ワタヘリクロノメイガ
今日は別の虫を紹介するつもりだったのですが、文章を書いている内に妙なことに気付き、作業が中断してしまいました。そこで、急遽予定を変更してこのノメイガを紹介することにしました。
ワタヘリクロノメイガ(綿縁黒野螟蛾:Diaphania indica)、ツトガ科ノメイガ亜科に属します。開張は25mm前後、尾端に太いハタキの様な毛塊があるのでよく知られているノメイガです。
一名ウリノメイガとも呼ばれ、農業上ではウリ科の害虫として著名な様です。しかし、アオイ科やクワ科の植物も食べるそうで、和名の頭にある「ワタ」は、ワタを食害するからか、或いは、尾っぽの毛塊を「ワタ」と見なして付けられたのか、良く分かりません。小笠原を含む日本全土、オーストラリア、旧大陸の熱帯等に広く分布します。
ワタヘリクロノメイガ.一名ウリノメイガとも呼ばれる 尾端の毛塊が発達するのは雄の証拠 (クリックで拡大表示、以下同じ) (2008/10/21) |
写真では良く見る蛾ですが、実物を見るのは初めてです。居たのは、先日紹介したホシヒメホウジャクやウスキツバメエダシャク等と同じく、六丁目にあるサザンカの垣根です。
これまでの経験から、この手のノメイガは、ストロボを使うとその反射で実際とはかなり違う風に写ってしまうことが分かっていましたので、ストロボは使いたくなかったのですが、もう日没後のことでもあり、しかも葉裏の暗い所に居ましたので、仕方なくストロボを焚きました。案の定、反射で翅の一部だけ妙に光ってしまいました。
当初は没にするつもりだったのですが、尾端の毛塊が面白いので、やはり掲載することにしました。
尾っぽを振るワタヘリクロノメイガの雄 (2008/10/21) |
この尾端の毛塊は雌にもある程度はある様ですが、雄で特に良く発達するとのことです。と言うことは、この個体は雄と考えて良いのでしょう。
この尾っぽを、ゆっくりではありますが、常に左右に振っていました。雌に「此処に居るぞ」と言う信号を送っているのでしょうか。開張25mm程度の蛾ですから、尾っぽを振っても大して目立ちません。しかし、昆虫は人間とは見える光の周波数帯が違うのが普通ですから、人間には目立たなくても、雌のワタヘリクロノメイガには際立って見えるのかも知れません。
尾っぽの拡大写真.鱗片状で鳥の羽の様 高解像度で撮っていないので、画質はお粗末 (2008/10/21) |
尾端の毛を拡大してみると、毛状ではなく鱗片状で鳥の羽の様な感じです。白、淡黄褐色、暗灰色と白の斑など、色々な色をした「羽」が混ざっています。この尾端だけ高解像度で撮れば良かったのですが、どうせ掲載出来ないだろうと言う気持ちが強かったので、被写界深度をやや深くして(従って低解像度)、全体を撮るだけでお終いにしてしまいました。御蔭で、拡大写真の画質はかなりお粗末です。
この町でもう一度この蛾を見る機会は少ないと思います。惜しいことをしました。
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