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2007年10月25日 (木)

タデに集まるカメムシ


 実は今まで知らなかったのですが、タデと言う植物は、まだ花被が付いている内に花の中で種子が急速に成熟してしまう様です。花被を擦ると中から熟した黒い種子が出て来ます。


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オオケタデの花穂.まだ花が着いている様に見える

(クリックで拡大表示、以下同じ)

(2007/10/05)



 上の写真はオオケタデの花穂です。一見まだ花が咲いている感じですが、下の方に黒い種子が見えます。
 その部分だけを下に拡大してみました。花被に包まれて黒々とした立派な種子が出来ています。

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オオケタデの種子(2007/10/05)



 この種子を目当てにカメムシがやって来ます。カメムシと言うのは、植物の茎や果肉からも吸汁しますが、多くは種子から栄養を摂るのが本来の様です。口吻から唾液を送り込み、種子の中身を溶かして吸汁するのです。

 茎や果肉には、糖分はあっても、成長や産卵に必要なアミノ酸は僅かしか含まれていません。種子ならば蛋白質がかなり豊富なので、充分にアミノ酸を摂ることが出来る訳です。

 種子を餌にしない吸汁性の昆虫は、アブラムシやヨコバイの様に、必須アミノ酸を合成するバクテリアを体内に飼って、不足するアミノ酸を獲得しなければなりません。

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オオイヌタデに集まるカメムシ(クリックで拡大)

(2007/10/05)



 上はオオイヌタデの花穂に集まるカメムシです。花被はまだ残っていますが、中にはもう種子が出来ています。

 すごい数のカメムシです。多くはヨツボシヒョウタンナガカメムシの5齢幼虫と成虫ですが、手前にハリカメムシと思しき少し大きなカメムシも見えます。左上で翅が反射で光っているのは、スカシヒメヘリカメムシでしょう。

 「四丁目緑地」にはタデ類の他に、エノコログサ(ネコジャラシ)も沢山生えていて、この種子もカメムシの好物の様です。

 タデ類を目当てに来ていたカメムシは、既に4種(ブチヒゲカメムシ、ハリカメムシ、ナガメ、ホソハリカメムシ)紹介しています。これらは何れもやや大きめの目立つカメムシですが、その他にも注意しないと見えないような小さなカメムシが色々来ています。次回からはこのタデとエノコログサに来ていた小さなカメムシ達を紹介することにしましょう。


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