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2008年12月15日 (月)

フタホシヒラタアブ

 今日は久しぶりにヒラタアブの登場です。フタホシヒラタアブ(Eupeodes(Metasyrphus) corollae)、ハナアブ科ヒラタアブ亜科に属します。ヒラタアブとしては中程度の大きさで、この個体の体長は約8mmですが、もう少し大きい個体も居ます。

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フタホシヒラタアブ.複眼の間が離れているので雌
頭頂と触角の間に一様な黒っぽい部分はない
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/11/11)

 先日紹介した六丁目にある原種に近いサザンカの花に来ていました。ヒラタアブ類は、菊類の花が好きらしくよく訪花していますが、サザンカにも時々やってきます。
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小楯板(胸背の後にある半月形の部分)に生えている毛は茶色
(写真をクリックして拡大して見て下さい)
(2008/11/11)

 よく似た種類にナミホシヒラタアブがあります。このアブは、昨年秋、キクの花に来ているのを紹介しました。この時、フタホシヒラタアブも一緒に居ましたが、背側からしか撮れなかったので掲載はしませんでした。
 一般にフタホシはナミホシよりも小型です。北隆館の圖鑑にはフタホシは8~10mm、ナミホシでは10~12mmと書かれています。しかし、ハナアブ類にかけては一番詳しい「北海道の昆虫」では、それぞれ8~10mm、8.5~12mmとなっており、広い範囲で重複して居ます。写真から大きさを判断する場合、特に倍率を定めて撮影していなければ、2割程度の大きさの違いを区別することはかなり困難です。
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真横から見ると、小楯板の毛が茶色いのが良く分かる
(写真をクリックして拡大して見て下さい)
腿節には暗色の部分が少ない
(2008/11/11)

 一般にフタホシでは、腹部の黄紋が全て左右に分かれており、ナミホシでは最初の黄紋以外は左右が連続しています。しかし、中には黄紋の繋がったフタホシや、全ての黄紋が左右に分かれたナミホシも居るので、これだけで両者を区別するのは無理です。
 また、ナミホシは、フタホシに較べて脚に暗色の部分がかなり多い様です。が、これも個体差があって簡単には判断出来ません。
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付節の先の方は色が濃い(2008/11/11)

 ヒラタアブを含むハナアブ科のアブ(本当はハエなのですが此処ではアブとしておきます)では、雌は左右の複眼の間が離れており、雄ではくっ付いています。このフタホシは、眼と眼の間が離れているので、雌になります。
 ナミホシの雌の場合、単眼のある頭頂の真っ黒な部分と触角の付け根の間に黒色毛が生えており、一様に薄黒く見えます。フタホシの場合は、写真で見るとおり、多少は黒ずんだ部分がありますが、一様に薄黒くはありません。雌の場合は、この方式で両者を区別できる様に思えます。しかし、雄の場合は眼と眼がくっ付いているのでこの部分は存在せず、判断の下し様がありません。
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頭頂と触角の間に一様な黒っぽい部分がなく
顔面に黒色中条がある(2008/11/11)

 雄の場合、種の区別を確実にするのならば、交尾器を見るのが一番です。しかし、生態写真で交尾器を見ろと言うのはドダイ無理な話です。
 幸い、この両者の間にはもう一つ違いがあります。小楯板(胸背の後にある半月形の部分)の毛の色です。ナミホシの小楯板に生えている毛は黒く、小楯板に暗い影として写ります。フタホシの方は、茶色っぽい毛が生えており、小楯板の色と大差が無いので、明確な影にはなりません。
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オマケにもう1枚.脚の踏ん張り方がスゴイ
サザンカの花弁は滑り易いのか?
(2008/11/11)

 北隆館の圖鑑を見ると、ナミホシヒラタアブの解説に「額は黄灰食粉で被われ、被毛は黒色・・・小楯板はろう灰色で被毛は大部分黒色」とあります。しかし、フタホシヒラタアブの項には毛に付いての記載がありません。
 まァ、このフタホシとナミホシの見分け方は、謂わば私の経験則の様なものです。余り信用はしないで下さい。

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コメント

 返信ありがとうございます。

 小楯板の毛が間違いが一番少なそうですね。
やはり全体を眺めて総合的に判断する方が良さそうです。

 

投稿: syuichi | 2012年6月12日 (火) 11時20分

syuichi様

 暫くこのWeblogを放ったらかしにしていましたので、御返事が遅くなりました。申し訳ありません。
 実のところ、この2者の区別には余り自信がないのです。現物では主に大きさから区別が付くのですが、写真では良く分からなくなってしまいます。
 残念ながら、上の本文に書いた以上の情報は持っていません。尚、小楯板の毛の色に関しては、ハナアブを研究されている市毛氏の「ハナアブ写真集」を見ても、此処に書かれた通りになっています。
 市毛氏も参加している「一寸のハエにも五分の大和魂・改」に質問されては如何でしょうか。

投稿: アーチャーン | 2012年6月 9日 (土) 14時35分

 はじめまして、syuichiと申します。

 フタホシヒラタアブのオスとナミホシヒラタアブのオスの違いが良く判りません。
この部分が引っかかってハナアブが整理が出来ず困っています。

フタホシと比べてナミホシは

 1触角の周りが黒ずむものが多い
 2小楯板の毛の色が黒っぽい
 3大きい 

 4確実な情報ではないし、写りによって変わりそうですが胸部背面の色に緑色を帯びる

 以上確認してネットを徘徊すると、そうとばかり居えない記事も存在して判らなくなる・・・を繰り返します。
 ハナアブを専門に見ている方は、慣れれば見ただけで、おおよその判断が付くとおっしゃいます。
 上記4点が相違点として有力なのでしょうか?御教授いただければ幸いです。

 

投稿: syuichi | 2012年5月22日 (火) 18時30分

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