエはAsteia sp.とすることにしました。
 「The European Families of the Diptera」の解説を読むと、この科の幼虫は種類により腐食や菌類、或いは花などを食べる様で、樹皮下に見られることもあるそうです。

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