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2008年7月23日 (水)

シオヤアブ(雄)

 夏らしい虫と言えば、やはり筆頭はセミでしょう。しかし、今年はセミが異常なほど少なく、声すら殆ど聞こえてきません。前回「夏らしい虫」と言ったのは、セミではなく、実はシオヤアブのことです。
 真夏に表を歩いていると、時折プーンという一種独特の甲高い羽音が聞こえてきます。シオヤアブの羽音です。私にとっては何とも懐かしい音で、「虫取り少年」であった頃のことが想い出されます。

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シオヤアブ.お尻の白い穂は雄の証
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/07/10)

 シオヤアブはムシヒキアブ科に属し、同科の中では日本本土内で最大級です。ムシヒキアブの仲間は、このWeblogではハラボソムシヒキというやや珍しい種類を1種しか紹介していませんでしたが、この辺りには、このシオヤアブの他にも数種類が棲息しています。何れも灰~黒色が主の地味な色をしているのに対し、シオヤアブは黄褐色の長い毛を纏っており、「ヒゲ」などは金色をしています。体長があるだけでなく、胴体も太く、手足も如何にも頑丈そうで、正に「黄金の獅子」と言った風格です。
 写真のシオヤアブは、お尻に白い穂が付いています。これは雄で、雌にはこの白い穂はありません。雌の個体は既に別のWeblogで紹介してあるので、宜しければこちらを御覧下さい。
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横から見たシオヤアブ.黄褐色の長毛が特徴(2008/07/10)

 ムシヒキアブの仲間は、何れも空中を飛ぶ虫を捕らえ、消化液を注入して獲物の組織を溶かしてからそれを吸います。捕まえる相手は種類を選びません。小はアブラムシの有翅虫やヒトスジシマカから、大は自分より大きな虫まで獲物にしてしまいます。ことに、このシオヤアブなどは大きいだけあって、逆に刺されたら一コロの筈のコガタスズメバチまで捕まえてしまうそうですから、一寸驚きです。
 幼虫の方も中々勇ましく、土中を徘徊してネキリムシ(コガネムシ類の幼虫)を捕食するとのことです。
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黄褐色の長毛は柔らかそう(2008/07/10)

 シオヤアブは自分に自信があるのか、余り人を恐れません。直ぐ目の前に留まったり、時には衣服に留まることもあります。また、一般にムシヒキアブ類は動く物しか見えないのか、ゆっくり近づくと大抵は逃げません。
 このシオヤアブも、「三ツ池緑地」に設置されている木造の腰掛けに留まったまま逃げなかったので、顔写真を撮ってやりました。
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シオヤアブの顔写真.黄金のヒゲがリッパ(2008/07/10)

 「三ツ池緑地」には3回程行きましたが、どうやら歩道部分にシオヤアブが「常駐」している様です。シオヤアブは、幾ら強力な捕食者であっても、決して人を襲うことはありませんので御安心下さい。

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