カテゴリー「昆虫-7」の35件の記事

2010年3月25日 (木)

イヌビワハマキモドキ(Choreutis japonica

 先日、ゴボウハマキモドキを掲載しましたが、今日は同じハマキモドキガ科(Choreutidae)のイヌビワハマキモドキ(Choreutis japonica)を紹介します。場所はゴボウハマキモドキと同じ七丁目にある世田谷区の家庭菜園です。しかし、撮影したのは約1年遅く、昨年の10月下旬です。
 体長は約5.5mm、翅端まで約7.5mm、開張は図鑑に拠れば11~14mm、ゴボウハマキモドキよりはかなり大きいと言えます。食草は和名にある様にイヌビワやホソバイヌビワですから、家庭菜園の農業害虫ではありません。バジルの葉に留まっているところを撮りましたが、花が咲いていたので、或いは、吸蜜に来ていたのかも知れません。背側から数枚撮ったところで逃げられてしまい、使える写真はこの2枚しかありません。

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イヌビワハマキモドキ.1枚目は少し遠くから
体長約5.5mm、翅端まで約7.5mm
(写真クリックで拡大表示)
(2009/10/22)

 先日のゴボウハマキモドキでは、翅の部分により異なった形をした鱗粉がありました。しかし、このイヌビワハマキモドキでは、細長い鱗粉1種類に統一されています。
 九州大学の日本産昆虫目録を見ると、ハマキモドキガ科には2亜科しかなく、この2種共にハマキモドキガ亜科(Choreutinae)に属します。歩き方は、何れも良く似ており、ツッツーと素早く前進しては、ピタッと止まり、これを繰り返します。この仲間に共通した動きなのかも知れません。
 保育社の古い蛾類図鑑を見ると、「紀伊半島南部・四国・九州の太平洋岸地帯に普通におり、九州北部の海岸でも採れる.4~5月に幼虫、5~6月に蛾が現れる」とあります。南方系で年1化と云う印象を受けます。しかし、Webで検索すると東京都本土部昆虫目録を始め、東京都内にも記録があります。東京都本土部昆虫目録に載っているのは、皇居と赤坂御所の記録で、何れも21世紀に入ってからです。ヒョッとすると、これも温暖化による北上なのかも知れません。また、「みんなで作る日本産蛾類図鑑」に拠ると、成虫出現月は5~10月となっています。年に複数回発生している可能性が大です。
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黒に近い焦げ茶色、茶色、薄黄色、濃い灰色、薄い灰色、殆ど白
と様々な色が調和良く配置されている
(写真クリックで拡大表示)
(2009/10/22)

 ハマキモドキガ科の蛾は、何れも開張10~20mm程度と小型ですが、中々味わいのある模様、色合いをしています。私としては、結構気に入ってしまいました。皇居にはこれまでに7種の記録がありますから、この辺り(東京都世田谷区西部)にももう少しは居るでしょう。是非見付けて紹介したいと思っています。

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2010年3月21日 (日)

ヒゲブトハムシダマシ(Luprops orientalis

 成城名物の桜並木を真っ直ぐ北に進むと、やがて一寸した行き止まりとなり、そこから更に北へ細い路が続いています。これを道なりに進んで暫く行くと、ケヤキ、ムクノキ、シラカシ等の生い茂った藪の前を通ります。一寸前までは竹藪もあったのですが、今は刈り取られてしまいました。七丁目にあるこの藪は個人の所有地とは思いますが、隣家とは壁で隔たっているので、一寸中に入って虫を探してみました。
 今日は、そこで見付けた虫を紹介します。ケヤキの樹皮下に居た、体長8mm強の少し平べったい甲虫です。

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ケヤキの樹皮下に居たヒゲブトハムシダマシ
剥がした樹皮の側にくっ付いていた
(写真クリックで拡大表示)
(2010/03/11)

 見付けたときは、ゴミムシの1種かと思いました。しかし、良く見ると、触角も脚も太くて短く、ゴミムシの仲間ではありません。更に、大顎の目立たないテントウムシの様な口器をしています。また、小腮鬚も斧型で、この点でもテントウムシに良く似ています。一体、何処の科に属す虫なのか、少し考えてしまいました。
 こう云う格好をした、鞘翅に模様が無い、茶~黒色の良く分からない甲虫は、先ず、ゴミムシダマシ科を調べることにしています。何故かと云えば、以前、ゴミムシダマシ科に属す「セスジナガキマワリ」の記事で書いた様に、「このゴミムシダマシ科には、外見的な統一がまるで有りません.オサムシの様な格好をしたのもいれば、テントウやシデムシみたいな連中も居ますし、シバンムシと間違える様なのも居ます.まるで、○○○モドキ、×××ダマシの百貨店の様な科です」、と云う訳だからです。
 しかし、保育社の甲虫図鑑でゴミムシダマシ科を調べても、写真の様な虫は見付かりませんでした。
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ケヤキの樹に移した後、樹皮面を歩くヒゲブトハムシダマシ
かつてはヒゲブトゴミムシダマシと呼ばれていた
(写真クリックで拡大表示)
(2010/03/11)

 その後、色々探し回って、漸く直ぐ隣のハムシダマシ科(Lagriidae)に属すヒゲブトハムシダマシであることが分かりました。余りに近すぎて見逃してしまった様です。
 ハムシダマシは既に紹介済みですが、毛むくじゃらのかなり細長い多少華奢な感じのする虫で、写真のヒゲブトハムシダマシとはかなり感じが違います。調べてみると、ハムシダマシ科には2亜科があり、前者の様な細長いのはハムシダマシ亜科、後者の様なややズングリしたのはチビヒサゴゴミムシダマシ亜科(Adeliinae)に属す様です。
 ハムシダマシ科なのにチビヒサゴゴミムシダマシ亜科と云うのはどう見ても変です。しかし、この亜科はかつてはゴミムシダマシ科所属で、九州大学の目録でも「チビヒサゴゴミムシダマシ亜科」とされており、まだ、何方も「チビヒサゴハムシダマシ亜科」とは呼んで居ない様です。この手の科の変更に伴う和名の混乱は時として色々な分類群に生じます。例えば、ハナバエ科ではなくイエバエ科なのに、○○○ハナバエと云う和名がかなりの数ありました(現在では篠永氏が「日本のイエバエ科」で全て○○○イエバエに変更されています)。
 このヒゲブトハムシダマシの和名も、以前はヒゲブトゴミムシダマシと呼ばれて居たとのことです。一寸気になったので、保育社の甲虫図鑑より古い「原色日本昆虫図鑑(上)甲虫編」を見てみると、やはり、ゴミムシダマシ科のヒゲブトゴミムシダマシになっていました。
 まァ、そんな訳で、始めゴミムシダマシ科を調べたのも、そう見当違いでは無かった様です。
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テントウムシの様に、大顎が不明瞭で、小腮鬚は斧型
(写真クリックで拡大表示)
(2010/03/11)

 この藪は、通りに面した部分では頑丈な壁で隣家と隔てられています。しかし、中に入ってゆくと、何と、その御宅の庭と繋がっていました。写真の枚数が少ないのは、不審者と間違えられるといけないので、急いで帰って来たからです。

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2010年3月19日 (金)

ゴボウハマキモドキ(Tebenna micalis

 火曜日(16日)の朝から体の調子を崩して、3日ほど寝込んでしまいました。連続更新は敢えなく9日で中断です。
 今日は、また、一昨年の晩秋に撮った蛾を紹介します。ゴボウハマキモドキ(Tebenna micalis)、体長約3.5mm、翅端まで5mm弱、開張は図鑑に拠れば8~10mm、ハマキモドキガ科(Choreutidae)ハマキモドキガ亜科(Choreutinae)に属す昼行性の小蛾です。

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菊の花を訪れたゴボウハマキモドキ.少し翅を拡げている
翅端まで5mm弱.銀色に光る斑紋が散在する
(写真クリックで拡大表示)
(2008/11/23)

 七丁目にある世田谷区の家庭菜園に植えられている菊の花に来ていました。小さいですが、前翅に銀色に光る部分があり、良く見ると結構綺麗な蛾です。
 全体的に茶色を基調とするものが多いと思いますが、灰色を帯びる個体もある様です。この写真の場合は、黄色い菊の花が背景になっている為、黄色カブリを起こして少し変な色になっています。以前紹介した「シマバエ科の未記載種(その2:Steganopsis sp.2」と同じで、黄色カブリの写真は、トーンカーブを使って色補正をしても、本来の色から少しずれた色になってしまいます。
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翅を閉じたゴボウハマキモドキ
(写真クリックで拡大表示)
(2008/11/23)

 前翅にある銀色の部分の位置や数は、個体によりかなりの変化があります。少し前に、もう一つのWeblogで同じゴボウハマキモドキを紹介していますが、今日の写真の個体よりも、紋の数が少なくなっています。
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横から見たゴボウハマキモドキ
小さいので鱗粉が大きく見える
(写真クリックで拡大表示)
(2008/11/23)

 保育社の古い蛾類図鑑を見ると、「害虫として農業昆虫の書物に載っている」と書かれています。しかし、「"ゴボウハマキモドキ" 駆除」をキーワードにしてGoogle検索しても、有効なヒットは一つもありませんでした。殆ど、問題にならない程度の害虫なのでしょう。
 この辺りでは、私の子供の頃から現在に至るまで、ゴボウは全く植えられていません(砂地でないと真っ直ぐにならないし、収穫が大変)。ゴボウは独特の植物なので見れば一目で分かります。図鑑に拠れば、「各地で幼虫は種々の菊科植物にいるが、特にアザミに多いとある」とあります。ゴボウは、本来は薬用植物として支那から渡来した植物で、アザミ族に属します。恐らく、本来はアザミを中心的な食草としていたのが、渡来したゴボウも食べる様になったのでしょう。
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正面から見たゴボウハマキモドキ
余り可愛い顔をしていない
(写真クリックで拡大表示)
(2008/11/23)

 ここ数日暖かい日が続いて、兪々本格的に春になって来た様です。これからは、少し春らしい植物なども掲載したいと思っています。

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2010年3月15日 (月)

マルトビムシの1種

 虫の写真を撮っているとき、別の虫が近くにやって来て、一緒に写り込むことがあります。撮影中は焦点合わせに神経を集中していますし、ファインダーから覗く像は焦点深度が浅いので、中々その存在に気が付かないものです。しかし、時に気が付くこともあります。
 今日紹介するのは、今年の1月に掲載したナガケチャタテを撮影しているとき、横から入って来た虫です。この時は、ファインダーの隅にチョコチョコ歩く腹の丸い黒っぽい虫が居るのに気が付いていました。チャタテムシの幼虫かと思いながらも、先ず、ナガケチャタテの方をシッカリ撮ってからでないと虻蜂取らずになると思い、その撮影に専念していたところ、いつの間にか居なくなっていました。
 当然、この横から入って来た虫に焦点を合わせることはなかったのですが、家に帰ってから写真を見ると、偶然にも、ナガケチャタテから外れて、横に居た虫の方に焦点が合っている写真がありました。
 良く見ると、チャタテムシの幼虫ではありません。マルトビムシ科(Sminthuridae)の1種でした。

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ナガケチャタテと一緒にタラヨウの葉裏に居たマルトビムシ科の1種
チャタテムシから焦点が外れてトビムシに合ってしまった
左下にカイガラムシの様な妙なものが写っている
(写真クリックで拡大表示)
(2010/01/08)

 体長は、約1.2mm。種は分かりませんが、北隆館の圖鑑に載っているマルトビムシ科の多くは1.3mm以上ですから、まだ幼虫なのかも知れません。チャタテムシの幼虫とは異なり、胸部は短く、その体節や腹部の体節(第4節まで)は融合して一つになっています。
 普通の昆虫とは、眼が一寸違って見えます。トビムシ類の眼は、種によって異なりますが、最大8個の小眼からなり、眼斑と呼ぶのだそうです。見た感じは、昆虫よりもムカデやヤスデの眼に似ています。
 この虫が居たのは、「三丁目緑地」に生えているタラヨウの葉裏です。トビムシが葉裏に居ると云うのは一寸意外でしたが、Webで調べてみると、マルトビムシには葉裏で見付かる種類が結構いる様です。まァ、捕食性のトビムシも居るそうですから、トビムシにも色々あるのでしょう。
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上の写真の部分拡大.普通の昆虫とは眼が違う
(拡大してピクセル等倍)
(2010/01/08)

 今日は時間がないので、写真の少ないもので済ませました。このところ毎日更新しています。これは非常に珍しいことです。今日で連続9日ですが、果たして何日まで続くでありましょうか。

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2010年3月14日 (日)

ウスイロチャタテ科の1種(Ectopsocus sp.)(雌)

 今日は、昨年の丁度今頃撮影したチャタテムシを紹介します。これまで掲載してきたチャタテムシ類(ケチャタテ科、ホソチャタテ科等)とは一寸違うチャタテムシで、ウスイロチャタテ科(Ectopsocidae)のEctopsocus(和名無し)属に属す様です。
 国分寺崖線下の四丁目にあるミカンの木の葉裏に居ました。体長2.9mm、翅端まで3.3mm、前翅長は2.4mmとやや小さめです。

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ミカンの葉裏に居たウスイロチャタテ科のEctopsocus sp.
3個の単眼の内、前に位置するのは少し小さい
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/15)

 翅脈はかなりハッキリ見えますが、残念ながら上下の翅が重なっていて、科の判別に役立てるのは一寸キツイところです。しかし、このチャタテムシと非常に良く似たチャタテムシの1種を我が家で見付けており、この時は偶然にも、翅脈相がかなりハッキリ見えました。
 それを「Yosizawa K. (2005) Morphology of Psocomorpha. Insecta Matsumurana,Series entomology,New series,62,1-44」に載っている各科の翅脈相と比較すると、これはウスイロチャタテ科の翅脈です。前翅は後小室を欠き、M脈とRs脈がほぼ1点で交わり、また、後翅のM脈とRs脈の間に横脈があります(翅脈相についてはこちらの3番目の写真をどうぞ)。
 BugGuide.netで画像を探しても、このチャタテムシに良く似ているのは、ウスイロチャタテ科の虫だけです。ウスイロチャタテ科として間違いないでしょう。
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汎世界のE. briggsiに似るが、色が少し違う
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/15)

 この個体は、雌と思われます。と云うのは、これとソックリの色合いと翅脈をした雄と思われる腹部が遙かに小さい(従って、相対的に翅が長い)個体も居たからです。BugGuide.netでウスイロチャタテ科(Ectopsocidae)の写真を見ると、今日の写真の様な翅の長くない個体を雌、腹部に比して翅の長い個体を雄としています。
 雄の方も写真はシッカリ撮ってありますので、今日は雌のみにして、雄の方は、また別の機会に紹介したいと思います[追記:雄の方は2012/03/03に漸く掲載しました]。
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チャタテムシの幼虫が一緒に居るが恐らく別種
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/15)

 日本産ウスイロチャタテ科は、「富田・芳賀:日本産チャタテムシ目の目録と検索表(1991)」では8種(未記載種を含めず)、北海道大学の吉澤教授の目録(Checklist of Japanese Psocoptera、2004)でも8種で、全て同じ種が記録されています。この2つの目録の間には、ケチャタテ科やケブカチャタテ科などでは相当の違いがあるのですが、ウスイロチャタテ科では何故か一致しています。分類が安定しているのか、未研究なのかは良く分かりませんが、多分後者でしょう。
 しかし、残念ながら、富田・芳賀の検索表は写真からの判別には利用出来ません。この論文のウスイロチャタテ科の検索表では、検索キーに写真からは判別できない生殖器やその他の非常に細かい構造を使用しているからです。
 それでも属の判別は出来ます。日本産のウスイロチャタテ科は、Ectopsocopsis属とEctopsocus属の2属からなり、前者に属すのはクリイロチャタテ(Ectopsocopsis cryptomeriae)1種のみです。このチャタテムシは北隆館の圖鑑にも載っており、また、BugGuide.netにも写真が沢山あります。翅全体が一様に栗色をしたチャタテムシで、明らかに今日の写真の虫とは違っています。従って、消去法によりこのチャタテムシはEctopsocus属と相成ります。
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チャタテムシの顔は漫画的で楽しい
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/15)

 次に、種を決めたいところです。しかし、状況的証拠と絵合わせしか使えません。東京都本土部昆虫目録を見ると、Ectopsocus属はE. briggsi1種のみで、皇居からの報告です。これは吉澤教授の「皇居の動物相調査で得られたチャタテムシ目昆虫」を元にして書かれています。そこで、この吉澤教授の論文を見てみると、その他に未記載種が1種が載っていました。皇居の昆虫相は、一般にこの辺りよりもかなり豊富ですから、今日の写真のチャタテムシはこの2種の何れかの可能性が大です。
 幸い、この論文には虫の特徴が簡単に書かれています。未記載種の方は、雄生殖器の形態についての記述ばかりですが、前翅長約1.5mmとあります。また、E. briggsiについては、「前翅長約2mm.前翅が透明または淡褐色で、翅縁の各脈の末端部に褐色の微小斑を具える点が特徴的.(中略)国内に広く分布する普通種」とあります。
 写真のチャタテムシは、前翅長が約2.4mm、各脈の末端部には褐色の斑が認められます。前翅長が少し長いですが、E. briggsiの特徴を持って居ると言えます。
 このE. briggsiは汎世界種で、写真はBugGuide.netに沢山あります。それを見ると、写真のチャタテムシに良く似ています。しかし、BugGuide.netの写真では腹部の色が茶色をしているのに対し、写真のチャタテムシには白っぽい斑の帯があり、また、全体の色も少し灰色を帯びています。
 どうも、E. briggsiとするには些か不安があります。ここでは、グッと我慢?して、種未同定のEctopsocus sp.としておきましょう。
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オマケにもう1枚
(写真クリックで拡大表示)
(2009/03/15)

 昨年の春は、このEctopsocus sp.を色々な所で見付けました。何れも、常緑樹の葉裏ですが、その多くはクモが捕食した昆虫の滓が溜まっている所でした。
 一昨年の夏に、もう一つWeblog「我が家の庭の生き物たち」で紹介した月桂樹の葉裏に群れていた「チャタテムシの1種」は、このEctopsocus sp.に非常に良く似ています。このチャタテムシも、古い葉裏に沢山付いている吸汁性昆虫の脱皮殻や排泄物などに生えたカビを食べていたものと思われます。この手のチャタテムシは、或いは、動物性の残渣に生えるカビを好むのかも知れません。

[追記]表題及び本文中の5個所に、Ectopsocusとすべき所を、Escopsocus或いはExtopsocusと書き間違えをしていた部分がありましたので、本来のEctopsocusに書き換えておきました。また、EctopsocopsisExtopscopsisと打ち間違えて居りましたので、これも訂正致しました。(2012/02/26)

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2010年3月12日 (金)

カブラヤガ(Agrotis segetum

 今日も著名な農業害虫を紹介します。カブラヤガ(Agrotis segetum)、開張40mm前後のかなり大きな蛾で、ヤガ科(Noctuidae)モンヤガ亜科(Noctuinae)に属します。
 幼虫は、昼間は土中に潜んでおり、夜になると出没して、野菜や花卉の根際を食べて枯らします。その為、ネキリムシと呼ばれています(コガネムシ類の幼虫もネキリムシと呼ばれます)。保育社の蛾類幼虫図鑑の解説には、食草はキャベツ、ハクサイ、ダイコン、カブラ、アブラナ、ナス、トマト、タバコ、ジャガイモ、ウリ類、エンドウ、ソバ、サツマイモ、ネギ、タマネギ、ムギ類、トウモロコシなど各種農作物、クローバーとあり、非常に広範囲の草本植物を食べる様です。当然、花卉の害虫にもなります。

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サザンカの花に来ていたカブラヤガ(雄)
触角が両櫛歯状になっている
(写真クリックで拡大表示)
(2008/10/25)

 農業害虫ですが、これは七丁目の家庭菜園で撮ったのではなく、一昨年の秋の夜、六丁目のサザンカの花に来ていたのを撮影したものです。
 現場で見たときは、何か白っぽく擦れた感じで、これでは撮っても仕方がないと思い、いい加減にしか撮らなかったのですが(写真が3枚しかないのはそのせいです)、家に帰って良く見てみると、鱗粉はチャンと付いて居り、本来こう云う感じの蛾であることが分かりました。
 この個体は、触角が両櫛歯状になっていますから、雄です。雌の触角は鞭の様な糸状に近い形です。また、一般に、雄で前翅後翅共に白っぽく、雌では茶色を帯びるそうですが、かなりの個体変異があるとのことです。
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横から見たカブラヤガ.一寸影になっているのが難点
(写真クリックで拡大表示)
(2008/10/25)

 真横からも撮ってみました。雄の個体ですが、何かムートンを羽織ったお嬢さんと云う感じです。
 もっと近づいて等倍で撮影したのが下の写真、黒い瞳?が中々印象的です。複眼の個眼が見えませんが、原画をピクセル等倍まで拡大すると、チャンと個眼が写っているのが分かります。個眼が非常に小さいのです。
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等倍接写したカブラヤガの横顔.複眼が印象的
雄だがムートンを羽織ったお嬢さんの如し
(写真クリックで拡大表示)
(2008/10/25)

 この六丁目のサザンカに訪花していた虫は、これまでにも色々紹介して来ました(ホシヒメホウジャクウスキツバメエダシャクヘリグロヒメアオシャクワタヘリクロノメイガエグリヅマエダシャクコガタスズメバチ)。しかし、まだ未掲載の種類が少し残っています。倉庫に眠らせておいても仕方がないので、ドシドシ掲載することにします。

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2010年3月11日 (木)

エサキモンキツノカメムシ(Sastragala esakii

 先日、ヒメコバネナガカメムシについての記事の最後に、もっと大きな越冬中の新顔カメムシを見付けた、と書きました。今日はその新顔カメムシ君を紹介します。
 ツノカメムシ科(Acanthosomatidae)のエサキモンキツノカメムシ(Sastragala esakii)です。背中のど真ん中(小楯板の中央)に大きなハート型の黄紋があるのでよく知られています。
 「七丁目緑地」に生えているムクノキの樹皮下に居ました。

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「七丁目緑地」のムクノキの樹皮下に居たエサキモンキツノカメムシ
ジッと動かないが勿論生きている
(写真クリックで拡大表示)
(2010/02/22)

 樹皮を剥がしたとき、上の写真の様な格好をしてジッとしていました。斜め上から見たのが下の写真です。全く動かず、死んでいるのではないかと思ったのですが、チャンと生きていました。
 この格好では写真を撮るのに些か不都合なので、一寸突っついたら、極くゆっくりと歩き始めました。しかし、足許が何とも頼りなく、やがて落葉の中に落下、幸い体長が11mmと大きく、明るい色をしてたので何とか見付けることができ、また、樹の幹に戻ってもらいました。
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斜め上から見た越冬中のエサキモンキツノカメムシ
付節が2節しかないことに注意
触角を2段に折り畳んでいる
(写真クリックで拡大表示)
(2010/02/22)

 実は、ツノカメムシ科の虫を紹介するのは今回が初めてです。名前の通り、肩が角状に尖っています。しかし、ツノカメムシ科の中には殆ど尖っていない種類もありますし、逆にカメムシ科の中にもクチブトカメムシ類(捕食性)の様に尖った肩を持つグループも居ます。「角」の有無だけではツノカメムシ科の証拠にはなりません。
 如何にもカメムシらしいカメムシ(ノコギリカメムシ科を除くカメムシ上科:クヌギカメムシ科、マルカメムシ科、ツチカメムシ科、キンカメムシ科、カメムシ科、ツノカメムシ科、触角は何れも5節)の中では、ツノカメムシだけ付節が2節しかありません。他の科では全て3節です。なお、ノコギリカメムシも付節は2節ですが、格好が独特ですし、触角が4節なので区別は容易です。
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落下後幹に戻して撮影.中々カッコイイ
触角は5節、付節は2節からなる
(写真クリックで拡大表示)
(2010/02/22)

 エサキモンキツノカメムシと只のモンキツノカメムシはかなり良く似ています。エサキではハート型となる黄紋上部の窪みがありますが、無印モンキツノカメムシの方は窪みが無く半月形、或いは、三角形に近い形になります。尤も、カメムシの掲示板「カメムシBBS」の議論を読むと、この紋の形には中間形があり、判別の難しい場合は、触角を見て、触角第1節と2節がほぼ同長ならエサキ、第2節の方が長ければ無印だそうです。また、肩の角の形による判別法も紹介されていました。無印の方がエサキより長く張り出していながら先端は丸みを帯びているとのことです。しかし、これは比較表現ですから、両方の写真か標本が無ければ適用出来ません。
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横から見たエサキモンキツノカメムシ
(写真クリックで拡大表示)
(2010/02/22)

 このツノカメムシの和名に付いている「エサキ」は、種名のesakii(「エサキの」の意)から来ていると考えて良いでしょう。「エサキ」とは、ほぼ間違いなくかつての昆虫学の大御所、江崎悌三氏のことと思われます。従って、エサキモンキツノカメムシは、漢字で書くと「江崎紋黄角亀虫」となります。
 なお、記載者も江崎氏であると書いているサイトもありますが、記載者が種名に自分の名を付けることはありません。学名を全部書くと、「Sastragala esakii Hasegawa, 1959」となり、記載者(命名者)は長谷川氏です。しかし、1959年とは随分最近のことで、一寸驚きです。江崎氏は1957年に逝去されていますので、その追悼の意味でesakiiと種名を付けたのかも知れません。
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エサキモンキツノカメムシの横顔.複眼が銀色
(写真クリックで拡大表示)
(2010/02/22)

 ところで、このカメムシ、肩が尖っていてまるで裃を着ている様な格好です。また、黄紋は背中の真ん中にあり家紋を思わせます。そこで、私はこのカメムシの名をず~とエサキモンツキノカメムシ(江崎紋付之亀虫)だと思っていました。誤りに気が付いたのは、かなり最近のことです。私は子供の頃からこの手の過誤を時々犯します。読者諸氏も御用心下さい。
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エサキモンキツノカメムシの顔写真
銀色の複眼と赤い単眼が印象的
(写真クリックで拡大表示)
(2010/02/22)

 最後に、このカメムシの習性等について一寸書いておきます。全農教の「日本原色カメムシ図鑑」の解説には、「成虫はミズキ、クマノミズキ、コシアブラ、ウド、ケンポナシ、ハゼノキ、カラスザンショウ、ツタウルシなどの植物で得られるが、繁殖は大部分ミズキ上で行われる」と書かれています。幼虫はミズキに寄生し、成虫になると食物スペクトルが広くなるのでしょう。なお、雌成虫は、卵や幼虫の保護をする習性があるそうです。
 久しぶりに大きく綺麗な虫に出合ってすっかり感激し、写真を沢山撮ってしまいました。以下、カメムシ君の雄姿?をお楽しみ下さい。。
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カメムシ君の雄姿.関取の土俵入り?
(写真クリックで拡大表示)
(2010/02/22)

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カメムシ君の雄姿?(その2)
(写真クリックで拡大表示)
(2010/02/22)

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カメムシ君の雄姿?(その3)
(写真クリックで拡大表示)
(2010/02/22)

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カメムシ君の雄姿?(その4)
(写真クリックで拡大表示)
(2010/02/22)

 昔撮った写真は沢山ありますが、今年の写真はそろそろ底を付きそうです。今日は久しぶりに天気が良いので、散歩がてら、カメラを持って虫撮りに出掛けることにします。

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2010年3月10日 (水)

シバツトガ(Parapediasia teterella

 今日は、また一昨年(2008年)の写真です。シバツトガ(Parapediasia teterella)、ツトガ科(Crambidae)ツトガ亜科(Crambinae)に属す小さな蛾で、芝の害虫としてよく知られています(以前はメイガ科ツトガ亜科とされていました)。
 撮影したのは七丁目の世田谷区の家庭菜園(第2)、9月の上旬ですからまだ暑い盛りです。この時は、かなりの数が飛んでいましたが、昨年は余り見なかった様に記憶しています。年により、発生量にかなりの変動があるのかも知れません。

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七丁目の家庭菜園に居たシバツトガ
シバの害虫として知られている
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(2008/09/08)

 白っぽい蛾で、翅の大部分には明瞭な斑紋は有りませんが、前翅の翅端近くに小さな暗色斑が等間隔で並ぶのが特徴です。
 小蛾と云っても、下唇鬚(頭部の前方に突き出ている刷毛の様なもの)の先端から翼端まで約8mmです。このWeblogで紹介している昆虫としては大きな方で、この程度の大きさがあると写真を撮る方も気が楽です。
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前翅の翅端付近に暗色の小班が規則的に並ぶ
前翅の中央付近に不明瞭な暗色斑がある
一部に黄色い鱗粉が認められる
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(2008/09/08)

 このシバツトガ、手元の蛾類図鑑や幼虫圖鑑には載っていません。と云うのは、この蛾は1964年に米国ジョージア州から芝と共に入った、かなり新しい移入種だからです(ビンボーなので新しい図鑑は買えません)。
 芝の害虫としてかなり恐れられている様です。しかし、この家庭菜園には芝は植えられていません。かなりの数が居たところを見ると、菜園の隅に生えているイネ科の雑草に寄生していた可能性もあります。
 よく考えてみると、近くに芝を植えた生産緑地があります。恐らく、そこからやって来たと考える方が順当でしょう。
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前から見たシバツトガ.一寸首を傾げている
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(2008/09/08)

 家庭菜園は、色々な虫が居るので、私にとっては有難い撮影場所です。しかし、必然的に菜園に植えられた野菜に付く虫が多いので、その結果として農業害虫(例えば、ウリハムシホソヘリカメムシ)の紹介をしている様な感じになってしまいます。今後も農業害虫を扱う機会が多いと思いますが、まァ、それはそれで役に立つかも知れません。

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2010年3月 9日 (火)

ヒメコバネナガカメムシ(dimorphopterus bicoloripes
(その2)

 先日、「コカニグモ」のところで書いた様に、「七丁目緑地」に生えているケヤキの樹皮下にはヒメコバネナガカメムシが集団越冬していました。このカメムシは、既に一昨年の暮れに掲載してあるので撮影しなかったのですが、改めてその時の記事を見ると、写真は僅か2枚、しかも背面からの写真だけなので、再度掲載すべく、撮り直しに行って来ました。
 ヒメコバネナガカメムシ(dimorphopterus bicoloripes)はナガカメムシ科(Lygaeidae)Blissinae亜科に属し、体長約3.5mmとかなり小型です。

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「七丁目緑地」のケヤキの樹皮下で越冬するヒメコバネナガカメムシ
全部で15頭と余り大きな集団ではない
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(2010/02/22)

 コカニグモを撮影した時にはかなり沢山居たのですが、今回は大部数が減っていました。前回、樹皮を剥がした所にいた虫が、まだ剥がしていない樹皮下に逃げ込んで、かなり密度が上がっているのではないかと思ったのですが、そうは問屋が卸さなかった様です。一番密集して居て上の写真程度、僅か15頭で、しかも分散しています。これで「集団越冬」と言うのは、一寸大袈裟かも知れません。
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別の場所で越冬するヒメコバネナガカメムシ
(写真クリックで拡大表示)
(2010/02/22)

 こう云う密集した虫を焦点深度の浅い一眼レフで撮るのは結構大変です。個々の虫の位置にかなり凹凸があり、中々全面に焦点が合わないのです。上の写真は、幸い一つの平面上に9頭が密集していて、何とか全面に焦点を合わせて撮ることが出来ました(一番下の個体は一寸ボケていますが・・・)。これは、「七丁目緑地」ではなく、以前紹介した「ムツボシテントウ」を撮影した、緑地近くの裏道に生えているケヤキの樹で撮りました。
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ヒメコバネナガカメムシ.体長は3.5mmと小さい
「七丁目緑地」のケヤキで撮影(以下同じ)
(写真クリックで拡大表示)
(2010/02/22)

 このヒメコバネナガカメムシと云うのは、一寸変なカメムシです。全農教の「日本原色カメムシ図鑑」には載っていません。以前掲載したときは、カメムシの掲示板「カメムシBBS」で探して漸くヒメコバネナガカメムシであることが分かった次第です。
 この掲示板は、2004年11月12日から始められており、その中でこのカメムシが最初に現れるのは2006年5月24日です。質問されているのは、某掲示板を主催しておられる虫に大変詳しい方で、この方が御存じなかったと云うのは、恐らく、それ以前はカメムシ専門の人以外には知られていない種類だったのでしょう。実際、その時の応答で「あまり記録はないように思いますが,私も今年の春にケヤキの樹皮下で越冬しているのを観察しました」とあり、また、この掲示板のそれ以降の記事を見ると、何処で採れるのか産地を教えて欲しい、と云う様なことも書かれています。当時、と云っても僅か4年前ですが、その頃はまだ珍しい種類だった様です。
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横から見たヒメコバネナガカメムシ.かなり毛深い
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(2010/02/22)

 それが、今では極く普通種、この辺りのケヤキやムクノキの樹皮を剥がせば容易に見付かります。最近は、温暖化のせいか否かは別として、御時勢に応じて?昆虫相もかなり「乱れている」様ですから、その1例なのかも知れません。
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ヒメコバネナガカメムシの顔.矢鱈にデコボコしている
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(2010/02/22)

 しかし、ケヤキ等の樹皮下で越冬しているヒメコバネナガカメムシを探すのは容易でも、活動期の個体は相変わらず中々見付からないそうです。その生態は良く分かって居らず、寄主もイネ科植物であろうと推測されているらしいですが、未だにハッキリはしていない様です。
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斜め上から見たヒメコバネナガカメムシ
アンシャープで誤魔化している
(写真クリックで拡大表示)
(2010/02/22)

 今回は、目的とする虫が小さいので、2倍のテレプラスを挟んで撮影しました。しかし、撮れた写真を見ると思ったほど解像度は上がっておらず、些かガッカリしました。キャノンの例のシステムを使えば遙かにスッキリした写真が撮れると思いますが、一寸高価過ぎます。費用を掛けず、大袈裟にならない高解像度システムを少し真剣に考える必要がある様です。
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オマケにもう1枚.背中の中心は少しボケており
脛節も焦点を外れている.深度が浅いのである
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(2010/02/22)

 このヒメコバネナガカメムシを撮影したのは、先日紹介したキイロクビナガハムシムツボシテントウと同じ日です。この日は、実は、他にもっと大きな越冬中の新顔カメムシを見付けたのです。まだ、写真の整理が出来ていませんが、近日中に紹介する予定です。

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2010年3月 8日 (月)

キョウコシマハナアブ(Eristalis kyokoae)(雌:黒色型)

 一昨年に撮影した写真を整理したところ(まだ終わっていません)、未掲載の写真が思ったよりも沢山ありました。そこで、これから暫くは今年撮った写真と交互に紹介することにします。このWeblogには殆ど日記の要素はありませんので、それでも構わないでしょう。
 先ずは、キョウコシマハナアブの黒色型から。複眼間が開いていますから雌です。

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菊の花にやってきたキョウコシマハナアブ(雌)
黒色型で、腹部の黄紋は消えている
胸背には暗色の幅広い帯がある
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(2008/11/23)

 撮影したのは一昨年(2008年)の11月23日、場所は七丁目にある世田谷区の家庭菜園で、隣の家の壁に沿って植えられている菊の花に来ていたものです。ここの菊には毎年多くの双翅目昆虫が訪花していて、これまでにも多くの種類を紹介してきました。
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顔面には明確な縦の黒条(黒色中条)が認められない
前脛節の毛は短く、且つ、疎ら
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(2008/11/23)

 「キョウコシマハナアブ」と云うのは余り聞き慣れない名前かも知れません。しかし、実際はこの辺りにも沢山居る極く普通の種類で、ナミハナアブやシマハナアブ等と混在して一緒に花粉を舐めています。
 検索するとある程度ヒットします。しかし、その大半は恐らく根拠のない判断でしょう。と云うのは、体のある部分がかなり高精度で写っていないと、シマハナアブとの区別が出来ないからです。
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前腿節には長い毛がある様にみえるが
前脛節に長毛は認められない
(写真クリックで拡大表示)
(2008/11/23)

 実は、私もこのハナアブの正体が分からず、双翅目の掲示板「一寸のハエにも五分の大和魂」に御伺いを立てて漸くキョウコシマハナアブであることが判明した次第です。
 ナミハナアブやシマハナアブの属すEristalis属 では、腹部背面の模様は殆ど同定の役には立ちません。顔の黒色中条(顔の真ん中にある縦の黒条)の有無や脚の色、小楯板や脚の毛などを見て判断します。
 ナミハナアブは翅に褐色の紋があり、顔の黒色中条は幅広く明らかなので区別が付きます。スルスミシマハナアブ、カオスジコモンシマハナアブ、カトウハナアブも黒色中条が明確です。一方、シマハナアブやキョウコシマハナアブでは、何れもこの黒色中条が薄くて不明瞭となります。
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前脛節に花粉がかなり付いているが毛は立っていない
このハナアブの触角が有毛であることが分かる
(写真クリックで拡大表示)
(2008/11/23)

 シマハナアブとキョウコシマハナアブの見分け方は、先の掲示板でPakenya氏に教えていただきました。前脛節の毛の生え方で区別するのだそうです。シマハナアブでは、前脛節の外側に脛節の幅と同じ位の長い毛が密生しており、しかも、この毛は立ち気味です。これに対して、キョウコシマハナアブでは、毛はずっと短く、また斜めに寝ており、且つ、シマハナアブよりかなり疎になるのだそうです。
 今日のハナアブの写真を見ると、前掲節の毛は短く疎らです。従って、シマハナアブではなく、キョウコシマハナアブと云うことになります。
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オマケにもう1枚.複眼には毛が生えている
(写真クリックで拡大表示)
(2008/11/23)

 何も形容が付かない只のシマハナアブは、まだこのWeblogでは紹介していません。しかし、比較の為に掲載する必要がありそうです。どうも、この手のハナアブが来ても余り撮影する気がしないのですが、今年は撮ってみることにします。

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