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2007年7月12日 (木)

”ニセ”アシナガキンバエ(ウデゲヒメホソアシナガバエ:Amblypsilopus sp.1


 [訂正] 当初は表題を「アシナガキンバエ」としておりました。しかし、その後の検討で、この虫はアシナガバエ亜科(Dolichopodinae)のアシナガキンバエ(Dolichopus nitidus)ではなく、マダラホソアシナガバエ(マダラアシナガバエ)と同じホソアシナガバエ亜科(ヒゲナガアシナガバエ亜科:Sciapodinae)に属すChrysosoma  sp.の可能性が高いとされました。ところが更にその後研究が進み、同亜科のウデゲヒメホソアシナガバエ(新称)Amblypsilopus sp.1であることが判明しました。新称の為、些か分かり難いと思いますので、ここでは取り敢えず、「”ニセ”アシナガキンバエ」とし、本文にも訂正を入れておきました。

 詳しい経過は、こちらをどうぞ。



 先日金色に輝くマダラホソアシナガバエを紹介しましたが、今日の主人公は同じアシナガバエ科に属し、やはり金色に輝くアシナガキンバエ[”ニセ”アシナガキンバエ]です。体長は4mm位、マダラホソアシナガバエより少し小型です。


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”ニセ”アシナガキンバエ.体長4mm.腹部の太いのは雌(2007/07/06)



 キンバエと言っても、魚や汚物に集るキンバエとは全然関係ありません。”ニセ”アシナガキンバエは、短角亜目、直縫群(アブ類)、アシナガバエ科、アシナガバエ亜科[ホソアシナガバエ亜科(ヒゲナガアシナガバエ亜科:Sciapodinae)でした]に属すアブの仲間ですが、汚い方のキンバエは、短角亜目、環縫群(ハエ類)、クロバエ科、キンバエ亜科の最もハエ的なハエです。面倒くさいですね。

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”ニセ”アシナガキンバエ.口に何かくわえている(2007/07/06)



 マダラアシナガバエと同じく非常に敏捷なハエ(本当はアブですが、煩わしいので此処では「ハエ」としておきます)で、ストロボを使って撮ろうとすると、ストロボの光量の増加を感じ取って本格的に発光する前に飛び上がってしまいます[現在のストロボはP-TTLと呼ばれる発光制御機構を採用しており、本発光の前に数回のプレ発光を行って露出の調節をします。光に敏感な「ハエ」類はこのプレ発光に反応して飛び上がり、本発光の時には既にそこに居ない、と云うことになります]。


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準逆光で撮った”ニセ”アシナガキンバエ.名前の通り脚が長い(2007/07/06)



 そこで今日紹介する写真は、ストロボなしの自然光で撮っています。等倍接写でシャッター速度が1/80~1/125秒と言うのはかなり難しく、使える写真は15枚に1枚もありませんでした。正に、ヘタな鉄砲何とやら、です。

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”ニセ”アシナガキンバエの雄.腹部が細い(2007/07/06)



 マダラアシナガバエと同じく捕食性のハエです。何か口にくわえているのが見えます。小昆虫をクシャクシャにした様な感じの物です。

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”ニセ”アシナガキンバエの雌(2007/07/06)



 撮影した場所は、やはり国分寺崖線上の「三丁目緑地」の中にある空き地で、以前マダラアシナガバエを撮影したところから10mも隔たっていません。シャクチリソバの葉上に10頭近くおり、忙しげに歩いたり飛んだりしていました。

 最近は、専らこの「三丁目緑地」の空き地でネタ探しをしています。この空き地が無味乾燥な公園などにならないで欲しいものです。


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