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2009年3月15日 (日)

エグリヅマエダシャク

 最近はどうも掲載する虫の種類がハエやチャタテムシに偏っています。何か違うものを出そうと、迷っている間に1週間経ってしまいました。
 そこで、一寸翅が破けているのですが、久しぶりに蛾を紹介することにしました。蛾と言っても、冬に出る種類ではなく、昨年の10月下旬にサザンカの花に来ていたシャクガの1種です。
 エグリヅマエダシャク(Odontopera arida arida)、シャクガ科エダシャク亜科に属す、開張45mm前後の中型の蛾です。

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サザンカの花で眠るエグリヅマエダシャク
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/10/22)

 朝5時半頃、散歩の途中に寄ったサザンカの花に来ていました。まだ薄暗い時刻です。このサザンカは、以前紹介したホシヒメホウジャクウスキツバメエダシャクコガタスズメバチ等を撮影した、6丁目のある御宅に垣根として植えられているサザンカです。  見付けたときは、上の写真の様に、上下逆さまに頭を花の中に突っ込んで、全く身動きしませんでした。夜の間に吸蜜に来てその儘寝てしまった、と言う感じです。
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チョッカイを出したら少し移動して葉に留まった
この蛾は屡々蝶の様に翅を垂直に畳んで留まる
(2008/10/22)

 これでは写真にならないので、一寸チョッカイを出して、眼を醒ましてやりました。幸いにも、遠くには逃げず、直ぐ近くの山茶花の葉に留まりましたが、初めは蝶の様に翅を垂直に畳んで居ました。「みんなで作る日本産蛾類図鑑」を見ると、この蛾は屡々こう言う留まり方をする様です。
 蛾の生態写真では普通は見えない後翅の裏側が写っています。その中央付近に暗色の輪郭を持つ白斑があります。これはこの種の特徴の様です。
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普通の留まり方.翅が破けているのが残念
(2008/10/22)

 やがて普通の蛾の姿勢に変わりました。淡色と暗色からなる外横線があり、中室付近(小室?)に後翅の翅裏と同じ様な丸い紋があります。
 翅が少し破けていますが、前肢外縁に独特のデコボコがあります。これらがこの種の決め手です。
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真横から見たエグリヅマエダシャク
翅が破けているのが顕で本当は出したくない写真
(2008/10/22)

 今回は学名に亜種名まで入れてあります。種名と亜種名が同じですから、基亜種(原亜種、原名亜種)であることを示しています。基亜種であれば、亜種名は書かなくても良いのですが、「みんなで作る日本産蛾類図鑑」に拠ると、他に伊豆諸島亜種(Odontopera arida melancholica)があるので、特に入れておきました。
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エグリヅマエダシャクの横顔
(2008/10/22)

 エグリヅマエダシャクの食草は、保育社の蛾類図鑑ではチャ(茶)となっています。しかし、「みんなで作る・・・」に拠ると、ツバキ科、ブナ科、バラ科、ミズキ科、ツツジ科、スイカズラ科等相当広い範囲の木の葉を食べるそうです。
 越冬態は幼虫です。サザンカはチャと同じツバキ科ですから、このサザンカに来ていた本当の目的は、吸蜜ではなく産卵であったのかも知れません。
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背面からの拡大(2008/10/22)

 やはりこう言う晩秋の象徴のようなサザンカに留まった虫の写真を今頃(初春)出すのは、些か気が引けます。調べてみると、今年はまだ1回しか撮影に出掛けていませんでした。今日は天気も良く風も無いので、これからカメラをぶら下げて散歩にでも行こうかと思っています。

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