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2007年12月23日 (日)

コバネヒョウタンナガカメムシ


 この秋に撮った写真はまだあることはあるのですが、その前に7月の末に「三丁目緑地」で撮影したコバネヒョウタンナガカメムシを紹介しておきます。

 体長6mm位のやや小さめのカメムシです。広くイネ科の花穂に寄生するそうですが、「四丁目緑地」のエノコログサには来ていませんでした。季節が違うせいかも知れません。

 「三丁目緑地」では、ヒゲナガカメムシと一緒に、オヒシバの花穂に付いていました。


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オヒシバに付いたコバネヒョウタンナガカメムシ

胸部と腹部の間が括れている

(クリックで拡大表示、以下同じ)

(2007/07/27)



 「日本原色カメムシ図鑑」に拠れば、各地に最も普通の種だそうです。成虫になっても翅が短く、先端が腹端に達しないので、他種と容易に区別できます。ヨツボシヒョウタンナガカメムシとは属は違いますが、同じ亜科(Rhyparochrominae)に属します。ヒゲナガカメムシも同じナガカメムシ科ですが、亜科はPachygronthinaeで異なります。

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真横から見たコバネヒョウタンナガカメムシ.横から見ても胸部と腹部の間が括れている(2007/07/27)



 このカメムシも、ヒゲナガやヨツボシと同様、前肢腿節が太くなっています。ナガカメムシ科に属すカメムシにはこの様な特徴を示す種類が多いのですが、全部ではありません。

 何故、前肢腿節が特に太いのかは良く分かりません。イネ科の花穂に取り付いているカメムシを見ていると、芒が邪魔で種子に接近するのがかなり大変な様です。或いは、芒を掻き分けるのに力がいるのかも知れません。

 一部の種では雄同士が雌を争うときにこの太い腕で殴り合うからだ、と言う話があります。しかし、雌も太い腿節を持っているので、余り説得力がありません。

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オヒシバの種子から吸汁するコバネヒョウタンナガカメムシ(2007/07/27)



 「ヒョウタン」と名が付くのは、胸部と腹部の間が括れていて、少しヒョウタンの様な形をしているからです。このコバネヒョウタンナガカメムシが属す亜科Rhyparochrominaeをヒョウタンナガカメムシ亜科と呼ぶ人も居ますが、ヒョウタン的でないカメムシも多く、余り適当な名称とは思えません。

 「ヒョウタン」の名が付くカメムシには、他にカスミカメムシ科のヒョウタンカスミカメの仲間がいます。

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オヒシバの葉で休憩中(2007/07/27)



 これで今年のカメムシは総て終了しました。全部で丁度20種になります。今年の秋は殆どカメムシ旋風とでも言うべき有様でしたが、来年はどんなカメムシが登場するでしょうか。お楽しみに!!


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