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2007年9月22日 (土)

プラタナスグンバイ


 暫く更新をサボっていました。今日から再開です。

 再開第1番目は、最近話題になっているプラタナスグンバイです。遂に、成城の町にもプラタナスグンバイが現れました。プラタナスは、駅北口、成城学園正門前のイチョウ並木の西側、成城大学の西側に沿って南北に走る道の所々に植えられています。その他にもあるかも知れません。調べた範囲では、他から離れて単独に植えられている樹を除いて、殆ど総ての樹にプラタナスグンバイの寄生が認められました。

 今日の写真の虫は、駅北口に植えられているプラタナスの葉裏に居たものです。なお、掲載の写真は、何れもクリックすると横幅750ピクセルの少し大きな画面で表示されます。


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プラタナスの葉裏に潜むプラタナスグンバイ(2007/09/21)



 9月6日から7日にかけての台風9号の風でかなり吹き飛ばされた様ですが、まだ沢山います。葉裏の太い葉脈のないところに止まっている成虫は、少し離れた位置から肉眼で見ると、一寸白っぽく見えます。しかし、上の写真の様に、太い葉脈付近に何頭も固まって張り付いているのは、肉眼では余りよく分かりません。

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少し拡大(2007/09/21)



 成虫の体長は約3mm、かなり小さい虫です。英語でLace bugと言われるだけあって、拡大すると、中々繊細で綺麗ですが、ツツジ類の害虫として有名なツツジグンバイの方がもっと綺麗です。

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拡大してみると、中々繊細で綺麗.体長約3mm(2007/09/21)



 幼虫は黒くて、多くの場合、太い葉脈の近くに集団を作っています。少し離れてみると、アブラムシが集っている様に見えます。

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別の個体の拡大(2007/09/21)



 このプラタナスグンバイは、よく知られている様に、日本の虫ではなく北米原産の外来種です。平成13年に名古屋で最初に見つかり、その2年後の平成15年には東京でも確認されたとのことです。

 同じ様な外来のグンバイムシには、アワダチソウグンバイがいます。これは、既に昨年辺りから我が家の庭で猛威を振るっています。

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幼虫は太い葉脈の近くに固まっていることが多い(2007/09/21)



 アワダチソウグンバイは、アワダチソウ類だけではなく、広くキク科の植物に被害を与えます。昨年、我が家に植えてあるシオンの1種が茶色くなり殆ど枯れてしまったのは、どうもこのアワダチソウグンバイの仕業の様です。

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各齢幼虫の拡大(2007/09/21)



 プラタナスグンバイの成虫は、プラタナス以外の植物に着くこともあるそうですが、幼虫はプラタナスでないと成育できないとのことです。

 プラタナスグンバイに寄生されると、プラタナスの葉は枯れた様な白い色になり、酷い場合には落葉します。成城のプラタナスも既に葉が白っぽくなって来ました。

 しかし、アワダチソウグンバイとは異なり、プラタナスグンバイで樹が枯れたと言う話は聞きません。また、吸汁性昆虫に良く見られるウィルスを媒介すると言う話も無い様です。

 グンバイムシを殺す為に強力な殺虫剤を使って、周囲の生態系にまで影響を及ぼすよりは、そのままにしておいた方が良いのかも知れません。


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