ヨツスジトラカミキリ
カミキリムシは、私が子供の頃は色々な種類が居ましたが、最近は何故か非常に少なくなりました。ゴマダラカミキリやシロスジカミキリなど、かつての超普通種ですら、この10年程、全く見たことがありません。
このWeblogではこれまでにキクスイカミキリ1種しか紹介していませんが、超普通種を避けて掲載していないのではなく、本当に居ないのです。私の別のWeblog「我が家の庭の生き物たち」でも、カミキリはたったの2種、ルリカミキリとタケトラカミキリを紹介しているだけです。
・・・と言う訳で、カミキリムシはこの辺りでは今や珍しい虫になっているのですが、先日、七丁目の家庭菜園に行く途中で、何と、ヨツスジトラカミキリに出合いました。
![]() ケヤキの葉上に居たヨツスジトラカミキリ 直ぐに1m程上にあるヤブガラシの花に飛んだ (クリックで拡大表示、以下同じ) (2008/07/20) |
最初は、普通種のタケトラカミキリかと思いました。タケトラカミキリもヨツスジトラカミキリも、黄色と黒の縞模様ですが、ヨツスジトラの方が1~2回り大きく、また、体がやや太めです。他の類似のトラカミキリと比較して、各腿節が非常に太いのが特徴です。
![]() ヤブガラシの花上を歩くヨツスジトラ(2008/07/20) |
居たのは、6丁目に昔からある、鬱蒼と木の茂った御屋敷の垣根です。トラカミキリ類は一般に非常に敏感で、直ぐに飛んで逃げてしまうことが多いのですが、このヨツスジトラは鷹揚で、飛んでも遠くへは行かず、直ぐ近くの垣根に絡んだヤブガラシの花に留まりました。
何分にも人様の家の垣根なので、登る訳にも行きません。ヤブガラシの蔓を持って引っ張ったり、花軸を掴んで角度を変えたりしたのですが、このヨツスジトラ、まるで逃げようとはしませんでした。
![]() 次は別の花の下側に飛んだ(2008/07/20) |
昔からヨツスジトラカミキリがこの辺りに居たのか、どうも記憶がハッキリしません。居たかも知れませんが、少なくとも、滅多に見る種類でなかったことは確かです。
保育社の「原色日本昆虫図鑑甲虫編」のヨツスジトラカミキリの項には「海洋気候性ともいうべきもので本土では沿海地方に限り分布し内陸深くには見られない」と書いてあります。また、「原色日本甲虫図鑑第4巻」には「西南日本の沿海地方・・・」とあり、明確ではありませんがやはり海に近い所に産する様なことが書いてあります。
![]() 下側では写真にならないので、花をひっくり返して撮影(2008/07/20) |
この辺り(東京都世田谷区西部)は少なくとも「沿海地方」とは言えないでしょう。或いは、例によって温暖化の影響でこの辺りにも姿を見せるようになったのかも知れません。
と言うのは、実はこの次の日に「三丁目緑地」に生えているシャクチリソバの葉上で、またヨツスジトラを見付けからです。この時はカメラを持っていなかったので写真はありません。
![]() ヨツスジトラと睨めっこ.中々貫禄がある(2008/07/20) |
「トラカミキリ」と言う名称は、この仲間の多くが黒と黄色のトラ模様を持つことから来ているのでしょう。タケトラカミキリなどは余り貫禄がありませんが、このヨツスジトラカミキリは正面から見ると、堂々としていて貫禄があります。一寸本物のトラみたいだとは思いませんか?
上の写真の顔の辺りだけを部分拡大してみました。何か自信に満ちていて、立ち会い前の力士の様な威勢も感じられます。
![]() 上の写真の部分拡大.自信に満ちた表情?(2008/07/20) |
カミキリムシは全て植食性で、中には果樹や林木に甚大な被害を与える種類もあります。ヨツスジトラも、幼虫がサクラやニセアカシア等に寄生するそうです。しかし、どうも器量の良い虫は特をする様で、カミキリムシを害虫として殺す気には中々なれません。
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