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2008年11月17日 (月)

ハギメンガタカスミカメ+ナミヒメハナカメムシ?

 昨年の秋は、色々なカメムシが居ましたが、今年の秋は何故か、余りその姿を見ません。昨年は、四丁目緑地にオオケタデ(オオベニタデ)オオイヌタデが沢山咲いており、それに沢山のカメムシが来ていました。しかし、今年は除草が何回も入ったせいか、タデ類は1本も無く、カメムシも当然居ません。我が家の庭でも、昨年はセイタカアワダチソウに、スカシヒメヘリカメムシアカヒメヘリカメムシヒメナガカメムシなどが来ていたのですが、今年はサッパリです。この町全体として、今年の秋はカメムシが少ない様です。
 そんな訳で、些かガッカリしていたのですが、七丁目の空地でカスミカメムシの「新種」を見付けました(実は、もう大分前のことなのですが・・・)。
 ハギメンガタカスミカメ(Eurystylus luteus)、体長6mm強で体高のある分厚いカスミカメです。

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ハギメンガタカスミカメ.この仲間はみな触角が太い
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/10/02)

 見付けたのは、以前掲載したイヌホオズキの生えていた空地です。カメムシの名前には「ハギ」と付いていますが、フヨウの花を吸汁していました。「日本原色カメムシ図鑑第2巻」に拠ると、「(幼虫は)ハギに寄生するが、成虫は他の植物の花からも見つかる」のだそうで、全くその通りでした。。
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前胸背後縁近くに縦長の小さな暗色斑が
左右に一対あるが分かり難い
(2008/10/02)

 メンガタは「面形」で、「ハギ」の付かない只のメンガタカスミカメでは前胸背後縁近くの左右に白い輪郭を持つ黒斑があるので、これを目玉に見立てて付けられた名前の様です。ハギメンガタカスミカメでは、その様な目玉模様は有りませんが、同じ位置に縦長の小さな暗色斑があります。非常に不明瞭な斑で、良く見ないと気が付かない程度の斑紋です。
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斜め上からみたハギメンガタカスミカメ
(2008/10/02)

 メンガタカスミカメ類は、カスミカメムシ科の中で一つの属(メンガタカスミカメ属:Eurystylus)を構成しています。先の「カメムシ図鑑」に拠れば、旧世界の熱帯を中心に50種ほどが属すそうで、日本には3種、上に上げた2種の他に、奄美諸島以南に分布するタイワンメンガタカスミカメが居るだけです。
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フヨウの花弁の上を歩くハギメンガタカスミカメ
下からストロボの反射を受けて、まるで銀レフで照らされた様
(2008/10/02)

 このハギメンガタカスミカメ、Googleで検索すると僅か23件しかヒットしません。学名で検索しても同じ程度です。しかし、成城の様な都会の住宅地にも居るのですから、決して珍種ではないでしょう。恐らく、先の図鑑以外には載っておらず、写真を撮っても種名が分からないので、御蔵にしている御同類が多いのではないでしょうか。
 そこで、その様な御同類の為に、沢山写真を貼っておきました。
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フヨウの萼の上を歩くハギメンガタカスミカメ
(2008/10/02)

 種として確立されたのもかなり最近のことらしく、メンガタカスミカメと混同されたり、タイワンメンガタカスミカメ(ザウターメンガタメクラガメ:E. sauteri)とされていたこともある様です。学名としてEurystylus luteusが当てられたのはごく最近で、1993年に出版されたカメムシ図鑑の第1巻では、Eurystylus sp.Eurystylusに属すが、種名は不明)となっています。この学名自体、キチンと書くとEurystylus luteus Hsiao,1941ですから、比較的新しい命名です。
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同上.中々カッコイイ
(2008/10/02)

 このハギメンガタカスミカメが居たのは、先日紹介したフタトガリコヤガの幼虫が居たのと同じフヨウの株です。こちらの方がずっと小さいにも拘わらず、見付けたのはカメムシの方が先です。どうも毛虫よりもカメムシの方に注意が行ってしまう様です。或いは、最近は小さな虫ばかり撮っていますので、毛虫は大きすぎて目に写らなかったのかも知れません。
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フヨウの花弁に口吻を突き刺すハギメンガタカスミカメ
この写真だけ拡大率が大きいので少し鮮明度が低い
(2008/10/02)

 最後の写真には、手前にこのカスミカメよりもずっと小さな虫が写っています。撮影時には絞り開放でファインダーを覗いていますから、かなりぼけて見えていたと思いますが、全く気が付きませんでした。この虫、良く見ると、ナミヒメハナカメムシの様です。
 ハナカメムシ科はまだこのWeblogには登場していません。また、この科のカメムシはみな捕食性なので農業害虫の天敵として注目され、ナミヒメハナカメムシなどは生物農薬として登録されているにも拘わらず、虫が非常に小さい(多くは2mm以下)せいか、Internet上に掲載されている写真は僅かです。気が付けばシッカリ撮って堂々初公開だったのですが、どうして気が付かなかったか、悔しがることしきりです。
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ハギメンガタカスミカメと手前は多分ナミヒメハナカメムシ
撮影時はこのハナカメムシの存在に全く気が付かなかった
(2008/10/02)

 最近は、ネタのストックが十二分にあるので、ついつい簡単に掲載出来る写真の少ないネタを選んでしまう傾向があります。今日は、少し反省して写真の多い虫を選びました。
 写真が多いと、その選択・調整にも文章を書くのにも、かなりの時間を要します。今後は、写真の多いネタと少ないネタを交互に掲載することになるでしょう。

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