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2009年1月20日 (火)

ケチャタテ科の1種(Caeciliusidae gen. sp.

 今日から、漸くこのWeblogの更新が出来る様になりました。
 実は、昨年の暮、大晦日の夜から左足が少しおかしく、数100メートル以上は歩けなくなりました。元旦、2日はまだ大したことはなかったのですが、3日の昼前に突然痛みの為にソファーから起き上がることが出来なくなってしまいました。幸い、鎮痛消炎剤を持っていたのと、医師である友人の助けで某大学病院の救急センターに行きましたが、救急センターでは詳しい検査をすることが出来ず、5日の月曜日にタクシーで某病院の整形外科に行き、MRIで精密検査したところ、椎間板ヘルニア+脊柱管狭窄症であると診断されました。
 昨年撮った写真は、まだ沢山あります。しかし、やはり新年早々に旧年中の写真を出すのは何とも憚られます。どうしても新年第1回目は今年撮った写真にしたい・・・。
 その後1週間程で痛みは何とか取れましたが、左足の脱力感と痺れは残り、近くの商店街に買物に行くことは出来ても、虫を撮りに行く程の長距離を歩く自信はありませんでした。しかし、その後次第に良くなって来ましたし、昨日はとても暖かかったので、思い切って「4丁目緑地」付近に出掛けてみました。途中に位置する「三ツ池緑地」や「四丁目緑地」では何も撮影出来ませんでしたが、近くの農地の辺りで数種の虫を何とか撮ることが出来ました。
 今日はその中から、チャタテムシの1種を紹介します。どうも、この「四丁目緑地」付近にはチャタテムシがかなり棲息している様です。

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ケチャタテ科の1種.翅端まで約5mmとかなり大型
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2009/01/19)

 一見したところ、昨年12月に掲載した「チャタテムシの1種(その2)」に似ています。しかし、先ず大きさが違います。「その2」の方は翅端まで3.5mmしかありませんでしたが、今日のチャタテムシは5mm近くもあります。今まで見たチャタテムシの中では最大です。
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頭部と触覚は褐色(2009/01/19)

 また、色も今日のチャタテムシはかなり赤茶色を帯びており、特に頭部と触覚は明らかに褐色をしています(「その2」では黒色)。
 大きさや色には個体変化があります。しかし、頭部の形が明らかに違いますし、翅脈の走り方も異なります。別種であるのは確実です。
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チャタテムシにしては漫画的でなくキツイ顔
(2009/01/19)

 「その2」の方は、少し絞り気味で撮ったのと虫が小さかったので、翅脈その他の細部がよく分からず科すら不明でした。しかし、今回は虫が少し大きく、また、解像度を上げて撮りましたので、翅脈がかなりハッキリと写っています。
 チャタテムシ目の検索表を引くには、触角と付節の節数が分かる必要があります。残念ながら、これらをこの写真から判断するのは無理な様です。しかし、研究社の図鑑には翅脈の図が載っており、これと北隆館の圖鑑にある検索表と併用すると、このチャタテムシはケチャタテ科(Caeciliusidae)に属すのではないかと思われます。
 そうだとすると、先日紹介した「その2」の方もケチャタテ科かも知れません[その後、これはホソチャタテ科(Stenopsocidae)のヨツモンホソチャタテ(Graphopsocus cruciatus)であることが分かりました]。
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なまはげの仮面の様な顔とも言える
(2009/01/19)

 九州大学の目録を見ると、ケチャタテ科には17種しか登録されて居らず、その内本州に産するのは13種です。しかし、何れの図鑑にも該当する種は見当たりませんでした。
 本当にケチャタテ科なのかにも多少の不安があります。[その後の検討に拠ればケチャタテ科(Caeciliusidae)で間違いないと思います。当初の表題は「ケチャタテ科の1種?」となっていましたが、「?」を削除し、「ケチャタテ科の1種(Caeciliusidae gen. sp.)」としました。「gen. sp.」とは属も種も不詳という意味です。詳細は追記を参照して下さい]。
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もう1枚正面から(2009/01/19)

 このチャタテムシが居たのはビワの葉裏です。昨年も「三丁目緑地」内にあるビワの葉裏で越冬中の様々な虫を撮影しました(例えばホシヒメヨコバイヒメヨコバイ3種、他)。写真を見てお分かりの通り、毛がモジャモジャ生えています。この毛の御蔭で暖かいのか、或いは、掴まり易いのかは分かりませんが、越冬する虫にとっては都合の良い場所の様です。
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翅脈がかなりハッキリ見える
(2009/01/19)

 実は、昨年の晩秋に、今日と同じ種類のチャタテムシがミカンの葉に産卵するところを撮影しています。順序から言えば、この産卵の方が先だったのですが、何分にも新年第1回目は今年撮った写真に限ると決めていたので、此方の方が先になりました。
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オマケにもう1枚(2009/01/19)

 これで「新年第1回目に今年撮った写真を掲載するの義務」は果たしました。画像倉庫の中には、昨年撮った写真がまだまだ沢山残っています。今後は掲載の頻度を高めて、昨年撮った写真もどんどん出して行くことにします。

[追記] その後入手した北大の吉澤準教授が書かれた「Morphology of Psocomorpha」には、各科の翅脈図が載っており、これにより科を推定することが出来ます。それに拠ると、写真のチャタテムシはケチャタテ科(Caeciliusidae)に属す様です。また、富田・芳賀の「日本産チャタテムシ目の目録と検索表」にはケチャタテ科の種までの検索表がありますが、今日の写真から種を同定することは出来ませんでした。日本産ケチャタテ科はまだよく研究されて居らず、未記載種や未記録種もかなりある様です。
 今日のチャタテムシはケチャタテ科で間違いないと思いますので、当初あった「?」を削除し、表題と本文中に訂正([]の中)を入れておきました。
 また、「チャタテムシの1種(その2)」は、その後、ホソチャタテ科のヨツモンホソチャタテであることが分かりましたので、それも[]の中に訂正しておきました。ヨツモンホソチャタテの詳細についてはこちらをどうぞ(2011/02/12)

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