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2010年1月12日 (火)

ナガケチャタテ

 今日も「三丁目緑地」で越冬をしていた虫を紹介します。
 チャタテムシの1種です。「三丁目緑地」には清水が2個所ありますが、西側にある清水の湧き出し口近くに小さなタラヨウの木が1本あり、その葉裏に居ました。このタラヨウの葉裏は、越冬に向いているらしく、色々な昆虫の姿を見かけます。以前紹介した「チャタテムシの1種」や「ハチの1種」もこのタラヨウの葉裏で越冬していました。

_100108_055 ナガケチャタテ.「三丁目緑地」のタラヨウの葉裏に居た
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2010/01/08)

 体長2.3mm、翅端まで3.0mmのやや小さなチャタテムシです。このチャタテムシは種類が分かりました。昆虫HPとして有名な「虫ナビ」にこれと同種と思われるチャタテムシが出ていました。ナガケチャタテと云う種類だそうです。
 解説によると、「チャタテムシに大変詳しい吉澤先生に伺ったところ本種とご教示いただけた」とあります。この「吉澤先生」とは、チャタテムシの専門家である北海道大学農学部昆虫体系学教室の吉澤和徳準教授(現時点)のことだと思いますから、同定には充分信頼が置けます。
 外見がソックリでも、交尾器を見ないと区別の付かない虫がこの世には沢山います。しかし、チャタテムシはそれ程微妙でない様なので、今日のチャタテムシはナガケチャタテ(Mepleres suzukii)として問題ないでしょう。
 なお、虫ナビ」の解説には、「結構珍しい種であるそうだ」と書かれています。確かに、「"ナガケチャタテ"」でGoogle検索しても僅か6件しかヒットしません。この辺り(東京都世田谷区西部)の住宅地に珍しい種類が居るとも思えませんが、東京都本土部昆虫目録を見ると、皇居で記録があるので、都会に居てもおかしくないが、余り数が多い種類では無いと云うことの様です。
_100108_060 横から見たナガケチャタテ.かなり恐い顔をしている様に見える
(2010/01/08)

 このナガケチャタテ、先のサイトに拠ると、ニセケチャタテ科に属すとあります。恐らくこれも吉澤氏のお話でしょうから、此処でもニセケチャタテ科(Pseudocaeciliidae)としておきます。
 東京都本土部昆虫目録でも、ナガケチャタテをニセケチャタテ科に入れています。しかし、九州大学の日本産昆虫目録ではケチャタテ科(Caeciliidae)に所属しており、ニセケチャタテ科にはPseudocaecilius属の3種があるのみです。何か、所属に関して微妙なものがあるのかも知れません。
_100108_066 しかし、正面から見るとやはり漫画顔
(2010/01/08)

 北隆館の圖鑑に拠ると、ニセケチャタテ科の大きな特徴は前翅縁に交叉毛があることです。しかし残念ながら、これらの写真からは交叉毛の存在は確認できません。今日の写真は、虫体が小さいので、何れも拡大するとピクセル等倍となり、これが限界です。もう少し解像力の高いシステムを使わないと、交叉毛の有無は確認出来ない様です。
_100108_073 斜めから見たナガケチャタテ
(2010/01/08)

 このチャタテムシも、以前紹介した「チャタテムシの1種(その2)」と同じく、粗く引いた蜘蛛の糸の様なものの下(葉と糸との間)に居ました(下の写真)。この様な糸は、他のチャタテムシの場合にも何度か見ています。普通、チャタテムシは産卵の後糸を吐いて卵を保護しますが、越冬中は自分を保護する為に葉の表面近くに糸を吐いて、その内側でジッとして居ることが多い様です。
_100108_054_2 最初の写真と同じ様だが、チャタテムシの張った糸が見える
(2010/01/08)

 チャタテムシに関しては、これまで殆ど種類が分からず、表題も「チャタテムシの1種」とか「ケチャタテ科の一種」としてきました。しかし、最近「日本産チャタテムシ目の目録と検索表」と云う文献を手に入れました(「筑波リポジトリ」からダウンロード出来ます)。1991年なので少し古いのですが、これを使うと今まで「・・・の1種」としていたチャタテムシの種類がある程度は分かります。今後、これまでの記事に訂正を入れて行こうと思っています。

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