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2009年2月13日 (金)

ノゲシ(ハルノノゲシ)


 完全に時季外れの植物ですが、今日はノゲシ(Sonchus oleraceus)を紹介します。撮影したのは、先日のシロノセンダングサと同じく、国分寺崖線下の四丁目にある休耕地の様な空地です。しかし、この辺り(東京都世田谷区西部)では何処の空地にも生えていると言って良い位、何処にでも生えている雑草です。


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ノゲシ、ハルノノゲシとも呼ぶが晩秋でも咲いている

(クリックで拡大表示、以下同じ)

(2008/11/14)



 一名、ハルノノゲシとも呼ばれます。図鑑には「頭花は普通4~7月に開き」とありますが、この写真を撮影したのは11月中~下旬です。実際の花期はもっと長い様です。

 似たような名前にアキノノゲシがあります。これは図鑑に拠れば8~10月に咲くとあり、実際、春に咲くことは無いそうです。形態的には、葉がノゲシよりもずっと細長く、また、花は薄い黄色で1つの花序にノゲシよりもずっと多くの花を着けますから、間違えることはありません。なお、ノゲシは史前帰化種と推測されていますが、アキノノゲシは在来種です。

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ノゲシの葉の基部は左右が三角形となり先が尖る(2008/11/22)



 外見がノゲシによく似ているのは、オニノゲシの方です。これは欧州原産で、明治25年に東京小石川に帰化しているのが見つかり和名が与えられた、と保育社の帰化植物図鑑に書かれています。名前の通り、ノゲシよりも植物体全体がごつく、葉の先は尖って針状となり、かなり触れると痛いそうです。少し探してみましたが、この辺りには、オニノゲシは生えていない様です。

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ノゲシの1花序に付く花の数は少ない

ハナバチの1種が訪花している

(2008/11/22)



 ノゲシとオニノゲシの違いは他にもあります。ノゲシでは2番目の写真に示した様に、葉の基部が細長い三角形となり、先が尖っているのに対し、オニノゲシでは半円形で全体が丸くなります。

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ノゲシの花.全て舌状花からなるが、周辺の方が舌の部分が長い

(2008/11/22)



 この葉形の違いは、様々な図鑑やInternet上の多くのサイトにも書かれていますが、現物を見ると判別に苦しむ時もあります。そう言う場合は、やはりもっと基本的なところで判断すべきでしょう。

 何が基本かと言うと、それは種子の形状です。こう言う特徴は、環境因子で容易に変化するものではありません。


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ノゲシの穂(2008/11/14)



 ノゲシの種子は縦筋の他に横筋が目立つのに対し、オニノゲシにはこの横筋が殆どありません。

 ノゲシとオニノゲシの種子の図は、保育社の「原色日本植物図鑑」や「原色日本帰化植物図鑑」にも出ていますし、全農教の「日本帰化植物写真図鑑」にもオニノゲシ種子の写真が出ています。

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ノゲシのそう果.冠毛がリッパ.横筋が目立つ

(2008/11/22)



 ノゲシの穂から、冠毛の付いたそう果をむしり取って撮ったのが、上の写真です。随分リッパな冠毛ですね。種子には明らかに横筋が認められます。

 更に、冠毛を取り去って種子だけを拡大撮影したのが下の写真です。縦の筋が深いのに対し、横筋は殆ど皺の様な浅い構造である様に見えます。しかし、これには一寸注意が必要です。何方もストロボ同期で撮影していますが、ストロボの光は上方から来ます。上の写真では光と平行に並んだ縦筋は目立たず横筋が目立つのに対し、下の写真では種子が横に置いてありますから、逆に縦筋が目立ち横筋は目立たなくなります。種子を縦に置いて撮影して置けば比較が出来たのですが、下の写真の横筋は、実際はもっと明瞭であると考えるべきでしょう。

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種子だけを拡大.横に置いた為、横筋が目立たない

(2008/11/22)



 ここ1週間程、風邪気味で文章を書く気にならず、更新をサボっていました。その間に調べてみると、9~10月に撮ってまだ掲載していない写真が山程あるのでウンザリしてしまいました。折角撮った写真です。完全に時季外れになりますが、このWeblogは日記的要素が少ないので、一つずつ掲載して行くことにします。


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