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2008年7月20日 (日)

アカボシゴマダラ

 今日は「三ツ池緑地」で撮った写真を出すつもりだったのですが、昼前に最近話題のアカボシゴマダラを撮影したので、これを急遽掲載することにしました。
 昨日、少し体を鍛えようと、わざわざ一番暑い最中に、北の7丁目にある家庭菜園の方に散歩に行きました。どうせ大したものは居ないだろうと思っていたので、カメラは持って行かなかったのですが、これが失敗で、ホソヘリカメムシや木の枝にぶら下がって肉団子を作っているモンスズメバチを撮影し損ねてしまいました。モンスズメの方は諦めるしかありませんが、ホソヘリカメムシの方は、家庭菜園に沢山居たので、1日経ってもまだ居るはずです。そこで、また今日の午前中にカメラを持って出かけました。アカボシゴマダラを撮ったのは、その帰りです。

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アカボシゴマダラ.この個体は夏型なのに赤斑が非常に弱い
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/07/20)

 大きな蝶で、白黒の筋が目立ち、ゆっくり飛び回るので、始めはマダラチョウの仲間が現れたのかと思ってビックリしました(アカボシゴマダラはゴマダラチョウと同属でコムラサキ亜科(Apaturinae)、マダラチョウ類はアサキマダラの仲間でマダラチョウ亜科(Danainae)に属し、同じタテハチョウ科でもゴマダラチョウとはやや遠い関係にある)。
 場所は、「七丁目緑地」の南側の出入り口の近く、成城大学のラグビー・グランド(大学とは少し離れている)の横です。
 私は、動植物の写真を撮るときには、人工物を視野に入れないのを基本にしています。最初に撮った写真にはグラウンドの柵の金網が写っていたので撮り直したのですが、これが何と、触角が途中で切れているのともう1枚は後ピン、使えるのは最初の金網が写っているのだけでした。本来ならば没にするのですが、若干のニュース性もあるかも知れず、恥を忍んで掲載する次第です。
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アカボシゴマダラの顔.一寸変わった顔をしている
口吻が黄色なのはゴマダラチョウと同じ(2008/07/20)

 この蝶、勿論本来はこの辺りにいる種類ではありません。日本では奄美諸島のみに分布していた蝶で、不思議なことに沖縄には産しません。外国ではヴェトナム北部から朝鮮半島にかけて広く棲息します。
 それが何故か、1995年に埼玉県(1995年)、また1998年からは神奈川県で、目撃や採集の報告が相次ぎ、以降次第に分布を拡げ始めました。温暖化に伴う漸進的な北上ではなく、突如として関東に現れたのです。
 奄美諸島産のアカボシゴマダラと大陸産のでは斑紋、翅形に違いがあり、大陸産は基亜種(名義タイプ亜種)、奄美諸島のは奄美亜種とされています。この関東に出現したアカボシゴマダラは、大陸の基亜種の特徴を持っており、奄美亜種ではありません。誰かが飼育していた大陸産がエスケープした可能性もありますが、かなり多数逃げなければ、以降の繁殖は難しいでしょう。意図的な放蝶の可能性が高い様です。
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口吻は消防用ホースの様に巻かれている(2008/07/20)

 アカボシゴマダラの食草は、関東ではゴマダラチョウと同じエノキです。「七丁目緑地」には大きなエノキがありますから、そこから発生しているのかも知れません。
 アカボシゴマダラはこの辺り(東京都世田谷区西部)でかなり繁殖している可能性があります。と言うのは、今日の早朝、自宅の庭でも、瀕死の個体でしたが、アカボシゴマダラを見付けたからです(これは既に「我が家の庭の生き物たち」に掲載済み)。去年辺りから、何となくゴマダラチョウの数が増えている様に感じていたのですが、増えているのはゴマダラチョウではなく、アカボシゴマダラだったのかも知れません。  

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コメント

はじめまして。私も今日(8/7)に成城の住宅地で見かけました。写真にも撮りましたが最初はアゲハのずいぶんと変わったタイプ種類かと思っていたのですが・・・。じつはこの種類だったのですね。赤い斑も濃く出ていましたね。誰かが放したか、一部では繁殖しているかもしれませんね。

投稿: hidekinn | 2008年8月 8日 (金) 00時37分

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