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2009年3月 5日 (木)

ワカバグモ(その2:捕食)


 以前、ワカバグモ(Oxytate striatipes)を掲載しましたが、今日は、そのワカバグモが捕食しているところを紹介したいと思います。獲物は、これも既に紹介済みのウスイロアシブトケバエ(Bibio flavihalter)の雄です。撮影場所は、それぞれを紹介したのと同じく、「三丁目緑地」の上部にあるシャクチリソバの群落で、時期は昨年の11月です。


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ウスイロアシブトケバエの雄を捕らえたワカバグモ

(クリックで拡大表示、以下同じ)

(2008/11/10)



 丁度この時期、シャクチリソバの葉上には、ワカバグモもウスイロアシブトケバエもかなり沢山いました。だから、こう言う光景が生ずるのは、まァ、必然的と言えます。

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触肢でウスイロアシブトケバエの頭を押さえている

ケバエの腹部が良く見える

(2008/11/10)



 食べられている方のケバエ(ハエと付いても蚊の仲間)は翅を開いているので翅脈も腹部も良く見え、ウスイロアシブトケバエであると同定するのに役立ちました。普通、この連中は翅を畳んで留まるので、翅脈も腹部も良く見えないのです。ワカバグモに同定の協力をして貰った様なものです。

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正面からの図.ケバエの翅脈が良く見える

(2008/11/10)



 クモは獲物を捕らえるとき、上顎(鋏角)で挟むと同時にその先端にある牙から毒液を出して相手を倒し、消化液を注入して獲物の組織を溶かした後、その溶けた汁を吸います。

 下の写真で、ケバエを押さえているのは脚と構造のよく似た触肢で、眼の下方にある太い1対の構造が上顎です。この下側(裏側)に、左右の触肢の基部から内側に伸びた下顎(顎葉)があり、口はその間にあります。

 よく知らない頃は、上顎の牙から出る毒液に消化作用もあるのだと思っていましたが、クモ学の聖典とも言える吉倉眞著「クモの生物学」を読むと、消化液は下顎(顎葉)の篩域という場所に多数開口する唾液腺から出るのだそうです。

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食事中のワカバグモの顔.眼域の下に見える1対の上顎で

獲物を挟んでいる筈なのだが、良く見えない

(2008/11/10)



 クモの上顎(鋏角)がどの様に獲物を挟んでいるのか、上の写真では良く分かりません。そこで別の上から撮った写真を部分拡大してみました(下)。しかし、これでも上顎の先端が獲物に触れているだけの様にしか見えません。この辺りが良く分かる写真を撮るのは、獲物が邪魔になることが多いので、中々難しい様です。

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背側から撮った写真の部分拡大.やはり上顎が

どう獲物を挟んでいるのか良く分からない

(2008/11/10)



 前回、「次回は埼玉県昆虫誌にSteganopsis sp.2として載っているもう一方の未記載種を紹介する」と言う意味のことを書きました。しかし、最近は余りにハエが続くので、今日は一寸気分転換をしてみました。

 Steganopsis sp.2は、次回に必ず紹介します。


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