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2008年12月10日 (水)

チャタテムシの1種(その2)[ヨツモンホソチャタテ(Graphopsocus cruciatus)]

 チャタテムシはこの辺り(東京都世田谷区西部)では余り見かけない虫です。体長は最大でも1cmを越えませんから目に付き難い虫ですが、屡々葉裏や樹皮を調べているにも拘わらず、これまでに見付けたチャタテムシは、前回の冬に掲載した「チャタテムシの1種」と、我が家に植えてある月桂樹の葉裏に居た「チャタテムシの1種」の合計2種だけでした。ところが、この冬は「四丁目緑地」とその付近で既に数種を見付けてしまいました。今日紹介するのは、「「四丁目緑地」に生えているアオキの葉裏に居たものです。
 例によって、虫が小さ過ぎるのと翅脈が良く見えないので、検索表を辿ることが出来ません。残念ながら、種名はおろか科も不明です。「チャタテムシの1種(その2)」とする以外ない様です。[その後の調べで、ホソチャタテ科(Stenopsocidae)のヨツモンホソチャタテ(Graphopsocus cruciatus)であることが分かりました。追記を参照して下さい]。

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チャタテムシの1種[ヨツモンホソチャタテ].アオキの葉裏に居た
翅が少し歪になっている
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/12/06)

 翅端まで3.5mm、体長は腹部が翅に隠れていて良く分かりませんが、この手のチャタテムシは翅が長いので恐らく2mm程度でしょう。もう越冬態勢に入っているのか、留まっている葉っぱをひっくり返したり、ストロボを盛んに焚いても全然反応しませんでした。
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横から見たチャタテムシの1種[ヨツモンホソチャタテ]
頭の前にあるのは葉の中肋でこれを除外する為に
些か拡大し過ぎになっている
(2008/12/06)

 チャタテムシは日本全国で僅か100種程度しか記録されていない小さなグループです。普通は余り馴染みのない虫だと思うのですが、このWeblogの過去4ヶ月分のページ別アクセス数で第1位になっているのは、何と、前回の冬に撮った「チャタテムシの1種」です。訪問者数で約7%の方がチャタテムシを参照されています。訪問される方の目的が、害虫駆除のなのか、或いは、見付けたチャタテムシの名前を知りたいが為なのかは良く分かりませんが、何れにせよ、お役に立てないのは残念です。
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反対側から見た図(2008/12/06)

 一部のチャタテムシは、屋内害虫とされています。該当するのは、コチャタテ科やコナチャタテ科の翅のない小型のチャタテムシです。写真の様な翅のある大きめのチャタテムシは屋内に棲むことはなく、人間の生活とは無縁のところで生きています。
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真っ正面から見た図.手前にあるのは葉の中肋
細かい糸が沢山写っているが、これは
チャタテムシが自分で張った糸 (2008/12/06)

 屋内に棲むチャタテムシは、穀物の粉や麺類などの貯蔵食品、皮、書籍、畳その他の湿り気のある場所で繁殖するとのことです。
 カツオブシムシ(例えばヒメマルカツオブシムシ)やイガ(衣蛾)などの屋内害虫は、乾燥した蛋白質を餌とするので、蛋白系乾燥食品や標本類、絹や毛の繊維製品などを直接食害します。これに対して、チャタテムシは基本的に食菌性か食藻性で、皮や紙などを餌にするのではなく、その表面に生じた黴を食べているのです。チャタテムシが発生するのは、其処に住む人間が湿度の管理を怠って黴を生じさせたのが原因であって、チャタテムシを悪者扱いするのは八つ当たりに近く、不当と言えるでしょう。繁殖したカビを食べてくれるのですから、寧ろ益虫と言えるのではないでしょうか。
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斜めから見た図.葉の中肋が何とも邪魔
(2008/12/06)

 何枚かの写真には、蜘蛛の糸のようなものが写っています。チャタテムシは産卵した後に、卵を被う様に糸を吐きます。この糸が蜘蛛の糸なのか、チャタテムシの糸なのかは分かりませんが[その後、チャタテムシが自分で吐いた糸であることが分かりました]、別の種類と思われるチャタテムシが卵を保護する為に糸を吐いているところも撮影しました。近々紹介する予定です[こちらをどうぞ]。

[訂正] その後、このチャタテムシはホソチャタテ科(Stenopsocidae)のヨツモンホソチャタテ(Graphopsocus cruciatus)であることが分かりました。詳しくはこちらをどうぞ。
 また、チャタテムシの多くは、糸を吐いて、卵や自分自身を保護するのが一般的な様です。
 以上に関し、表題と本文中に訂正([]の中)を入れておきました。(2011/02/12)

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コメント

はじめまして。一昨年の記事へのコメント失礼いたします。
貴サイトにて「ヨツモンホソチャタテ」か「ケチャタテ科の1種?」として紹介されているチャタテムシに似たものを屋内にて確認しております。
牧草を購入するようになってから見るようになったので、牧草そのものを食べているものと思い込んでいました。同じ時期に湿度も上がり出しているので、カビの方も怪しいですね。
とても役に立ちました。ありがとうございます。

投稿: コメ子 | 2010年7月13日 (火) 22時10分

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