« アブラゼミ | トップページ | イネホソミドリカスミカメ(アカヒゲホソミドリカスミカメ)の
幼虫(終齢) »

2008年10月 6日 (月)

コエビガラスズメの幼虫(終齢)

 このココログには詳細な「アクセス解析」機能が付いており、読者諸氏が参照されたページが分かる様になっています。逆さに言えば、読者諸氏が何に興味を持っておられるのかがある程度解る訳です。ところが、これが掲載する側の予想とは著しく異なることが屡々あり、驚かされます。
 最近30日間で最もアクセスの多いページは、何と「チャタテムシの1種」で、閲覧者数全体の8%強がその為に訪問されております。次は「昆虫(毛虫、芋虫)」で全体の4%強、トップページは3位で、これは4%弱です。
 チャタテムシを検索して来られた読者の大半は、室内害虫としてのチャタテムシについての情報を探されているのだと思いますが、此処で掲載している「チャタテムシの1種」は屋外の種類ですから、御役に立てなくて真に恐縮千万です。
 次の「昆虫(毛虫、芋虫)」も、まだ全部でたった12種しか掲載しておりません。看板倒れの謗りを免れませんので、今後、皆様の御期待に添う様、出来るだけ「毛虫・芋虫」を掲載する様、尽力する所存で御座いマス。
 ・・・と言う訳で、今日はコエビガラスズメの終齢幼虫を紹介します。

_l5_080912_003
コエビガラスズメの終齢幼虫.イヌツゲの木に居た
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/12)

 この辺り(東京都世田谷区西部)で一番簡単に探せるスズメガ科の幼虫はオオスカシバですが、このコエビガラスズメの幼虫もかなり確実に見付けることが出来ます。コエビガラスズメの幼虫は、「みんなで作る日本産蛾類図鑑」によると、モクセイ科、スイカズラ科、バラ科、ツツジ科、カバノキ科、ミズキ科、ヤマグルマ科等、実に多くの植物を食べる様です。しかし、この辺りではモチノキ科のイヌツゲに多く見られます。
_l5_080912_019
コエビガラスズメ終齢幼虫の頭部
頭頂の周囲、胸脚の基部と爪は黒
(2008/09/12)

 この町(東京都世田谷区成城)には垣根としてイヌツゲを植えている御宅がかなりあります。8月から9月にかけて、そのイヌツゲの垣根の下、溝の蓋の付近を見て回り、大きな糞が落ちていて居ないかを調べます。もし、糞が落ちていて、イヌツゲの若い葉が食べられた跡もあれば、先ず、必ずコエビガラスズメの幼虫が居ます。何分にも人様の御宅の垣根なので、余り長い時間探したりすると不審者と間違えられる可能性が大ですが、大概は1分以内に見つかります。
 写真の芋虫君も、五丁目の大きな通りに面したある御宅の垣根として植えられているイヌツゲに居たもので、「三ツ池緑地」に行く途中で見付けました。枝の少し奥の方に隠れていたので、表の枝に引っ越して貰いました。それで、芋虫君、少し緊張して突っ張っています。
_l5_080912_025
第五腹節の拡大.斜めの模様は輪郭がぼけている
黄褐色楕円形の構造は気門(2008/09/12)

 蛾類の幼虫には、緑色型と褐色型など色違いのある場合が多いのですが、このコエビガラスズメは写真の様な緑色型だけの様です(保育社の蛾類幼虫図鑑には、「欧州ではごく稀に淡紅色や紫色を帯びた型があるらしい」と書かれています)。緑色の地に、白、黒、赤紫の3色による輪郭のぼけた斜条が7本あります。この斜条の直ぐ下(写真の幼虫は上下逆さまなので、直ぐ上)にある、黄褐色楕円形の構造は気門です。
_l5_080912_009
尾角は、黒く艶があり丸い顆粒を帯びる.基部には白斑があり
強く下側(写真では上側)に曲がる(2008/09/12)

 お尻にある角、尾角は基部を除いてまっ黒です。表面にかなり粒々があり、艶があります。先日紹介したセスジスズメ幼虫の尾角は細くて真っ直ぐでしたが、このコエビガラスズメの尾角は、短くて強く下方(写真では上下逆さまなので上方)に曲がって居ます。しかし、基部の下側(写真では上側)だけは白色です。こういった尾角の特徴は種に固有のもので、種の識別に有用です。
_l5_080912_012
正面から見た頭部.食事中でないので、口器は殆ど見えない
(クリックで拡大表示、他も同じ)
(2008/09/12)

 逆さになっている頭部を等倍接写してみました。食事中ではないので、口器は殆ど隠れて見えません。先日のセスジスズメ幼虫の場合とは随分違って見えますが、食事中となればこのコエビガラスズメでも、ややこしい構造の口器が中から出て来ます。
 また、胸脚の先にある爪が、黒く鋭く、先が強く曲がっているのが分かります。
_l5_080912_027p
第3腹節にある第1腹脚.基部と先端は黒く間は黄色で毛がある
腹脚の先端には細かい爪が沢山見える
(クリックで拡大表示、他も同じ)
(2008/09/12)

 ついでに腹脚も撮ってみました。芋虫・毛虫が木の枝などに掴まるとき、一番強力に張り付くのはお尻に近い第10腹節にある尾脚です。その前に位置する腹脚も強力ですが、どうも前に行くほど力がないのか、或いは、必要性が少ないのか、第1腹脚は空を掴んでいる場合が屡々あります。この芋虫君もそう言う状態でした。
 基部と先端が黒く、その中間は黄色でかなり長い毛が生えています。尾脚も含めて腹脚は吸盤の原理で吸い付くのだと思っていましたが、この写真を見ると、その先端に細かい爪が沢山付いています。吸盤で吸い付くのと同時にこの爪を引っ掛けるのでしょう。腹脚がこんな構造をしているとは、この写真を見るまで知りませんでした。
_l5_080912_1_054
約2時間後、イヌツゲの枝の中に隠れていた、と言うか
隠れたつもり.頭隠して尻隠さず(2008/09/12)

 この写真は、上に書いた様に「三ツ池緑地」に行く途中で撮ったものです。緑地で写真を撮って約2時間後、帰り道に芋虫君がどうしているか見に行くと、20cmばかり移動して枝の中に隠れて居ました。いや、隠れたつもりの様です。頭は葉の茂みの中に入っていましたが、腹部の半分以上は見えていました。
 「頭隠して尻隠さず」の芋虫版です。

|

« アブラゼミ | トップページ | イネホソミドリカスミカメ(アカヒゲホソミドリカスミカメ)の
幼虫(終齢) »

昆虫-5」カテゴリの記事

昆虫(毛虫、芋虫)」カテゴリの記事

コメント

公園の生垣(アベリア)にいました。
家で飼っています。
10センチ以上あります。

投稿: 原田 昇太郎 | 2008年10月12日 (日) 20時23分

練馬区石神井1丁目です。
巨大なフンが次々と落ちていて、1週間気になって過ごしました。ウエストリンギア鉢の下にいつも糞が落ちているため目を凝らしてみたところ、枝と一体になって2匹いました。ちょうど人差し指くらいの大きさにすくすく育って駆除するのもかわいそうな気がしますがどうしたらよいでしょうか。ちなみに蝶を見るのは好きですが成虫蛾はかなり苦手です。

投稿: ふじたん | 2008年10月11日 (土) 07時59分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/156274/24307540

この記事へのトラックバック一覧です: コエビガラスズメの幼虫(終齢):

« アブラゼミ | トップページ | イネホソミドリカスミカメ(アカヒゲホソミドリカスミカメ)の
幼虫(終齢) »