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2008年7月 4日 (金)

オビマルツノゼミ

 今日の日中は気温が32度にも上がり、まるで真夏です。四国地方はもう梅雨が明けたとか・・・。しかし、まだ5月に「四丁目緑地」で撮った写真が何種分か残っています。急いで掲載することにしましょう。
 今日は、オビマルツノゼミです。ツノゼミ類は名前に「セミ」と付いてもツノゼミ上科ツノゼミ科に属し、セミ(セミ上科セミ科)の1種ではありません。しかし、何れも半翅目頚吻群に属すので、かなり近い間柄ではあります。
 ツノゼミの多くは、頭に角の生えたヨコバイの様な虫です。しかし、オビマルツノゼミやマルツノゼミ、ハコネツノゼミ等は「ツノゼミ」の名に反して角がなく、頭部は丸くなっています。

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オビマルツノゼミ.翅端まで5.5mm.セミよりずっと小さい
羽化に問題があったらしく翅が少し歪んでいる
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/05/22)

 翅端まで5.5mm、セミよりはずっと小型で、形もヨコバイの1種と言った感じです。ヨコバイには、このWeblogでこれまで紹介したオオヨコバイヒメヨコバイ類の様な細長い形のヨコバイばかりでなく、太く短くて吻の丸い種類も沢山いるのです。
 始めは、「オビ」の付かない只のマルツノゼミだと思っていました。しかし、「北海道環境科学研究センター」の「北海道レッドデータブック」にあるマルツノゼミの標本写真を見ると、マルツノゼミの翅は透明なのに対し、このツノゼミの翅には、やや不明瞭ですが茶色の横帯が2本あります。マルツノゼミではなく、オビマルツノゼミの様です。また、前翅前縁部基部寄りにぼやけた白斑があるのもオビマルツノゼミの特徴かと思われます。
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横から見たオビマルツノゼミ.翅がストロボの反射で光ってしまった(2008/05/22)

 実を言うと、ツノゼミ類を見るのは初めてです。小さいので余程注意していないと見過ごすとは思いますが、絶対数が多いとは思えません。この辺り(東京都世田谷区)では、かなりの珍種なのではないでしょうか。特にこのオビマルツノゼミは、北隆館の「新訂 原色昆虫大圖鑑第3巻」に拠ると、「(オビマルツノゼミは)一般に少ない種である」とあります。
 オビマルツノゼミはマメ科の植物に付くそうです。この写真の個体もマメ科の雑草(カラスノエンドウの類)の茎にしがみついて居ました。
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斜め後ろから見たオビマルツノゼミ.褐色の横帯と
前翅前縁基部近くの白斑が見える(2008/05/22)

 九州大学の「日本産昆虫目録データベース」のツノゼミ科には僅か16種が登録されているだけで、日本では小さなグループです。「東京都本土部昆虫目録」を見てもたった3種しか記録がありません。
 しかし、南米アマゾン流域には3000種を超えるツノゼミが棲息しているそうです。様々に分岐した角をもつ種類や、色々なものに擬態していると思われる種類、まったく奇怪な形をしたもの、色彩も実に多様です。何故、殆ど同一と言って良い環境の中でこれだけ多様な種に分化したのか、進化論上の問題ともなっています。
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この種の虫を下側から撮る機会は少ない(2008/05/22)

 ツノゼミは、ヨコバイやアワフキムシと近縁なだけあって、ピンッと跳びます(但し近縁でもセミは別)。このオビマルツノゼミ、始めは跳ぶとイカンと思って慎重に撮っていたのですが、ノソノソ歩いては葉の付け根などに頭をくっ付けて止まるので写真が撮り難く、その内手で突っついて追い立てたりして写真を撮りましたが、一応撮り終わった頃、やはりピンッと力強く跳んで何処かへ行ってしまいました。
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真っ正面から見ると、何処がどうなっているのか分からない位変な顔(2008/05/22)

 今日の写真は、被写体にかなり厚みがあったので、そんなに絞る必要は無かったのですが、絞りをついF32にして撮ってしまいました。結果的に鮮明度を欠くことになり、珍種の写真を台無しにしてしまったのは残念至極です。

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