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2008年7月 8日 (火)

ヨコヅナサシガメ


 今日は久しぶりにカメムシを紹介します。ヨコヅナサシガメ、体長20mmを超える日本最大級のカメムシです。


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ヨコヅナサシガメ.日本最大級のサシガメ科カメムシ

(クリックで拡大表示、以下同じ)

(2008/05/22)



 このWeblogで紹介している虫の多くは、体長1cm以下です。小さい虫を撮るのには馴れていますが、こう被写体が大きいと些か調子が狂い、「絞りの値は幾つにしようか・・・」等と考えてしまいます。

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上から見ると白黒模様だが、各脚の基節と尾端付近の下面は赤い(2008/05/22)



 居たのは、「四丁目緑地」の歩道部分に1本だけ植えられている胸高直径40cm位のケヤキの樹です。高さ1m位の所で、樹皮の上を歩いていました。

 カメムシの多くは敏捷で写真を撮るのに苦労することもあります。しかし、流石は横綱、ノッシノッシと歩を進めます。かなりストロボの光を気にしていた様ですが、翅があっても飛んで逃げたりすることはありませんでした。

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ヨコヅナサシガメの口吻.太くて頑丈そうに見える(2008/05/22)



 所々に赤い部分が見えます。実は羽化直後は体の殆どの部分が真っ赤で、それが次第に黒に変わって行きます。しかし、北隆館の「新訂 原色昆虫大圖鑑」に拠ると、各基節と腹端下面は暗赤色、とされていますから、この部分は赤いまま残るのでしょう。

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頭部は非常に細長い(2008/05/22)



 このサシガメ、日本を思わせる「ヨコヅナ」の名が付いていますが、本来日本の昆虫ではなく外来種とされています。しかし、いつ頃何処から日本に入ったのかは、文献を調べてもハッキリしたことは分かりませんでした。

 かなり以前から、九州には棲息していた様です。それが次第に拡がって関西に達し、その後の温暖化と共に急激に分布を東に拡げて、今では関東全域で普通種になってしまった感があります。外来種らしく、この「四丁目緑地」の様な人工的な公園や神社などにある大きな樹(サクラ、エノキ、ケヤキ等)で見つかることが多いそうです。

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孵化したてのテントウムシ幼虫の集団に

口吻を差し込むヨコヅナサシガメ

(2008/05/22)



 上の写真は、孵化したばかりのテントウムシ(多分ナミテントウ)幼虫の集団の中に口吻を差し入れているところです。やはりテントウムシは旨くない(苦い)のか、直ぐに場所を換えてしまいました。

 御執心だったのが、樹皮の裂け目(下の写真)。15分位彼方此方に口吻を差し込んで、この場所に留まっていました。何か居たのかも知れませんが、樹皮が邪魔してよく見えませんでした。

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樹皮の裂け目で獲物を探すヨコヅナサシガメ(2008/05/22)



 「四丁目緑地」で撮った写真もいよいよ残り少なくなってきました。このところ雨模様の日ばかり続いていて、写真を撮りに出る機会がありませんが、近い内に出かけないとネタ切れになる恐れがあります。


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