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2007年7月の5件の記事

2007年7月16日 (月)

キイロテントウ

 テントウムシと言うと、幼虫、成虫共にアブラムシやカイガラムシを捕食する種類が多いですが、中には妙なものを食べるのが居ます。このキイロテントウは、幼虫、成虫共に専らウドン粉病の菌体(白渋菌)を餌にしています。
 「三丁目緑地」の一角に以前紹介したシャクチリソバが群生しているとことがあります。その中にノゲシの様なものが幾株か生えており、これがかなり酷くウドン粉病に罹っていました。居るかな~と、思って見てみると、やはり居ました。

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キイロテントウ(その1)(2007/07/06)

 名前の通り、模様のない明るい鮮やかな黄色をしています。最も普通のナミテントウやナナホシテントウよりも小さく、体長5mm程度。胸部には黒斑が2つあり、一見してキイロテントウであることが分かります。
 個体数は多くはありませんでしたが、葉裏で交尾している雌雄も見付けました。
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交尾中のキイロテントウ(2007/07/06)

 拡大写真を見ていると、何か工事現場で使用しているヘルメットの様な感じがしてきます。更に良く細部を観察すると、胸部も鞘翅も縁は透明の様に見えます。しかし、本当に透明なのかは良く分かりません。
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キイロテントウ(その2)(2007/07/06)

 白渋菌を食べるテントウムシはこのキイロテントウだけではなく、他にシラホシテントウ、シロジュウゴホシテントウ、外来種のクモガタテントウ等も白渋菌を餌にしています。どの様な進化の過程で菌食になったのか、一寸興味のあるところです。
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キイロテントウ(その3)(2007/07/06)

 これで撮り溜めたネタが無くなりました。昨日は台風で大雨が降りましたが、地面や下草が乾いたら、また、三丁目緑地に出かけることにします。

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2007年7月13日 (金)

アヤニジュウシトリバ

 もうかなり前のことになりますが、自宅でアヤニジュウシトリバという、翅が羽毛状の一寸変わった蛾の写真を撮りました。自宅で撮ったものなので、これは既に私の別のWeblog「我が家の庭の生き物たち」に掲載してあります。しかし、「我が家の・・・」の方は大きな画像を載せるのに制約があり、また、Internetで検索してもアヤニジュウシトリバの写真は少ないので、内容的には重複になりますが、こちらに大きな写真を掲載することにしました。
 これまでの記事では、画像をクリックすると横幅750ドットの拡大写真が表示される様になっています。しかし、今回は特別に横幅1024ドットにしました(2枚目は768ドット)。画面の小さなPCならば壁紙に使うことも出来る大きさです(壁紙その他に使用される際はあくまで個人的な範囲に留めて下さい)。

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アヤニジュウシトリバ(2007/05/26)

 アヤニジュウシトリバはニジュウシトリバガ科に属し、トリバガ科やメイガ科に近い種類です。南方系の種類だそうですが、東京でも既に記録されています。
 Internetでは写真が少ないのですが、珍しい種類なのかは良く分かりません。暖かい地方ではごく普通である様に書いているサイトもあります。
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正面から見たアヤニジュウシトリバ.妙な顔をしている(2007/05/26)

 幼虫はクチナシの蕾や枝に潜り込み、蕾を駄目にしたり、枝を枯らしたりする「害虫」だそうです。我が家に現れたのは、クチナシが沢山あるせいかもしれません。
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アヤニジュウシトリバの翅の詳細(2007/05/26)

 しかしながら、実に見事な翅をしています。横幅1024ドットに拡大してお楽しみ下さい。

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2007年7月12日 (木)

”ニセ”アシナガキンバエ(ウデゲヒメホソアシナガバエ:Amblypsilopus sp.1

 [訂正] 当初は表題を「アシナガキンバエ」としておりました。しかし、その後の検討で、この虫はアシナガバエ亜科(Dolichopodinae)のアシナガキンバエ(Dolichopus nitidus)ではなく、マダラホソアシナガバエ(マダラアシナガバエ)と同じホソアシナガバエ亜科(ヒゲナガアシナガバエ亜科:Sciapodinae)に属すChrysosoma  sp.の可能性が高いとされました。ところが更にその後研究が進み、同亜科のウデゲヒメホソアシナガバエ(新称)Amblypsilopus sp.1であることが判明しました。新称の為、些か分かり難いと思いますので、ここでは取り敢えず、「”ニセ”アシナガキンバエ」とし、本文にも訂正を入れておきました。
 詳しい経過は、こちらをどうぞ。

 先日金色に輝くマダラホソアシナガバエを紹介しましたが、今日の主人公は同じアシナガバエ科に属し、やはり金色に輝くアシナガキンバエ[”ニセ”アシナガキンバエ]です。体長は4mm位、マダラホソアシナガバエより少し小型です。

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”ニセ”アシナガキンバエ.体長4mm.腹部の太いのは雌(2007/07/06)

 キンバエと言っても、魚や汚物に集るキンバエとは全然関係ありません。”ニセ”アシナガキンバエは、短角亜目、直縫群(アブ類)、アシナガバエ科、アシナガバエ亜科[ホソアシナガバエ亜科(ヒゲナガアシナガバエ亜科:Sciapodinae)でした]に属すアブの仲間ですが、汚い方のキンバエは、短角亜目、環縫群(ハエ類)、クロバエ科、キンバエ亜科の最もハエ的なハエです。面倒くさいですね。
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”ニセ”アシナガキンバエ.口に何かくわえている(2007/07/06)

 マダラアシナガバエと同じく非常に敏捷なハエ(本当はアブですが、煩わしいので此処では「ハエ」としておきます)で、ストロボを使って撮ろうとすると、ストロボの光量の増加を感じ取って本格的に発光する前に飛び上がってしまいます[現在のストロボはP-TTLと呼ばれる発光制御機構を採用しており、本発光の前に数回のプレ発光を行って露出の調節をします。光に敏感な「ハエ」類はこのプレ発光に反応して飛び上がり、本発光の時には既にそこに居ない、と云うことになります]。
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準逆光で撮った”ニセ”アシナガキンバエ.名前の通り脚が長い(2007/07/06)

 そこで今日紹介する写真は、ストロボなしの自然光で撮っています。等倍接写でシャッター速度が1/80~1/125秒と言うのはかなり難しく、使える写真は15枚に1枚もありませんでした。正に、ヘタな鉄砲何とやら、です。
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”ニセ”アシナガキンバエの雄.腹部が細い(2007/07/06)

 マダラアシナガバエと同じく捕食性のハエです。何か口にくわえているのが見えます。小昆虫をクシャクシャにした様な感じの物です。
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”ニセ”アシナガキンバエの雌(2007/07/06)

 撮影した場所は、やはり国分寺崖線上の「三丁目緑地」の中にある空き地で、以前マダラアシナガバエを撮影したところから10mも隔たっていません。シャクチリソバの葉上に10頭近くおり、忙しげに歩いたり飛んだりしていました。
 最近は、専らこの「三丁目緑地」の空き地でネタ探しをしています。この空き地が無味乾燥な公園などにならないで欲しいものです。

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2007年7月 6日 (金)

ハラボソムシヒキ

 先日のトウキョウヒメハンミョウを撮影した日に、同じ「3丁目緑地」内の別の場所、以前、シャクチリソバの写真を撮った所で、一寸変わったアブを見付けました。
 以前紹介したマダラアシナガバエの様に腰細ですが、空中静止をしたりはせず、真っ直ぐに飛びます。かなり敏感で、10枚も撮らない内に逃げられてしまいました。

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横から見たハラボソムシヒキ.「山羊鬚」が生えている(2007/06/19)

 家に戻って詳しく見てみると、脚に剛毛が多く、ペシャンコの頭に山羊鬚の様なものが生えています。どうやらムシヒキアブの仲間の様です。
 ムシヒキアブ類に関しては「ムシヒキアブ図鑑」という専門的なサイトがあります。早速そこでよく調べてみると、ハラボソムシヒキという種類に酷似していました。
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少し後ろ側から見たハラボソムシヒキ.眼が青い(2007/06/19)

 このムシヒキアブ、これまでこの辺りで見たことがありません。Internetで「ハラボソムシヒキ」を検索してみると、何と、ヒット数わずか1。これは案外珍しい種類なのかもしれません。
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背側から見たハラボソムシヒキ.御行儀が宜しい(2007/06/19)

 しかし、和名が他にある可能性もあります。そこで学名(Dioctria nakanensis)で検索してみたら、今度は数10サイトがヒットしました。「普通種で個体数も多い」と記しているサイトもあります。やはり、この辺りに珍種がいる可能性は、まァ、零に等しいでしょう。

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2007年7月 4日 (水)

トウキョウヒメハンミョウ

 暫く更新をサボっていました。今日も、またまた「三丁目緑地」にある空き地に居た虫を紹介します。トウキョウヒメハンミョウ、体長1cm強の小さいけれども元気な甲虫です。
 ハンミョウの仲間は「道教え」とも呼ばれ、道や広場を歩いていると足許から飛び立って2mばかし先に止まり、こちらが近づくとまた2m程飛んで・・・を繰り返します。

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背側から見たトウキョウヒメハンミョウ.鞘翅の斑紋は
正面から光を浴びていてよく見えない(2007/06/19)

 この空き地や庭にいるハンミョウはハンミョウ科に属し、漢方で使用するハンミョウは正しくはツチハンミョウで、全く別のツチハンミョウ科に属します。ツチハンミョウは有毒ですが、このハンミョウには毒はありません。
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地面の上で獲物を待つトウキョウヒメハンミョウ(2007/06/19)

 此処にいたのは、トウキョウヒメハンミョウだけで他のハンミョウ類は居ませんでした。この種類は地味な色合いですが、只のハンミョウ(種名:ナミハンミョウとも言う)は赤や青の極彩色の鞘翅を持っています。昔は我が家の庭にもいましたが、最近見るのはやはりこのトウキョウヒメハンミョウだけです。
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鞘翅の模様がよく見える.後端に近いところは鞘翅が
壊れているのではなく、模様の一部(2007/06/19)

 地面ばかりでなく、草の上に止まることも多い様です。
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ハンミョウ類は捕食性.強力な顎を持っている(2007/06/19)

 ハンミョウ類は捕食性で、昆虫やミミズなどの小動物を餌にします。顎は非常に強力で、拡大してみると(写真をクリックすると拡大像が表示されます)、かなり怖い顔をしています。
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横から見たトウキョウヒメハンミョウ(2007/06/19)

 この三丁目緑地にある空き地は、整地してコナラを数本植えただけで、特に整備はしていません。雑草が適当に生えており、虫達にとっては中々住み良い所の様です。今後、整備して公園などにしないで欲しいものです。

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