カテゴリー「昆虫」の3件の記事

2009年12月21日 (月)

ウスキホシテントウ

 前回の更新をした4月14日から8ヶ月と少々、すっかりサボってしまいました。まァ、2ヶ月は出張なので仕方ありませんが、その後の6ヶ月は全くのサボりです。一旦、サボり始めるとクセになって中々元に戻らなくなります。困ったものです。
 ・・・と云うことで、今日から此方のWeblogを再開します。一つには、もう一つの私のWeblogである「我が家の庭の生き物たち」が現在慢性的なネタ切れ状態に陥っており、今日やっと更新しましたが、今後寒い間は余り更新できそうもないからでもあります。
 一昨日、久しぶりに「四丁目緑地」へ行ってきました。一番沢山居たのはチャタテムシの仲間ですが、今日はその前に越冬中のテントウムシを紹介します。

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ウスキホシテントウ.ケヤキの樹皮下に居た
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2009/12/19)

 テントウムシ科テントウムシ亜科に属すウスキホシテントウ(Oenopia hirayamai)です。「四丁目緑地」に植えられているケヤキの樹皮下に居ました。体長3mm弱のやや小さなテントウムシです。これまで、この辺り(東京都世田谷区西部)では見たことがありません。
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側面は歯車の様なデコボコ模様をしている
(2009/12/19)

 Internetでこのテントウムシを検索してみると、多くは冬の越冬期に撮影した写真が掲載されています。活動期には余り見つからないテントウムシの様です。以前紹介したヒメヨコバイ類やチャタテムシ類も、越冬期以外に見たことはありません。活動期には、樹木の高い所で生活しているのかも知れません。
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多くのテントウムシは可愛い顔をしている
(2009/12/19)

 よく似た種類に、同属(Oenopia)のムツキボシテントウがあります(Oenopia属は、九州大学の日本産昆虫目録ではこの2種のみです)。上翅(鞘翅)側面の模様が歯車の様にデコボコしているのがウスキホシテントウで、浅い波形になっているのがムツキボシテントウだそうです。
 テントウムシには「ホシ(星)」の名が付く種類が沢山あります。しかし、ムツキシテントウは「六・黄星天道」、ウスキシテントウは「薄黄・星天道」らしく、前者では「ホシ」が濁って「ボシ」となっていますが、後者では「ホシ」のままです。
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寒いせいかジッとして全く動かなかった
(2009/12/19)

 この個体、樹皮下に居たと書きましたが、剥がした皮の方に付いていました。寒いせいか写真を撮る間、全く動きません。御蔭で非常に楽に写真を撮ることが出来ました。
 しかし、撮影が終わって元に返そうとしても、剥がした樹皮の方に付いているので戻すことが出来ません。其処で、木の根元の陽の当たる所に置いてきました。陽が当たって体が温まれば、やがて動き出して何処かへ隠れるでしょう。
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オマケにもう一枚
(2009/12/19)

 どうも最近はすっかり横着になってしまい、文章を書くのが面倒でいけません。写真は、昨年撮った未掲載のものがまだ沢山残っている位で、十二分あります。出来るだけ文章は簡単にして、更新頻度を高めるべきでしょう。

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2009年4月14日 (火)

お知らせ+シマバエ科のProtrigonometopus maculifrons

 明日(平成21年4月15日)より東南アジア方面に2ヶ月程度出張致します。その準備や何やらでこの1ヶ月ほど非常に忙しく、更新はおろか写真を調整する時間もありませんでした。
 結果として、このWeblogもその間暫く御休となります。春に撮った写真がまだ沢山残っているのですが、致し方ありません、来年の春にでも回すことにしましょう。
 写真が無いのも寂しいので、昨年の晩秋(12月4日)に撮ったシマバエ科(Lauxaniidae)シマバエ亜科(Lauxaniinae)のProtrigonometopus maculifronsの写真を出しておきます。撮影したのは「三丁目緑地」の上面にあるシャクチリソバの群落で、時刻は16:21、東京のこの日の日没は16:28分なので、日没直前です。もうかなり薄暗くなっており、虫が良く見えなかったのですが、撮影した写真を見てみると中々綺麗なハエです。ハエは複数居たにも拘わらず、使える写真はこの1枚しか無かったので、その後買い物がてら2~3日様子を見に行ったのですが、再度見付けることは出来ませんでした。

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シマバエ科のProtrigonometopus maculifrons
(クリックで拡大表示)
(2008/12/04)

 このWeblogとしてはやや大きめのハエで、体長は4mm、翅端まで5.5mm。頭部の剛毛配列や脛節端に剛毛を持つことから、シマバエ科であることは明らかです。しかし、その先は良く分かりませんでした。脛節端付近に2本の剛毛を持つのでHomoneura属かと思ったのですが、背面からの写真1枚では良く分かりません。そこで、何時も御世話になっている双翅目の掲示板「一寸のハエにも五分の大和魂」に御伺いを立ててみました。すると、市毛氏より、このハエはProtrigonometopus属の様で、日本産Protrigonometopus属の種類数や分布から、Protrigonometopus maculifronsではないか、との御回答を頂きました。
 氏によると、「恐らく,北海道~本州に分布しているのは、P. maculifronsP. sexliturisの2種」で、「P. maculifronsは頭部が三角形に近く,触角刺毛は黒色微毛を装い太く見え」、「顔の中央部に1対の大きな斑紋を備え」ており、「日本,北朝鮮,中国に分布、皇居でも確認されている」とのことです、一方、P. sexliturisの方は、頭部が三角形状ではなく、触角刺毛は肥大せず、また、顔の両側には1対の小さな斑紋,触角下部と口器上部にも1対の斑紋を備え、沿海地方と日本に分布するのだそうです。
 写真のハエは、触角刺毛が太いですし、東京付近ではP. maculifronsの記録が彼方此方にあるのに対し、P. sexliturisは全く見つかりませんでした。どうやらこのハエはP. maculifronsで決まりの様です。

 それでは皆様、暫くの御無沙汰となります。春の天候は気まぐれですので、御風邪等召されぬ様、何卒御自愛下さい。

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2009年3月29日 (日)

ヒゲユスリカ族(Tanytarsini)の1種

 この春撮った虫の写真はまだあるのですが、調整が出来ていません。そこで、昨年の1月に撮影した越冬中の虫を出すことにしました。
 この虫、何故今まで掲載しなかったのかと言うと、長い間正体不明だったからです。最初見付けたのは「三丁目緑地」に生えているヤツデの葉裏で、体長約2mmの小さな虫がワサワサと這い回る感じで歩いていました。マクロレンズで覗いた最初の印象は、非常に長い前脚を触角と見間違えたせいもあり、奇怪な格好をした捕食性の虫と言う感じでした。この時は直ぐに逃げられてしまったので、充分写真を撮ることが出来ませんでした。

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ヒゲユスリカ族の1種.前脚が非常に長い
ヤツデの葉裏に居た.体長は2mmと小さい
(クリックで拡大表示、以下同じ)
(2008/01/11)

 数日後に、同じく「三丁目緑地」のビワの葉裏で同種と思われる虫を見付けました。この時はシッカリ撮ることが出来たのですが、毛の生えた翅、翅よりも短く太い腹部、異常に長い前脚・・・、一体何者なのか全く分かりません。目(分類学の目、綱の下、科の上)のレベルで分からないと言う最悪の事態に陥ってしまいました。
 しかし、良く見てみると、横からみた頭部胸部はガガンボなどに似ており、また、平均棍を持っています。触角は明らかに3節を越えていますから、双翅目糸角亜目(広義の蚊の仲間)であることは確かの様です。しかし、その先の科の検索は、虫が小さ過ぎることと翅に毛が生えていて翅脈が良く見えないことにより、全く不可能でした。
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ビワの葉裏を歩き回るヒゲユスリカ族の1種
翅にストロボの光が反射して構造色を生じている
上の写真とは別個体で別の日に撮影
(2008/01/14)

 ほぼ1年経ってから、「ユスリカの世界」と言う本を見たところ、どうもこれはユスリカ科(Chironomidae)の虫の様に思われてきました。しかし、「ユスリカ科」で検索しても此処に掲載した写真と似た様な虫は見当たりません。そこで「Chironomidae」で海外の写真を探してみると、Tanytarsus pallidicornisと言う、掲載の写真に非常に良く似たユスリカが見つかりました。Tanytarsusの和名はヒゲユスリカ属です。
 しかし、「ユスリカの世界」のヒゲユスリカ属の解説を読むと、此処に掲載した写真の虫とは一寸違う様です。そこで、もう一度この本にあるユスリカ科の検索表を辿ってみると、かなり怪しげですが、ユスリカ亜科(Chironominae)のヒゲユスリカ族(Tanytarsini:ヒゲユスリカ属Tanytarsusより一つ上のレベル)に属す可能性が高い様に思われました。
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上の写真と同一個体(以下同じ)
前から見ると変な顔をしている
(2008/01/14)

 次は、例によって双翅目の掲示板「一寸のハエにも五分の大和魂」に、ヒゲユスリカ族の1種ではないか、との御伺いを立てることと相成ります。
 すると、たちどころにユスリカの専門家であるエリユスリカ氏より、「写真からの判定では、ヒゲユスリカ族の一種までしか判りません。(中略)。残念ながらヒゲユスリカ族には外見では属までは識別するのは困難です。雄生殖器を見れば一瞬で属までは判るのですが。色彩も似たものが沢山います。黄白色のものが殆どです」との御回答を得ました。
 これで、漸く「ヒゲユスリカ族の1種」と安心して書くことが出来ます。これもみな、エリユスリカ氏の御蔭です。
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斜め前から見たヒゲユスリカ族の1種
平均棍が良く見える
(2008/01/14)

 このヒゲユスリカ、越冬中の個体は少なく、この2頭しか見ることが出来ませんでした。しかし、5月中下旬に「三丁目緑地」と「三ツ池緑地」内の草むらを歩いたところ、今度は正にウンカが沸き上がるが如く沢山出て来ました(同種か否かは分かりませんが、外見的には同じでした)。冬とは違い非常に機敏で、葉に留まるや否やアッと言う間に葉裏に逃げ込んでしまいます。かなり粘ったのですが、まともな写真は1枚も撮れませんでした。
 先のエリユスリカ氏の御話では、「5月頃にヒゲユスリカ属[族?]は水田脇の水路、溜め池等から非常に沢山出てきます。平地ではこの時期がこの族のピーク期です」とのことですから、この点でも一致しています。
 この2つの緑地には何れもかなり水量のある泉があります。どうやら、そこから発生している様です。
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横から見ると頭部胸部はガガンボなどと似ている
翅の上に毛が生えているのが見える
(2008/01/14)

 釣りの餌にする赤虫は、主にアカムシユスリカの幼虫です。このアカムシユスリカやオオユスリカ、セスジユスリカなどは1cmかそれ以上もある大型のユスリカです。しかし、ユスリカ科には2mm以下の小型の種類も沢山います。Web上にあるユスリカの生態写真と言えば大型のユスリカばかりで、今日紹介した様な小型種の写真は皆無に近い状態です。写真から種まで落とすのは、ユスリカの場合、通常は無理ですが、族や属のレベルまでなら何とかなるかも知れません。これからは、ユスリカ類の写真も撮ってみようかと思っています。

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