« ホソヘリカメムシの幼虫(4齢) | トップページ | ヒラタヤドリバエ亜科の1種(Euthera tuckeri) »

2008年10月31日 (金)

ホシヒメホウジャク

 先日、サザンカの花にやって来た蛾を2種(ヘリグロヒメアオシャクウスキツバメエダシャク)掲載しましたが、私がそこで狙っていた虫の本命は、実は今日紹介するホシヒメホウジャク(Neocurelca(Aspledon、Curelca) sangaica)だったのです。
 私は毎日早朝に一寸だけ散歩します。丁度10日ほど前、近くの御宅の垣根になっているサザンカが咲いているだろうと思って、一寸寄り道をして見に行きました。まだ、かなり暗い5時半位の頃です。垣根に近づいて驚いたのは、そこに多数のホウジャク類が吸蜜に来ていたことでした。一昨年に紹介したホシホウジャクも来ていましたが、直ぐ近くの我が家には滅多に来ないホシヒメホウジャクが沢山いるのには、更にビックリさせられました。急いで家にカメラを取りに戻ったのは言うまでもありません。

_081022_111
サザンカで吸蜜するホシヒメホウジャク
ホシホウジャクに比して体が太く短い
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/10/22)

 その南に面した垣根の長さは10mもないと思います。しかし、非常に良く手入れの行き届いた垣根で沢山の花が咲き乱れており、そこに吸蜜に来ていたホシホウジャクとホシヒメホウジャクは、一番多い時で、合わせて15頭位は居たと思います。ブンブンと飛び交うホウジャクの羽音も相当なものでした。
_081021_012
時には殆ど留まって吸蜜することもある
(2008/10/21)

 面白いことに、ホシホウジャクはまだ暗い内から来ていて、明るくなってもまだ居ましたが、ホシヒメホウジャクの訪花は、薄明時の一時期、僅か15分くらいの間に集中していました。普段余り見かけないのも、そう言う習性のせいかも知れません。
_081022_030
後翅黄色斑の後縁は直線的.ホシホウジャクでは内側に曲がる
(2008/10/22)

 ホシヒメホウジャクはスズメガ科ホウジャク亜科に属し、ホウジャク類(Macroglossum属とNeocurelca(Aspledon、Curelca)属)の中では最も小さい部類に属します。図鑑に拠ると、開張は35~40mm、ホシホウジャクは開張40~45mmとなっていますから、高々5mmの差に過ぎないのですが、見た感じでは、ホシホウジャクよりかなり小さいと言う印象を受けます。これはホシヒメホウジャクの体が開張に比して短い(体長が小さい)せいだと思います。
_081022_024
ホシヒメホウジャクの口吻はかなり短い
(2008/10/22)

 しかし、体長は小さくても、横幅があります。ホウジャク類は忙しく花から花へ飛び移りますから、見ていると何だか「豆タンク」が飛び回っている様な感があります。
 また、ホシホウジャクと較べて、かなり色が薄く黄色っぽく見えます。
_081021_015
吸蜜中のホシヒメホウジャクを横から見た図
殆ど留まっていて居るので羽ばたきが小さい
(2008/10/21)

 ホシホウジャクと大きく異なる特徴の一つとして、口吻の長さがあります。一般にホシホウジャクの属すMacroglossum属のホウジャクは口吻が長い様です。ホシホウジャクの口吻は、サザンカの雄蕊の付根にある蜜線に充分に届き、花からかなり離れていても吸蜜出来ますが、ホシヒメホウジャクは口吻が短く、雄蕊の間に頭を突っ込む様にして吸蜜するのが普通です。
 ホシヒメホウジャクの口吻は、オオスカシバの口吻と大体同じ程度の長さかも知れません。オオスカシバも口吻がかなり短く、我が家に咲いたハナトラノオ(カクトラノオ)の花に頭を突っ込む様にして吸蜜していました。
_081021_021
上の個体の等倍接写.何かネズミを想わせる顔
(2008/10/21)

 この辺り(東京都世田谷区西部)のホウジャク類としては、この他にヒメクロホウジャクが居ます。但し、数は少なく、ここ数年見たことがありません。
 九州大学の目録に拠ると、日本全国には15種のホウジャク類(Macroglossum属とNeocurelca(Aspledon、Curelca)属)が記録されています。しかし、多くは沖縄以南の南方系の種類で、東京で記録があるのは、「東京都本土部昆虫目録」に拠ると、この他にクロホウジャクが1種あるのみです。
_081022_069
雄蕊の間に顔を突っ込んで吸蜜.口吻は体長程度の長さしかない
(2008/10/22)

 ホシヒメホウジャク幼虫の食草は、ホシホウジャクと同じヘクソカズラです。終齢幼虫には4つの色彩型があって体の色は様々ですが、尾角が非常に長くて12~13mmもあり、その色は色彩型に拠らずほぼ一定で、黒紫色に近い色をしています。また、ホシホウジャクの幼虫に比して頭部の比率がかなり大きい様です。
 スズメガの幼虫は、一般に地表或いは土中で蛹化します。しかし、ホシヒメホウジャクは例外で、枝上で葉を2~3枚綴って簡単な繭を作ります。越冬態も多くのスズメガでは蛹ですが、ホウジャク類の中にはクロホウジャクの様に成虫越冬するものがあり、ホシヒメホウジャクも成虫で越冬することがあるらしいと、図鑑には書かれています。
_081021_006
オマケにもう1枚.最初の写真と似ている
(2008/10/21)

 ホシホウジャクは一昨年に掲載しています。しかし、幼虫の写真は体の一部が隠れたもの1枚だけで、成虫も6年前に撮った古い写真です。今回、ホシホウジャクの成虫も一緒に沢山撮りましたし、幼虫の詳細な写真も別に用意してあります。何れも、近日中に掲載する予定です。

|

« ホソヘリカメムシの幼虫(4齢) | トップページ | ヒラタヤドリバエ亜科の1種(Euthera tuckeri) »

昆虫-5」カテゴリの記事

昆虫(蛾)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/156274/24895614

この記事へのトラックバック一覧です: ホシヒメホウジャク:

« ホソヘリカメムシの幼虫(4齢) | トップページ | ヒラタヤドリバエ亜科の1種(Euthera tuckeri) »