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2008年10月の19件の記事

2008年10月31日 (金)

ホシヒメホウジャク

 先日、サザンカの花にやって来た蛾を2種(ヘリグロヒメアオシャクウスキツバメエダシャク)掲載しましたが、私がそこで狙っていた虫の本命は、実は今日紹介するホシヒメホウジャク(Neocurelca(Aspledon、Curelca) sangaica)だったのです。
 私は毎日早朝に一寸だけ散歩します。丁度10日ほど前、近くの御宅の垣根になっているサザンカが咲いているだろうと思って、一寸寄り道をして見に行きました。まだ、かなり暗い5時半位の頃です。垣根に近づいて驚いたのは、そこに多数のホウジャク類が吸蜜に来ていたことでした。一昨年に紹介したホシホウジャクも来ていましたが、直ぐ近くの我が家には滅多に来ないホシヒメホウジャクが沢山いるのには、更にビックリさせられました。急いで家にカメラを取りに戻ったのは言うまでもありません。

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サザンカで吸蜜するホシヒメホウジャク
ホシホウジャクに比して体が太く短い
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/10/22)

 その南に面した垣根の長さは10mもないと思います。しかし、非常に良く手入れの行き届いた垣根で沢山の花が咲き乱れており、そこに吸蜜に来ていたホシホウジャクとホシヒメホウジャクは、一番多い時で、合わせて15頭位は居たと思います。ブンブンと飛び交うホウジャクの羽音も相当なものでした。
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時には殆ど留まって吸蜜することもある
(2008/10/21)

 面白いことに、ホシホウジャクはまだ暗い内から来ていて、明るくなってもまだ居ましたが、ホシヒメホウジャクの訪花は、薄明時の一時期、僅か15分くらいの間に集中していました。普段余り見かけないのも、そう言う習性のせいかも知れません。
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後翅黄色斑の後縁は直線的.ホシホウジャクでは内側に曲がる
(2008/10/22)

 ホシヒメホウジャクはスズメガ科ホウジャク亜科に属し、ホウジャク類(Macroglossum属とNeocurelca(Aspledon、Curelca)属)の中では最も小さい部類に属します。図鑑に拠ると、開張は35~40mm、ホシホウジャクは開張40~45mmとなっていますから、高々5mmの差に過ぎないのですが、見た感じでは、ホシホウジャクよりかなり小さいと言う印象を受けます。これはホシヒメホウジャクの体が開張に比して短い(体長が小さい)せいだと思います。
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ホシヒメホウジャクの口吻はかなり短い
(2008/10/22)

 しかし、体長は小さくても、横幅があります。ホウジャク類は忙しく花から花へ飛び移りますから、見ていると何だか「豆タンク」が飛び回っている様な感があります。
 また、ホシホウジャクと較べて、かなり色が薄く黄色っぽく見えます。
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吸蜜中のホシヒメホウジャクを横から見た図
殆ど留まっていて居るので羽ばたきが小さい
(2008/10/21)

 ホシホウジャクと大きく異なる特徴の一つとして、口吻の長さがあります。一般にホシホウジャクの属すMacroglossum属のホウジャクは口吻が長い様です。ホシホウジャクの口吻は、サザンカの雄蕊の付根にある蜜線に充分に届き、花からかなり離れていても吸蜜出来ますが、ホシヒメホウジャクは口吻が短く、雄蕊の間に頭を突っ込む様にして吸蜜するのが普通です。
 ホシヒメホウジャクの口吻は、オオスカシバの口吻と大体同じ程度の長さかも知れません。オオスカシバも口吻がかなり短く、我が家に咲いたハナトラノオ(カクトラノオ)の花に頭を突っ込む様にして吸蜜していました。
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上の個体の等倍接写.何かネズミを想わせる顔
(2008/10/21)

 この辺り(東京都世田谷区西部)のホウジャク類としては、この他にヒメクロホウジャクが居ます。但し、数は少なく、ここ数年見たことがありません。
 九州大学の目録に拠ると、日本全国には15種のホウジャク類(Macroglossum属とNeocurelca(Aspledon、Curelca)属)が記録されています。しかし、多くは沖縄以南の南方系の種類で、東京で記録があるのは、「東京都本土部昆虫目録」に拠ると、この他にクロホウジャクが1種あるのみです。
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雄蕊の間に顔を突っ込んで吸蜜.口吻は体長程度の長さしかない
(2008/10/22)

 ホシヒメホウジャク幼虫の食草は、ホシホウジャクと同じヘクソカズラです。終齢幼虫には4つの色彩型があって体の色は様々ですが、尾角が非常に長くて12~13mmもあり、その色は色彩型に拠らずほぼ一定で、黒紫色に近い色をしています。また、ホシホウジャクの幼虫に比して頭部の比率がかなり大きい様です。
 スズメガの幼虫は、一般に地表或いは土中で蛹化します。しかし、ホシヒメホウジャクは例外で、枝上で葉を2~3枚綴って簡単な繭を作ります。越冬態も多くのスズメガでは蛹ですが、ホウジャク類の中にはクロホウジャクの様に成虫越冬するものがあり、ホシヒメホウジャクも成虫で越冬することがあるらしいと、図鑑には書かれています。
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オマケにもう1枚.最初の写真と似ている
(2008/10/21)

 ホシホウジャクは一昨年に掲載しています。しかし、幼虫の写真は体の一部が隠れたもの1枚だけで、成虫も6年前に撮った古い写真です。今回、ホシホウジャクの成虫も一緒に沢山撮りましたし、幼虫の詳細な写真も別に用意してあります。何れも、近日中に掲載する予定です。

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2008年10月30日 (木)

ホソヘリカメムシの幼虫(4齢)

 もうすっかり秋も深まった感がありますが、まだ9月に撮って掲載していない虫が沢山残っています。今日はその中から、ホソヘリカメムシの4齢幼虫を紹介します。一緒に撮った5齢幼虫の写真もあるのですが、これまでカメムシの幼虫は各齢を一つずつ記事にして来たので、今回も4齢と5齢で分けることにしました。

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ホソヘリカメムシの4齢幼虫.体長1cm程度
アリに擬態していると言われるが、背側から見ると
余りアリ的ではない.翅の原基が見える
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/02)

 ホソヘリカメムシの成虫は既に紹介済みです。マメ科の作物、特に大豆の害虫として悪名が高いカメムシです。カメムシ類は幼虫と成虫で食性に変わりはありませんから、幼虫も大豆を食害します。
 撮影したのは、七丁目の家庭菜園(第1ファミリー農園)で、大豆の害虫らしく、やはり枝豆の葉上に居ました。体長は1cm程度です。
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横から見たホソヘリカメムシの4齢幼虫
かなりアリに似ているが、お尻の形が一寸違う
(2008/09/02)

 ホソヘリカメムシの成虫はハチに擬態していると言われることがあります。一方、幼虫の方はアリに似ていると言われます。確かに、触角の振り方や脚の感じはアリに似ていますが、お尻が妙な感じで上に突出しているのと、4齢幼虫では少し大き過ぎて色の違いが目立ち、余りアリのようには見えません。もっと若齢の幼虫を第2農園の方で見ましたが、これは確かにアリによく似ていました。
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前から見たホソヘリカメムシの4齢幼虫
頭部は金色に紫を混ぜた様な変な色
(2008/09/02)

 しかし、アリに似ているのはホソヘリカメムシの幼虫だけではありません。カメムシの中にはアリによく似た種類が沢山います。ヒョウタンカスミカメの仲間や、昨年紹介したヨツボシヒョウタンナガカメムシ等も、大きさや形ばかりでなく歩き方もアリに似ていて、特に幼虫となると、マクロレンズで覗かないと区別が出来ない様な場合もあります。
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同一個体の拡大.青紫がかった色をしている
(2008/09/02)

 この写真のホソヘリカメムシの4齢幼虫は、一寸変な色をしています。肉眼では茶色っぽく見えたのですが、大きく拡大してみると、頭部は青紫が強くなっています。3枚目の写真では一寸表現の難しい金属的な色をしていますが、これを拡大すると、4枚目と殆ど同じ色になります。
 デジタルカメラでは時に色が妙なことになることがあります。このカメムシの色を茶色にするには現像時の色温度を相当高くしなければなりません。しかし、そうすると今度は枝豆の葉が枯れかかったような色になってしまいます。
 どの当たりが適切なのか、実際の色の記憶が定かではありませんから判断に苦しむところですが、5齢幼虫は同じように現像しても赤褐色になっているので、4齢幼虫は少なくともある程度は紫がかった色をしているのではないかと思います。
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オマケにもう1枚(2008/09/02)

 この4齢幼虫では、翅の原基は既に出来ており、しかも4齢としてはかなり大きいのですが、余り目立ちません。これが5齢になると、もっと大きくずっとハッキリしてきます。また、色合いも薄く茶色っぽくなります。5齢幼虫は近日中に掲載の予定です。

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2008年10月27日 (月)

ウスキツバメエダシャク

 今日は時間がないので、また写真の少ない虫を選んで紹介します。シャクガ科エダシャク亜科のウスキツバメエダシャク(Ourapteryx nivea)です。
 先日紹介したヘリグロヒメアオシャクと同じ日の同じ場所(成城六丁目)で撮影しました。夜の10時半頃にサザンカの花にやって来たところです。

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サザンカの花にやって来たウスキツバメエダシャク
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/10/22)

 ツバメエダシャクは似た様な種類が多く、種類の判別に困ることが屡々あります。しかし、10月後半であること、尾状突起の形、皺の様な細かい横筋(さざ波)の分布などからウスキツバメエダシャクと判断しました。
 保育社の古い図鑑や「みんなで作る日本産蛾類図鑑」に拠ると、類似種のフトスジツバメエダシャクとは顔の色が異なり、本種では橙褐色と書かれています(フトスジでは白)。写真と見るとチャンとその通りの色をしていますから、ウスキツバメエダシャクで間違いないものと思われます。なお、フトスジツバメエダシャクの出現期は6月上旬~7月上旬と8月中旬であり、また、少なくとも関東では山地性の様ですから、今頃この辺り(東京都世田谷区西部)で見る可能性は無い様です。
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サザンカで吸蜜するウスキツバメエダシャク
(2008/10/22)

 この辺りでツバメエダシャクを見るのは、恐らく数十年ぶりでしょう。まだこう言う綺麗な蛾が残っているとは一寸驚きました。嬉しい話です。
 最近は街灯にやって来る蛾が皆無に近いので、蛾自体が非常に少なくなっているのだと思っていました。しかし、此処のサザンカの花を見ていると、随分色々な蛾がやって来ます。
 幼虫の方は結構色々居るのですから、成虫も当然居るはずなのですが、こう言うところで見られるとは思っても見ませんでした。
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後を向いてしまった.この後一寸突いたら一目散に逃げて行った
(2008/10/22)

 このウスキツバメエダシャク、吸蜜に夢中になっていて中々翅表を綺麗に見せてくれません。その内後を向いてしまったので一寸チョッカイを出した途端、物凄い勢いで夜空の中に逃げて行ってしまいました。

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2008年10月26日 (日)

ホソハリカメムシの幼虫(5齢=終齢)

 今年は我が家の庭に生えているイヌタデにハリカメムシが付いたので、初齢幼虫を除く全段階の幼虫(2齢3齢4齢5齢脱皮直後5齢老熟)と成虫の写真を撮ることが出来ました。そこで、次は比較の為に、同じヘリカメムシ科に属す近縁種のホソハリカメムシの幼虫を撮りたいものだと思っていたところ、七丁目の家庭菜園(第2ファミリー農園)で脱皮後余り時間が経っていないと思われるホソハリカメムシの5齢(終齢)幼虫を見付けました。

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ホソハリカメムシの終齢幼虫.脱皮後まだ本来の色になっていない
前胸背の後端以外に尖った部分は認められない
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/08)

 ホソハリカメムシの5齢幼虫は、普通はもっと濃い茶色(緑を帯びることもあるらしい)をしています。この個体は脱皮後どの程度時間が経っているのか分かりませんが、まだ色が充分に濃くなっていません。脱皮直後は、恐らくハリカメムシの場合と同様、斑点の無い乳白色に近い色だろうと思います。
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少し下側から見たホソハリカメムシの終齢幼虫
(2008/09/08)

 普通、幼虫の脱皮後の色の変化はかなり急速で、数時間もすれば完全に色が安定するものです。しかし、我が家の庭に居たハリカメムシの終齢幼虫を見ると、数日経ってもまだ色が充分濃くはなっていませんでした。このホソハリカメムシの場合も、確証はありませんが、恐らく近縁のハリカメムシ同様、数日かかるのではないかと思います。
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背中の腹背盤にある黒斑が目立つ
(2008/09/08)

 ハリカメムシホソハリカメムシは、成虫は互いにかなり良く似た形をしているのですが、幼虫は少し形が違います。
 ハリカメムシ、ホソハリカメムシ共に、若齢幼虫ほど体長に比して長い棘を持っています。ハリカメムシの5齢幼虫には、4齢以下ほどではありませんが、まだかなり棘があります。しかし、ホソハリカメムシの5齢幼虫では、前胸背の後端を除いて、棘らしい棘はありません。
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ハリカメムシ程ではないが、触角はカッコイイ
(ぜひ、写真をクリックして拡大して見て下さい)
(2008/09/08)

 ハリカメムシ幼虫の触角は、5齢幼虫でも軍配を連結した様な翼のある面白い形をしています。一方、ホソハリカメムシの幼虫では、この翼があまり発達していません。
 また、ホソハリカメムシ成虫の触角第1節は、ハリカメムシのものよりも短くて太いのですが、5齢幼虫でも触角第1節は成虫に似て太く短くなっています。
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体に密着した口吻が良く見える
(2008/09/08)

 腹部の背側に2つの大きな出っ張りが見えます。これは、腹背盤、或いは、臭線盤と呼ばれるもので、そのテッペンにある2つの黒い粒々の横に臭線の開口部があります。臭線は、成虫では中肢と後肢の付け根の間、やや側方に開口するのですが、幼虫では腹部の背側に開口します。この臭線の開口する腹背盤はカメムシ上科では3個あるのに対し、ヘリカメムシ科では2個しかありません。
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ホソハリカメムシ終齢幼虫の腹部.腹背盤の頂上に極く小さな
棘が見える.横方向に臭線が開口している
(2008/09/08)

 ハリカメムシの5齢幼虫では、この腹背盤に各1対の明確な棘があります。ホソハリカメムシでは棘はない様に見えます。しかし、拡大すると極く微小な棘が1対ずつあるのが分かります。
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草の上を逃げ回るので、遂に真っ正面からは撮れなかった
(2008/09/08)

 また、ハリカメムシ5齢幼虫の腹部側盤の先端は棘状になっていますが、ホソハリカメムシにはその様な構造はありません。
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オマケにもう1枚.触角第1節は成虫同様に太くて短い
(2008/09/08)

 4齢以下の幼虫は、見つかりませんでした。幸いにも、「日本原色カメムシ図鑑」にはホソハリカメムシの終齢幼虫の他に、初齢、3齢、4齢幼虫の写真が出ています。初齢幼虫には棘がありますが、体長に対する棘の長さの比率でみると、ハリカメムシの2齢幼虫よりもずっと短く、4齢幼虫程度でしかありません。また、ホソハリカメムシの3齢幼虫の棘はハリカメムシの終齢程度で、4齢になると棘はごく短く痕跡的になっています。
 一言で言えば、ホソハリカメムシの幼虫はハリカメムシの幼虫よりも、外見的な面白味に欠ける訳です。しかし、害虫としてはホソハリカメムシの方がずっと格が上?ですから、各齢幼虫の形態についての情報もハリカメムシ以上に必要となります。

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2008年10月25日 (土)

ヘリグロヒメアオシャク

 最近はどうも記事1回分の為に撮影する写真の枚数が増えて、その選択や調整に時間が掛かってしまい、文章を書く時間が不足気味になっています。そこで今日は、枚数の特に少ない虫を選びました。
 この数日、近くの御宅の垣根として植えられているサザンカ(一昨年掲載した「サザンカ」の最初の写真がそのサザンカ)の花に多くの虫、特に蛾類がやって来るので、毎日の様に写真を撮りに行っています。その時に撮ったアオシャクの仲間です。少し翅の周辺部が擦り切れていて、種類の判別に時間が掛かりましたが、どうやらヘリグロヒメアオシャク(Hemithea tritonaria)の様です。シャクガ科アオシャク亜科に属します。この蛾は、保育社の古い図鑑には載っていません。例によって「みんなで作る日本産蛾類図鑑」の御世話になりました。

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ヘリグロヒメアオシャク.小型で開張20mm程度
辺縁部が一寸擦り切れている
(クリックで横幅1024ピクセルに拡大表示)
(2008/10/22)

 「ヘリグロ(縁黒)」と言っても、黒いのは殆ど線状と言ってもよい細い部分で、しかも辺縁部が全て黒いのではなく、一定間隔で白斑が配置されています。これは、正面から撮った上の写真では、少し分かり難いのですが、下の横から撮った写真を見ると明らかです(上の写真は鱗粉模様が綺麗なので、それが分かる様に、拡大したときの横幅を1024ピクセルにしてあります)。
 また、この蛾の腹部には妙に色の薄くなった部分があります。そこで、「みんなで作る日本産蛾類図鑑」に掲載されている写真を見てみると、やはり大多数の個体が同様の感を呈しています。しかし、緑色の毛の生えている個体も1頭だけありました。毛の色が薄いのか、それとも毛自体が剥がれているのか難しいところですが、上の写真を良く見てみると、剥がれているのではなく、色の異なる毛が生えている様に見えます。
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横から見れば、縁が黒く白斑が一定間隔にあるのが分かる
(クリックで横幅750ピクセルに拡大表示)
(2008/10/22)

 この御宅の垣根は常に手入れが行き届いており、チャドクガが大発生した年でも全く被害を受けていませんでした。垣根の枝は密に繁り、その表面はキチンと平らになっています。こう言う垣根に咲く花に留まった虫は、背側から撮るのは楽ですが、横から撮るのは中々大変で、正面から撮ることは殆ど不可能です。御蔭で、このエダシャクの写真は2枚しかありません。

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2008年10月22日 (水)

ヨモギエダシャクの幼虫(終齢)

 最近は芋虫・毛虫の検索で来訪される方が多い様です。そこで今日は、シャクガ科エダシャク亜科に属すヨモギエダシャク(本州以南亜種:Ascotis selenaria cretacea)の終齢幼虫を紹介します。
 シャクガの幼虫ですから、所謂シャクトリムシです。多くのシャクトリムシの体長は40mm程度ですが、このヨモギエダシャクの終齢幼虫は大きく、6cm近くもあります。

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斜め上から見たヨモギエダシャクの終齢幼虫.左が頭、以下同じ
緑色型だが実際は緑(所々青)を帯びた白色
頭から1/3位の所に一見棘状の暗色斑がある
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/10/02)

 居たのは七丁目の家庭菜園(第1ファミリー農園)です。写真を見てお分かりの通りシソの茎にしがみ付いていました。
 ヨモギエダシャクは、名前は「ヨモギ」ですが、先日のクサギカメムシ(終齢幼虫)と同じく、名前と無関係に実に広範な植物を食草とします。キク科、バラ科、マメ科、ミカン科、ツバキ科、セリ科、ナス科その他の草本、木本が食草として挙げられています。我が家の庭でも、毎年フジかハギの木に居るのを見かけます。
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真上から見たヨモギエダシャクの終齢幼虫.体に散在する黒点は
刺毛の基部にある疣起の影.体長は6cm弱
(2008/10/02)

 ヨモギエダシャクには緑色型、淡褐色型、暗褐色型があり、写真の個体は緑色型です。「緑色型」と言っても、淡緑色と言うべきか、殆ど白色に近い色をしており、頭部だけはやや黄色を帯びています。
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真横から見た図.第6腹節の後部にだけ腹脚がある
(2008/10/02)

 以前にも書きましたが、一般に鱗翅目(蝶、蛾)の幼虫は、胸部に3対の鉤状の胸脚、第3腹節から第6腹節に吸盤と微小な鉤爪からなる腹脚が4対、更にお尻のところ(第10腹節)に1対の尾脚を持ちます。
 シャクガ科幼虫では、第3腹節から第5腹節にある筈の3対の腹脚が退化して、第6腹節の腹脚と第10腹節の尾脚だけになっていることが多く、典型的なシャクトリムシの形になります。第4、第5腹節に腹脚をもつ種もありますが、著しく退化しており、殆ど役には立っていない様です。
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横から見た第2腹節.楕円形の輪は気門.大きな疣起は
黄~赤味を帯びる.背中にある黒斑の一部は少し盛り上がっている
(2008/10/02)

 ヨモギエダシャクの幼虫では、背から側面に散在する刺毛の基部に丸い隆起(疣起:ゆうき)があります。緑色型では、この疣起の多くは黄色をしています。第2腹節の背側にある刺毛(D1)基部にあるものが一番大きく、第8腹節(最後の気門がある節)のD1疣起がこれに次ぎます。第2腹節の疣起は少し赤味を帯びています。
 保育社の幼虫図鑑に拠れば、淡褐色型では第2腹節のD1疣起は橙赤色で周囲を黒色に囲まれ、暗褐色型では赤褐色になりやはり黒色に縁取られるそうです。
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上の部分を真上から見た図
(2008/10/02)

 色々なサイトを参照すると、この第2腹節の疣起の大きさにはかなり個体変異があり、写真の個体のはかなり小さい方に属す様です。個体によっては、大きな疣起の下が更に膨らんでいる場合もあります。
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ヨモギエダシャク終齢幼虫の頭部と胸部.頭は黄色味を帯びる
触角と胸脚は黄褐色.丸い紋は気門.胸部の気門は前胸
(第1胸節)のみ.頭頂の下側にある5個の丸い黒斑は単眼
その前方下側にもう1つある
(2008/10/02)

 この第2腹節のD1疣起の前方に、前に向かって細くなる暗色斑があります。この部分は少し周囲より盛り上がっており、肉眼で見たときは、もう夕方で暗くなってきたせいもありますが、何か角か大きな棘があるのかと思いました。
 他のサイトの写真を参照すると、この暗色斑にも相当な個体変異があります。中には、殆ど認められない場合もある様です。
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斜めから見たヨモギエダシャク終齢幼虫の頭部と胸部
(2008/10/02)

 例によって、シャクトリムシ君の顔写真を載せておきます。頭部の構造は、先日紹介したフタトガリコヤガの終齢幼虫と基本的に変わるところはありません。頭頂にブツブツ(顆粒)が散在している点も同じです。頭部の構造については「セスジスズメの幼虫(終齢)」で詳しく説明しましたので、そちらを御覧下されば幸いです。
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ヨモギエダシャク終齢幼虫の顔.頭頂に粒々が散在する
構造はフタトガリコヤガの幼虫と基本的に同じ
(2008/10/02)

 秋に見られるヨモギエダシャクの幼虫は、老熟すると土中に入って蛹となり、そのまま越冬して、5月に羽化するそうです。成虫は白黒を基調とした斑模様で細かい横筋が入っています。「みんなで作る日本産蛾類図鑑」には35枚を超える写真が載っていますので、成虫画像はそちらを御覧下さい。
 (なお、本Weblogでは責任を持てるサイト以外へのリンクは張りません。知らない間に変更になっている場合があるからです。サイトの題名で検索すればURLが変更されていても多くの場合は見つかるでしょう)

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2008年10月20日 (月)

イヌホオズキ

 もう時季遅れになってしまいましたが、今日はナス科の雑草、イヌホオズキ(Solanum nigrum)を紹介します。家庭菜園(第2ファミリー農園)に行く途中の七丁目にある空地に生えていたものです。
 学名でお分かりの通り、食用のナスと同じナス属の植物です。しかし、果実は直径7mm程度と小さく、熟すと紫黒色になります。勿論、食べられません。
 イヌホオズキは全草にソラニンを含んでいる有毒植物です。しかし、漢方では「龍葵」と称し、解熱剤、利尿剤として使用する様です。なお、ある書籍に拠ると、柔らかい茎や葉は、よく茹でこぼしをすれば、食べて美味しいとのことです。

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イヌホオズキ.茎が部分的に紫黒色になっている
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/02)

 イヌホオズキと言うと、何となく在来種の様な響きがあります。しかし、保育社の「原色日本帰化植物図鑑」には、「日本には古い時代に入ったものと思われ・・・」と書かれており、有史前に渡来した所謂史前帰化植物の様です。
 類似種にテリミノイヌホオズキ(S. photeinocarpum)、アメリカイヌホオズキ(S. americanum)があります。
 なお、上記図鑑に拠れば、その他にもムラサキイヌホオズキ、アカミノイヌホオズキ、カンザシイヌホオズキ等があり、「この一群は似たものが多く再検討しないとよくわからない」と書かれています。また、Internetで検索すると、更にオオイヌホオズキという種も出て来ます。残念ながら、こららの種に付いては文献の持ち合わせがありません。此処では、只のイヌホオズキ、テリミノイヌホオズキ、アメリカイヌホオズキの3種に限って考えることにします。
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イヌホオズキ.上と同じ群落(2008/09/02)

 テリミノイヌホオズキは、名前の通り果実に強い光沢があるので、容易に見分けることが出来ます。
 しかし、これでは果実が無いときには区別が出来ません。私はテリミノイヌホオズキを見たことがないので困るのですが、かなりアメリカイヌホオズキ(後述)に似ている様です。ただし、葉は全縁のことが多く、花数はイヌホオズキに似て多く、また、花色は白で紫色を帯びることは無いそうです。花の付き方は、図鑑に拠れば、アメリカイヌホオズキの様に一点から散形に付きますが、1花だけ離れて付くことがあるとのことです。
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イヌホオズキの花(その1).白色で紫色を帯びない
(2008/09/02)

 アメリカイヌホオズキは北米からの帰化植物です。北米からの帰化植物と言うと、ヒメムカシヨモギ、セイタカアワダチソウ、オオハンゴンソウ、オオマツヨイグサ等、背が高くて頑丈な植物を思い浮かべますが、このアメリカイヌホオズキはイヌホオズキよりずっと華奢で一寸意外な植物です。写真のイヌホオズキが生えていた空地にアメリカイヌホオズキの群落もありましたので、何れ紹介する予定です。
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イヌホオズキの花(その2)
(2008/09/02)

 「ずっと華奢」と言っても良く分からないでしょうから、イヌホオズキとアメリカイヌホオズキの具体的な違いを書いておくことにしましょう。
 先ず、葉がイヌホオズキでは色濃くやや厚めで幅も広くシッカリした感じですが、アメリカイヌホオズキの葉は、やや細めで薄くペラペラしており、色も薄めです。なお、図鑑によると、何方も粗い鋸歯があることが多いとのことですが、写真のイヌホオズキでは全縁になっています。
 茎は何れも斜上します。しかし、前者では太めでシッカリ立つのに対し、後者では細く半分蔓の様な感じで横に拡がります。また、前者の茎の色は濃く、時に紫黒色を帯びることがありますが、後者は葉と同じ薄めの色です。
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花の拡大(2008/09/02)

 花は何れも基本的に同じ形をしています。しかし、花冠の径はイヌホオズキが6~7mm、これに対してアメリカイヌホオズキでは4~5mmとやや小さめで、また、少し細めです。
 大きく異なるのは、花の色です。前者の花は白だけですが、後者の花は屡々紫色を帯びます。近縁種で花が紫(青)色を帯びるのはアメリカイヌホオズキだけだそうですから、これは大いに役立つ区別点になります。
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色づき始めた果実(2008/09/02)

 果実は何方も艶の少ない紫黒色です。しかし、アメリカイヌホオズキの方がやや小さい様で、また、若干艶があります。イヌホオズキでは花枝に数~10個程度付くのに対し、アメリカイヌホオズキでは2~5個しか付きません。
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上から見た未熟な果実.花軸に沿って交互に花柄が出る
(2008/09/08)

 イヌホオズキでは、写真で示したとおり、花柄は花軸に沿って交互に1つずつ出ます。一方、アメリカイヌホオズキでは、花柄は集中して花軸のほぼ1個所と言って良い位の狭い範囲から散形に出ます。これも変化の少ない重要な区別点です。
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熟した果実.艶がない(2008/09/08)

 イヌホオズキはアメリカイヌホオズキよりも花期が1ヶ月程早い様です。比較のためにアメリカイヌホオズキの実が熟すのを待っていたのですが、その実が熟す頃には、イヌホオズキの方はもう枯れ始めていました。

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2008年10月18日 (土)

ウコンカギバ

 今日は昨日の朝に撮った蛾を出すことにします。カギバガ科のウコンカギバ(Tridrepana crocea)、早朝散歩の途中で見付けました。手ぶらで出掛けたのですが、幸い六丁目の家の直ぐ近くだったので急いで帰り、カメラを持って来て撮影しました。
 図鑑に拠れば、ウコンカギバは開張30~45cm、大きさの変異がかなりあります。また、雌は一般に雄より開張が大きいそうです。この個体は、正確に測定していませんが、相当に小さく開張3cmギリギリと言うところでしょう。掲載した写真では少し分かり難いですが、触角は枝の長い両櫛歯状になっており、また、開張が小さいので、雄の個体と思われます。

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ウコンカギバ(Tridrepana crocea).反射で全体の調子が少し変
本当はもっと素直な黄色地に暗色紋
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/10/17)

 このWeblogに載せている写真は、殆どストロボを焚いて撮っています。上の写真の場合、鱗粉がそのストロボの光を反射して一寸変な白っぽい色合いになってしまいました。蝶ではストロボで撮ってもまず問題ないのですが、蛾の場合は、時々、余りに妙な色調になってしまい、没にすることもあります。今回は、辛うじてセーフと言うところでしょうか。
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横から見ると、まるでステルス機の様.これが本来の色
(2008/10/17)

 ウコンカギバにはヒメウコンカギバ(Tridrepana unispina)と言う類似種が居ます。本来は外見から区別は出来ないのだそうですが、ウコンカギバは翅頂付近の紋が薄いとのことなので、ウコンカギバとしました。
 食草は、保育社の古い図鑑ではクヌギとなっています。しかし、「みんなで作る日本産蛾類図鑑」に拠ると、ブナ科のコナラ属(Quercus)の常緑樹種と落葉樹種の双方、シイ属等、もう少し広い範囲の植物を食べる様です。この個体は、丁度かなり大きなスダジイ(普通のシイ)の樹の下に居ました。
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頭を下にくっ付けている.触角が両櫛歯状であるのが分かる
(クリックで拡大表示、他も同じ)
(2008/10/17)

 カギバは前翅の先端が鉤の様に曲がっているのでその名があります。「みんなで作る日本産蛾類図鑑」に拠ると74種記録されている様ですが、この辺り(東京都世田谷区西部)で見ることは余りありません。尤も、蛾類自体が非常に少なくなっています。街灯に集る蛾を見ることは滅多にありません。昔は、嫌になるほど家の電灯にやって来たのですが・・・。
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ウコンカギバの顔(2008/10/17)

 「みんなで作る日本産蛾類図鑑」には、この蛾の幼虫の写真が載っています。背中にカタツムリの眼の様な先の巻いた角が8本、お尻にも長い尻尾があり、何ともキッカイな姿をしています。この個体が雌だったら、卵を産ませて飼育しようかと思うほどです。
 なお、このWeblogではこれまで特に必要な場合を除いて学名を記していませんでした。学名は屡々変更されるので、誤解を避ける為です。ところが、最近は海外からのアクセスも多くなり、先日はとうとうリンクを張られてしまいました。そこで、今回から動植物名に学名を付けることにしました。日本語が分からなくても、学名があれば何とかなるでしょう。英語版を作っても良いのですが、それだけの時間的余裕はありません。

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2008年10月16日 (木)

ギンモクセイ

 このWeblogを始めた頃、丁度2年前にキンモクセイ(金木犀:Osmanthus fragrans var. aurantiacus)を掲載しましたが、今日は、その原種とでも言うべきギンモクセイ(銀木犀:Osmanthus fragrans)を紹介します。

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四丁目のある御宅の垣根に植えてあるギンモクセイの花
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/10/07)

 ・・・と書いたのですが、実は本当にギンモクセイなのか、確信がありません。と言うのは、このモクセイ、実を着けているのを今年の春に見ているのです。キンモクセイもギンモクセイも中国から渡来した植物ですが、図鑑等に拠ると、どちらも日本には雄株しか入っていないことになっています。だから、実がなることは有り得ない筈です。
 ギンモクセイの変種としては、その他にウスギモクセイ(薄黄木犀:Osmanthus fragrans var. thunbergii)という黄白色の花を着ける変種があり、これは雌株も入っていて実がなることで知られています。
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上の写真の上の部分を拡大.まだ花は開いていない
(2008/10/07)

 それではウスギモクセイかと言うと、花はどう見ても白色で黄白色ではありません。写真では少し黄色っぽく見えることもありますが、肉眼的には白です。
 色々調べてみると、ギンモクセイでも一部には雌株も入っており、また、ウスギモクセイは、キンモクセイと間違えられることがよくあるほど、花色は黄色味が強い様です。
 そこで、これはギンモクセイとしておきました。
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開きかけのギンモクセイの花.この写真だけ三丁目で撮影
少し黄色く見えるが、少し離れて見れば白い
(2008/10/07)

 この町(東京都世田谷区成城)には、キンモクセイは沢山ありますが、ギンモクセイは稀です。私の知る範囲では、四丁目の線路近くに2本、三丁目の崖下に1本の合計3本あり、何れも実を結びます。
 今日の8枚の写真の内、3番目の1枚だけが三丁目、他はみな四丁目にある一軒の御宅に植えてあるもので、四丁目のもう一軒のギンモクセイは撮っていません。
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最初の写真の5日後.花は既に開いている
開花後時間が経っているので少し黄ばんでいる
(2008/10/12)

 図鑑によると、ギンモクセイの方が葉が若干大きいとされています。ギンモクセイは葉身の長さ8~15cm、幅3~5cm、キンモクセイでは、それぞれ7~12cmと2~4cmとなっています。しかし、正確に計測して、統計処理をすればどうなるか分かりませんが、見た目での違いは特に感じられません。
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上の写真の上部を拡大.花が汚れて黄ばんでいるのが分かる
(2008/10/12)

 匂いはかなり弱い様です。季節柄キンモクセイの香りが立ちこめており、判別し難いのですが、一番香りが強いと思われる開きかけの花を鼻の前に持って来て漸く匂う程度です。ヒイラギと同じ程度の強さではないでしょうか。しかし、香りはキンモクセイと同質の香で、ヒイラギの様な爽やかな香りではありません。
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上の写真の中央部を拡大.貝柱の様な花柱と開裂した葯が2個ある
花はかなり汚れている(2008/10/12)

 花を拡大して見ると、中央に円柱状の構造があり、その脇に雄蕊が2本見えます。中央の円柱は、雌蕊でしょう。図鑑にも、雌花では1個の雌蕊と2個の雄蕊があると書かれています。しかし、雄蕊と雌蕊があるのなら両性花です。モクセイ科は雌雄異株とされていますが、正確には雄花を着ける株と、両性花を着ける株のある、雄性両性異株なのでしょうか。
 雄蕊があっても不稔の可能性もあります。しかし、数少ない3本のギンモクセイがみな果実を沢山着けていたことを考えると、自家受粉ではないかと思われます。
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開花後間もない花.中央右上の花は殆ど真っ白
(2008/10/12)

 雄性両性異株は稀とされています。しかし、その少ない例であるマルバアオダモやヒトツバタゴはモクセイ科に属します。同じモクセイ科のギンモクセイも、本当は雄性両性異株なのかも知れません。
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上よりもう少し時間が経ったと思われる花.この写真からは
黄色いのは汚れであって花自体の色ではないと思われる
(2008/10/12)

 2年前にキンモクセイを掲載したときは、まだ、デジタルカメラ用のマクロレンズを持っていませんでした。ですから、キンモクセイの花の拡大写真はありません。それでも、原画を拡大してみると、2個の雄蕊の間に何かの構造が見えます。今年はもう間に合いませんが、来年は比較の為にキンモクセイの花の拡大写真を掲載しようかと思っています。

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2008年10月15日 (水)

クサギカメムシの幼虫(5齢=終齢)

 今日は久しぶりにカメムシ科の如何にもカメムシらしいカメムシを紹介します。・・・と言っても、まだ幼虫です。クサギカメムシの5齢(終齢)幼虫、6丁目のある御宅の垣根に居たのを撮影しました。

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クサギカメムシの5齢(終齢)幼虫.中世の騎士の如し
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/02)

 クサギカメムシは日本全国(小笠原諸島に付いては不明)に分布するカメムシで、この辺り(東京都世田谷区西部)にも沢山居る最普通種です。今年は我が家の庭でも、少なくとも2個所に卵塊がありました。何れもタマゴバチなどに寄生されることなく、チャンと孵化しました。
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葉の上を歩き回るクサギカメムシの5齢幼虫
(2008/09/02)

 成虫は体長15mm前後の暗褐色の地に黄褐色の斑紋が散らばる地味なカメムシです。幼虫も写真の5齢幼虫は色彩の点では成虫に近いですが、形は中々厳つく、中世の騎士の様な「甲冑」を帯びています(写真をクリックして拡大して見て下さい)。
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正面から見たクサギカメムシの5齢幼虫
緊張して這いつくばっている
(2008/09/02)

 成虫はかなり平べったい虫ですが、5齢幼虫も相当に「平ら」になります。しかし、普通はこの写真ほど酷くはありません。色々な角度から写真を撮るために、カメムシ君の留まっている葉を色々な方向に曲げたり、ひっくり返したりしたので、カメムシ君、相当緊張して這いつくばっているのです。
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普段はこんなに這いつくばらない
恰も画像処理で上下を圧縮した様
(2008/09/02)

 クサギカメムシの初齢幼虫は、厚みのある丸い体をしています。色も赤と黒の派手な取り合わせです。これが、2齢になると赤は殆ど消えて、この5齢幼虫に近い黒味の強い色彩になり、厚みも急に減少します。なお、このクサギカメムシの地色は、成虫も含めて、青っぽいのから赤っぽいのまで、かなりの変異があります。
 今年は我が家の庭にクサギカメムシの卵塊があったので、各齢の幼虫を観察することが出来ました。初齢2齢の幼虫は、既にもう一つのWeblogで紹介してありますので、興味のある方は御覧下さい。
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斜め上から.厳つい筈が、何ともだらしのない格好
(2008/09/02)

 クサギカメムシの「クサギ」は、クマツヅラ科のクサギ(臭木)から来ているのだと思います。しかし、非常に広食性のカメムシで、特にクサギに付く訳ではありません。種々の果物や豆類も吸汁するので、農業害虫として悪名の高いカメムシの一つです。
 また、晩秋になってから、越冬する為に集団で人家に侵入したりするので嫌われます。クサギカメムシは臭いカメムシの代表選手とも言えます。
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クサギカメムシの顔写真.背面は不規則な点刻で被われる
(2008/09/02)

 今年はクサギカメムシの幼虫を彼方此方で随分沢山見たのですが、不思議なことに成虫はまだ一度も見ていません。クサギカメムシは本来は種子を吸汁するカメムシです。成虫になって翅が出来たので、屹度、何処かに良い餌を求めて飛んで行ってしまったのでしょう。

追記:「カメムシの幼虫」で検索すると、このページが先に出て来ることがありますが、別に「昆虫(カメムシの幼虫)」と言うカテゴリーがあります。「カメムシの幼虫」で来られた方は、そちらを御覧下さい。

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2008年10月14日 (火)

フタトガリコヤガの幼虫(終齢)

 最近は「昆虫(毛虫、芋虫)」を参照される方が非常に多いので、今日は毛虫を紹介することにしました。
 フタトガリコヤガと言う、ヤガ科アオイガ亜科(コヤガ亜科)に属す蛾の幼虫です。かつては「コヤガ」の付かない只の「フタトガリ」と呼ばれていた様で、北隆館の「日本幼虫圖鑑」には「フタトガリ」として出ています。

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七丁目の空地にいたフタトガリコヤガの終齢幼虫(黒紋型).左が頭
第3~4腹節に腹脚を欠くので、シャクトリムシ的になる
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/10/02)

 写真は何れも終齢幼虫で、長さは3~4cm程度、体は黄、緑、黒の非常にコントラストの強い派手な模様をしており、お尻には赤色斑があります。何時も葉表に居て目立ちます。所謂、警戒色の様です。
 これは、保育社の図鑑に拠れば第1(黒紋)型で、他に第2(赤紋)型が有るそうです。第2型は、微小な白点を散在する濃い緑の地に、白で縁取られた橙赤色の楕円紋がほぼ各体節に一つずつ並ぶもので、数は少ないと書いてあります。なお、若齢幼虫は全体黄緑色、不鮮明な黄条があるだけで、特別な斑紋は無いそうです。
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3丁目のフヨウに居たフタトガリコヤガの終齢幼虫(黒紋型).右が頭
上の写真とは1.5km離れているが、紋はよく似ている
(2008/10/12)

 食草は、フヨウ、ムクゲ、アオイ、ワタ、オクラなどのアオイ科の植物です。園芸植物の害虫としてよりは、農業の方でオクラの害虫として知られている様です。
 見付けたのは、七丁目の空地に生えていたフヨウと、三丁目の電信柱の横に生えていたフヨウの2個所です。
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一番目の個体を上から見たもの.右が頭
(2008/10/02)

 鱗翅目(蝶、蛾の仲間)の幼虫は、胸部に3対の胸脚と、腹部の第3~第6節に4対の腹脚、第10腹節に1対の尾脚を持つのが普通です。しかし、このフタトガリコヤガの幼虫では、第3、第4腹節に腹脚がありません。
 シャクトリムシでは、以前紹介したフタナミトビヒメシャクの幼虫の様に、第3~第5腹節の腹脚が退化して、尾脚と第6腹節の腹脚だけになっています。フタトガリコヤガは、謂わば、シャクトリムシと普通の毛虫・芋虫との中間的な存在で、脚の構造上、シャクトリムシに近い歩き方をします。フタトガリ以外のコヤガの仲間も多くは同じです。
 なお、ヤガ科には、キンウワバ、シタバ、アツバ類の様に、前方の腹脚が良く発達していない種類がかなりあります。
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七丁目の空地にいた別の個体.良く太っている
左が頭.頭部の紋は上の写真とはかなり異なる
(2008/10/02)

 このフタトガリコヤガの幼虫、かなり複雑な斑紋の入り方をしています。しかし、最初に並べた2頭の幼虫を見ると、斑紋の位置や大きさは殆ど同じです(写真をクリックして拡大して見て下さい)。この両者は互いに1.5km程離れたところに居たのですから、同じ親から生まれたとは考えられません。2頭の比較だけでは説得力は有りませんが、斑紋は複雑でもその配列はかなり 厳密に決まっている様に思われます。
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1番目の個体の頭部.紋や毛の位置が左右非対称
(2008/10/02)

 しかし、頭の模様を見ると、2頭の間でかなりの違いがあります。特に、最初の個体では左右の対称性がかなり乱れています。面白いことに、刺毛はみな黒い紋のほぼ中心から出ており、紋の位置のズレに対応して、刺毛の位置も左右が非対称になっています。
 また、上から見た写真を見ても、への字型のはまた別の個体ですが(曲がっているので、横からの写真は撮っていません)、頭部の斑紋は、両者でかなり違っています(写真をクリックして拡大して見て下さい)。
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2番目の個体の頭部.左右の紋は略左右対称
(2008/10/12)

 頭部の左右の大きな丸い部分(頭頂)に小さな粒々が沢山あるのが見えます(写真をクリックして拡大して見て下さい)。これが何なのか分かりませんが、この分布も両者で大きく異なります。最初の個体では上部の黄色い部分にも沢山ありますが、もう一方の個体の上部には余りありません。これも、最初の個体では左右が非対称に分布しているのに対し、他者では略左右対称になっています。
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横から見た1番目の個体の頭部.
下側にある単眼(全部で6個あるが2個は不明瞭)が印象的
(2008/10/02)

 この写真の幼虫のお尻には、真っ赤な紋があります。この部分は肛上板と呼ばれる部分で、前胸(第1胸節)にある前胸硬皮板(「セスジスズメの幼虫(終齢)」を参照して下さい)と同じ性質のものです。何となく気になるので、この部分を拡大してみました。赤い部分と他の部分との境はハッキリしています。
 なお、保育社の図鑑に拠ると、第2(赤紋)型の肛上板は赤くなく、黄緑色をしているそうです。
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2番目の個体のお尻.赤い部分は肛上板
(2008/10/12)

 図鑑には、フタトガリコヤガは年2化で、第1化は5月下旬~6月上旬に、第2化は8~9月に羽化すると書かれています。この写真の幼虫は、その第2化の産んだ卵から育ったもので、老熟後は土中に潜って繭を作り、その中で前蛹となってそのまま越冬します。これが来年5月~6月に羽化して第1化となる訳です。
 老熟すると全体が紅紫色を帯びるそうです。今頃見に行くと、丁度その紅紫色を帯びた毛虫君が見られるかも知れません。

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2008年10月13日 (月)

ハネナガマキバサシガメ

 もう10月も中旬に入り、兪々秋たけなわですが、まだ暑い頃に撮って掲載していない虫や植物が沢山残っています。もう時季外れになってしまいましたが、まァ、このWeblogは日記としての性格は余りありませんので、一つひとつ紹介して行きたいと思います。
 今日の主人公は、ハネナガマキバサシガメです。マキバサシガメ科に属す、体長8mm前後の細長い小さなカメムシです。「マキバ」が付いてもサシガメですから、小昆虫などを餌にする捕食者です。

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ハネナガマキバサシガメ.カスミカメに一見似るが、頭部が細長い
七丁目の第2家庭菜園で撮影.ストロボで翅が光ってしまった
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/08)

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三ツ池緑地で撮影したハネナガマキバサシガメ
翅端が少しボケているが、反射がないので翅の様子が良く分かる
(2008/07/05)

 肉眼で見ると、イネの害虫として著名なイネホソミドリカスミカメ(アカヒゲホソミドリカスミカメ)を一寸大きくして、色を灰褐色にした様な感じです。最初に見付けたのは7月上旬の「三ツ池緑地」で、その時はカスミカメムシの1種かと思いました。しかし、良く見ると頭部が随分と細長く、カスミカメムシ科とは違うことが分かります。
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イネ科の葉上を歩き回るハネナガマキバサシガメ
ジッとしていないので写真が撮り辛い
(2008/08/20)

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上と同じ個体の反対側.第2家庭菜園で撮影
(2008/08/20)

 非常に忙しいカメムシで、身繕いをしているとき以外は、中々写真が撮る機会がありません。イネ科の葉や穂に留まっているのを見付けても、直ぐに警戒して葉や穂を伝って先端まで行き、其処から飛んで逃げてしまいます。後を追いかけても、また、イネ科の葉などに留まり、先端へ行って飛ぶ・・・、の繰り返しです。「三ツ池緑地」では何回か見かけたのですが、最初の日を除いて、1枚もまともな写真が撮れないまま見失ってしまうのが常でした。
 その後、8月上旬に「三ツ池緑地」は除草されてしまいました。当然、虫はもう居ません。これは来年まで待たなければならないか、と思っていたところ、七丁目の第2家庭菜園(ファミリー農園)の脇に生えているイネ科の雑草の中にかなり沢山居るのを見付けました。それでもチャンと撮れないまま見失ってしまうことが多く、一通りの写真が揃うまでかなりの時間が必要でした。
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横から見たハネナガマキバサシガメ
身繕いの合間に撮った写真.第2家庭菜園
(2008/09/08)

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身繕いをするハネナガマキバサシガメ.触角をしごいている
三ツ池緑地で撮影(2008/07/05)

 ところで、「マキバサシガメ」の語源ですが、草原に多いサシガメなので「牧場刺亀」だと思っていたところ、口吻の形状に由来した「巻歯刺亀」だと言うサイトを見付けました。そこで、以前掲載したヨコヅナサシガメを見てみましたが、口吻はかなり曲がっており、このマキバサシガメと余り違わない様に思えます。
 しかし、正面から見ると(下の写真)、確かに先端が巻いている様にも見えます。マキバサシガメ科は口吻が4節で、サシガメ科は3節ですから、マキバの方が曲り易いのかも知れません。
 一通り図鑑や検索関係の書物も調べてみましたが、語源についての記述は見つかりませんでした。Wikipediaでも「牧場刺亀」としており、何方が正しいのか分からないままです。
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前から見たハネナガマキバサシガメ.第2家庭菜園で撮影
口吻の先端が巻いている様にも見える
(2008/08/20)

 現在、画像倉庫では完全に写真がだぶついています。文章は簡単にして掲載回数を増やす様、努力する必要がありそうです。

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2008年10月 9日 (木)

ハゼラン

 今日は久しぶり、実に昨年の11月18日から約11ヶ月ぶりに、植物を紹介します。ハゼラン、「蘭」と付いてもスベリヒユ科の一年生草本で、七丁目の第1家庭菜園(ファミリー農園)の北端に群がって生えていました。

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ハゼランの若い穂先.花序がまだ開いていない
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/02)

 予想通り、日本の在来種ではなく、西インド諸島原産の帰化植物です。明治の初期に観賞用として導入されたものが逸出して、野生化したものだそうです。
 写真はありませんが、葉の多くは基部に近い部分に集中しており、其処から長い茎が伸びます。茎の上部では、上の写真の様に葉は疎らです。
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ハゼランの花穂.今にも開きそうな蕾が花穂の中に分散している
(2008/09/02)

 このハゼラン、かなり沢山生えており、また、今にも開きそうな蕾が無数と言っても良いほど沢山あったのですが、咲いている花は殆どありませんでした。
 開きそうな蕾は、花序の彼方此方に分散しています。上から咲くとか下から咲くと言った順序はない様です。
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花穂の拡大.上とは別の花穂
(2008/09/02)

 咲いている花は草むら全体の中にほんの数個で、多くの花穂には蕾は沢山着いていても咲いている花はありませんでした。家に帰って調べたところ、ハゼランには「三時草」とか「三時花」と言う別名があるそうで、午後の3時頃から開花するのだそうです。
 写真を撮ったのは3時少し前でした。もう30分か1時間遅ければ、開花した花を沢山見ることが出来たかも知れません。花穂に1つしか咲いていない花を遠くから撮っても仕方ないので、拡大写真を1枚だけ載せておきます。
 花の直径は6~7mmですから、ゲンノショウコよりかなり小さく、また、ニワゼキショウよりも更に小さい花です。
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ハゼランの花.時刻が早過ぎて殆ど咲いていなかった
(2008/09/02)

 咲いている花が少なかったせいで、花よりも果実の方がずっと印象的でした。稜が4本ある黄~赤の丸い実で、大きさは直径3mm位です。
 ハゼランと言う名前の由来は、調べてみると色々あり、「花が爆ぜる様に咲く」、「花序全体の姿が線香花火が爆ぜた様」、「実が爆ぜる」などがあります。しかし、この果実を見ていると、何となく、果実が爆ぜるのではないか、と言う気がして来ます。実際に実が爆ぜるのかは分かりませんが・・・。
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ハゼランの果穂.ハリカメムシが来ていた
(2008/09/02)

 ハゼランにはカメムシも来ていました。この時は花の写真を撮るのに注意を集中していたので、このカメムシをよく観察しませんでしたが、写真を見ると触角第1節がやや細く長いので、ホソハリカメムシではなく、ハリカメムシだと思います。
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ハゼランの果実は4稜あり、黄~赤色で丸く愛らしい
(2008/09/02)

 今日は久しぶりの植物でした。しかし、植物は今回限りではありません。もう他に数種類撮ってあります。今後、虫との間に挟みながら紹介して行きたいと思います。

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2008年10月 8日 (水)

アオオビハエトリ(捕食)

 今日は、一寸気分を変えて、ハエトリグモを紹介します。アオオビハエトリが獲物を捕まえているところです。
 アオオビハエトリは外観はハエトリグモの形をしていますが、普段は絶えず第1歩脚を振り上げて触角の様に振り回すので、遠くから見るとアリにかなり似た感じになります。しかし、今日の写真は、全部獲物を咥えた状態ですから、その感じは分からないと思います。「手ぶら」のアオオビハエトリはもう一つのWeblogに掲載してありますので、普段の状態を御覧になりたい読者はこちらをどうぞ。

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クロオオアリを捕まえたアオオビハエトリ.体長は7mm程度
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/08/19)

 ハエトリグモの形をしているのに、動きはアリグモみたいなクモです。しかし、アリグモもハエトリグモ科ですから、普通のハエトリグモとアリグモの中間的な存在と言えるかも知れません。
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クロオオアリを捕らえたアオオビハエトリ(その2)
(2008/08/19)

 掴まっているアリは、色艶と大きさからしてクロオオアリだと思います。脚を伸ばしきっていますから、もう毒が回って絶命しているのでしょう。
 アオオビハエトリは専らアリを獲物としています。「蠅獲り蜘蛛」ではなく「蟻獲り蜘蛛」なのです。アリ的な行動を取るのも、アリに自分の仲間と思わせる為なのでしょうか。
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クロオオアリを捕らえたアオオビハエトリ(その3)
(2008/08/19)

 アリを主食にしているクモには、他にカニグモ科のトラフカニグモやセマルトラフカニグモ、ヒメグモ科のミジングモ類やクロササヒメグモ等があります。しかし、何れもアリとは全然似ていません。また、アリグモはアリに非常によく似ていますが(正面から見なければ)、アリは滅多に食べないそうです。生き物の世界は、人間の思うほど簡単には出来ていない様です。
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クロオオアリを捕らえたアオオビハエトリ(その4)
(2008/08/19)

 撮影場所は七丁目の第1家庭菜園(ファミリー農園)です。最初は葉の上に居たのですが、写真を撮るために色々葉っぱを掴んで角度を変えたりしている間に、地面に落ちてしまいました。或いは、自分から飛び下りたのかも知れません(糸を引いている様には見えませんでしたが・・・)。
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クロオオアリを捕らえたアオオビハエトリ(その5)
(2008/08/19)

 以前紹介したヒメオオメカメムシは、撮影中に獲物のハエを刺したまま花の上をグルグル逃げ回っていましたが、最後まで獲物を放しませんでした。このアオオビハエトリも、地面の上を逃げながらも、決して獲物を放そうとはしませんでした。「身に迫った危険」よりも餌の方が大事なのでしょう。
 しかし、ストロボの光を浴びたり、直ぐ近くにカメラのレンズが迫っても、実質的には何の危害もありません。棒で突っつかれる様な本当に危険な状態に陥ったら、獲物を放すかも知れません。
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クロオオアリを捕らえたアオオビハエトリ(その6)
(2008/08/19)

 前々から気にはしていたのですが、今年はまだ一度も植物を紹介していません。「成城の動植物」なのですから、次回は植物を紹介しようと思います。

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2008年10月 7日 (火)

イネホソミドリカスミカメ(アカヒゲホソミドリカスミカメ)の
幼虫(終齢)

 七丁目の第2家庭菜園(第2ファミリー農園)は、耕作用区画の大部分は手入れが良く行き届いていますが、区画以外の部分や放棄された区画?などには、主としてイネ科やカヤツリグサ科の雑草がかなり生えています。この雑草の中に結構多種類のカメムシが居ます。
 一番数が多いのは、小さいので目立ちませんが、イネの害虫として有名なイネホソミドリカスミカメ(アカヒゲホソミドリカスミカメ)です。その他にも、既に掲載済みのアカホシカスミカメヨツボシヒョウタンナガカメムシハリカメムシホソハリカメムシクモヘリカメムシ等、また、成虫ばかりでなく、まだ未掲載の幼虫も色々棲息していました。今日は、それらの幼虫の中からイネホソミドリカスミカメ(アカヒゲホソミドリカスミカメ)の終齢(5齢)幼虫を紹介します。

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イネホソミドリカスミカメ(アカヒゲホソミドリカスミカメ)の終齢幼虫
オヒシバの穂に居た.体長約3.5mm
翅以外は成虫とよく似ている
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/02)

 イネホソミドリカスミカメは、昨年紹介したので繰り返しになりますが、斑点米を作るカメムシとして著名で、「悪者度」の最も高いカメムシの一つです。成虫の体長は5~6mmですが、名前の通り細長いので、イネ科やカヤツリグサ科の細長い葉や穂と体を平行にしていると、中々眼に留まりません。
 しかし、成虫は草むらの中を歩くとウンカの様に飛び立つので、容易に見付けることが出来ます。ところが、幼虫は翅がないので飛ぶことはありません。それに加えて、成虫よりももっと小さいので、探すのはかなり大変です。
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真横から見たイネホソミドリカスミカメの終齢幼虫
(2008/09/02)

 この5齢幼虫は体長約3.5mm、他のカメムシを追っているときに偶然見付けたものです。成虫は沢山居るのに、幼虫を見付けたのはこの時一度限りです。
 幼虫は飛ばないので、ネットで採集してから、草地に放して撮る手があります。しかし、その様な「ヤラセ」的行為はしないことにしています。
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斜め前から見たイネホソミドリカスミカメの終齢幼虫
動きが速く、真っ正面からの写真は遂に撮れなかった
(2008/09/02)

 幼虫も稲の子実を吸汁しますから、世間様では、成虫同様に「大害虫」と見なされています。しかし、此処は家庭菜園ですから、イネやムギを栽培している人は居ません。主にメヒシバやオヒシバの種子を吸汁しているのだと思います。雑草の種子を減らしているのですから、「大害虫」も家庭菜園では「益虫」を演じていることになります。
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オヒシバの穂を歩き回るイネホソミドリカスミカメの終齢幼虫
(2008/09/02)

 多くのカメムシは、成虫と終齢幼虫でかなり外観が異なります。特にハリカメムシなどは、5齢(終齢)幼虫成虫で同じ種類とは思えない程の違いがあります。
 しかし、このイネホソミドリカスミカメの終齢幼虫は、成虫と余り違った感じがしません。勿論、幼虫には翅はありませんが、触角の色も同じですし、その基部に3本の赤色条がある点でも同じです。翅さえ長くすれば、成虫と殆ど変わるところはありません(腹端の構造は当然成虫と違うはずですが、成虫の場合、背側からは翅に隠れて見えません)。
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動きが速くて写真が撮り難い(2008/09/02)

 それでは4齢以下の幼虫はどうなのでしょうか。大いに興味がありますが、これよりも小さい緑色の細長いカメムシを、同じく緑色のオヒシバやメヒシバの穂から見つけ出すのは容易ではありません。大発生している場所なら兎も角、普通の場所では、ネットで採集してから放す「ヤラセ」的手法を取らないと、一寸無理かも知れません。
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オマケにもう1枚、背側から(2008/09/02)

 数日前に第2家庭菜園に行ってみたところ、耕作用区画以外の部分が綺麗に除草されていました。当然、カメムシ達ももう居ません。ヨツボシヒョウタンナガカメムシに似た別の種類が居た様な気がしていたのですが、未確認の儘になってしまいました。菜園ですから、除草が入るのは当然ですが、一寸残念でした。
 なお、「カメムシの幼虫」で検索される方が大勢おられるので、新しいカテゴリー「昆虫(カメムシの幼虫)」を作りました。

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2008年10月 6日 (月)

コエビガラスズメの幼虫(終齢)

 このココログには詳細な「アクセス解析」機能が付いており、読者諸氏が参照されたページが分かる様になっています。逆さに言えば、読者諸氏が何に興味を持っておられるのかがある程度解る訳です。ところが、これが掲載する側の予想とは著しく異なることが屡々あり、驚かされます。
 最近30日間で最もアクセスの多いページは、何と「チャタテムシの1種」で、閲覧者数全体の8%強がその為に訪問されております。次は「昆虫(毛虫、芋虫)」で全体の4%強、トップページは3位で、これは4%弱です。
 チャタテムシを検索して来られた読者の大半は、室内害虫としてのチャタテムシについての情報を探されているのだと思いますが、此処で掲載している「チャタテムシの1種」は屋外の種類ですから、御役に立てなくて真に恐縮千万です。
 次の「昆虫(毛虫、芋虫)」も、まだ全部でたった12種しか掲載しておりません。看板倒れの謗りを免れませんので、今後、皆様の御期待に添う様、出来るだけ「毛虫・芋虫」を掲載する様、尽力する所存で御座いマス。
 ・・・と言う訳で、今日はコエビガラスズメの終齢幼虫を紹介します。

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コエビガラスズメの終齢幼虫.イヌツゲの木に居た
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/12)

 この辺り(東京都世田谷区西部)で一番簡単に探せるスズメガ科の幼虫はオオスカシバですが、このコエビガラスズメの幼虫もかなり確実に見付けることが出来ます。コエビガラスズメの幼虫は、「みんなで作る日本産蛾類図鑑」によると、モクセイ科、スイカズラ科、バラ科、ツツジ科、カバノキ科、ミズキ科、ヤマグルマ科等、実に多くの植物を食べる様です。しかし、この辺りではモチノキ科のイヌツゲに多く見られます。
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コエビガラスズメ終齢幼虫の頭部
頭頂の周囲、胸脚の基部と爪は黒
(2008/09/12)

 この町(東京都世田谷区成城)には垣根としてイヌツゲを植えている御宅がかなりあります。8月から9月にかけて、そのイヌツゲの垣根の下、溝の蓋の付近を見て回り、大きな糞が落ちていて居ないかを調べます。もし、糞が落ちていて、イヌツゲの若い葉が食べられた跡もあれば、先ず、必ずコエビガラスズメの幼虫が居ます。何分にも人様の御宅の垣根なので、余り長い時間探したりすると不審者と間違えられる可能性が大ですが、大概は1分以内に見つかります。
 写真の芋虫君も、五丁目の大きな通りに面したある御宅の垣根として植えられているイヌツゲに居たもので、「三ツ池緑地」に行く途中で見付けました。枝の少し奥の方に隠れていたので、表の枝に引っ越して貰いました。それで、芋虫君、少し緊張して突っ張っています。
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第五腹節の拡大.斜めの模様は輪郭がぼけている
黄褐色楕円形の構造は気門(2008/09/12)

 蛾類の幼虫には、緑色型と褐色型など色違いのある場合が多いのですが、このコエビガラスズメは写真の様な緑色型だけの様です(保育社の蛾類幼虫図鑑には、「欧州ではごく稀に淡紅色や紫色を帯びた型があるらしい」と書かれています)。緑色の地に、白、黒、赤紫の3色による輪郭のぼけた斜条が7本あります。この斜条の直ぐ下(写真の幼虫は上下逆さまなので、直ぐ上)にある、黄褐色楕円形の構造は気門です。
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尾角は、黒く艶があり丸い顆粒を帯びる.基部には白斑があり
強く下側(写真では上側)に曲がる(2008/09/12)

 お尻にある角、尾角は基部を除いてまっ黒です。表面にかなり粒々があり、艶があります。先日紹介したセスジスズメ幼虫の尾角は細くて真っ直ぐでしたが、このコエビガラスズメの尾角は、短くて強く下方(写真では上下逆さまなので上方)に曲がって居ます。しかし、基部の下側(写真では上側)だけは白色です。こういった尾角の特徴は種に固有のもので、種の識別に有用です。
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正面から見た頭部.食事中でないので、口器は殆ど見えない
(クリックで拡大表示、他も同じ)
(2008/09/12)

 逆さになっている頭部を等倍接写してみました。食事中ではないので、口器は殆ど隠れて見えません。先日のセスジスズメ幼虫の場合とは随分違って見えますが、食事中となればこのコエビガラスズメでも、ややこしい構造の口器が中から出て来ます。
 また、胸脚の先にある爪が、黒く鋭く、先が強く曲がっているのが分かります。
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第3腹節にある第1腹脚.基部と先端は黒く間は黄色で毛がある
腹脚の先端には細かい爪が沢山見える
(クリックで拡大表示、他も同じ)
(2008/09/12)

 ついでに腹脚も撮ってみました。芋虫・毛虫が木の枝などに掴まるとき、一番強力に張り付くのはお尻に近い第10腹節にある尾脚です。その前に位置する腹脚も強力ですが、どうも前に行くほど力がないのか、或いは、必要性が少ないのか、第1腹脚は空を掴んでいる場合が屡々あります。この芋虫君もそう言う状態でした。
 基部と先端が黒く、その中間は黄色でかなり長い毛が生えています。尾脚も含めて腹脚は吸盤の原理で吸い付くのだと思っていましたが、この写真を見ると、その先端に細かい爪が沢山付いています。吸盤で吸い付くのと同時にこの爪を引っ掛けるのでしょう。腹脚がこんな構造をしているとは、この写真を見るまで知りませんでした。
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約2時間後、イヌツゲの枝の中に隠れていた、と言うか
隠れたつもり.頭隠して尻隠さず(2008/09/12)

 この写真は、上に書いた様に「三ツ池緑地」に行く途中で撮ったものです。緑地で写真を撮って約2時間後、帰り道に芋虫君がどうしているか見に行くと、20cmばかり移動して枝の中に隠れて居ました。いや、隠れたつもりの様です。頭は葉の茂みの中に入っていましたが、腹部の半分以上は見えていました。
 「頭隠して尻隠さず」の芋虫版です。

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2008年10月 3日 (金)

アブラゼミ

 セミと言えば、夏の虫の代表でしょう。今頃になってセミを掲載するのは些か時期遅れとは思いますが、昨日、まだアブラゼミが鳴いていましたので、まァ、滑り込みセーフと言ったところです。
 この辺り(東京都世田谷区西部)では、最近はセミが少なくなり、我が家など高い樹のない所には全く来ません。しかし、御近所の大きな樹のある所ではまだ結構鳴いています。
 セミと言うのは変な虫で、棲息密度が低いと樹の高い所にしか留まらないのに、密度が高くなると低い所にも留まる様になります。何故そうなるのかは分かりませんが、この傾向は明らかだと思います。不思議な現象です。
 撮影したのは、「七丁目緑地」です。この緑地は余り生き物の居ないところで、昆虫ではこれまでにケヤキの樹皮裏に居たセスジナガキマワリトビイロクチキムシの2種を紹介したに過ぎません。しかし、8月の中頃に行ってみたところ、アブラゼミだけは異常なほど沢山居ました。ケヤキやシラカシの地上2m以内の所に、樹1本に付き5頭以上が留まっていました。

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アブラゼミ(雌).前胸背の大部分は赤褐色
拡大してみると翅は中々洒落た柄をしている
(クリックで最大幅1024ピクセルに拡大)
(2008/08/19)

 これも何故か分かりませんが、こう言う状態で止まっているセミは鈍感で、余り逃げません。御蔭で、等倍接写を含めてシッカリ撮ることが出来ました。
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アブラゼミ(雄).前胸背は上の個体とは異なり殆ど真っ黒
これは雌雄の差ではなく個体差であろう
(クリックで最大幅1024ピクセルに拡大)
(2008/08/19)

 このWeblogで紹介している虫は小さいものが多いので、普通は写真の必要部分だけを切り出して使っています。しかし、セミの様な大きな虫の場合は、フルフレームで撮れます。掲載用の写真は、普段は最大幅750ピクセルにしてありますが、翅の模様など結構面白く、小さくしてしまうのは少し勿体無い感じがします。そこで、今回は全ての写真の最大幅を1024ピクセルにしました。
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横から見たアブラゼミ(雌).翅の模様が美しい
(クリックで最大幅1024ピクセルに拡大)
(2008/08/19)

 セミの写真を撮るのは、実は初めてです。今まで、写真が撮れる程セミに近づくことが出来なかったからです。写真を撮ってみると、同じアブラゼミでも胸部等の模様が違っていて、かなりの個体変異があることを知りました。
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別個体の横顔.口吻を樹皮に当てている.吸汁しているのかは不明
(クリックで最大幅1024ピクセルに拡大)
(2008/08/19)

 セミを掲載する機会は、今後とも非常に少ないと思いますので、此処で、この辺り(東京都世田谷区西部)のセミ一般について書いておきましょう。
 昔、30年以上前は、先ず梅雨の明ける前からニイニイゼミが鳴き始め、次にヒグラシ、梅雨明け頃からアブラゼミ、8月の中旬辺りになってツクツクボウシと言う順序で、合計4種が棲息していました。ミンミンゼミは、当時でも山手線の内側にはかなり沢山居た様ですが、この辺りでは1年に2~4回鳴き声が聞こえる程度でした。また、クマゼミはもっと少なく年に1~2回、全く声を聞かないで夏を終わる年もありました。
 数から言うと、一番多いのがアブラゼミで、次がニイニイゼミではなかったかと思います。
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アブラゼミの頭部.3個の単眼が目立つ
頭頂に単眼が3個あるのはセミ型下目の中でセミ科のみ
(クリックで最大幅1024ピクセルに拡大)
(2008/08/19)

 今はどうかと言うと、先ず、ニイニイゼミが非常に少なくなりました。殆ど声を聞かないで盛夏になってしまうこともあります。何故、ニイニイゼミがこれ程少なくなったのか、良く分かりません。ヒグラシも随分少なくなりました。これは、昔からの樹の繁った御屋敷が非常に少なくなったのに伴い、ヒグラシの好む暗い木立もずっと少なくなったのが原因らしく、国分寺崖線の様な樹の多い場所では、今でもかなり沢山棲息している様です。
 一番多いのは、やはりアブラゼミです。しかし、絶対数は昔の1/3位かも知れません。ツクツクボウシも健在ですが、数は減少しています。ミンミンゼミは、20年位まえから常駐(地元で発生)する様になり、現在ではアブラゼミをやや下回る程度までに増加しました(しかし、今年は例年より少ない様な気がします)。クマゼミは、今でも時々声を聞く程度です。最近、クマゼミの増加が各地で話題になっている様ですが、この辺りでは、まだ発生はしていないものと思われます。
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正面から見たアブラゼミ.この個体も口吻を樹皮に当てている
(クリックで最大幅1024ピクセルに拡大)
(2008/08/19)

 今回も「顔写真」を撮ってみました。等倍接写です。レンズの先端とセミは11.5cmしか離れていません。これだけ近づき、また、目の前でストロボを何回焚いても、セミは全く反応しませんでした。何故、こう言うセミの多い場所で、低い位置に留まっているセミは、これ程までに鈍感なのか、全く不思議です。
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アブラゼミの顔写真.上と同じ個体.体の位置の関係で
残念ながら少し右にずれている
(クリックで最大幅1024ピクセルに拡大)
(2008/08/19)

 セミは頭を上にして樹に留まっています。それを正面から撮ると言うことは、セミは地上50cm以下の所に居なければならず、また、撮影する方は、樹にしがみつく様にして撮らなければなりません。
 御蔭で、樹皮に付いていた泥その他の汚れが、衣服にシッカリ付いてしまいました。白いシャツを着ていたので汚れが目立ち、家に帰り着くまで、一寸恥ずかしい思いをしました。

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2008年10月 2日 (木)

ルリマルノミハムシ

 今日は我が家で撮った最普通種、ルリマルノミハムシを紹介します。何処にでも居る体長4mm程度の小さなハムシです。
 「ルリ=瑠璃」と付いていますが、殆ど真っ黒です。体の表面に艶があるので、周りの色を反射します。青い空の色を反射して瑠璃色に見えることが多いのではないか、と言う気がします。撮る側にとっては、真っ黒で艶の強い虫と言うのは、体の表面の詳細が写り難く、厭な相手です。

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ニワナナカマドの花に集るルリマルノミハムシ
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/09/04)

 最初の写真は少し遠くから撮って全体の雰囲気を出すことにしました。花はニワナナカマドです。このニワナナカマドは春が本咲きですが、その後で伸びて来る脇芽に必ず花芽が付いて、ほぼ1年を通して、想い出したかの様に時々咲きます。
 小さな花穂に、ルリマルノミハムシが沢山付いています。表に出て良く見えるのは6頭ですが、裏にも4~5頭は居ると思います。こう言うときは、主に花粉を食べている様です。
 少し近寄って見たのが次の写真です。花は同じですが、これは実は昨年の6月に撮ったものです。花の上を動き回っている2頭が、同時に一つの焦点面に入ったところで、中々この様な機会はありません。
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同じくニワナナカマドの花に集るルリマルノミハムシ
(2007/06/23)

 次は、キク科の花の中に居るところです。以前掲載したハルジオンの花に留まっているヒメマルカツオブシムシの写真と同じ様な感じで撮ってみましたが、どうも花が単純に過ぎて今一つ面白味に欠けるところがあります。
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キク科の花(園芸種)にやって来たルリマルノミハムシ
(2008/08/28)

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キク科の花の花粉を食べるルリマルノミハムシ(2008/08/27)

 もう少し近寄ってみましょう。下の白い花に居るのは、2つ上の写真の部分拡大です。また、青紫色の花の方は、上の写真の直後に撮ったものです。虫自体の色は殆ど真っ黒で、周囲の花の色を反射しているのが良く分かると思います。
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2つ上の写真の部分拡大.虫の色は黒で瑠璃色ではない
(2008/08/28)

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周囲の紫色を反射しているのが分かる
(2008/08/27)

 ルリマルノミハムシの名前は長くて憶え難いかも知れません。「ルリノミマルハムシ」と言い間違えてしまいそうです。
 この虫はハムシ科ノミハムシ亜科に属すので、名前を分解するとルリ・マル・ノミハムシになります。「マルハムシ」と言うハムシは居ませんので、ノミハムシの仲間と思っていれば、言い間違えの機会はずっと減ると思います。
 ノミハムシの仲間は、後肢腿節が太く、逃げるときは先ずピンッと跳ね、その後で翅を拡げて飛びます。この「ピンッ」と跳ねるところから、ノミハムシの名が付いている訳です。下の写真の様に、横から見ると凄い「太腿」をしているのが分かります。
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真横から見ると、後肢腿節が異常に太いのが分かる
この「太腿」でピンッと跳ねる(2008/08/30)

 顔はどんなかと言いますと、一般にハムシはキツイ顔をしていますが、このルリマルノミハムシも相当凄い顔をしています。正面から見ても、少し横から見ても「凶悪犯」と言う感じです。
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真っ正面から見たルリマルノミハムシ.凶悪な顔!!
(クリックで拡大表示、他も同じ)
(2008/08/27)

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少し横から見てもやはり「凶悪犯」的(2008/08/28)

 家の外に出て撮る時は、普通はマクロレンズを付けたカメラ1台だけ持って気軽に出かけるので、等倍を超えるマクロ撮影は出来ません。しかし、家の庭ならば、もう少しややこしい機材を使って、もっと高倍率で撮影出来ます。
 下の2枚は撮影倍率約2倍で撮った超接写写真です。複眼を構成する個眼や、花粉の1粒1粒が識別できます。
 やはり、拡大してみても相当凶悪な顔をしています。以前掲載したクモヘリカメムシクルマバッタモドキとは異なり、見ていて余り楽しい顔とは言えませんが、ここまで拡大したルリマルノミハムシの「顔写真」は他に無いと思いますので、敢えて掲載しておきます。
 ルリマルノミハムシは花粉ばかりでなく、花弁や葉っぱも食べる「害虫」です。まァ、お尋ね者の張り紙だと思って下さい。
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ルリマルノミハムシの顔.やはり「凶悪犯」の様
複眼を構成する個眼が良く見える
(クリックで拡大表示、他も同じ)
(超接写)(2008/08/27)

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花粉を食べるルリマルノミハムシ(超接写)
(2008/08/27)

 どうも家で写真を撮るとついつい凝ってしまい、枚数が多くなってしまいます。今日は11枚で、これまでの最高枚数です。しかし、楽天とは違いココログは画像倉庫が大きいので、全く気にしないで掲載することが出来ます。尤も、画像倉庫1Gバイトは今では「常識」で、楽天の50MBと言うのが前時代的なのですが・・・。  

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2008年10月 1日 (水)

ミドリグンバイウンカ

 虫の撮影は、何処かの緑地か農園ですることが多いのですが、其処へ行く途中や帰り道で撮ることも屡々あります。今日のミドリグンバイウンカも、七丁目の家庭菜園へ行った帰りに撮った虫です。

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ムクゲの花の中にミドリグンバイウンカが居た
緑の葉に留まれば目立たないが、白い花弁では非常に目立つ
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/08/19)

 この虫、我が家ではクチナシに付いていて、他所では見たことがありませんでした。そこで、我が家のを紹介しようかと思っていたのですが、緑色の葉に緑色の虫が留まっていたのでは、良い写真になりません。どうしようかと迷っていたところ、家庭菜園からの帰り道で七丁目のある御宅に植わっているムクゲの花の中に居るのを見付けました。丁度、雷が鳴り出して、雨が降りそうだったのですが、滅多にない機会だと思い、シッカリ撮ってきました(幸い、雨には降られませんでした)。
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体は緑色、翅も緑色で透明
(2008/08/19)

 ミドリグンバイウンカは、ハゴロモ型下目グンバイウンカ科に属します。グンバイウンカ科の昆虫は、「ウンカ」の名は付いていますが、外見的にはハゴロモ類に似ています。多くは、このミドリグンバイウンカの様に平らな形をしており、それで「軍配雲霞」の名が付いたのでしょう。しかし、グンバイムシほど軍配に近い形はしていません。
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何時も写真の様に張り付いた感じで留まる
(2008/08/19)

 我が家にいるグンバイウンカの多くはクチナシの若い葉に付いていますが、時々、クリスマスローズやセイタカアワダチソウの葉裏に居ることもあります。しかし、花に付いているのを見るのはこれが初めてです。花からも吸汁することがあるのか、単なる翅休め?に留まっていたのかは分かりません。検索してみると、多くの植物に寄生する様です。しかし、花に付いた例は見つかりませんでした。
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前から見ると何だか分かり難い.少し橙を帯びたのが複眼
(2008/08/19)

 このミドリグンバイウンカ、今では毎年クチナシで発生を繰り返していますが、子供の頃に見たことはありません。近縁のハゴロモ類の場合、昔居たベッコウハゴロモ、スケバハゴロモ、テングスケバ等は全く見なくなりました。それだけこの町の環境が「悪化」したのだと思いますが、一方で、このミドリグンバイウンカが新たに出現したと言うことは、ツマグロヒョウモンと同じく、温暖化の影響なのかも知れません。
 Internetで調べた限りでは、ミドリグンバイウンカの分布は、良く分かりませんでした。「分布を拡大している」と書いてあるサイトもありましたが、根拠を明記していないので、鵜呑みにする訳には行きません。
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オマケにもう1枚(2008/08/19)

 数日前から気温が急に下がり、すっかり秋の気配です。しかし、8月に撮ってまだ掲載していない写真が沢山残っています。時期遅れになってしまいましたが、順に紹介して行くつもりです。

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