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2007年11月の13件の記事

2007年11月29日 (木)

ナシケンモンの幼虫(黒色型、褐色型)


 今日は久しぶりに毛虫君の登場です。10月に撮った写真なので、以前から出そう出そうとは思っていたのですが、カメムシに押されてついつい遅くなってしまいました。

 ヤガ科、ケンモンヤガ亜科のナシケンモンの幼虫です。毛むくじゃらで長毛もあり、如何にも毛虫の中の毛虫と言った感じです。


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オオイヌタデの葉に居た脱皮したばかりのナシケンモンの幼虫

(黒色型:終齢).下に脱皮殻が見える

(クリックで拡大表示、以下同じ)

(2007/10/11)



 場所は「四丁目緑地」です。主にオオケタデ(オオベニタデ)に付いていましたが、オオイヌタデに居たものもあります。名前は「梨ケンモン」ですが、およそ食物スペクトルの広い毛虫で、双子葉木本、双子葉草本から単子葉植物まで殆ど何でも食べてしまいます。

 オオケタデの葉は、一月後には丸坊主になっていました。カナブンなども少しタデ類に集っていましたが、主犯はこのナシケンモンの様です。

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オオケタデの花を食べるナシケンモンの幼虫(黒色型:多分4齢)(2007/10/04)



 幼虫は春から出現するそうです。しかし、10月頃特によく見かける毛虫です。昨年の秋には、我が家の庭にも居ました。

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褐色型の終齢幼虫.脱皮直後(2007/10/05)



 普通見かけるのは、黒が基調の黒色型です。しかし、上の写真の様に褐色型も居ます。

 褐色の若齢幼虫も居ました。私の好みから言えば、褐色型よりも黒色型の方が配色が良いと思います。

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褐色型の若齢幼虫(2007/10/05)


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上の個体を横から見たもの(2007/10/05)



 昨年秋、我が家の庭に居た個体は、直ぐに姿を消してしまって、毛虫君の顔の拡大を撮る機会がありませんでした。そこで、今回は褐色型の終齢幼虫(三番目の写真と同一個体)の顔を等倍接写してみました。下の写真はその部分拡大です。写真をクリックすると、別枠に横幅750ピクセルで表示されます。ぜひ、拡大して毛虫君の顔を見てやって下さい。

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ナシケンモン君の顔(褐色型:終齢)

(クリックで拡大表示、他の写真も同じ)

(2007/10/05)



 なにか、獅子舞のオシシの様な感じですが、毛が多過ぎて、顔が余りよく見えないのが難点です。

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コマユバチに寄生されて死んだナシケンモンの若齢幼虫(2007/10/05)



 「四丁目緑地」のタデ類には、ナシケンモンの幼虫がかなりの頭数居ました。これだけ居れば、その捕食者、寄生者がやって来て当然です。中には、上の写真の様に、コマユバチに寄生されて死んだ個体もありました。


 ナシケンモンは蛹越冬だそうです。ここに登場した毛虫君達も、捕食者、寄生者にやられなければ、今頃もう蛹になって、やがて来る春を待っているはずです。


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2007年11月27日 (火)

ウスモンミドリカスミカメ


 今日もまたカメムシになってしまいました。他の虫の写真もあるのですが、まだ、調整が出来ていません。

 先日のアカホシカスミカメアカヒゲホソミドリカスミカメと同じカスミカメムシ科のウスモンミドリカスミカメです。体長は、アカホシよりはやや小さく約5mm、しかし、幅はかなりありますから、カスミカメとしては目に付き易い方かも知れません。


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セイタカアワダチソウに集るウスモンミドリカスミカメ

緑色の強い個体.寄生者の卵の様なものが付いている

2丁目の空き地で(クリックで拡大表示、以下同じ)

(2007/11/13)



 このカメムシは体色にかなりの変化が見られます。殆ど緑色のものから、赤っぽい感じが強いものまであり、最初は別種かと思った位です。

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同じく2丁目の空き地に居た個体.赤味いスジが明瞭(2007/11/13)



 「カメムシ図鑑」に拠ると、この色彩の変異が大きいことと世界中の暖温帯~熱帯に広く分布しているため、これまでに様々な名前(学名)で記載され、これに引きずられて和名の方にも相当な混乱があったとのことです。

 現在では、学名はTaylorilygus apicalis、和名はウスモンミドリカスミカメに落ち着いている様です。

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エノコログサに居たもの.赤味が強い

5丁目の空き地で(2007/11/17)



 このウスモンミドリカスミカメは、住宅地の中の彼方此方の空き地で見かけました。キク科の植物に主に寄生するとのこのとですが、エノコログサに付いている個体も居ました。

 空き地では、主にセイタカアワダチソウの花に来ており、7丁目の家庭菜園ではキクの園芸種に付いていました。

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斜めから見たウスモンミドリカスミカメ

2丁目の空き地、以下同じ(2007/11/13)



 このカメムシ、何故か「四丁目緑地」では全く見かけませんでした。「四丁目緑地」にはセイタカアワダチソウもかなり生えて居るのですが、居たカメムシはヒメナガカメムシだけでした。面白いこともあるものです。

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真横から見たもの.最初の写真と同じ個体

寄生者の卵の様なものが付いている

(2007/11/13)



 ウスモンミドリカスミカメはキク科の他マメ科やイネ科の植物にも被害を与え、一応害虫として認識されています。しかし、Internetで検索してもヒットするのは精々200件で、アカヒゲホソミドリカスミカメの時の様に1万数千件も出てくる様な悪者ではない様です。

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ウスモンミドリカスミカメの顔

額に縞模様がある(2007/11/13)



 カスミカメムシ科のカメムシは、殆どが体長1cm以下の「微小な昆虫」です。しかし、日本産陸生カメムシ類(推定約800種)の半分以上はこのカスミカメムシ科の成員なのです。一方、このWeblogでこれまでに紹介したのはたったの3種、この辺り(東京都世田谷区成城)にもまだ他に色々なカスミカメが居るに違いありません。

 小さな虫ですが、幸なことに、写真写りは中々良い様です。来年は春からカスミカメ探しになるかも知れません。


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2007年11月25日 (日)

アカホシカスミカメ


 今日もまたカメムシです。アカホシカスミカメ、カスミカメムシ科の体長6mm前後の小さいカメムシです。

 このカメムシはいつもとは一寸違った場所に居ました。駅の西口から300mmも離れていない、2丁目の元の線路に近い所にある空き地です。余り草も生えていないのですが、既に紹介したヒメナガカメムシアカヒゲホソミドリカスミカメの他、まだ紹介していない2種のカスミカメも此処に居ました。逆に、このカメムシを見たのは、今のところ、此処だけです。


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アカホシカスミカメ(2007/11/13)



 この写真は、草むらから飛んで地面近くに降りたところをすかさず撮影したものです。しかし、写り具合を確認している間に何処かへ飛んで行ってしまった為、写真はこの1枚しかありません。

 アカホシカスミカメは、イネ科の穂を吸汁して斑点米の原因を作るそうですが、害虫としては、大物では無い様です。一方、似た様な名前のアカスジカスミカメは、悪名高い斑点米カメムシです。

 他に、アカホシカメムシ、アカスジカメムシと言う種類もあります。どうもカメムシの名前は、同じ様なのが多くて間違えてしまいそうです。


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2007年11月23日 (金)

ヒゲナガカメムシ


 この1週間で急に寒くなり、もうすっかり冬の到来という感じです。先日、サザンカの花を探しに行ったのですが、もう写真を撮る時期は過ぎてしまった様です。

 ・・・と言うことで、また、カメムシの登場です。今日はヒゲナガカメムシを紹介します。

 ヒゲナガカメムシはナガカメムシ科に属す触角の長いカメムシです。ですから、ヒゲナガ・カメムシではなく、ヒゲナガ・ナガカメムシの「ナガ」が掛詞になって、ヒゲナガカメムシになったのでしょう。

 体長は8mm前後で、やや小型のカメムシです。


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オオイヌタデに居たヒゲナガカメムシ

(クリックで拡大表示、以下同じ)

(2007/10/17)



 触角が長いだけでなく、前肢腿節が非常に太いのがこのカメムシの特徴です。

 「四丁目緑地」では、オオイヌタデにも居ましたが、多くはエノコログサに付いていました。しかし、エノコログサの穂の中に頭を突っ込んでいると、芒(のぎ)が邪魔をして中々よい写真が撮れません。

 実は、ヒゲナガカメムシは、夏に「三丁目緑地」で撮影したものがあります。この方が良く撮れているので、そちらの写真を出すことにします。

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三丁目緑地のオヒシバに居たヒゲナガカメムシ

触角が非常に長いのが分かるであろう

(2007/07/27)



 「三丁目緑地」では、オヒシバと思われる植物(確かめていない)の穂に付いていました。オヒシバは芒(のぎ)が無いので、写真を撮るには好都合です。

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触角が長いだけでなく、前肢腿節が著しく太い(2007/07/27)



 このオヒシバにはコバネヒョウタンナガカメムシがかなり居ましたが、ヒゲナガカメムシは1頭しか見つかりませんでした。

 ちなみに、「四丁目緑地」には沢山居ました。

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触角を少し曲げているヒゲナガカメムシ(2007/07/27)



 触角は非常に長いだけでなく、第2節のところで大きく曲げることが出来ます。場合によっては、脚が8本ある様に見えます。

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触角を大きく曲げたヒゲナガカメムシ(2007/07/27)



 ヒゲナガカメムシはイネ科やカヤツリグサ科の花穂を吸汁し、斑点米の原因にもなるそうですが、大した悪さはしていないらしく、Internetで検索しても害虫としては殆ど登場していません。

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正面から見たヒゲナガカメムシ(2007/07/27)



 このところ、毎日寒い日が続いています。昆虫に関しては、今後新しいネタが入ることは殆ど無いでしょう。今までに撮り溜めた写真を出すだけになると思います。


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2007年11月19日 (月)

アムールシロヘリナガカメムシ


 今日は朝から快晴でした。何か面白い植物は無いかと思ってカメラをぶる下げて表に出ましたが、残念ながら良いネタは見つかりませんでした。

 そこで繋ぎに、アムールシロヘリナガカメムシの写真を出すことにします。

 これは「3丁目緑地」に生えているセイタカアワダチソウの花に来ていたものです。隣に生えているセイタカアワダチソウには、「アムール」の付かない只のシロヘリナガカメムシが来ていましたから、両者とも同じ様な習性なのかも知れません。


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セイタカアワダチソウに居たアムールシロヘリナガカメムシ(2007/11/15)



 以前紹介したシロヘリナガカメムシによく似ています。しかし、アムールには、革質部の先端部に大きな白斑があり、また、小楯板にも2筋の黄白斑があることで区別出来ます。

 2~3枚撮ったところで、カメムシ君、怪しい雰囲気を感じ取ったらしく、茎をスタコラ下り始め、地面の上に堆積している枯草の中に逃げてしまいました。

 ・・・と言う訳で、今日は写真は1枚しかありません。


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2007年11月18日 (日)

ソヨゴの実


 今日はほぼ2ヶ月ぶりに、植物を紹介することにしました。と言っても、自生種ではなく、栽培種です。

 ソヨゴ、モチノキ科の灌木で、いま丁度、雌木は赤い実を沢山着けています。


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ソヨゴの実.葉は少し黄土色を帯びている.

(クリックで拡大表示、以下同じ)

(2007/11/13)



 図鑑その他に拠れば、ソヨゴの分布は関東以南となっていますが、海岸沿いは別として、この辺りの野山で見ることはありません。印象としては、もっと暖地の植物という感じです。

 この辺りに植えられているソヨゴはみな実を着けている様です。雌雄異株ですから、実を着けない雄木があるはずですが、見た記憶がありません。屹度、雌木と知って植えているのでしょう。

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陽に光るソヨゴの枝先(2007/11/13)



 ソヨゴの名は「そよぐ」の意で、葉柄が細長いので、風に吹かれて音がするからだそうです。

 音がしなくても、葉が少し下を向いていて、一種独特の風情があります。庭木として好まれるのも、その為でしょう。

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ソヨゴの実.果梗が長い(2007/11/13)



 赤い実が、葉の上にチョコンと載っていることが良くあります。腋生ですし、果梗の長さが丁度葉の上に載るのに都合の良い長さになっています。果実を拡大してみると、何となく可愛い「顔」をしています。

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葉の上に載ったソヨゴの実(2007/11/17)



 ここ数ヶ月は、どうも虫ばかりが続きました。本Weblogは「成城の動植物」なのですから、もっと植物を紹介する必要がありそうです。


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2007年11月17日 (土)

ナミホシヒラタアブ


 13日から3日間、町内の色々な所へ行って虫を探してきました。しかしもう晩秋、カメムシは新たに2~3種見つかりましたが、その他の虫には中々会えません。カメムシを掲載しても良いのですが、それでは当Weblogは「成城の動植物」ならぬ「成城のカメムシ」になってしまいそうです。

 「成城7丁目緑地」にも行ってみましたが、下草は刈られて虫は殆ど全滅、僅かに残っているエノコログサにヨツボシヒョウタンナガカメムシが数頭居た他は、めぼしいものとしては、体長2mm位のキジラミを見付けただけでした。

 7丁目には、家庭菜園が2個所あります。久しぶりに行ってみましたら、その内の1つには一辺に菊が植えてあり、幸にも、まだ未掲載のヒラタアブが何種か来ていました。今日はその中から、ナミホシヒラタアブを紹介します。体長1cm前後のやや大きめのヒラタアブです。


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ナミホシヒラタアブ.体長約1cm.

(クリックで拡大表示、以下同じ)

(2007/11/16)



 複眼に毛は生えておらず、顔に黒色中条があり、後腿節の半分以上が黒っぽいので、ナミホシヒラタアブと判断しました。しかし、ハナアブ類の分類は外見だけからでは難しいので、或いは、間違っているかもしれません。

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斜めから見たナミホシヒラタアブ.顔の黒色中条がよく見える(2007/11/16)



 ナミホシヒラタアブは、「並」と付く位で、ヒラタアブ類の中では普通種ですが、この辺り(東京都世田谷区成城)では比較的珍しい虫に属します。

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横から見たナミホシヒラタアブ.後腿節の2/3位は黒い(2007/11/16)



 この辺りに最も多いのは、ホソヒラタアブで、ほぼ1年中居ます。次がキタヒメヒラタアブ、秋にはクロヒラタアブもかなり普通に見られます。

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空中静止をするナミホシヒラタアブ.その1(2007/11/16)



 ヒラタアブ類は空中静止がお得意です。これを撮影するのは、一見難しそうですが、産卵場所を探して落ち着かない雌以外は、かなり簡単に撮れます。今回も10枚くらい撮りましたが、大半はマァマァの写りでした。

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空中静止をするナミホシヒラタアブ.その2(2007/11/16)



 今回は久しぶりのハナアブでした。カメムシはまだ少し後回しにして、次はほぼ2ヶ月ぶりに植物を紹介したいと思っています。


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2007年11月13日 (火)

シロヘリナガカメムシ


 今日もまた、「四丁目緑地」に居たカメムシを紹介します。シロヘリナガカメムシ、ナガカメムシ科に属す体長7~8mmのやや大きなカメムシです。

 文献によると、このカメムシは草むらの地表付近に見られる、と書かれていますが、此処で紹介する写真は何れもオオイヌタデの花穂、或いは、オオケタデの葉上で撮影したものです。


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オオイヌタデの花穂に居たシロヘリナガカメムシ

(クリックで拡大表示、以下同じ)

(2007/10/11)



 このカメムシ、体がゲンゴロウの様に少し丸まっており、背側から撮ると頭が下側を向いてしまい、何となく写真の撮りにくい虫です。

 背中、頭、翅端の全体に焦点が合った写真は、結局1枚も撮れませんでした。

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斜め横から見たシロヘリナガカメムシ(2007/10/11)



 個体数は少なく、10月11日に2頭見ただけです。ここで紹介した、或いは、今後紹介予定のカメムシの中では、一番の「珍品」です。


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触角を花穂に付けて何か探索中(2007/10/11)



 Internetで検索しても、ヒットするサイト数は他のカメムシよりも少なく、実際にやや少ない種類なのかも知れません。

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シロヘリナガカメムシの顔.やや拡大し過ぎ(2007/10/11)



 毎回カメムシばかりが続いています。今日は素晴らしい秋晴れなので、久しぶりにカメラを持って出かける予定です。少しは、違った虫を紹介出来ればと思います。


訂正:2番目と3番目の写真は、どうもシロヘリナガカメムシではなく、アムールシロヘリナガカメムシの様です。訂正してお詫びいたします。


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2007年11月11日 (日)

ヒメナガカメムシ


 今日はまた、「四丁目緑地」に居たカメムシを紹介します。ヒメナガカメムシ、ナガカメムシ科に属す体長約4mmの小さなカメムシです。

 このカメムシは、これまで紹介したカメムシとは異なり、イネ科の雑草には全く居らず、殆ど枯れかかったオオイヌタデの花穂にしか居ませんでした。手で触るとボロボロと崩れる様な花穂です。


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オオイヌタデに居たヒメナガカメムシ.タデの花穂に糸が絡んでいる

(クリックで拡大表示、以下同じ)

(2007/10/17)



 ところが、妙なことにこのカメムシの居る所には、蜘蛛の巣の様な糸が絡んでいて、花穂が崩れ落ちない様になっています。写真にもこの糸が沢山写っています。


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少し斜めから見たヒメナガカメムシ(2007/10/17)



 糸を吐いたりお尻から出すのは、クモ、ハダニ、蝶や蛾の幼虫、クサカゲロウ、ある種の寄生バチなどが挙げられますが、その何れも全く見ていません。

 一方、このヒメナガカメムシが沢山いるオオイヌタデには必ずこの糸が見られました。カメムシが糸を出すとは考えられませんが、一体どういうことでしょうか?

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交尾虫のヒメナガカメムシ.糸が沢山見える(2007/10/17)



 幼虫と思われる仔虫も沢山居ました。5齢幼虫は成虫よりもお腹が大きい様です。

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ヒメナガカメムシの成虫(色が黒い)と5齢幼虫(2007/10/11)



 更に若齢の幼虫も写っていました。オオイヌタデの花穂に居るヒメナガカメムシの成虫は、肉眼ではタデの花の粒に紛れて何処にいるのか良く分かりませんが、マクロレンズで見れば間違えることはありません。

 しかし、下の写真の左下に写っている若齢幼虫などは、カメラで覗いていても気が付かないほど立派な保護色になっています。タデ類との歴史が長いのかも知れません。

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ヒメナガカメムシの5齢幼虫と若齢幼虫(2007/10/11)



 9月末から既に、「四丁目緑地」に居たカメムシを9種、その他の地域にいたカメムシを3種紹介しました。これからも、カメムシはまだ続きます。


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2007年11月10日 (土)

イトカメムシ


 先日、家の道路に面したところに植えてあるコナラにイトカメムシを見付けました。これは既に別のWeblogに掲載してあるのですが、写真がよく撮れているので、此方に大判の写真を出すことにしました。

 写真をクリックすると、別枠に1024×768ピクセルの写真が表示されます。


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コナラの葉裏に居たイトカメムシ(2007/11/07)



 イトカメムシ自体は珍しくない様ですが、体長6~7mm、幅は0.6mm位ですから、細すぎて居ても中々気が付かないのではないでしょうか。この個体の場合は、翅が反射でキラリと光ったので、その存在が分かりました。

 イトカメムシは、手元の図鑑には植物寄生性と書いてあります。しかし、最近捕食性がかなり強いことが分かってきた様です。このイトカメムシの居たコナラの葉は、正体不明の小さな虫(カイガラムシ?)に集られて変色しており、とてもカメムシの餌になるとは思えません。イトカメムシは、その正体不明の小さな虫の幼虫を捕食するために、此処に居たのではないかと思います。

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斜めから見たイトカメムシ(2007/11/07)



 もう少し色々の角度から撮りたかったのですが、枝が跳ね返った拍子に、カメムシは下の茂み中へ落ちてしまいました。こう言う小さな虫を、茂みの中から探し出すのは、一寸無理の様です。

 なお、近縁のヒメイトカメムシも少し前に掲載しました。こちらはプラタナスグンバイが沢山居るプラタナスの葉裏に居たものです。プラタナスグンバイを捕食していたのかも知れません。


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2007年11月 8日 (木)

ナナホシテントウ


 今日は一寸ありふれていますが、「三丁目緑地」に居たナナホシテントウを紹介します。

 ナナホシテントウは、昔は我が家の庭にも普通に居ましたが、最近では見た記憶がありません。久しぶりにナナホシテントウに出遭って、とても懐かしく、子供の頃を想い出しました。


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イラクサの1種の葉に居たナナホシテントウ(2007/10/12)



 家の庭に居る捕食性のテントウムシは、ナミテントウ、アカホシテントウ、ヒメカメノコテントウ、ダンダラテントウの4種で、アカホシテントウ以外はアブラムシを餌とします。ナナホシテントウもアブラムシを餌とするので居てもおかしくないのですが、何故か居ません。餌とするアブラムシの種類が違うのでしょうか。

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歩き回るナナホシテントウ(2007/10/12)



 テントウムシと言うのは、写真を撮る方にとっては、かなり厄介な相手です。小さい割りに厚みがあるので、大きく撮ろうとすると被写界深度が浅くなり、全体に焦点を合わせるのが難しくなります。

 それに、チョコチョコと結構速く歩き回り、焦点を合わせる暇がありません。ここに紹介した写真は、1枚目以外は歩き回っている間に撮ったものですが、かなり苦労しました。

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葉っぱの端で行き場所が無くなったナナホシテントウ(2007/10/12)



 ナナホシテントウは「4丁目緑地」にも居ました。まだ国分寺崖線付近には結構居る様なので安心しました。


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2007年11月 5日 (月)

ハリカメムシの幼虫(5齢)


 今日は以前紹介したハリカメムシの5齢幼虫を紹介しましょう。

 これも、「四丁目緑地」に生えているタデの花穂、或いは、葉の上に居たカメムシです。


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オオイヌタデの花穂に居たハリカメムシの5齢幼虫

(クリックで拡大表示、以下同じ)

(2007/10/05)



 カメムシの幼虫は、しばしば成虫よりも厳つい形をしていて「カッコイイ」場合があります。この辺りにも沢山居るクサギカメムシなどは、幼虫の方が中世の騎士の様で、成虫よりも見映えがします。

 このハリカメムシの5齢幼虫も中々のもので、成虫とはまた違った造形美が感じられます。

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頭の大きさに比して触角が大きい(2007/10/05)



 ハリカメムシホソハリカメムシの成虫は互いによく似ていますが、幼虫の方はかなり差があります。前者の幼虫は写真の様に凸凹して厳つい感じですが、後者の幼虫は比較的平滑です。

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オオケタデの葉上に居たハリカメムシの5齢幼虫(2007/10/05)



 成虫の触角はごく普通の形をしているのに、幼虫では随分ゴツイ形をしています。何か利点があるのでしょうか? ある種の昆虫の造形はしばしば進化論への批判材料になっている様です。

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真っ正面から見ると、中々カッコイイ.口吻がよく見える.

触角は腕を伸ばした様(2007/10/05)



 「四丁目緑地」に居たカメムシは更に数種ありますが、カメムシが5回も続いたので、次回は別の虫を紹介することにします。



追記:「カメムシの幼虫」で検索すると、このページが先に出て来ることがありますが、別に「昆虫(カメムシの幼虫)」と言うカテゴリーがあります。「カメムシの幼虫」で来られた方は、そちらを御覧下さい。


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2007年11月 4日 (日)

アカヒメヘリカメムシ


 旅行に出て少し滞っていた「四丁目緑地に居たカメムシ」の続きです。

 今日はアカヒメヘリカメムシを紹介します。前回のスカシヒメヘリカメムシと同じヒメヘリカメムシ科に属し、属は違いますが、よく似ています。

 特に羽化したばかりのスカシヒメヘリカメムシと似ています。しかし、このアカヒメヘリカメムシの方がやや大型であること、小楯板の後端が白くないこと、胸部頭部には殆ど斑紋が見られないこと、等で区別が付きます。


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オオイヌタデの花穂に留まるアカヒメヘリカメムシ.体長約8mm、

スカシヒメヘリカメムシよりも少し大きい

(クリックで拡大表示、以下同じ)

(2007/10/11)



 このカメムシも、これまでに紹介したスカシヒメヘリカメムシヨツボシヒョウタンナガカメムシと同様、イネ科の植物にも寄生するのですが、農業上の害虫としては特に問題にされてはいない様です。

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横から見たアカヒメヘリカメムシ.やはり毛が多い(2007/10/11)



 四丁目緑地ではアカヒメヘリカメムシはごく少なく、10月11日にオオイヌタデに居たのを見ただけです。尤も、沢山居るスカシヒメヘリカメムシに紛れて分かり難かっただけかも知れません。

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アカヒメヘリカメムシの5齢幼虫(2007/10/11)



 幼虫も1頭だけ見付けました。腹部が綺麗な黄緑色をしています。親とは随分色が違うので、始めは別のカメムシの幼虫かと思いましたが、家に帰って調べたところ、アカヒメヘリカメムシの5齢幼虫であることが分かりました。

 カメムシと言うのは、不完全変態であるにも拘わらず、幼虫と成虫で驚くほど色彩が異なる種類が沢山あって苦労させられます。


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